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第2章〜航海〜
第13話
しおりを挟む「久しぶりにひと暴れといこうか」
ニヤリと笑うと、ヴィンは背中の剣を抜く。
他の戦闘員たちも各々武器を手に持ち場についた。
ドォーーーン
海軍戦艦から一斉に放たれる砲弾。
しかし、
「当たらせるかよ」
正面はヴィン、左はライアン、そして右を守るのはイクスという男。
イクスはアルメリア海賊団の中でも数少ない二刀流剣士だ。
3人はそれぞれ驚異的な跳躍を見せ、なんと飛んできた砲弾を切り落とした。
虚しく空中で爆発する砲弾…しかし相手も海を守る海軍。
次々と砲弾を撃ち込んでくる。
無数の砲弾が迫り来る中でも、アルメリア海賊団は怯まない。
見事な操作で避けたり、砲弾を打ち返したり。
船はなんと無傷のまま進み、海軍戦艦の一つに近づいた。
「乗り込むぞ」
ヴィンの号令で一気に船員たちが立ち上がり、正面から来ていた海軍船に乗り込んで行く。
その隙に左右から来ていた海軍戦艦も接近し、逆に海兵たちが海賊船に乗り込んで来ようとした…しかし。
「傷一つつけることは許さん」
大剣を振り上げたガイル。
普段は船大工として黙々と仕事をこなしているが、恵まれた体格を生かして戦闘にも参加する。
剣の腕も確かなものでアルメリア海賊団の中でもトップクラス。
寡黙な彼がその経歴など多くを語ることはない。
ガイルの過去を知る者はヴィンの他にわずか数名だけだ。
謎多き男として気にする船員もいるが、誰が何を話しかけたところでガイルが答えたことはない。
彼はただ、与えられた仕事をし役目を果たすことに専念している。
乗り込もうとする海兵たちは、ガイルが振るう大剣に吹き飛ばされ海に落ちて行く。
「ぐぁああ!」
「くそっ、海賊風情が我らに敵うなど…!」
ガイル一人にすら太刀打ちできず、海兵たちに動揺が広がる。
負傷し海に落とされても息のあった海兵たちは、他の船員によって息の根を止められていく。
「たった3隻で俺たちを落とそうなんて、甘く見るから痛い目に合うんだぜ」
海軍に同情するくらい、圧倒的な戦力の差。
何人切ろうともガイルの表情が変わることはなく、彼は船の右側を守り続けた。
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