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第2章〜聖女珍道中〜
第17話
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フィーネが目を覚ますと、そこは神殿内の自分の部屋だった。
神に精神世界へ呼ばれて倒れた彼女を、ひとまず寝かせなくてはと運び込んでくれたようだ。
「急に呼ばれると気絶状態になるのはどうにかならないのかしら」
場所を選んで欲しいものである。
ゆっくり身を起こしてみると、幸いな事にどこも痛むところはない。
(倒れ慣れてきて受け身が上手く取れたのかしら)
そんな事を考えていると、小さく扉を叩く音が。
そして入ってきたのは、城へ呼び出される前に世話係をしてくれていた修道女だった。
「…あ、聖女様!目覚められたのですね」
「ああ、ルリ。貴女が世話をしてくれたのね、ありがとう」
「お久しぶりでございます、お加減はいかがですか?」
「どこも痛くないし大丈夫よ」
フィーネの言葉にルリはホッとした表情を浮かべ、枕元にお茶を置く。
「こちらをお飲みください、皆様を呼んでまいりますね」
再び部屋を出ていった。
(みんな心配してるかしら。ライオネル様は一度経験しているけど、他の人たちは初めて見るもんね)
恐らくいつものように突然倒れたであろう自分を見て、きっと隊長達は驚いたに違いない。
そんな事を考えながらお茶を飲んでいると、再び扉を叩く音が。
「聖女様、皆様をお連れ致しました」
「どうぞ」
ルリと共に入ってきたのは、ライオネルとサミュエル王子、そしてヴァレリーとリオネル、聖騎士団長のロランと副隊長ウィリアム。
「フィーネ様、大丈夫ですか!」
真っ先に心配して駆け寄よろうとしたのはリオネル。
しかし椅子をサミュエルに譲るようヴァレリーに止められ、口を尖らせつつ足を止めた。
フィーネは不満そうなリオネルの顔をチラ見して内心萌える。
(口尖らせる癖、可愛い)
感情が表に出やすいようだ。
「フィーネ殿、どこか痛むところはないか?」
「はい、サミュエル様。ご心配おかけいたしました、わたしは大丈夫です」
「それは良かった、突然倒れたから焦ってしまったよ。神に呼ばれるとそうなるらしいな」
説明を受けたらしくサミュエルは微笑みながら続ける。
「倒れる、と思った瞬間動いたのはライオネルだったのだよ」
倒れる寸前に聞こえた呼び声はライオネルのものだったのだろうか。
(くっ…!またライオネルさんに抱きしめられたの!?その肉体の感触を覚えてないなんて!!)
せめて少しくらい感覚が残っていないものか。
残念すぎると嘆きつつ、それを顔には出さないフィーネ。
聖女歴12年は伊達ではない。
神に精神世界へ呼ばれて倒れた彼女を、ひとまず寝かせなくてはと運び込んでくれたようだ。
「急に呼ばれると気絶状態になるのはどうにかならないのかしら」
場所を選んで欲しいものである。
ゆっくり身を起こしてみると、幸いな事にどこも痛むところはない。
(倒れ慣れてきて受け身が上手く取れたのかしら)
そんな事を考えていると、小さく扉を叩く音が。
そして入ってきたのは、城へ呼び出される前に世話係をしてくれていた修道女だった。
「…あ、聖女様!目覚められたのですね」
「ああ、ルリ。貴女が世話をしてくれたのね、ありがとう」
「お久しぶりでございます、お加減はいかがですか?」
「どこも痛くないし大丈夫よ」
フィーネの言葉にルリはホッとした表情を浮かべ、枕元にお茶を置く。
「こちらをお飲みください、皆様を呼んでまいりますね」
再び部屋を出ていった。
(みんな心配してるかしら。ライオネル様は一度経験しているけど、他の人たちは初めて見るもんね)
恐らくいつものように突然倒れたであろう自分を見て、きっと隊長達は驚いたに違いない。
そんな事を考えながらお茶を飲んでいると、再び扉を叩く音が。
「聖女様、皆様をお連れ致しました」
「どうぞ」
ルリと共に入ってきたのは、ライオネルとサミュエル王子、そしてヴァレリーとリオネル、聖騎士団長のロランと副隊長ウィリアム。
「フィーネ様、大丈夫ですか!」
真っ先に心配して駆け寄よろうとしたのはリオネル。
しかし椅子をサミュエルに譲るようヴァレリーに止められ、口を尖らせつつ足を止めた。
フィーネは不満そうなリオネルの顔をチラ見して内心萌える。
(口尖らせる癖、可愛い)
感情が表に出やすいようだ。
「フィーネ殿、どこか痛むところはないか?」
「はい、サミュエル様。ご心配おかけいたしました、わたしは大丈夫です」
「それは良かった、突然倒れたから焦ってしまったよ。神に呼ばれるとそうなるらしいな」
説明を受けたらしくサミュエルは微笑みながら続ける。
「倒れる、と思った瞬間動いたのはライオネルだったのだよ」
倒れる寸前に聞こえた呼び声はライオネルのものだったのだろうか。
(くっ…!またライオネルさんに抱きしめられたの!?その肉体の感触を覚えてないなんて!!)
せめて少しくらい感覚が残っていないものか。
残念すぎると嘆きつつ、それを顔には出さないフィーネ。
聖女歴12年は伊達ではない。
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