23 / 25
スズメバチに刺されない
しおりを挟む
生まれ故郷に住んでいた頃、よくスズメバチに遭遇していた。
田んぼに囲まれた自然の多い地域。
そんな田舎道を毎日愛犬の散歩のために歩いていたのだが。
ある朝、いつものようにぐるりと散歩コースを回り、もう少しで帰り着くところまで来た時のこと。
突然ブーンという大きな羽音がしたと思ったら、目の前をスズメバチが横切った。
一度私の目の前を飛んで行ったスズメバチは、Uターンし愛犬の方へ。
「あ!!」
ルンルンで歩いていた愛犬を止めようとしても間に合わない。
一瞬のうちにスズメバチは犬の前を横切ろうとした。
しかし全く気づいていなかった愛犬は、ハァハァしながら口を開けて歩き続け。
パクッ
その口にスズメバチが入ってしまったのだ。
なんか口に入った!と吐き出す愛犬。
スズメバチはヘロヘロになりながら飛び立って行った。
幸いにも愛犬はその後体調を崩すことなく過ごせたが、なぜ私には全く反応しなかったのだろう…
そしてまた別の日の朝。
いつものように散歩に出て、草むらへと飛び込んだ愛犬。
一緒に一歩踏み出した、次の瞬間。
私の足元から一匹のスズメバチが飛び出してきた。
(あ…これは刺されるやつ)
眠っていたのかなんなのか、地面に居たらしいスズメバチさん。
突然人の足が降ってきたのだから、襲ってきてもおかしくない。
にも関わらず、全くこちらを気にする様子もなく飛び立って行った。
(…寝ぼけてたのか??)
よく木の根元などに巣を作っていたスズメバチに襲われるというニュースがあるが、似たような状況のはずが刺されずに助かった。
そしてまたある日。
やはり朝、さあ散歩だ!と歩き出したばかりの時。
真っ直ぐな道で、スズメバチと鉢合わせしてしまった。
ちょうど顔の高さを飛んでいたスズメバチさんと、文字通りバッタリ出くわしたのだ。
(ひっ…!)
見つめ合う私とスズメバチ。
なぜ立ち止まっているのか理解できずにソワソワする愛犬。
(逃げたいけど動いたらさすがに襲われそう…)
愛犬よ、頼むから動かないでくれ。
心の中で必死に祈っていると、スズメバチはゆっくりと私の横を通って行った。
(…いやマジか)
今までは、気づかれなかったのかもしれない。
しかしこの時は間違いなく目が合っていた。
少なくとも進行方向に何かある、と認識していたはずだ。
たっぷり30秒は向かい合ったのに、何事もなく過ぎ去っていった。
ちなみに、スズメバチに遭遇するのは朝だけではない。
ある日の昼、庭の草むしりをしていた時のこと。
ブーン
っと、突然首元を何かがかすめていった。
「いった…なに!?」
擦られて頭首を抑えながら振り向くと、スズメバチさんの姿が。
こちらを気にすることなく、そのままお隣さんの庭の木へと消えていく。
痛かったのは羽がぶつかったからだろう、特に傷にはなっていなかった。
接触したのに刺されなかったのである。
そういえば、部屋に侵入されたこともある。
なにやら窓にバチバチとぶつかる音がするなあと思い見ると、ガラスにタックルするスズメバチが。
「うわぁ…なんで入ってこようとしてるの?」
最初は外にいるものだと思っていたのだが、数分経ってもバチバチいっている。
よーく見ると…カーテンが揺れていたのだ。
閉めたつもりが隙間が空いていたらしい。
「中にいるー!!」
大慌てで家にある殺虫剤を持ち出し、1本分全部噴射する私。
スズメバチ用ではなかったが、スズメバチさんは外に出たくて必死だったためこちらを襲ってくることはなく。
無事に退治できて私は無傷で済んだ。
「なんか…ごめん」
恐る恐る死骸を片付けながら、ちょっと申し訳なく思ったのを覚えている。
この時のスズメバチは大スズメバチで、とてつもなく恐ろしかった。
