7 / 46
7.女神様と噂話
しおりを挟む
月曜日。
いつもと変りなく学校に着き、自分の教室に入ると、普段より騒がしい感じがした。
何があったのかは知らないが、特に気にすることもないだろう。自分の席に座ってると、少し眠そうな顔の浩介がやってきた。
「オッス、優希」
「浩介、おはよう。なぁ、なんか騒がしいけど何かあったのか?」
浩介は俺と違って友達も多いから、何か知ってるかもしれないと思い聞いてみた。
意外と事情通なのである。
「おいおい、お前知らないのかよ。大ニュースだ!今、校内は週末に女神様が男とデートしてたって話で持ち切りだぜ。年上のイケメンだそうだ。ファミレスで一緒に飯食ってるとことか、一緒にスーパーで買い物してたところを何人も目撃してるらしいぜ」
マジか……穂香も知り合いには誰にも会わなかったと言っていたが、結構見られてたってことか。少々離れていてもあれだけの美人は目立つからな~。
だが、とりあえず事実確認だけしておかねば。
「初耳だな。その相手の男は誰かわかってないのか?」
「お、何だ?お前も気になるのか?相手の男はこの学校の生徒ではないだろうってことだ。多分、大学生とかじゃないか?結構年上っぽいみたいだしな」
なるほど、どうやら俺だとはバレてないらしい。あまりしつこく聞くと疑われそうだし、適当に切り返しておくか。
「まぁ、一応ホットな話題くらいは共有しておきたいからな。また、何かわかったら教えてくれ」
「ああ、わかった」
朝から美味い朝食を作ってくれた同級生に、火消しよろしくと心の中でエールを送り、俺は机に突っ伏して授業まで時間を潰した。
「結局、いとこの人って話らしいな~」
昼休み。俺はいつものメンバーと昼食を食べていた。穂香が上手く言ってくれたのだろう、昼休みには朝のような喧騒はなくなっていた。
「私は、穂香さんの非公認ファンクラブの方々のキモさにドン引きです。どちらにしろ、あの方々には夢も希望もないのですから、さっさと解散すればいいのです。それが穂香さんの幸せに繋がりますし、世の中の平和のためになるのです」
ファンクラブの連中など、朝は悲壮感漂う表情で男の情報を集めてたらしいが、いとこだとわかった途端、笑顔で握手し出したり、雄たけびをあげながら抱き合ったりしてたらしい。
まぁ、菜摘がキモイというのもわかる気がする。
ちなみに、この時まで知らなかったが、菜摘は穂香と同じクラスで仲良いみたいだ。この辺りは、ボロが出る前に穂香と共有しておかないといけない。
「あいつらは女神様を崇拝してるからな、最初に噂を聞いたときは、気が気じゃなかったんじゃないか?」
「そんなもんか?俺にはわからん感情だな」
「なぁ、ナツは他に何か知らないのか?」
浩介が聞くと、菜摘は持っていた紙パックのいちごオレをちゅーっと飲み干して、一息ついてから言った。
「そうですね、今、穂香さんには女子達が群がってるかもしれないです。穂香さんのマル秘デートを目撃した女子達が、一緒にいた人が彼氏じゃないなら紹介して欲しいとか、そんな感じで迫っているので。今日は私は昼休みギリギリまでここにいますね。巻き込まれたくないので」
セーフだと思っていたが、厄介事が舞い込んできそうな予感がする。
俺のクラスの昼休みは、いつものように浩介が菜摘に言葉でえぐられて、クラスのみんなから温かく見守られるという、普段と変わらぬ時間が過ぎていた。
夕方、いつものように穂香が夕食作りにやって来たが、何となくいつもより疲れてる感じがするな。やはり、かなりの質問攻めにあったのだろう。
「大変だったそうだな」
「ホントによ~半分はユウ君のせいだよ?」
「結構目撃されてたみたいだからな~」
穂香によると最初はみんな遠慮してたが、誰か一人が話しかけてきてからはずっと質問攻めにあってたらしい。
男子には一緒にいた男との関係、女子には一緒にいた男の事を聞かれることが多かったそうだ。
俺との関係はともかく、俺のことなど聞いても仕方ないだろうに。
「ユウ君の事めっちゃ聞かれたよ。女の子に。彼女はいるのかとか、何してる人なのかとか……モテモテだね~」
「なぜだ?俺だということはバレてなかったのだろ?」
「うん、そうね。残念ながら?バレてなかったわ。あ、みんなには従兄の大学生で、彼女はいるか知らないから、今度聞いておくって言っておいたから」
上手くやってくれたようだ、ありがたい。色々面倒くさいことになると嫌だから、彼女はいるということにしておいてもらおう。
