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スズメバチに刺されない
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生まれ故郷に住んでいた頃、よくスズメバチに遭遇していた。
田んぼに囲まれた自然の多い地域。
そんな田舎道を毎日愛犬の散歩のために歩いていたのだが。
ある朝、いつものようにぐるりと散歩コースを回り、もう少しで帰り着くところまで来た時のこと。
突然ブーンという大きな羽音がしたと思ったら、目の前をスズメバチが横切った。
一度私の目の前を飛んで行ったスズメバチは、Uターンし愛犬の方へ。
「あ!!」
ルンルンで歩いていた愛犬を止めようとしても間に合わない。
一瞬のうちにスズメバチは犬の前を横切ろうとした。
しかし全く気づいていなかった愛犬は、ハァハァしながら口を開けて歩き続け。
パクッ
その口にスズメバチが入ってしまったのだ。
なんか口に入った!と吐き出す愛犬。
スズメバチはヘロヘロになりながら飛び立って行った。
幸いにも愛犬はその後体調を崩すことなく過ごせたが、なぜ私には全く反応しなかったのだろう…
そしてまた別の日の朝。
いつものように散歩に出て、草むらへと飛び込んだ愛犬。
一緒に一歩踏み出した、次の瞬間。
私の足元から一匹のスズメバチが飛び出してきた。
(あ…これは刺されるやつ)
眠っていたのかなんなのか、地面に居たらしいスズメバチさん。
突然人の足が降ってきたのだから、襲ってきてもおかしくない。
にも関わらず、全くこちらを気にする様子もなく飛び立って行った。
(…寝ぼけてたのか??)
よく木の根元などに巣を作っていたスズメバチに襲われるというニュースがあるが、似たような状況のはずが刺されずに助かった。
そしてまたある日。
やはり朝、さあ散歩だ!と歩き出したばかりの時。
真っ直ぐな道で、スズメバチと鉢合わせしてしまった。
ちょうど顔の高さを飛んでいたスズメバチさんと、文字通りバッタリ出くわしたのだ。
(ひっ…!)
見つめ合う私とスズメバチ。
なぜ立ち止まっているのか理解できずにソワソワする愛犬。
(逃げたいけど動いたらさすがに襲われそう…)
愛犬よ、頼むから動かないでくれ。
心の中で必死に祈っていると、スズメバチはゆっくりと私の横を通って行った。
(…いやマジか)
今までは、気づかれなかったのかもしれない。
しかしこの時は間違いなく目が合っていた。
少なくとも進行方向に何かある、と認識していたはずだ。
たっぷり30秒は向かい合ったのに、何事もなく過ぎ去っていった。
ちなみに、スズメバチに遭遇するのは朝だけではない。
ある日の昼、庭の草むしりをしていた時のこと。
ブーン
っと、突然首元を何かがかすめていった。
「いった…なに!?」
擦られて頭首を抑えながら振り向くと、スズメバチさんの姿が。
こちらを気にすることなく、そのままお隣さんの庭の木へと消えていく。
痛かったのは羽がぶつかったからだろう、特に傷にはなっていなかった。
接触したのに刺されなかったのである。
そういえば、部屋に侵入されたこともある。
なにやら窓にバチバチとぶつかる音がするなあと思い見ると、ガラスにタックルするスズメバチが。
「うわぁ…なんで入ってこようとしてるの?」
最初は外にいるものだと思っていたのだが、数分経ってもバチバチいっている。
よーく見ると…カーテンが揺れていたのだ。
閉めたつもりが隙間が空いていたらしい。
「中にいるー!!」
大慌てで家にある殺虫剤を持ち出し、1本分全部噴射する私。
スズメバチ用ではなかったが、スズメバチさんは外に出たくて必死だったためこちらを襲ってくることはなく。
無事に退治できて私は無傷で済んだ。
「なんか…ごめん」
恐る恐る死骸を片付けながら、ちょっと申し訳なく思ったのを覚えている。
