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11-(2) 空っぽな王子
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宮廷魔術師の仕事はおもに王家の護衛と
王家から極秘に下される任務を遂行する。
王家の影のような存在のため、
任務中は
顔から足元まで隠れる、真っ黒で
大きなローブを身にまとう。
胸にある竜の金色の刺繍だけが嫌に目立つ。
宮廷魔術師は
魔法で人に認識されないようにしている。
目の前にいることは分かるのに、別れた途端
初めからいなかったかのように、記憶から消える。
魔術師同士も
顔も住む場所も、
互いに知られていない。
ただヴィンとエルだけは
エルがまだ未成年だということもあり、
保護者もかねて
同じ家に住まされていた。
任務があるときは、
魔法を施されたピアス型の通信器を通じて
呼び出される。
この通信器も、機密が洩れないよう
定期的に新しい物に変わる
今日も呼び出される。
「ははははは!ほんとあんた最高だったよ!」
この国の王子フリートだ。
金色の癖がかかる髪を持ち、青い瞳をもつ彼は王家らしく美しい容姿をしている。
が、頭の方はからっぽだった。
フリートは、第2王子のため
何も気負うこともない為、いつも気楽に魔術師を呼び出しては、つまらない任務を言い渡す。
王家は王家でプライドがあるのか、神殿の事をよくおもっていない。
建国祭も王家主催でなく、神殿なのがずっと不満に思っていた。
なので、こっそりと驚かせてやればいいと唆した。
神殿の奴らは魔術師の事はよくわかっていない。
ありたっけの魔法でみせつけてやればいいと。
「サプライズだなんだと、喜んで貰えると思ったと適当にいった時のあいつらの顔、お前にもみせたかったよ!」
「………それは良かったです…」
馬鹿らしくて反吐がでるが、利用価値はあるため適当に返事をする。
「しかし神殿の聖女はああも美しいんだな…!みたか?あの祭主の女……
なぁどうにかして、王家のものにならないか、
神殿の奥底で一生終えるなんて、もったいないだろ」
「あー……そうですね。考えてみます。」
適当に返事をしながら
右手を、痛いほど握る。
そうしないと、この馬鹿な面をなぐってしまいそうだからだ。
王子がまだ何か喋っていたが
早々に部屋を後にして
城を去る。
あの日、アリーシャのブレスレットに、
自分とアリーシャを繋ぐ魔法を施した。
神殿自体に、かなり強力な保護がかかってあり、容易にはいれなかった。
魔術師が自身を他人に認識されない魔法をかけてるように、
聖女達にも似た魔法が施してあり、
神殿に侵入したとしても
どこに彼女がいるのかわからなかった。
だが今はアリーシャ本人と繋がっているため、いつでも近づける。
建国祭の次の日
すぐにアリーシャに会いに行く
かなり驚いていたが、すぐに嬉しそうに微笑む。
バレたら大変だと心配してくれるが、
何度も繰り返していくうちに、呆れたように
受け入れてくれた。
アリーシャは他の聖女達よりも
青白く
痩せているように見えた。
エルはアリーシャの為に通う
王家から極秘に下される任務を遂行する。
王家の影のような存在のため、
任務中は
顔から足元まで隠れる、真っ黒で
大きなローブを身にまとう。
胸にある竜の金色の刺繍だけが嫌に目立つ。
宮廷魔術師は
魔法で人に認識されないようにしている。
目の前にいることは分かるのに、別れた途端
初めからいなかったかのように、記憶から消える。
魔術師同士も
顔も住む場所も、
互いに知られていない。
ただヴィンとエルだけは
エルがまだ未成年だということもあり、
保護者もかねて
同じ家に住まされていた。
任務があるときは、
魔法を施されたピアス型の通信器を通じて
呼び出される。
この通信器も、機密が洩れないよう
定期的に新しい物に変わる
今日も呼び出される。
「ははははは!ほんとあんた最高だったよ!」
この国の王子フリートだ。
金色の癖がかかる髪を持ち、青い瞳をもつ彼は王家らしく美しい容姿をしている。
が、頭の方はからっぽだった。
フリートは、第2王子のため
何も気負うこともない為、いつも気楽に魔術師を呼び出しては、つまらない任務を言い渡す。
王家は王家でプライドがあるのか、神殿の事をよくおもっていない。
建国祭も王家主催でなく、神殿なのがずっと不満に思っていた。
なので、こっそりと驚かせてやればいいと唆した。
神殿の奴らは魔術師の事はよくわかっていない。
ありたっけの魔法でみせつけてやればいいと。
「サプライズだなんだと、喜んで貰えると思ったと適当にいった時のあいつらの顔、お前にもみせたかったよ!」
「………それは良かったです…」
馬鹿らしくて反吐がでるが、利用価値はあるため適当に返事をする。
「しかし神殿の聖女はああも美しいんだな…!みたか?あの祭主の女……
なぁどうにかして、王家のものにならないか、
神殿の奥底で一生終えるなんて、もったいないだろ」
「あー……そうですね。考えてみます。」
適当に返事をしながら
右手を、痛いほど握る。
そうしないと、この馬鹿な面をなぐってしまいそうだからだ。
王子がまだ何か喋っていたが
早々に部屋を後にして
城を去る。
あの日、アリーシャのブレスレットに、
自分とアリーシャを繋ぐ魔法を施した。
神殿自体に、かなり強力な保護がかかってあり、容易にはいれなかった。
魔術師が自身を他人に認識されない魔法をかけてるように、
聖女達にも似た魔法が施してあり、
神殿に侵入したとしても
どこに彼女がいるのかわからなかった。
だが今はアリーシャ本人と繋がっているため、いつでも近づける。
建国祭の次の日
すぐにアリーシャに会いに行く
かなり驚いていたが、すぐに嬉しそうに微笑む。
バレたら大変だと心配してくれるが、
何度も繰り返していくうちに、呆れたように
受け入れてくれた。
アリーシャは他の聖女達よりも
青白く
痩せているように見えた。
エルはアリーシャの為に通う
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