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カマキリの威嚇
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それは、地元の住宅街を車で走っていた時のこと。
母を助手席に乗せゆっくりと車を走らせていると、前方に小さな何かが見えた。
「…ん?なんか居る」
私はハンドル握りながら目を凝らす。
母には見えないらしく、
「えー?何も見えないわよー?」
前方に視線をやりながらそう言われた。
しかし、車一台が通れる程度の車道をまっすぐ進んでいくと、やはり何かいるのだ。
「んー…あ。カマキリだ」
そう、そこに居たのは1匹のカマキリ。
黄緑色のカマキリさんが、道路のど真ん中に居た。
「よく見えたね~、全然気づかなかったぁ」
呑気な母の声を無視して、ギリギリまで近づく私。
しかしカマキリは、何か巨大なものが迫ってきたことにより警戒したらしくこちらを向いて両手を上げた。
「ちょ…威嚇してきたんだけど!」
突如として始まった、カマキリvs車。
必死に両手を上げ、ゆらゆら揺れるカマキリ。
「どいてよ!勝てるわけないじゃーん!」
大笑いする私と母。
せめてサイズ感くらいは分かってくれないものなのか。
個人的にカマキリは好きなので轢きたくないし、威嚇する姿すら可愛いと思ってしまった。
しかしいつまでも止まっていても、きっとこのカマキリは諦めないだろう。
仕方がないのでそのままゆっくりと車を走らせ、私はカマキリを跨ぐことに。
助手席の母は、潰したんじゃないかと心配していたけれど。
ルームミラーで確認してみたところ、車が通り過ぎてもまだカマキリは威嚇していた。
「あの子まだ威嚇してるわ、もう居ないのに」
虫からすれば、謎の巨大生物に迫られた気分だったのだろう。
敵がいなくなったことに気づくのはいつになるのやら。
見届けるほど暇でもなかったので、私達は立ち去ったのであった。
母を助手席に乗せゆっくりと車を走らせていると、前方に小さな何かが見えた。
「…ん?なんか居る」
私はハンドル握りながら目を凝らす。
母には見えないらしく、
「えー?何も見えないわよー?」
前方に視線をやりながらそう言われた。
しかし、車一台が通れる程度の車道をまっすぐ進んでいくと、やはり何かいるのだ。
「んー…あ。カマキリだ」
そう、そこに居たのは1匹のカマキリ。
黄緑色のカマキリさんが、道路のど真ん中に居た。
「よく見えたね~、全然気づかなかったぁ」
呑気な母の声を無視して、ギリギリまで近づく私。
しかしカマキリは、何か巨大なものが迫ってきたことにより警戒したらしくこちらを向いて両手を上げた。
「ちょ…威嚇してきたんだけど!」
突如として始まった、カマキリvs車。
必死に両手を上げ、ゆらゆら揺れるカマキリ。
「どいてよ!勝てるわけないじゃーん!」
大笑いする私と母。
せめてサイズ感くらいは分かってくれないものなのか。
個人的にカマキリは好きなので轢きたくないし、威嚇する姿すら可愛いと思ってしまった。
しかしいつまでも止まっていても、きっとこのカマキリは諦めないだろう。
仕方がないのでそのままゆっくりと車を走らせ、私はカマキリを跨ぐことに。
助手席の母は、潰したんじゃないかと心配していたけれど。
ルームミラーで確認してみたところ、車が通り過ぎてもまだカマキリは威嚇していた。
「あの子まだ威嚇してるわ、もう居ないのに」
虫からすれば、謎の巨大生物に迫られた気分だったのだろう。
敵がいなくなったことに気づくのはいつになるのやら。
見届けるほど暇でもなかったので、私達は立ち去ったのであった。
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