この時のスズメバチは大スズメバチで、とてつもなく恐ろしかった。
田んぼに囲まれた自然の多い地域。
そんな田舎道を毎日愛犬の散歩のために歩いていたのだが。
ある朝、いつものようにぐるりと散歩コースを回り、もう少しで帰り着くところまで来た時のこと。
突然ブーンという大きな羽音がしたと思ったら、目の前をスズメバチが横切った。
一度私の目の前を飛んで行ったスズメバチは、Uターンし愛犬の方へ。
「あ!!」
ルンルンで歩いていた愛犬を止めようとしても間に合わない。
一瞬のうちにスズメバチは犬の前を横切ろうとした。
しかし全く気づいていなかった愛犬は、ハァハァしながら口を開けて歩き続け。
パクッ
その口にスズメバチが入ってしまったのだ。
なんか口に入った!と吐き出す愛犬。
スズメバチはヘロヘロになりながら飛び立って行った。
幸いにも愛犬はその後体調を崩すことなく過ごせたが、なぜ私には全く反応しなかったのだろう…
そしてまた別の日の朝。
いつものように散歩に出て、草むらへと飛び込んだ愛犬。
一緒に一歩踏み出した、次の瞬間。
私の足元から一匹のスズメバチが飛び出してきた。
(あ…これは刺されるやつ)
眠っていたのかなんなのか、地面に居たらしいスズメバチさん。
突然人の足が降ってきたのだから、襲ってきてもおかしくない。
にも関わらず、全くこちらを気にする様子もなく飛び立って行った。
(…寝ぼけてたのか??)
よく木の根元などに巣を作っていたスズメバチに襲われるというニュースがあるが、似たような状況のはずが刺されずに助かった。
そしてまたある日。
やはり朝、さあ散歩だ!と歩き出したばかりの時。
真っ直ぐな道で、スズメバチと鉢合わせしてしまった。
ちょうど顔の高さを飛んでいたスズメバチさんと、文字通りバッタリ出くわしたのだ。
(ひっ…!)
見つめ合う私とスズメバチ。
なぜ立ち止まっているのか理解できずにソワソワする愛犬。
(逃げたいけど動いたらさすがに襲われそう…)
愛犬よ、頼むから動かないでくれ。
心の中で必死に祈っていると、スズメバチはゆっくりと私の横を通って行った。
(…いやマジか)
今までは、気づかれなかったのかもしれない。
しかしこの時は間違いなく目が合っていた。
少なくとも進行方向に何かある、と認識していたはずだ。
たっぷり30秒は向かい合ったのに、何事もなく過ぎ去っていった。
ちなみに、スズメバチに遭遇するのは朝だけではない。
ある日の昼、庭の草むしりをしていた時のこと。
ブーン
っと、突然首元を何かがかすめていった。
「いった…なに!?」
擦られて頭首を抑えながら振り向くと、スズメバチさんの姿が。
こちらを気にすることなく、そのままお隣さんの庭の木へと消えていく。
痛かったのは羽がぶつかったからだろう、特に傷にはなっていなかった。
接触したのに刺されなかったのである。
そういえば、部屋に侵入されたこともある。
なにやら窓にバチバチとぶつかる音がするなあと思い見ると、ガラスにタックルするスズメバチが。
「うわぁ…なんで入ってこようとしてるの?」
最初は外にいるものだと思っていたのだが、数分経ってもバチバチいっている。
よーく見ると…カーテンが揺れていたのだ。
閉めたつもりが隙間が空いていたらしい。
「中にいるー!!」
大慌てで家にある殺虫剤を持ち出し、1本分全部噴射する私。
スズメバチ用ではなかったが、スズメバチさんは外に出たくて必死だったためこちらを襲ってくることはなく。
無事に退治できて私は無傷で済んだ。
「なんか…ごめん」
恐る恐る死骸を片付けながら、ちょっと申し訳なく思ったのを覚えている。
この時のスズメバチは大スズメバチで、とてつもなく恐ろしかった。
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