アルメリア海賊団航海日誌〜そして少女は船に乗る〜

歌龍吟伶

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第3章〜人助け〜

第21話

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「正直、俺たちはなんの得にもならない、義理もないことに関わる必要はないと思っている。だが、お前はどうしたい?」


「私…エリーさんが本当にお父さんに会いたいなら、再会できたらいいなって思います」


でも、とミュフィは続けた。


「後悔するかしないかなんて、その時にならないとわからない。もしかしたらもの凄く悪いことしてるかも知れない、死んでしまっているかも知れない。それすら分からない可能性もありますよね」


知る覚悟と知れない覚悟、どちらもあるのか?

ミュフィの問いに、エリーは涙をこらえながら答えた。


「うん…わかってる。見つからない可能性の方が高いことも。どうしようもないクズ野郎かも知れないし、今更会えたとしても何も変わらない」


それでも、もしかしたら手掛かりが見つかるかも知れないと思ったらじっとしていられなかったのだ。

エリーは、調べてもらえるなら貯蓄全て差し出すと約束した。

ヴィンはその条件を飲み、サーシェスに話を聞きに行くことに。

一行はエリーと別れ、一旦船へと戻る。


「すみません、面倒ごと引き受けちゃって」


お人好しを発動したミュフィは申し訳なく思った。


「構わない。お前なら気にするだろうと思ったからな」


父親に売られたミュフィ。

なんとなく自分と重ねてしまうのも無理はない。

ヴィンだけでなく、他の船員たちもミュフィに甘くなっていたので誰からも異論は出なかった。


「ほーんとめんどくさいけど。たまには探偵ごっこも面白いかもねー」


ジェイはミュフィに興味はないが、ヴィンが許可するなら反対はしない。

気分屋な彼だが、船長の意見は絶対だから。


「みなさん、ありがとうございます!」


笑顔で礼を言うミュフィ。

その頭をヴィンがそっと撫でる。

僅かながら笑みを浮かべるヴィンの姿を見て、イクスは複雑な気持ちだった。


(彼女に甘いのはまあいいが、判断が鈍なれけばいいが)


初めからミュフィに好意的なヴィン。

一目惚れなのかなんなのか知らないけれど、どんなワガママでも許しそうなくらい甘い。

無理難題を言うような娘ではないが、不安材料であることは事実だった。

表立って口にする者は居ないし、二人の様子を微笑ましく思う者も多い。

しかし、少なからず懸念する者もいる。

彼らにとって船長は絶対的存在、大きな弱みなどない方がいいのだから。
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