最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

文字の大きさ
278 / 382
第13章 魔獣と古代人

9【魔方陣を探せ】

しおりを挟む
<<マサル視点>>
人工衛星で魔方陣を探し始めてから数時間、思ったよりも早く探索は進み、砂漠のおおよそ1/3ほどをチェックできた。

今のところ他には魔方陣は見つかっていないが、何ヶ所か気になる場所を見つけた。

魔素が少し濃いのだ。

Cランク程度の魔物であれば引っかからないように制御しているので、もしかしたらそれ以上強力な魔物がいるか、何か魔素を出すようなモノがあるに違いない。

人工衛星が探索したところはマッピングしてあるのでそれらの場所もチェックしてある。

時間が出来たらちょっと見に行ってみるか。



「おっ、この反応は!」

「マサル様、何か見つかりましたか?」

「ああ、魔方陣らしき強い魔素の反応がありました。

ここから南西の方角に100キロメートルほどのところですね。」

「100キロメートルですか。たぶんモーグル王国でもそこまでは把握できていない土地だと思います。」

「じゃあ、ちょっと見に行ってきますね。」

俺はフライの魔法を使って、その場所まで飛んで行った。

10分ちょっとで、目的地に到着した。
風魔法を風防代わりに使い、流れた風をブーストすることで大幅に速度を上げられるようになったのだ。


下に降りてみると、そこには赤い色に光る魔方陣があった。

「やばい、起動しているじゃないか!」

俺は魔方陣を中心として半径500メートルくらいに強力な結界を幾重にもかけた。

何回目かの結界の構築が終わったところで、魔方陣が大きく光り輝き、その中から、大量の魔物が湧き出て来たのだ。



「ふう、危なかった。もう少しで魔物のスタンピードが起こるところだった。

うん? やばい、何かやたらと大きい魔力が、真後ろからこっちに向かってくる。」

魔力が向かってくる方向を確認するが、何も見えない。
しかし確実にその大きな魔力はものすごいスピードで近づいてきている。

「砂の下?」

俺はその場から50メートルほど飛び退く。

その瞬間、さっきまで俺が立っていた場所の砂地が割れ、大きな溝となって結界の中に伸びていく。

やがて、結界の中で止まった溝から巨大な砂煙が現れ、結界中を砂煙で埋めてしまう。

唖然としている間に砂煙は徐々に収まってきて、その真相が明らかになった。



<<ライズ視点>>
マサル様が飛んで行って、およそ1時間が経ったころ、南西の方向から物凄い速度でこちらに向かって来る飛行物が見えた。

ゴマ粒のようなそれは、あっという間にマサル様の姿になり、俺達の目の前に降りて来られた。

「皆さん、お待たせしました。

今回の魔獣騒動の件、だいたい状況が分かってきましたよ。」

ニコニコしながら、マサル様が話し掛けてこられた。

本当にこの方は、不思議なお方だとつくづく思う。

「マサル様、お疲れ様でした。
ところで、何が分かったのでしょうか?」

「ええ、ここから南西に100キロメートルほど行ったところに、魔方陣がありました。

そして、その魔方陣が発動すると、大量の魔物がそこに出現したんです。」

「えええっ、スタンピードに備えるように連絡してきます。」

マライが顔面蒼白で走り出そうとするのをマサル様が止める。

「ああ、マライさん。
行かなくても大丈夫ですよ。

スタンピードは、始まりませんからね。

魔方陣が発動しそうだったんで、結界で辺りを囲って魔物が外に出ないようにしましたから。

それで、結界にたくさんの魔物を捕まえた形になったんですけど、その後、とんでもないことが起こったんです。」

「ごくっ」

俺達は、マサル様の次の言葉を固唾を飲んで待つ。

「結界内に捕らえた魔物の集団を、砂の下を外側から猛スピードで走って来たキメラが襲ったのです。

皆さんが目撃された光景が、わたしの目の前でも起きました。

一応映像として残してありますので、後で検証しましょうか。」

俺達は、マサル様の言葉にしばらく唖然としたが、先に復帰したマライがなんとか言葉を発した。

「そっ、それで、そのキメラは?」

「そいつは砂の下から上がるとビッグモスに食らいつきました。

その時点で、結界とわたしの存在に気付いたようでしたが、すぐに興味を失ったようで、そのまま魔物達をひたすら喰っていました。

そして全ての魔物を喰らい尽くすと、また砂に潜って物凄いスピードで移動を始めました。

わたしはそれを追いかけました。キメラはその身体の大きさからは想像もできない程のスピードで砂の下を進むため、皆さんが消えたと思っても不思議はなかったと思います。

そのまま追跡していくと、キメラが地上に出現し、魔方陣に吸い込まれていきました。

そう、そこには別の魔方陣があったのです。


その魔方陣は大量の魔物を召喚した魔方陣よりも少し複雑で、2段重ねになっていました。

それは、はるか古代文明時代に使われ、現在では完全に失われた技術、『複合魔方陣』と呼ばれるものでした。

現在の魔方陣よりも精緻な記述が必要であり、その起動には莫大な魔力が必要となるため、もし見つけたとしても現代人には起動は難しいでしょう。

それはたとえ魔族であったとしても。



そしてその傍には、魔方陣を起動したであろうひとりの青年が立っていました。」


しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...