49 / 76
第5章〜ライアン〜
第47話
しおりを挟む
船の方から爆発音が聞こえ、異常を知らせる閃光弾も確認したヴィンとイクス。
ケルパ軍の指揮官らしき男は既に息絶えており、アイク達を助けようと駆け寄る。
すると正面にあった大きな門が開かれ、国軍兵士達が雪崩れ込んできた。
そして、
「さすが噂通りの強さだな、少しは楽しめたぞ」
身分の高そうな服を着て、自分の周囲を兵士ではなく肌着姿の女で固めている男の姿が。
「…ケルパ王国国王、グラン・テンバーか」
入国前にそれなりに調べてある。
戦闘の場でありながら女を数人引き連れて来ているこの男、間違いなく国王グランだ。
「ほう、我が誰か分かる程度の脳は持ち合わせているようだな。ならば跪け、我を国王と知ってなお剣を向けるか」
「俺は仲間を迎えにきただけだ。邪魔をするならば一国の王といえども容赦しない」
ヴィンの目が鋭く細められる。
「はっはっは!国を相手にするつもりか、さあもっと楽しませてみせよ!」
国王グランは面白そうに笑い、兵士たちへ攻撃命令を下す。
捕まっていたアイクたちは酷い拷問を受けたようで傷が深く、一刻も早く治療しなければ命が危うい。
これほどの数を相手にするとなるとどうしても時間がかかる…兵士たちを切り捨てながらヴィンに焦りが見えた、そのとき。
「グラン・テンバー!!」
ヴィン達が入ってきた時の扉からライアンが駆け込んできた。
船にいるはずのライアン、そしてその腕に囚われているミュフィの姿を見てヴィンもイクスも驚く。
「ライアン…これはどういう状況だ」
ヴィンの問いを無視し、ライアンは国王グランだけを睨みつける。
「何奴だ?この私を呼び捨てにするとは」
「セシルは…セシル・フォレスはどこだ」
「セシル??はて、誰の事だか。私の女は星の数ほどいる、掃いて捨ててきたモノのことまで覚えておらんな」
「貴様!!」
ライアンはミュフィを離して剣を抜く。
「ハルシーナ国王妹ジゼールの娘、セシルだ!お前のところにいるんじゃないのか!」
「ジゼールの娘?ああ、あの小娘か」
そしてライアンに知らされる残酷な現実。
「王弟ジョセフの娘を嫁にもらったついでに連れて来させたが、言うことを聞かなくてなあ。どれほど可愛がってやっても逆らうから、苦しみながら死んでいったわ」
「…死んだ、だと」
「ああ死んださ、私がこの手で殺してやったよ。最後くらい楽しませて貰わんと気が済まんからな」
ふざけるな。
ライアンは静かに唸り、グランに向かって一直線に駆け出した。
ケルパ軍の指揮官らしき男は既に息絶えており、アイク達を助けようと駆け寄る。
すると正面にあった大きな門が開かれ、国軍兵士達が雪崩れ込んできた。
そして、
「さすが噂通りの強さだな、少しは楽しめたぞ」
身分の高そうな服を着て、自分の周囲を兵士ではなく肌着姿の女で固めている男の姿が。
「…ケルパ王国国王、グラン・テンバーか」
入国前にそれなりに調べてある。
戦闘の場でありながら女を数人引き連れて来ているこの男、間違いなく国王グランだ。
「ほう、我が誰か分かる程度の脳は持ち合わせているようだな。ならば跪け、我を国王と知ってなお剣を向けるか」
「俺は仲間を迎えにきただけだ。邪魔をするならば一国の王といえども容赦しない」
ヴィンの目が鋭く細められる。
「はっはっは!国を相手にするつもりか、さあもっと楽しませてみせよ!」
国王グランは面白そうに笑い、兵士たちへ攻撃命令を下す。
捕まっていたアイクたちは酷い拷問を受けたようで傷が深く、一刻も早く治療しなければ命が危うい。
これほどの数を相手にするとなるとどうしても時間がかかる…兵士たちを切り捨てながらヴィンに焦りが見えた、そのとき。
「グラン・テンバー!!」
ヴィン達が入ってきた時の扉からライアンが駆け込んできた。
船にいるはずのライアン、そしてその腕に囚われているミュフィの姿を見てヴィンもイクスも驚く。
「ライアン…これはどういう状況だ」
ヴィンの問いを無視し、ライアンは国王グランだけを睨みつける。
「何奴だ?この私を呼び捨てにするとは」
「セシルは…セシル・フォレスはどこだ」
「セシル??はて、誰の事だか。私の女は星の数ほどいる、掃いて捨ててきたモノのことまで覚えておらんな」
「貴様!!」
ライアンはミュフィを離して剣を抜く。
「ハルシーナ国王妹ジゼールの娘、セシルだ!お前のところにいるんじゃないのか!」
「ジゼールの娘?ああ、あの小娘か」
そしてライアンに知らされる残酷な現実。
「王弟ジョセフの娘を嫁にもらったついでに連れて来させたが、言うことを聞かなくてなあ。どれほど可愛がってやっても逆らうから、苦しみながら死んでいったわ」
「…死んだ、だと」
「ああ死んださ、私がこの手で殺してやったよ。最後くらい楽しませて貰わんと気が済まんからな」
ふざけるな。
ライアンは静かに唸り、グランに向かって一直線に駆け出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
嘘コクのゆくえ
キムラましゅろう
恋愛
アニーは奨学金とバイトで稼いだお金で魔法学校に通う苦学生。
生活は困窮、他の学生みたいに愛だの恋だのに現を抜かしている暇などない生活を送っていた。
そんな中、とある教授の研究室で何らかの罰としてアニー=メイスンに告白して来いと教授が学生に命じているのを偶然耳にしてしまう。
アニーとは自分のこと、そして告白するように言われていた学生は密かに思いを寄せる同級生のロンド=ハミルトンで……
次の日、さっそくその命令に従ってアニーに嘘の告白、嘘コクをしてきたロンドにアニーは……
完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。
誤字脱字が罠のように点在するお話です。菩薩の如き広いお心でお読みいただけますと幸いです。
作者は元サヤハピエン主義を掲げております。
アンチ元サヤの方は回れ右をお勧めいたします。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる