アルメリア海賊団航海日誌〜そして少女は船に乗る〜

歌龍吟伶

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第6章〜過去〜

第62話

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「イクスが捕まっただと?」


血相を変えて戻ってきたアレックスの報告を受け、ヴィンは信じられない思いだった。

イクスはアルメリア海賊団の中でも指折りの戦士だというのに囚われたというのか。


「なんか、レークライドの軍人ってのに出くわしちまって、不敬罪だとか言われて絡まれて…」


「レークライド、だと」


その名を聞きヴィンは険しい表情になり、シリウスも青ざめる。


「軍人相手だからって簡単に捕まったの?あいつそんなにトロかったー?」


先に戻っていたジェイも流石に驚きを隠せない。


「いや、船長たちに伝えてくれってイクスさんが隙を作ってくれて…すんません俺だけ逃げて来ちまった」


「いや、よく無事だった」


相手がレークライドの軍人ということは、全員女。

しかし彼女達は非常に厳しい訓練を受けており、男にも負けない実力者揃いだ。

いくらイクスでも逃げる事は難しいだろう…そして既に酷い拷問を受けている可能性がある。


「一刻も早く奪還しなくてはな」


「大丈夫なの?ヴィン」


「行くしかないだろう…ゴードンに連絡を」


レークライドから距離があるのになぜここにいるのか、予想外の事態に船内は一気に慌ただしくなった。

そして船ごと捕縛されないよう一度港から離れ、ゴードンの船と合流する。


「久しぶりだなゴードン、レベッカも元気か」


「おうよ。ヴィン坊もデカくなったなあ」


「あのイクスが捕まったって?そんなヘマするとはね」


褐色の肌に丸刈り頭のゴードンと、よく焼けた小麦色の肌にショートカットのレベッカ。

二人は夫婦ではないが、船長と副船長として船を守っている。


「レークライドの軍人がこの島にいるらしい」


「帰ってなかったのか…二ヶ月前に立ち寄ったのは確認している。大型船と小型船複数で来たようだったが、全員引き上げたとばかり思ってたぜ」


「あたしらの確認不足だ、すまない…」


「いや、お前たちのせいではないさ」


とにかくイクスを取り戻すことが先決だ。

逃げて来たアレックスの話によれば、薬屋から戻ろうと広場を通り抜ける際に捕まったらしい。

そしてゴードンたちによると、アイルド共和国が協力しているとしたら城の地下牢まで連れて行かれたかもしれないとのこと。

まずは居場所の目星を付けなければ…小型船を出し、数人ずつ偵察に向かわせることにした。
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