アルメリア海賊団航海日誌〜そして少女は船に乗る〜

歌龍吟伶

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第1章〜出会い〜

第3話

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「…思いつきだ」


不審がるミュフィに対し、男の返答は短く腑に落ちないもの。

そして警戒するミュフィの服を強引にめくり始めた。


「いやっ?!」


「大人しくしていろ、薬を塗る」


「じ、自分でやれます!!」


知らない男に裸を見られるのも肌に触れられるのも抵抗がある。

乙女の恥じらいなど理解できない船長だったが、拒まれてまで無理やり服を脱がせる趣味もなかったため薬を渡した。


「いつもなら船医がいるんだがな。今は薬の買い出しに行っている」


「そ、そうなんですか…あの、貴方は…?」


ミュフィは緊張しながらも男の目を見て尋ねる。


「俺はヴィン。このアルメリア海賊団の船長だ」


アルメリア海賊団。

その名と噂は聞いたことがあった。

海軍相手にも無敗を誇る強さ、そして非情だと言われている船長の恐ろしさ…この人が?

たった一人でも海軍の戦艦1つくらい落とせると言われている男。

目の前の人物の正体を知り、ミュフィは恐怖を感じ身を硬くする。


「恐ろしいか?」


ミュフィの緊張が高まったのを感じたらしく、男…ヴィンが問いかけてきた。


「…はい」 


ミュフィは素直に頷く。

怖くないはずはない、誤魔化すだけ無駄だろう。


「お前をどうこうするつもりはない。さっき言った通り、ただ気まぐれで連れてきただけだ」


ヴィンがそう言った直後、足音が近づいてきてドアがノックされた。


コンコン


「誰だ」


「アタシよ~、船長いるんでしょ~?」


「ああ、入れ」


部屋に入ってきたのは、ド派手なピンクと水色の縦ロールヘアーの…男。

白いキャミソールワンピースを着た筋肉質な男だった。


「…」


ミュフィは言葉を失ってしまう。

そんな彼女の視線を気にする様子もなく、ヴィンとその男は会話を始めた。


「あら~、カワイコちゃん連れ込んじゃって~。船長が女の子連れてきたって聞いてビックリしちゃった~」


「それを確認するために持ち場を離れたのか?仕事をしろ」


「だぁって~、気になるじゃなぁい?こんなこと初めてだし~」


「武器の調達はどうなった」


「ちゃんとおシゴトしてるわよ~、バッチリ仕入れてきたわ」


「ならいい。用が済んだなら出て行け」


ヴィンは軽く手を振って縦ロール男を追い出そうとしたが、出て行く様子はなかった。
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