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第13章 魔獣と古代人
9【魔方陣を探せ】
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<<マサル視点>>
人工衛星で魔方陣を探し始めてから数時間、思ったよりも早く探索は進み、砂漠のおおよそ1/3ほどをチェックできた。
今のところ他には魔方陣は見つかっていないが、何ヶ所か気になる場所を見つけた。
魔素が少し濃いのだ。
Cランク程度の魔物であれば引っかからないように制御しているので、もしかしたらそれ以上強力な魔物がいるか、何か魔素を出すようなモノがあるに違いない。
人工衛星が探索したところはマッピングしてあるのでそれらの場所もチェックしてある。
時間が出来たらちょっと見に行ってみるか。
「おっ、この反応は!」
「マサル様、何か見つかりましたか?」
「ああ、魔方陣らしき強い魔素の反応がありました。
ここから南西の方角に100キロメートルほどのところですね。」
「100キロメートルですか。たぶんモーグル王国でもそこまでは把握できていない土地だと思います。」
「じゃあ、ちょっと見に行ってきますね。」
俺はフライの魔法を使って、その場所まで飛んで行った。
10分ちょっとで、目的地に到着した。
風魔法を風防代わりに使い、流れた風をブーストすることで大幅に速度を上げられるようになったのだ。
下に降りてみると、そこには赤い色に光る魔方陣があった。
「やばい、起動しているじゃないか!」
俺は魔方陣を中心として半径500メートルくらいに強力な結界を幾重にもかけた。
何回目かの結界の構築が終わったところで、魔方陣が大きく光り輝き、その中から、大量の魔物が湧き出て来たのだ。
「ふう、危なかった。もう少しで魔物のスタンピードが起こるところだった。
うん? やばい、何かやたらと大きい魔力が、真後ろからこっちに向かってくる。」
魔力が向かってくる方向を確認するが、何も見えない。
しかし確実にその大きな魔力はものすごいスピードで近づいてきている。
「砂の下?」
俺はその場から50メートルほど飛び退く。
その瞬間、さっきまで俺が立っていた場所の砂地が割れ、大きな溝となって結界の中に伸びていく。
やがて、結界の中で止まった溝から巨大な砂煙が現れ、結界中を砂煙で埋めてしまう。
唖然としている間に砂煙は徐々に収まってきて、その真相が明らかになった。
<<ライズ視点>>
マサル様が飛んで行って、およそ1時間が経ったころ、南西の方向から物凄い速度でこちらに向かって来る飛行物が見えた。
ゴマ粒のようなそれは、あっという間にマサル様の姿になり、俺達の目の前に降りて来られた。
「皆さん、お待たせしました。
今回の魔獣騒動の件、だいたい状況が分かってきましたよ。」
ニコニコしながら、マサル様が話し掛けてこられた。
本当にこの方は、不思議なお方だとつくづく思う。
「マサル様、お疲れ様でした。
ところで、何が分かったのでしょうか?」
「ええ、ここから南西に100キロメートルほど行ったところに、魔方陣がありました。
そして、その魔方陣が発動すると、大量の魔物がそこに出現したんです。」
「えええっ、スタンピードに備えるように連絡してきます。」
マライが顔面蒼白で走り出そうとするのをマサル様が止める。
「ああ、マライさん。
行かなくても大丈夫ですよ。
スタンピードは、始まりませんからね。
魔方陣が発動しそうだったんで、結界で辺りを囲って魔物が外に出ないようにしましたから。
それで、結界にたくさんの魔物を捕まえた形になったんですけど、その後、とんでもないことが起こったんです。」
「ごくっ」
俺達は、マサル様の次の言葉を固唾を飲んで待つ。
「結界内に捕らえた魔物の集団を、砂の下を外側から猛スピードで走って来たキメラが襲ったのです。
皆さんが目撃された光景が、わたしの目の前でも起きました。
一応映像として残してありますので、後で検証しましょうか。」
俺達は、マサル様の言葉にしばらく唖然としたが、先に復帰したマライがなんとか言葉を発した。
「そっ、それで、そのキメラは?」
「そいつは砂の下から上がるとビッグモスに食らいつきました。
その時点で、結界とわたしの存在に気付いたようでしたが、すぐに興味を失ったようで、そのまま魔物達をひたすら喰っていました。
そして全ての魔物を喰らい尽くすと、また砂に潜って物凄いスピードで移動を始めました。
わたしはそれを追いかけました。キメラはその身体の大きさからは想像もできない程のスピードで砂の下を進むため、皆さんが消えたと思っても不思議はなかったと思います。
そのまま追跡していくと、キメラが地上に出現し、魔方陣に吸い込まれていきました。
そう、そこには別の魔方陣があったのです。
その魔方陣は大量の魔物を召喚した魔方陣よりも少し複雑で、2段重ねになっていました。
それは、はるか古代文明時代に使われ、現在では完全に失われた技術、『複合魔方陣』と呼ばれるものでした。
現在の魔方陣よりも精緻な記述が必要であり、その起動には莫大な魔力が必要となるため、もし見つけたとしても現代人には起動は難しいでしょう。
それはたとえ魔族であったとしても。