田んぼに囲まれた自然の多い地域。
そんな田舎道を毎日愛犬の散歩のために歩いていたのだが。
ある朝、いつものようにぐるりと散歩コースを回り、もう少しで帰り着くところまで来た時のこと。
突然ブーンという大きな羽音がしたと思ったら、目の前をスズメバチが横切った。
一度私の目の前を飛んで行ったスズメバチは、Uターンし愛犬の方へ。
「あ!!」
ルンルンで歩いていた愛犬を止めようとしても間に合わない。
一瞬のうちにスズメバチは犬の前を横切ろうとした。
しかし全く気づいていなかった愛犬は、ハァハァしながら口を開けて歩き続け。
パクッ
その口にスズメバチが入ってしまったのだ。
なんか口に入った!と吐き出す愛犬。
スズメバチはヘロヘロになりながら飛び立って行った。
幸いにも愛犬はその後体調を崩すことなく過ごせたが、なぜ私には全く反応しなかったのだろう…
そしてまた別の日の朝。
いつものように散歩に出て、草むらへと飛び込んだ愛犬。
一緒に一歩踏み出した、次の瞬間。
私の足元から一匹のスズメバチが飛び出してきた。
(あ…これは刺されるやつ)
眠っていたのかなんなのか、地面に居たらしいスズメバチさん。
突然人の足が降ってきたのだから、襲ってきてもおかしくない。
にも関わらず、全くこちらを気にする様子もなく飛び立って行った。
(…寝ぼけてたのか??)
よく木の根元などに巣を作っていたスズメバチに襲われるというニュースがあるが、似たような状況のはずが刺されずに助かった。
そしてまたある日。
やはり朝、さあ散歩だ!と歩き出したばかりの時。
真っ直ぐな道で、スズメバチと鉢合わせしてしまった。
ちょうど顔の高さを飛んでいたスズメバチさんと、文字通りバッタリ出くわしたのだ。
(ひっ…!)
見つめ合う私とスズメバチ。
なぜ立ち止まっているのか理解できずにソワソワする愛犬。
(逃げたいけど動いたらさすがに襲われそう…)
愛犬よ、頼むから動かないでくれ。
心の中で必死に祈っていると、スズメバチはゆっくりと私の横を通って行った。
(…いやマジか)
今までは、気づかれなかったのかもしれない。
しかしこの時は間違いなく目が合っていた。
少なくとも進行方向に何かある、と認識していたはずだ。
たっぷり30秒は向かい合ったのに、何事もなく過ぎ去っていった。
ちなみに、スズメバチに遭遇するのは朝だけではない。
ある日の昼、庭の草むしりをしていた時のこと。
ブーン
っと、突然首元を何かがかすめていった。
「いった…なに!?」
擦られて頭首を抑えながら振り向くと、スズメバチさんの姿が。
こちらを気にすることなく、そのままお隣さんの庭の木へと消えていく。
痛かったのは羽がぶつかったからだろう、特に傷にはなっていなかった。
接触したのに刺されなかったのである。
そういえば、部屋に侵入されたこともある。
なにやら窓にバチバチとぶつかる音がするなあと思い見ると、ガラスにタックルするスズメバチが。
「うわぁ…なんで入ってこようとしてるの?」
最初は外にいるものだと思っていたのだが、数分経ってもバチバチいっている。
よーく見ると…カーテンが揺れていたのだ。
閉めたつもりが隙間が空いていたらしい。
「中にいるー!!」
大慌てで家にある殺虫剤を持ち出し、1本分全部噴射する私。
スズメバチ用ではなかったが、スズメバチさんは外に出たくて必死だったためこちらを襲ってくることはなく。
無事に退治できて私は無傷で済んだ。
「なんか…ごめん」
恐る恐る死骸を片付けながら、ちょっと申し訳なく思ったのを覚えている。
この時のスズメバチは大スズメバチで、とてつもなく恐ろしかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる