とある一般人女性の日常

歌龍吟伶

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元彼に元カノから電話が来た時のおはなし

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これは十年ほど前の出来事。

当時交際していた相手とのエピソード。

遠距離恋愛中だった彼との、毎晩恒例だった通話をしていたとき。


「あ、そうだ。なにもやましいことがないから話すけど、元カノから電話が来たんだ」 


そう言い出した彼に、


「・・・どの?」


私はそう聞き返す。

彼には14人ほど元カノがいるのだ。


「えっ?」 

「いつの?」 


強めに言い直すと、彼は高校時代に付き合ってた子だと言った。


それを聞き、私は即座に記憶を辿る。


「初カノですね?4年付き合った小さくて可愛いこですね?」


武勇伝のつもりなのか知らないが、写真を見せて貰って事があるのだ。


「よく覚えてるなーっ」 

「初めて付き合った小さくて可愛い子の事ですねっ?」 

「でも馬鹿な子だったよ」

「そこが可愛かったんじゃないんですかー」 


俺も若かったんだよ、と力無く笑う彼…高校生くらいの頃ロリコンの気があったらしい 。

ちなみに元カノの用件は、痴漢にあって犯人を警察に引き渡したら警察から検察を紹介されたんだが検察って何?と。 

証拠突きつけたりする人だよと説明したら「あ、じゃあ味方なんだね^^」と言ったそうな。 


「ね?バカでしょー。警察が敵を紹介するわけないだろうに」 


そう言いながら笑う彼の声は明るくて、モヤモヤしたのを覚えている。


「でもなんでわざわざ電話してくるのー」 

「他にいなかったんじゃない?近くの知り合いに言うとバカにされると思ったのかも」 

「交際歴最長記録だもんねー」 

「浮気なんてしてないから話したんだよ」 

「ぼくだって浮気なんてしないよ」 


当時は僕っ子だったことまで思い出してしまったが、この頃は初めての彼氏に夢中だった。

ちなみに、この男とは最悪な別れ方をしたとだけ記しておこう。
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