「そういや、穂香は菜摘と仲良いのか?」
昼間に気になったことを思い出したので聞いてみた。
「菜摘って清浦菜摘?なっちゃんなら仲良いけど、どうして?それに何で呼び捨てなの?」
いつの間に作ってあったのか、麦茶をコップに注いで持ってきてくれた。
ジト目を添えて。
「あ~、友達の浩介の彼女が菜摘なんだよ。いつからだったか菜摘って呼んで欲しいって言われて、それからは菜摘って呼ばないと返事してくれないからな、あいつ」
「へぇ~、ふ~ん、そうなんだ……なるほどね~あ、なっちゃんいつもお昼は、彼氏の所に食べに行ってるみたいだけど、もしかしてユウ君も一緒なの?」
「そうだな。毎日、目の前であいつらの夫婦漫才を見せられてるよ」
時々、俺にも流れ弾がくるけどな、と付け加えると、御愁傷様って感じの表情を返された。
穂香によると、菜摘を呼び捨てにしてる男子はクラスにはいないらしく、結構気に入られてるはずとのことだ。
菜摘は彼氏持ちなのに、その可愛らしい外見から結構告白されることがあるみたいだが、その度に言葉のナイフで相手をバッサリ切るので、フラれた側はかなり心を折られるらしい。
「ユウ君は、なっちゃんみたいな感じの子は、好きじゃないの?」
「外見は可愛いし、性格とかも良いとは思うが、俺ではあの口撃に耐えられん。男として浩介を尊敬するよ」
「そうなんだ。私は、その浩介君と話したことないから知らないけど、二人のやり取り見てみたいかも。私も一緒に昼ご飯食べに行こうかな~」
突然、穂香がとんでもないことを言い出した。いや、それは色々とマズイ。
浩介も菜摘も俺が穂香とこういう関係にあることは知らない。あの二人が大丈夫でも、周りからは、何であいつが女神様と飯を?みたいな空気になることは間違いない。
何とか色々理由を並べて、とりあえず突撃してくるのは避けられたが、その代わりと言ってはなんだが、もう一つ、強力な爆弾を投下していった。
「明日から、ユウ君の分もお弁当作るから、忘れずに持っていってね。忘れたら直接教室に届けに行くから」
女神様は俺を困らせるのが好きらしい。
いつもと変りなく学校に着き、自分の教室に入ると、普段より騒がしい感じがした。
何があったのかは知らないが、特に気にすることもないだろう。自分の席に座ってると、少し眠そうな顔の浩介がやってきた。
「オッス、優希」
「浩介、おはよう。なぁ、なんか騒がしいけど何かあったのか?」
浩介は俺と違って友達も多いから、何か知ってるかもしれないと思い聞いてみた。
意外と事情通なのである。
「おいおい、お前知らないのかよ。大ニュースだ!今、校内は週末に女神様が男とデートしてたって話で持ち切りだぜ。年上のイケメンだそうだ。ファミレスで一緒に飯食ってるとことか、一緒にスーパーで買い物してたところを何人も目撃してるらしいぜ」
マジか……穂香も知り合いには誰にも会わなかったと言っていたが、結構見られてたってことか。少々離れていてもあれだけの美人は目立つからな~。
だが、とりあえず事実確認だけしておかねば。
「初耳だな。その相手の男は誰かわかってないのか?」
「お、何だ?お前も気になるのか?相手の男はこの学校の生徒ではないだろうってことだ。多分、大学生とかじゃないか?結構年上っぽいみたいだしな」
なるほど、どうやら俺だとはバレてないらしい。あまりしつこく聞くと疑われそうだし、適当に切り返しておくか。
「まぁ、一応ホットな話題くらいは共有しておきたいからな。また、何かわかったら教えてくれ」
「ああ、わかった」
朝から美味い朝食を作ってくれた同級生に、火消しよろしくと心の中でエールを送り、俺は机に突っ伏して授業まで時間を潰した。
「結局、いとこの人って話らしいな~」
昼休み。俺はいつものメンバーと昼食を食べていた。穂香が上手く言ってくれたのだろう、昼休みには朝のような喧騒はなくなっていた。
「私は、穂香さんの非公認ファンクラブの方々のキモさにドン引きです。どちらにしろ、あの方々には夢も希望もないのですから、さっさと解散すればいいのです。それが穂香さんの幸せに繋がりますし、世の中の平和のためになるのです」
ファンクラブの連中など、朝は悲壮感漂う表情で男の情報を集めてたらしいが、いとこだとわかった途端、笑顔で握手し出したり、雄たけびをあげながら抱き合ったりしてたらしい。
