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第3章〜人助け〜
第19話
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運ばれてきた料理はどれも美味しかった。
ボリュームもあり、船員たちの腹を満たせそうなものばかり。
いくつか学ばせて貰おうと頷きあい、食事を楽しんだ一行。
2時間ほど滞在し、会計を終えヴィンたちは店を出る。
少し歩いてから、ミュフィはそっと手を開いた。
実は、店を出る前にエリーからメモを渡されていたのだ。
「なんて書いてあるんだ?」
ヴィンたちも気づいていたが、店の者に気づかれたくない様子だったので黙っていたのだ。
「突然ごめんなさい。アルメリア海賊団の方ですよね?お尋ねしたいことがあります、今夜店の裏山で待ってます」
メモにはそう書かれていた。
「聞きたいことがあるみたいですね…」
「罠かも知らんな」
「のこのこ呼び出されて、軍隊さん待ってましたーとかだったらウケるー」
常に警戒しなければならない。
ヴィンたちは無視するつもりだったが、ミュフィはエリーのことが気になっていた。
「行くだけ行く、というのはダメでしょうか…」
「…言うと思った」
ミュフィなら無視できないだろう。
そう判断して彼女にメモを握らせたのだとしたらなかなかの策士だ。
ヴィンたちは一旦船に戻り、十分警戒した上でエリーの呼び出しに応じることにした。
夜。
ヴィンとミュフィは、ジェイとイクス、その他10名ほどの船員を連れて裏山へ向かった。
派手すぎるライアンや、体格が良すぎる面々は目立つので留守番だ。
山の上なのか下なのか、細かい待ち合わせ場所は不明だったが一行は頂上に登った。
それほど高い山ではない。
「わ、屋根より高いところに登ったのなんて小さい時以来です!」
ミュフィが感動の声を上げる。
天気も良く、星や街並みがよく見えた。
待ち合わせ時間も曖昧だったが、10分ほど待っていると足音が近づいてきてエリーが姿を見せる。
「良かった!来てくれた!」
「用件は何だ」
ヴィンの鋭い目つきに怯みつつ、エリーは話し始めた。
「あの、人を探してて…あたしの父親なんだけど」
エリーが探しているのは、実父らしい。
10年前にデカイ海賊船に乗っていると言っていた。
左肩にナイフの刺青。
焦げ茶色の髪。
左下の前歯が1本折れている。
「これくらいしか分からないんだ…あたしがまだ1歳にもならないころ、やばい奴と喧嘩になって家を飛び出したらしくて。一回も会ったことないから顔も知らない。」
俯きながら語るエリー。
ボリュームもあり、船員たちの腹を満たせそうなものばかり。
いくつか学ばせて貰おうと頷きあい、食事を楽しんだ一行。
2時間ほど滞在し、会計を終えヴィンたちは店を出る。
少し歩いてから、ミュフィはそっと手を開いた。
実は、店を出る前にエリーからメモを渡されていたのだ。
「なんて書いてあるんだ?」
ヴィンたちも気づいていたが、店の者に気づかれたくない様子だったので黙っていたのだ。
「突然ごめんなさい。アルメリア海賊団の方ですよね?お尋ねしたいことがあります、今夜店の裏山で待ってます」
メモにはそう書かれていた。
「聞きたいことがあるみたいですね…」
「罠かも知らんな」
「のこのこ呼び出されて、軍隊さん待ってましたーとかだったらウケるー」
常に警戒しなければならない。
ヴィンたちは無視するつもりだったが、ミュフィはエリーのことが気になっていた。
「行くだけ行く、というのはダメでしょうか…」
「…言うと思った」
ミュフィなら無視できないだろう。
そう判断して彼女にメモを握らせたのだとしたらなかなかの策士だ。
ヴィンたちは一旦船に戻り、十分警戒した上でエリーの呼び出しに応じることにした。
夜。
ヴィンとミュフィは、ジェイとイクス、その他10名ほどの船員を連れて裏山へ向かった。
派手すぎるライアンや、体格が良すぎる面々は目立つので留守番だ。
山の上なのか下なのか、細かい待ち合わせ場所は不明だったが一行は頂上に登った。
それほど高い山ではない。
「わ、屋根より高いところに登ったのなんて小さい時以来です!」
ミュフィが感動の声を上げる。
天気も良く、星や街並みがよく見えた。
待ち合わせ時間も曖昧だったが、10分ほど待っていると足音が近づいてきてエリーが姿を見せる。
「良かった!来てくれた!」
「用件は何だ」
ヴィンの鋭い目つきに怯みつつ、エリーは話し始めた。
「あの、人を探してて…あたしの父親なんだけど」
エリーが探しているのは、実父らしい。
10年前にデカイ海賊船に乗っていると言っていた。
左肩にナイフの刺青。
焦げ茶色の髪。
左下の前歯が1本折れている。
「これくらいしか分からないんだ…あたしがまだ1歳にもならないころ、やばい奴と喧嘩になって家を飛び出したらしくて。一回も会ったことないから顔も知らない。」
俯きながら語るエリー。
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