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第1章〜出会い〜
第2話
しおりを挟む「うっ…」
「綺麗な状態じゃなけりゃ値段が下がるんだ、言うことを聞け!!」
そんなやりとりを笑いながら眺める客達。
しかし、背後にいた船長に気いた者たちから順に、その異様な迫力に気圧され慌てた様子で道を空けていく。
船長は少女に近づき顔を覗き込むと、羽織っていたマントを彼女に被せる。
そして、
「お、おいアンタ、勝手に触るんじゃ・・・!」
割って入ろうとした商売人に金の入った袋を投げつけた。
「5千万はある。足りるだろう」
「え?!」
その額に、商売人だけでなく遠巻きに見ていた人々も驚きを見せる。
「鎖の鍵を寄こせ」
「あ、ああ・・・」
有無を言わせぬ迫力に圧され、商売人は何も言えず鍵を差し出した。
船長は鍵を受け取ると少女を解放し、軽々と担ぎ上げその場を後にする。
その場にいた者たちは、ただ呆然とその後ろ姿を見送った。
「あ、あの…」
担がれた少女は少し離れてから掠れた声で話しかけようとしたが、
「黙っていろ」
船長はそれだけ言うと足早に裏路地を抜け、船へと戻った。
岩陰に隠した船の下まで戻ると、船長は少女を降ろす。
「自力で登れるか」
「え・・・」
少女は戸惑った。
船を見れば海賊であることは一目瞭然・・・怖さもある反面、乱暴な雰囲気がないこの男を不思議に思い逃げるタイミングを逃してしまう。
「登れないのか」
再び問われ、慌ててハシゴに足をかける。
スカートだったため下が気になったが、なんとか登り切きるとすぐに船長も登ってきた。
見知らぬ少女を連れて戻った船長を見て、見張りをしていた船員が驚きの声を上げる。
「せ、船長?どうしたんすかその女」
「買ってみた」
「は??」
簡潔すぎる返答に、船員は混乱を深める。
しかし船長は気にせず、少女の腕を掴むと甲板の下へと連れて行った。
いくつかある部屋の一つ、医療室へ入る。
少女を寝台に座らせ、薬品を探す船長。
その背中を見つめながら、少女は恐る恐る話しかける。
「あ、あの…どうして私を?」
先ほどの船員の反応を見る限り、普段から女を買っているわけではないようだ。
ならばなぜ自分を買ったのだろうか?
目的も分からぬまま海賊船に乗せられ、少女…ミュフィは戸惑った。
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