まぁ、菜摘がキモイというのもわかる気がする。
ちなみに、この時まで知らなかったが、菜摘は穂香と同じクラスで仲良いみたいだ。この辺りは、ボロが出る前に穂香と共有しておかないといけない。
「あいつらは女神様を崇拝してるからな、最初に噂を聞いたときは、気が気じゃなかったんじゃないか?」
「そんなもんか?俺にはわからん感情だな」
「なぁ、ナツは他に何か知らないのか?」
浩介が聞くと、菜摘は持っていた紙パックのいちごオレをちゅーっと飲み干して、一息ついてから言った。
「そうですね、今、穂香さんには女子達が群がってるかもしれないです。穂香さんのマル秘デートを目撃した女子達が、一緒にいた人が彼氏じゃないなら紹介して欲しいとか、そんな感じで迫っているので。今日は私は昼休みギリギリまでここにいますね。巻き込まれたくないので」
セーフだと思っていたが、厄介事が舞い込んできそうな予感がする。
俺のクラスの昼休みは、いつものように浩介が菜摘に言葉でえぐられて、クラスのみんなから温かく見守られるという、普段と変わらぬ時間が過ぎていた。
夕方、いつものように穂香が夕食作りにやって来たが、何となくいつもより疲れてる感じがするな。やはり、かなりの質問攻めにあったのだろう。
「大変だったそうだな」
「ホントによ~半分はユウ君のせいだよ?」
「結構目撃されてたみたいだからな~」
穂香によると最初はみんな遠慮してたが、誰か一人が話しかけてきてからはずっと質問攻めにあってたらしい。
男子には一緒にいた男との関係、女子には一緒にいた男の事を聞かれることが多かったそうだ。
俺との関係はともかく、俺のことなど聞いても仕方ないだろうに。
「ユウ君の事めっちゃ聞かれたよ。女の子に。彼女はいるのかとか、何してる人なのかとか……モテモテだね~」
「なぜだ?俺だということはバレてなかったのだろ?」
「うん、そうね。残念ながら?バレてなかったわ。あ、みんなには従兄の大学生で、彼女はいるか知らないから、今度聞いておくって言っておいたから」
上手くやってくれたようだ、ありがたい。色々面倒くさいことになると嫌だから、彼女はいるということにしておいてもらおう。
「そういや、穂香は菜摘と仲良いのか?」
昼間に気になったことを思い出したので聞いてみた。
「菜摘って清浦菜摘?なっちゃんなら仲良いけど、どうして?それに何で呼び捨てなの?」
いつの間に作ってあったのか、麦茶をコップに注いで持ってきてくれた。
ジト目を添えて。
「あ~、友達の浩介の彼女が菜摘なんだよ。いつからだったか菜摘って呼んで欲しいって言われて、それからは菜摘って呼ばないと返事してくれないからな、あいつ」
「へぇ~、ふ~ん、そうなんだ……なるほどね~あ、なっちゃんいつもお昼は、彼氏の所に食べに行ってるみたいだけど、もしかしてユウ君も一緒なの?」
「そうだな。毎日、目の前であいつらの夫婦漫才を見せられてるよ」
時々、俺にも流れ弾がくるけどな、と付け加えると、御愁傷様って感じの表情を返された。
穂香によると、菜摘を呼び捨てにしてる男子はクラスにはいないらしく、結構気に入られてるはずとのことだ。
菜摘は彼氏持ちなのに、その可愛らしい外見から結構告白されることがあるみたいだが、その度に言葉のナイフで相手をバッサリ切るので、フラれた側はかなり心を折られるらしい。
「ユウ君は、なっちゃんみたいな感じの子は、好きじゃないの?」
「外見は可愛いし、性格とかも良いとは思うが、俺ではあの口撃に耐えられん。男として浩介を尊敬するよ」
「そうなんだ。私は、その浩介君と話したことないから知らないけど、二人のやり取り見てみたいかも。私も一緒に昼ご飯食べに行こうかな~」
突然、穂香がとんでもないことを言い出した。いや、それは色々とマズイ。
浩介も菜摘も俺が穂香とこういう関係にあることは知らない。あの二人が大丈夫でも、周りからは、何であいつが女神様と飯を?みたいな空気になることは間違いない。
何とか色々理由を並べて、とりあえず突撃してくるのは避けられたが、その代わりと言ってはなんだが、もう一つ、強力な爆弾を投下していった。
「明日から、ユウ君の分もお弁当作るから、忘れずに持っていってね。忘れたら直接教室に届けに行くから」
女神様は俺を困らせるのが好きらしい。
0
あなたにおすすめの小説
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる