斬り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ

藤間背骨

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第14話

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 自陣に戻り、鎧を脱いだ鹿島は真っ先に角解つのおつの元に向かった。
 幕舎に入ると鹿島に気付いた角解は怒りの表情を見せて鹿島に向かってくる。

「鹿島殿、勝手な真似をされては困ります!」

 言葉が出る前に手は角解の胸倉を掴んだ。

「角解! 貴様、よくも一騎打ちに水を差してくれたな!」

 鹿島の剣幕に物怖じせずに角解は言い返した。

「何が一騎打ちですか! 聞けば犬吠森とは互角の戦いであったとか。運があちらに味方すれば負けていたかもしれないのですよ! あなたが負ければ武神の名折れ、士気にも影響が出ます!」
「俺が負けると思っていたのか!」
「負けたようなものでしょう、顔にそんな傷をつけられて……」

 鹿島は言い返せず、怒りに任せて角解を殴りつける。
 角解は地面に転がり呻き、口の中が切れたのか口から一筋血が垂れた。
 起き上がろうとする角解の腹を蹴り上げて動きを止めると、幕舎の隅に雑然と置かれていた道具から縄を掴んで持ってくる。

「罰が必要だな」

 縄を手にした鹿島の姿を認めて角解は体を起こして逃げようとするが、髪を掴んで引き倒す。
 抵抗する手を掴んで力任せに後ろ手に縛り、仰向けに転がして袴の紐に手をかける。
 角解の深緑の瞳が恐怖に揺れた。
 下帯を解いて秘部を露わにすると鹿島も袴を脱ぎ、いきり立った陽根を見せつけるように扱く。
 暴れる足を掴むと先走りに濡れただけの陽根を後孔にあてがい一気に貫いた。

「あ、ああああっ……!」

 慣らしていない後孔に太い陽根をねじこまれ、角解は目を見開いて苦悶の声を上げる。
 肉壁はきゅうと絡みつくように陽根を締めつけ、鹿島を喜ばせた。
 そのまま律動を始めると、腹の中に埋め込まれた異物が動く不快感に角解は呻く。

「う、ぁ……、うぅっ……」

「もっと啼かんか! 俺に逆らうとどうなるか、周りの者に示してみろ!」

「か、しま、どの……っ、あぁっ……、うっ、んぅ……っ!」

 誰もいない幕舎にぐちゅぐちゅとした水音と角解の呻き声だけが響いていた。
 その声は布一枚隔てただけの外にも十分聞こえているだろう。

「あっ、ああ……っ!」

 奥を突き上げると角解の声に快楽の色が混ざり始めた。
 角解の陽根もゆるく勃ちあがり、鈴口は先走りに濡れている。
 それを見て鹿島は口を歪めて笑い、角解の白い首筋に両手を伸ばした。

「感じているのか角解、罰だと言っただろう」

 言うと鹿島は両の腕に力を込め、喉を締め上げる。

「ぐっ、が……っ!」

 気道を押し潰され、空気を求めて大きく口を開けて喘ぐ。
 息ができずに体が強張り、腸壁はより強く鹿島の陽根を締め付け、最奥を穿つと鹿島は大量の精を角解の中に吐き出した。
 首から手を離すと、やっと呼吸を許された角解は胸を上下させて息をする。
 また鹿島が首筋に手を伸ばすのを見て、角解は声を震わせ懇願した。しかし鹿島の手は止まらなかった。

「かっ、鹿島殿、やめ……っ!」

 首を絞められ、言葉は途中で途切れた。

「これでも感じるか?」

 またぎゅうと締め付けが強くなり、奥まで突き上げながら鹿島は言う。
 一度陽根を引き抜き、一息に最奥まで届かせると角解は体を震わせて達し、精を吐き出す。
 腹の中を埋めていた陽根が引き抜かれて手が首筋から離れ、角解はげほげほとむせこんだ。
 目には涙が浮かび、瞳はぼんやりと宙を映して生気がない。
 これ以上は殺してしまいそうだと鹿島は首元に伸ばしかけた手を止め、次はどうしてやろうかと角解の体をねぶるように見つめた。
 萎えた角解の陽根を見て、よいことを思いついたと目を細める。
 懐から短刀を取り出して鞘から抜くと、角解の目の前でちらつかせた。
 刃を目にして角解は目を見開き、ひっと短い悲鳴をあげる。

「殺しはしない」

 言いながら鹿島は短刀を持ち直すと角解の下腹部にやり、刃を寝かせて髪と同じ山吹色の下生えにあてた。冷たい刃が肌に触れ、角解の体がびくりと震えた。

「動くな。大事な魔羅に傷がつくぞ」

 言いながら鹿島は刃を動かした。毛を剃る独特の感触が手に伝わる。
 思わず角解の腰が引けると肌が刃に触れて一筋の傷ができ、血で滲んだ。
 敏感な箇所に走った痛みに角解は顔を歪める。

「なんだ、傷ができるほうが好みか?」

 口にしながらも鹿島は手を止めることはなかった。
 体を強張らせる角解の反応を楽しむように少しずつ刃を動かし、二、三の傷を作りながら下生えを全て剃り上げた。
 刃についた毛を吹いて飛ばすと、角解を転がして縄を切った。

「これに懲りたら、二度と俺に邪魔立てしようなどと思うな。いたぶられるのが好きと言うなら相手をしてやるがな」

 角解が力なく頷くのを見ると、鹿島は身を整えて幕舎から出ていった。

「動くな」

 幕舎から出たところで鹿島は槍を構えた兵に囲まれ、正面には鷹羽が立っていた。

「おやおやこれは鷹羽殿、いかがしました」

 気が済んでいつも通りに鷹揚に構え直した鹿島は鷹羽を見据える。鹿島と相対しても鷹羽は臆することはなかった。

「軍監としての仕事をしている。いくら気に食わぬといえ、殿の名代となる総大将を襲ったとなれば殿に弓引いたのと同じ。武神とて容赦はせん」
「そう思うのであればすぐに来ればよかったものを。よほど俺のことが怖いと見えます」

 鹿島が言い返すと鷹羽は目を閉じ、困ったように笑ってみせた。

「手負いの獣は何をしでかすかわからんからな。静かになるまで待っていただけのことだ」

 鷹羽は言葉を区切ると目を開き、鹿島の目をまっすぐに見つめる。

「角解に代わり今から俺が指揮を執る。異論はないな」

「それはいい案です。どうにも気に食わないんですよ、あの男。あんな男よりは鷹羽殿のほうがましです」

 言って、もうよいかと視線で問うと、鷹羽は兵の包囲を解かせる。

 鹿島の姿が見えなくなるまで、鷹羽は鹿島の背をじっと睨みつけていた。



「で、どうなんだ、策とやらがあるのだろう」

 あれ以来、鹿島はずっと自分の幕舎に篭っている。

 念のため角解を自分の幕舎に匿った鷹羽は、骨組みに布を渡しただけの寝台の上で不貞寝している角解に声をかけた。
 自分が指揮を執ると啖呵を切ったはいいものの、野戦は得意だが城攻めの経験がない鷹羽にはどうやって城を落とすのか見当もつかなかった。
 角解はなんとも面倒臭そうに、ううんと唸る。

「何もせずとも数日中に動きがありますよ。そうすればあちらの方から降伏してきます」
「降伏だと?」

 角解は頷いて返し、懐から文を取り出して鷹羽に渡した。
 鷹羽は受け取ると目を通してその内容に目を瞠る。

「これは……」

 角解は鷹羽が読んだのを確認すると鷹羽の手から文を取り、すぐに仕舞い込んだ。

「誰にも言ってはなりませんよ。秘密は知る人間が少ないほどいいのです」

 鷹羽は眉を寄せ、困った顔をして頷いた。

「それはもっともだが、軍監の俺には何から何まで報告してもらおうか」
「確実になってから鷹羽殿のお耳に入れようと思ったのです。次からはそうしますよ」

 不貞腐れながら角解は口を尖らせて言った。
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