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第14章 そして神になった
3【酒乱の3人 1】
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<<シール視点>>
運営課に移動になったのは200年ほど前のこと。
工作課から運営課に栄転だけでも初めてのケースだというのに、同時にわたしとポーラの2人もだってことで、工作課長の鼻息も荒く盛大な送別会で送り出された。
工作課の奇跡と云われるわたし達の栄転の理由は、マリスの受け持つラスク星の大成功にあるの。
あの星を作るのに功績があったというのが、今回の栄転の真相なのよね。
運営課からは成功する星の作り方に対するノウハウを期待されていたみたい。
でもさ、あの星ってマリスのチョンボも含めて問題が山積みだったんだよね。
マリスなんかもう壊す気になってたくらいだし。
あっ、わたしは止めたよ。
だって30億年くらいで諦めたらマリスの成績に響くじゃない。
だからせめて後10億年くらい待ったらって言ってあげたの。
そしたらちょうど10億年目に召喚したマサルさんが、奇跡を起こしてくれたわけ。
だってさ、あんなにボロボロだったあの星がゼウスさんの作ったアースと同じくらい高く評価されているんだからね。
文化は全く育たないし、瘴気があちこちから吹き出して住めない地域も多い。
魔族なんかもいて人間達を洗脳しようとしてるし、肝心の守護竜は魔族に眠らせられたまま起きないし。
よくあんな星が賞賛されるくらいになったと思うわ。
プロジェクト○に出てもおかしくないくらいにね。
残念ながらプロジェクト○は番組自体が終わっちゃったからマリスがゼウスさんみたいになることはないけど。
それであちこちからお呼びのかかったマリスが、わたし達のおかげだなんて言うものだから、わたし達までラスク星の功労者として祭り上げられたわけなのよ。
そんなこんなで花形の運営課に来たわけだけど、わたし達ってバリバリの体育会系じゃない。
インテリのエリート集団に混じって平気なはずないでしょ。
絶賛プチ鬱状態よ。
それでマリスを肴に憂さ晴らししてやろうと呑みに誘ったら、マサルさんも一緒に来るって言うじゃない。
早退して美容院に行って来たわよ。
ポーラは気合いの入ったスーツに着替えているし。
召喚者との恋愛は禁止されているんだけど、わたしが直接召喚したわけじゃないし、もう今の時点で運営課に就職が決まっているから、問題無いっていうか、今のうちに唾を付けとかなくちゃ。
<<ポーラ視点>>
マリスってやれば出来る娘だったんだ?
頭は良いかもしれないけど、鈍臭くて気が短くて……
うん、やっぱりマリスじゃなくてマサルさんが特別だったんだよね。
でもさ、最近のあの娘ってやけに輝いているんだ。
自信が付いたってやつ?
マサルさんの改革をあれだけ身近で見てたんだから、ノウハウも蓄えているみたいだし、やっぱり成功事例が人を育てるんだね。
ああ、これは工作課長の受け売りだけどね。
わたしにはこんな蘊蓄は無いよ。
マリスと一緒にラスク星を作ったのが40億年前だったかな。
あの頃はまだ3人共新人でさ、あんまりノウハウも持ってなくて大変だったわ。
つい最近までマリスの愚痴に付き合わされてたのが懐かしい。
最近はマリスも忙しそうだからあまり呑みに行けてないけど。
わたしもシールも工作課ではそれなりの評価をもらっていたのに、マリスのせいで大変な状態になってきたわ。
今日はとことん飲ませて愚痴に付き合わせてやるわよ。
<<マサル視点>>
予定より少し遅くなってしまったけど無事に居酒屋に到着した。
この前この店に来たのはゼウス様の送別会の時だ。
あのゼウス様だよ!
神の王と呼ばれて幾多の女神を妻として大勢の子供達はそれぞれ主神として祀られていると神話に残っている大神様だ。
ゼウス様は早期退職で、今後はコンサルタントとして事業を起こすって言っておられた。
ランスとイリヤが生まれた時に加護を頂いたのでその御礼に行くと俺の活躍をとっても喜んで下さった。
すっかり上機嫌なご様子で挨拶をする俺を横に座らせて、いろいろな話しを聞かせて下さる。
地球に伝わる神話では色を好むように伝わっているけど、実際には仲睦まじい奥様と2人の子供達と仲良く暮らす優しいお父さんみたいだ。
そんなことを思い出しながら店に入ると、マリス様達の大きな声が聞こえてきた。
声のする方に行くとマリス様と2人の女性がたくさんのお銚子を倒して呑んでいる。
「マサルさん、やっと来たね。
待ちくたびれて飲み過ぎちゃうじゃない。」
「遅れてすいません。シール様とポーラ様ですよね。
初めましてマサルと言います。」
「挨拶なんていいから、早くこっちに座りなさい。
ここよ。」
「マリス、あんたマサルさんを独り占めするんじゃないわよ。
マサルさん、初めましてシールです。
こちらが空いていますわ。こちらへどうぞ。」
「シール押すんじゃないわよ。
マサルさん。わたしはポーラです。よろしくね。」
マリス様は少しむくれているみたいだけど、俺は知らん顔でシール様とポーラ様の間に座った。
「マサルさんはお酒は何を飲まれるのかしら。」
「シールあんたね、何カマトトぶってるのよ。」
「マリスさん何をおっしゃってますのかしら。
