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やっちゃったんで覚悟はできてます
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夏の日差しが照り付ける中、ずっとこっちを見ている男性・・。馬に乗ったままこっちを見降ろしている姿は、どう見ても相当位の高い人。
若い娘たちが農作業している姿が珍しいわけでもないだろうに、ずっとこっちを見ている。
「愛良、ボっとしてないで手を動かしな」
手が止まっていたようで怒られてしまった。確かに気にしてもしょうがない。どう見ても住む世界が違う人間だ。
少したつと、いつの間にか姿が見えなくなっていた。年齢は14,5くらい、私と同じくらいか。短髪で愛らしい顔は、男性としては少し幼くも見えた。
「おい、言うこと聞かねえと、どうなるかわかってんだろうな」
その日の夜、組頭の塔堅に呼び出された。嫌な噂は色々聞いていたが、ついに来たって感じ。
「腰布とって脚を開きな」
小太りなこのエロおやじは、年頃の使用人に対してはいつもこうらしい。
私みたいな年端もいかない娘まで狙うなんて、とんでもないエロおやじだ。だけど相手は組頭、孤児の身で奉公させてもらってる身としては、逆らうことなんてできっこない。
男女のことはわからないけど、脚を開いて少し我慢していれば、ちょっと痛い位で済むらしい。逆らえばどんな仕打ちが待っているか想像もできないし、命の保証だってない。どうすべきかなんて私にもわかる。
「もたもたすんな。早くしろ。」
荒い鼻息に臭い息。太ももに手を伸ばされた瞬間、私はためらいなくその股間を蹴り上げていた。
「フンギャー、・・ゴワッ・・・グワッ」
絞められた豚みたいな声を出して、小太りな男はうずくまった。
天罰覿面、後悔はない。どんな折檻を受けるかなんて想像するのも怖いけど。私が私であり続けるために、ここは絶対に引けないところ。
「お、お前・・。俺にこんなことしてどうなるか覚えてろ」
予想通りの捨て台詞。でもビビッてなんかいられない。もうやってしまったんだ、覚悟はできてる。
その時、バタバタと人が近づいてくる音がした。物音に気が付いて、誰かが駆けつけてきたんだろう。
だけど、その立て付けの悪い木戸が空いた時、あまりのことに絶句した。
「お、大旦那様・・。」
江東の大地主、晋明その人である
いくら何でも大旦那様がなんでこんなところに。使用人が使う汚い部屋なんかにきていい人じゃない。江東一帯を治める大地主様。ご領主様でさえ気を遣うほどの大人物。
「お前・・、何やってんだ」
唇が紫色になり、眉間には青筋が立っている。頭に血が上りすぎて、逆に血の気が引いてしまっているようだ。
つまり激怒している。
自分が任命した組頭が、使用人風情に蹴り飛ばされたのだ。自分の顔に泥を塗られたに等しい。しかも孤児である私は最下層と言っていい。当然だ・・。
ついてない・・。確かにこんな奴の言いなりになって身体を許すなんて死んでも嫌だったけど、こんな大物をここまで怒らせる度胸が小娘にあるわけない。
「大旦那様、愛良のやつが昼間作業をさぼっていたので注意したところ急に暴れまして・・」
違うと言いたかった。でも衣服が乱れているわけでもないので何を言っても証拠がない・・。ここでは、この豚の言うことがすべて真実になってしまう。死の恐怖が現実になってくる。森で虎に遭遇したらこんな感じなんだろうか。もう泣きだしそうだ。
「何も、何もされてはいないのですね。愛良様」
「えっ、あ、あの何も・・」
何と言われたか緊張で聞き取れなかった。なんか愛良様って言っていたように聞こえたけど・・。大地主様に名前で呼ばれること自体あり得ない。おいとか、お前でも恐れ多いのに。何様って言ったんだろう。誰か近くにいるのだろうか・・。
「とにかく客間までお越しください。お客様がお待ちです」
「塔堅、お前クビだ。出ていけ」
