最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

文字の大きさ
343 / 382
第14章 そして神になった

【売れっ子ラノベ作家になりたい6】

しおりを挟む
<<ヒルガ侯爵視点>>

あのノブナガとかいう謎多き男が軍功一番か。

ちと不味いな。たしかにあの男のこの度の戦術は見事であった。

だからこそ奴の戦術を失敗させるように間者をスタビアヌスに入れて密告させたのに。

スタビアヌスの奴ら、信じなかったということか。

軍務卿の座を穏健派のシーザーから奪い、儂が軍務卿になれば軍事費を大幅に増額してスタビアヌスを一蹴してやるのに。

スタビアヌスさえ抑えてしまえば、この大陸は我が国のものとなり、不平等条約を無理矢理にのませてやるのに。

そうなれば、外交取り引きの大半を押さえている我が家に莫大な利益をもたらすことになるだろう。

そうなれば、王家を乗っ取ることも不可能ではあるまい。

その為には、なんとしてもノブナガを我が派閥に引き込みシーザーの奴を蹴落としてやらねば。


<<ノブナガ視点>>

あのシロウという男が第5位武功だという。

軍務卿であるシーザー伯爵とシルベスト将軍が推薦したという。

結局、戦勝会では儂も彼も様々な貴族に捕まり、シロウとは話す機会が得られなかった。

まあ、あのふたりが後ろ楯であるのなら今後いくらでも会う機会があるだろう。

そしてシロウと話す機会はすぐにやってきた。

戦勝会から3日後、王城で今後の軍の動きをどうしていくかという戦略会議が行われた。

参加者は王、軍務郷のシーザー伯爵、シルベスト将軍、外務卿のヒルガ侯爵、内務卿のヤリス公爵、そして軍師である儂の6人である。

大まかな構図としては軍務郷、将軍は穏健派であり専守防衛を基本とし、今は国力を強化すべきだと主張。
外務卿は今回の勝利を機にスタビアヌスへの侵攻を行い、不平等条約を結ぶことで相手の力を削ぎ、自国の国力を高めることを主張。

内務卿はどちらかと言えば前者よりではあるが、機会を逃すべきではないかもという中途半端な立ち位置であった。

「ノブナガ殿、ソチはどう考える。」

「攻めるにはそれなりの準備が必要。特にスタビアヌスは東西に長く首都は東の端になり、西側にあるこの国から首都進攻を望めば長い兵站とその維持期間が必要となる。

であれば、機を見るのも必要ではあるが、まずは国力を高めることが必須であろうと信ずる。」

「なるほど、さすがは軍師殿。確かに今回の戦については我が国との国境線で行われたもので、スタビアヌスから見れば辺境での小さな戦に敗れたに過ぎない。

こちらから向こうに攻めようとすると今回のようにはいくまいな。

わかった、ここ数年は防衛に力を入れて国力を高めることとする。」

「しかし王...「ヒルガ、もう決まったことだ。お前も外交上で少しでも有利に対話を進め、走るところは走る、引くところは引くの駆け引きに全力を尽くせよ。」」

なおも食い下がろうとするヒルガ侯爵を手で制し、王は次の議題へと入る。

「ところで軍師殿、我が軍の良きところ悪しきところを分析してくれたか?」

「いかにも。士気は高く、装備、組織どれをとっても及第点ではありましょう。

ただ、惜しむらくは常時の訓練方法にあるかと。」

「ほう、訓練方法に問題があると。」

将軍の厳しい眼差しが向けられるが、そんなものはいかほどでもない。

「いかにも。近接戦についての訓練については及第かと。ただ遠距離戦になった場合の兵站訓練や兵站と前線の連携訓練など、未熟であると感じるのだが。」

「たしかにここ何年も防衛戦を中心としてきたので、近接戦に重きを置いているのは確かだが。

だが、今後も防衛戦を主軸にすると決まったばかりではなかったかな。」

「いかにも。専守防衛は敵国に対して国力が劣る場合の定石であるからにして近接戦を強化するのは間違ってはおらぬ。

だが、近接戦ばかりで勝ち戦で追撃戦をせねば、いづれ足元を見られよう。

相手が追跡戦を警戒するレベルまでは追撃することも必定なり。」

「なるほど、ノブナガの言う通りじゃ。責められるのを守るだけでは、向こうの都合に合わせて責められることも多かろうて。

ある程度の追撃も交えることで合戦の回数も減らせるやもしれんな。」

「たしかに、王とノブナガ殿のおっしゃることも一理ありますな。
将軍、ここはひとつノブナガ殿に長期戦の指南を受けられては如何ですかな。

外務卿殿、対スタビアヌス外交上手くお願いいたします。」

シーザー伯爵の機転のきいた取り直しで少し険悪になりかけた雰囲気も丸く収まりそうだ。やはり彼は味方に付けておく必要があるな。

「では本日の会議は終了する。皆ご苦労だった。」

王を筆頭に皆が退出する。

「軍師殿、さすがは見るべきところを見ておられるな。
専守防衛だけではこちらも責められ、領地を荒らされる分、収穫量も落ちてしまい、その穴埋めに国庫を流用するしかない。

適度な侵攻はその愁いを減らすでしょうな。

ところで、軍師殿はシロウをどう思われますか。今はわたしがシロウ殿の後見をしております。

見るところ、彼も軍師同様に特別な知識と力量を持っている様子。

一度お会いになられませんか。」

「我もシロウ殿については興味を持っておる。是非お会いしたいと思う。」

願ってもない機会だな。





しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」 その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ! 「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた! 俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

処理中です...