これがわたしの素じゃありませんか。」
うーん、今晩は長くなりそうだ。
運営課に移動になったのは200年ほど前のこと。
工作課から運営課に栄転だけでも初めてのケースだというのに、同時にわたしとポーラの2人もだってことで、工作課長の鼻息も荒く盛大な送別会で送り出された。
工作課の奇跡と云われるわたし達の栄転の理由は、マリスの受け持つラスク星の大成功にあるの。
あの星を作るのに功績があったというのが、今回の栄転の真相なのよね。
運営課からは成功する星の作り方に対するノウハウを期待されていたみたい。
でもさ、あの星ってマリスのチョンボも含めて問題が山積みだったんだよね。
マリスなんかもう壊す気になってたくらいだし。
あっ、わたしは止めたよ。
だって30億年くらいで諦めたらマリスの成績に響くじゃない。
だからせめて後10億年くらい待ったらって言ってあげたの。
そしたらちょうど10億年目に召喚したマサルさんが、奇跡を起こしてくれたわけ。
だってさ、あんなにボロボロだったあの星がゼウスさんの作ったアースと同じくらい高く評価されているんだからね。
文化は全く育たないし、瘴気があちこちから吹き出して住めない地域も多い。
魔族なんかもいて人間達を洗脳しようとしてるし、肝心の守護竜は魔族に眠らせられたまま起きないし。
よくあんな星が賞賛されるくらいになったと思うわ。
プロジェクト○に出てもおかしくないくらいにね。
残念ながらプロジェクト○は番組自体が終わっちゃったからマリスがゼウスさんみたいになることはないけど。
それであちこちからお呼びのかかったマリスが、わたし達のおかげだなんて言うものだから、わたし達までラスク星の功労者として祭り上げられたわけなのよ。
そんなこんなで花形の運営課に来たわけだけど、わたし達ってバリバリの体育会系じゃない。
インテリのエリート集団に混じって平気なはずないでしょ。
絶賛プチ鬱状態よ。
それでマリスを肴に憂さ晴らししてやろうと呑みに誘ったら、マサルさんも一緒に来るって言うじゃない。
早退して美容院に行って来たわよ。
ポーラは気合いの入ったスーツに着替えているし。
召喚者との恋愛は禁止されているんだけど、わたしが直接召喚したわけじゃないし、もう今の時点で運営課に就職が決まっているから、問題無いっていうか、今のうちに唾を付けとかなくちゃ。
<<ポーラ視点>>
マリスってやれば出来る娘だったんだ?
頭は良いかもしれないけど、鈍臭くて気が短くて……
うん、やっぱりマリスじゃなくてマサルさんが特別だったんだよね。
でもさ、最近のあの娘ってやけに輝いているんだ。
自信が付いたってやつ?
マサルさんの改革をあれだけ身近で見てたんだから、ノウハウも蓄えているみたいだし、やっぱり成功事例が人を育てるんだね。
ああ、これは工作課長の受け売りだけどね。
わたしにはこんな蘊蓄は無いよ。
マリスと一緒にラスク星を作ったのが40億年前だったかな。
あの頃はまだ3人共新人でさ、あんまりノウハウも持ってなくて大変だったわ。
つい最近までマリスの愚痴に付き合わされてたのが懐かしい。
最近はマリスも忙しそうだからあまり呑みに行けてないけど。
わたしもシールも工作課ではそれなりの評価をもらっていたのに、マリスのせいで大変な状態になってきたわ。
今日はとことん飲ませて愚痴に付き合わせてやるわよ。
<<マサル視点>>
予定より少し遅くなってしまったけど無事に居酒屋に到着した。
この前この店に来たのはゼウス様の送別会の時だ。
あのゼウス様だよ!
神の王と呼ばれて幾多の女神を妻として大勢の子供達はそれぞれ主神として祀られていると神話に残っている大神様だ。
ゼウス様は早期退職で、今後はコンサルタントとして事業を起こすって言っておられた。
ランスとイリヤが生まれた時に加護を頂いたのでその御礼に行くと俺の活躍をとっても喜んで下さった。
すっかり上機嫌なご様子で挨拶をする俺を横に座らせて、いろいろな話しを聞かせて下さる。
地球に伝わる神話では色を好むように伝わっているけど、実際には仲睦まじい奥様と2人の子供達と仲良く暮らす優しいお父さんみたいだ。
そんなことを思い出しながら店に入ると、マリス様達の大きな声が聞こえてきた。
声のする方に行くとマリス様と2人の女性がたくさんのお銚子を倒して呑んでいる。
「マサルさん、やっと来たね。
待ちくたびれて飲み過ぎちゃうじゃない。」
「遅れてすいません。シール様とポーラ様ですよね。
初めましてマサルと言います。」
「挨拶なんていいから、早くこっちに座りなさい。
ここよ。」
「マリス、あんたマサルさんを独り占めするんじゃないわよ。
マサルさん、初めましてシールです。
こちらが空いていますわ。こちらへどうぞ。」
「シール押すんじゃないわよ。
マサルさん。わたしはポーラです。よろしくね。」
マリス様は少しむくれているみたいだけど、俺は知らん顔でシール様とポーラ様の間に座った。
「マサルさんはお酒は何を飲まれるのかしら。」
「シールあんたね、何カマトトぶってるのよ。」
「マリスさん何をおっしゃってますのかしら。
これがわたしの素じゃありませんか。」
うーん、今晩は長くなりそうだ。
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