まったく理解できないまま、どうやら私を客間まで連れていきたいことはわかった。そのあと客間まで、どう歩いて行ったかは記憶がない。ただ小太りな男が、放心して立ち尽くしている姿だけが目に残っていた。
若い娘たちが農作業している姿が珍しいわけでもないだろうに、ずっとこっちを見ている。
「愛良、ボっとしてないで手を動かしな」
手が止まっていたようで怒られてしまった。確かに気にしてもしょうがない。どう見ても住む世界が違う人間だ。
少したつと、いつの間にか姿が見えなくなっていた。年齢は14,5くらい、私と同じくらいか。短髪で愛らしい顔は、男性としては少し幼くも見えた。
「おい、言うこと聞かねえと、どうなるかわかってんだろうな」
その日の夜、組頭の塔堅に呼び出された。嫌な噂は色々聞いていたが、ついに来たって感じ。
「腰布とって脚を開きな」
小太りなこのエロおやじは、年頃の使用人に対してはいつもこうらしい。
私みたいな年端もいかない娘まで狙うなんて、とんでもないエロおやじだ。だけど相手は組頭、孤児の身で奉公させてもらってる身としては、逆らうことなんてできっこない。
男女のことはわからないけど、脚を開いて少し我慢していれば、ちょっと痛い位で済むらしい。逆らえばどんな仕打ちが待っているか想像もできないし、命の保証だってない。どうすべきかなんて私にもわかる。
「もたもたすんな。早くしろ。」
荒い鼻息に臭い息。太ももに手を伸ばされた瞬間、私はためらいなくその股間を蹴り上げていた。
「フンギャー、・・ゴワッ・・・グワッ」
絞められた豚みたいな声を出して、小太りな男はうずくまった。
天罰覿面、後悔はない。どんな折檻を受けるかなんて想像するのも怖いけど。私が私であり続けるために、ここは絶対に引けないところ。
「お、お前・・。俺にこんなことしてどうなるか覚えてろ」
予想通りの捨て台詞。でもビビッてなんかいられない。もうやってしまったんだ、覚悟はできてる。
その時、バタバタと人が近づいてくる音がした。物音に気が付いて、誰かが駆けつけてきたんだろう。
だけど、その立て付けの悪い木戸が空いた時、あまりのことに絶句した。
「お、大旦那様・・。」
江東の大地主、晋明その人である
いくら何でも大旦那様がなんでこんなところに。使用人が使う汚い部屋なんかにきていい人じゃない。江東一帯を治める大地主様。ご領主様でさえ気を遣うほどの大人物。
「お前・・、何やってんだ」
唇が紫色になり、眉間には青筋が立っている。頭に血が上りすぎて、逆に血の気が引いてしまっているようだ。
つまり激怒している。
自分が任命した組頭が、使用人風情に蹴り飛ばされたのだ。自分の顔に泥を塗られたに等しい。しかも孤児である私は最下層と言っていい。当然だ・・。
ついてない・・。確かにこんな奴の言いなりになって身体を許すなんて死んでも嫌だったけど、こんな大物をここまで怒らせる度胸が小娘にあるわけない。
「大旦那様、愛良のやつが昼間作業をさぼっていたので注意したところ急に暴れまして・・」
違うと言いたかった。でも衣服が乱れているわけでもないので何を言っても証拠がない・・。ここでは、この豚の言うことがすべて真実になってしまう。死の恐怖が現実になってくる。森で虎に遭遇したらこんな感じなんだろうか。もう泣きだしそうだ。
「何も、何もされてはいないのですね。愛良様」
「えっ、あ、あの何も・・」
何と言われたか緊張で聞き取れなかった。なんか愛良様って言っていたように聞こえたけど・・。大地主様に名前で呼ばれること自体あり得ない。おいとか、お前でも恐れ多いのに。何様って言ったんだろう。誰か近くにいるのだろうか・・。
「とにかく客間までお越しください。お客様がお待ちです」
「塔堅、お前クビだ。出ていけ」
まったく理解できないまま、どうやら私を客間まで連れていきたいことはわかった。そのあと客間まで、どう歩いて行ったかは記憶がない。ただ小太りな男が、放心して立ち尽くしている姿だけが目に残っていた。
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