そしてその傍には、魔方陣を起動したであろうひとりの青年が立っていました。」
人工衛星で魔方陣を探し始めてから数時間、思ったよりも早く探索は進み、砂漠のおおよそ1/3ほどをチェックできた。
今のところ他には魔方陣は見つかっていないが、何ヶ所か気になる場所を見つけた。
魔素が少し濃いのだ。
Cランク程度の魔物であれば引っかからないように制御しているので、もしかしたらそれ以上強力な魔物がいるか、何か魔素を出すようなモノがあるに違いない。
人工衛星が探索したところはマッピングしてあるのでそれらの場所もチェックしてある。
時間が出来たらちょっと見に行ってみるか。
「おっ、この反応は!」
「マサル様、何か見つかりましたか?」
「ああ、魔方陣らしき強い魔素の反応がありました。
ここから南西の方角に100キロメートルほどのところですね。」
「100キロメートルですか。たぶんモーグル王国でもそこまでは把握できていない土地だと思います。」
「じゃあ、ちょっと見に行ってきますね。」
俺はフライの魔法を使って、その場所まで飛んで行った。
10分ちょっとで、目的地に到着した。
風魔法を風防代わりに使い、流れた風をブーストすることで大幅に速度を上げられるようになったのだ。
下に降りてみると、そこには赤い色に光る魔方陣があった。
「やばい、起動しているじゃないか!」
俺は魔方陣を中心として半径500メートルくらいに強力な結界を幾重にもかけた。
何回目かの結界の構築が終わったところで、魔方陣が大きく光り輝き、その中から、大量の魔物が湧き出て来たのだ。
「ふう、危なかった。もう少しで魔物のスタンピードが起こるところだった。
うん? やばい、何かやたらと大きい魔力が、真後ろからこっちに向かってくる。」
魔力が向かってくる方向を確認するが、何も見えない。
しかし確実にその大きな魔力はものすごいスピードで近づいてきている。
「砂の下?」
俺はその場から50メートルほど飛び退く。
その瞬間、さっきまで俺が立っていた場所の砂地が割れ、大きな溝となって結界の中に伸びていく。
やがて、結界の中で止まった溝から巨大な砂煙が現れ、結界中を砂煙で埋めてしまう。
唖然としている間に砂煙は徐々に収まってきて、その真相が明らかになった。
<<ライズ視点>>
マサル様が飛んで行って、およそ1時間が経ったころ、南西の方向から物凄い速度でこちらに向かって来る飛行物が見えた。
ゴマ粒のようなそれは、あっという間にマサル様の姿になり、俺達の目の前に降りて来られた。
「皆さん、お待たせしました。
今回の魔獣騒動の件、だいたい状況が分かってきましたよ。」
ニコニコしながら、マサル様が話し掛けてこられた。
本当にこの方は、不思議なお方だとつくづく思う。
「マサル様、お疲れ様でした。
ところで、何が分かったのでしょうか?」
「ええ、ここから南西に100キロメートルほど行ったところに、魔方陣がありました。
そして、その魔方陣が発動すると、大量の魔物がそこに出現したんです。」
「えええっ、スタンピードに備えるように連絡してきます。」
マライが顔面蒼白で走り出そうとするのをマサル様が止める。
「ああ、マライさん。
行かなくても大丈夫ですよ。
スタンピードは、始まりませんからね。
魔方陣が発動しそうだったんで、結界で辺りを囲って魔物が外に出ないようにしましたから。
それで、結界にたくさんの魔物を捕まえた形になったんですけど、その後、とんでもないことが起こったんです。」
「ごくっ」
俺達は、マサル様の次の言葉を固唾を飲んで待つ。
「結界内に捕らえた魔物の集団を、砂の下を外側から猛スピードで走って来たキメラが襲ったのです。
皆さんが目撃された光景が、わたしの目の前でも起きました。
一応映像として残してありますので、後で検証しましょうか。」
俺達は、マサル様の言葉にしばらく唖然としたが、先に復帰したマライがなんとか言葉を発した。
「そっ、それで、そのキメラは?」
「そいつは砂の下から上がるとビッグモスに食らいつきました。
その時点で、結界とわたしの存在に気付いたようでしたが、すぐに興味を失ったようで、そのまま魔物達をひたすら喰っていました。
そして全ての魔物を喰らい尽くすと、また砂に潜って物凄いスピードで移動を始めました。
わたしはそれを追いかけました。キメラはその身体の大きさからは想像もできない程のスピードで砂の下を進むため、皆さんが消えたと思っても不思議はなかったと思います。
そのまま追跡していくと、キメラが地上に出現し、魔方陣に吸い込まれていきました。
そう、そこには別の魔方陣があったのです。
その魔方陣は大量の魔物を召喚した魔方陣よりも少し複雑で、2段重ねになっていました。
それは、はるか古代文明時代に使われ、現在では完全に失われた技術、『複合魔方陣』と呼ばれるものでした。
現在の魔方陣よりも精緻な記述が必要であり、その起動には莫大な魔力が必要となるため、もし見つけたとしても現代人には起動は難しいでしょう。
それはたとえ魔族であったとしても。
そしてその傍には、魔方陣を起動したであろうひとりの青年が立っていました。」
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