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33.女神様とプール
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梅雨が明け、本格的な夏がやってきた。毎日のように、これでもかというくらいに地上を熱してくる太陽に殺意を覚えるほどだ。テレビをつければニュースの度に、水分補給を……や、熱中症に注意……という言葉が聞こえてきて、もはや決まり文句のようになっている。
これだけクソ暑い日が続いても、家にこもってエアコンをガンガンつければ涼しく過ごせるのだから、最近の家電というものは大したものだと思う。
ただ、俺の場合は部屋に大きな桶を置いて、その中にでかい氷柱を創り出したて涼むという方法もとれる。毎日はしていないが、一日中家にいる日なんかはそうすることもある。
そんな中、今日は浩介達も合わせて六人でとある場所へ出かけることとなった。
プールだ。
誰が発案したのかは知らないが、俺が知らない間に決定していた。というか、決まってから聞いた。
当然、全員水着は持ってなかったので、買いに行ったわけだ。ただ、女性陣の水着は当日のお楽しみということで、別々に買いに行ったのだ。
そんなわけで、俺もまだ穂香の水着は見ていない。
当たり前のことだが、男の着替えなんてすぐ終わるので、速攻で着替えて三人で待機中だ。
俺達が来ているのは、巨大な室内プールのある施設。よくあるドーム何個分とかで表現されるような大きさである。
夏休みのためか、平日にもかかわらず人出が多い。家族連れは少なめだが、学生であろう若者が非常に多く見受けられる。パッと見た感じでは、男女比3:7くらいだろうか?女子だけのグループがたくさんいるような印象だ。
男が少ないのは意外だが、プールより海ってことなのかもしれないな。
「おい、優希、守!見てみろよ。水着の女の子いっぱいじゃねえか。いい目の保養だぜ~」
「浩介……それ、菜摘に聞かれたら、沈められるぞ」
「うん、僕もそう思う」
俺と守の意見が一致した。いつもの二人のやり取りを見ていたら、そう考えるのが自然だ。
そのことを聞いた浩介は辺りをキョロキョロ見回して、菜摘がいないのを確認しているようだ。
「い、いや……それを言われると……なぁ……」
「まぁ、はしゃぐ気持ちはわからんでもないが……」
「そうだね~それより、優希君って凄い筋肉だね。どうやったらそんな風になるの?」
守が俺の腹筋を見て言ってきた。自分の身体と比べているが、守は色白で華奢だからな。言ったら本人は怒るだろうが、子供みたいな感じだな。
「これは、まぁ日々の筋トレの成果だな。鍛えておくに越したことはないぞ」
「へぇ~すごいなぁ。僕も鍛えたら筋肉つくかな?」
「ああ、もちろんだ。良かったら簡単な筋トレを教えるよ。守の場合は食べる方も重要だと思うがな」
「おまたせ~」
そんな会話をしていたら、後ろから穂香の声が聞こえた。
振り返ると、水着に着替えた三人の姿があった。全員ビキニなのだが、それぞれ違うタイプだ。
玲は黒と青のラインで構成されたワンショルダータイプのビキニだ。背も高いし、スリムだし、腹筋も少し割れていて、普通にモデルでいそうな感じだ。普段からトレーニングしてるのか、何かスポーツしてるのか、あとで聞いてみよう。
菜摘は……まぁ、何というか、この中では一番大胆な水着だな。白地に花柄のデザインは、菜摘の外見のイメージには合ってて可愛いのだが……形が三角で布が少ない。そして、今まで菜摘はどっちかというと幼児体型だと思ってたが、そんなことはなかった。すまん、謝っておく。いわゆる、脱ぐと凄いってやつだ。浩介など菜摘の谷間ばかり見ている。
穂香はまさかの黒のビキニで、首の後ろで結ぶホルターネックだ。だが、フレアトップのおかげで、谷間があまり強調されなくなっている。下もフレアスカートなので同じだ。
言っていた通り露出が少な目で、俺としては少し安心した。ただ、それでも穂香の可愛さとスタイルの良さは際立って目立つので、周囲からは多くの視線を集めている。
そして、今日わかった順番としては、穂香が一番大きくてその次に菜摘。そのあと、かなり差がついての玲だった。穂香は知ってたが、菜摘が思ってたより大きかったのと、玲が思ってたより小さかったのは意外だった。
こんなこと言ったら怒られるだろうが、俺の大胸筋の方があるな。
「どうかな?ユウ君、似合ってる?」
「ああ、良く似合ってるよ」
相変わらず気の利いた言葉は言えないが、穂香はそれで十分だったのか、微笑んで返してくれた。
「お~、眼福眼福。可愛い女の子達がいっぱいで何よりだ。いや~みんな水着だしここは天国だね。更衣室も良かったが、外もいいね」
玲がつい先ほど聞いたことがあるようなセリフを言った。
「あはは。玲さん、浩介君と同じようなこと言ってるよ」
「いやいや、守も見てみるんだ。フリーの女子率が高いじゃないか。それでだな……」
守は玲にこの状況の素晴らしさを教えられている状態が続いている。そんな二人をよそに、俺達四人の間には妙な緊張感があった。
穂香は何となく理解できたのだろう。俺と目が合って、頷いてあげると「やっぱり……」と言いたげな表情になった。
すまんな浩介。守に悪気はなかったんだ。俺も助けてあげられないが、許してくれ。
「……私と浩介さんは、この浮き輪とかの空気入れに並んできますので、皆さんは先にプールに入っていてください」
そう言うと菜摘は、浩介を引っ張って空気入れ待ちの列の方へ歩いていった。
その姿を穂香と並んで見守っていたのだが、
「相変わらずだな」
「うん、そうね。でも……なっちゃん、今のは怒ってないと思うよ?」
「ん?そうなのか?」
「うん……なんとなくだけど、そんな感じがするよ」
俺には全くわからんが、そうなのか?女の勘というやつなのだろうか。
ふと、守と玲を見ると、まださっきの話をしているようだ。とりあえず、穂香と先にプールへ入ることを伝えてきた。
「さぁ、ゆっくり入ってみようか」
「う、うん……」
俺が先に入って穂香を待つ。何個かプールがあるが、今入っているのは深さ1.5メートルほどある。穂香が首から上を水面に出したままだと、足がつかない深さだ。泳いだことがない穂香に、いきなりこの深さは無理があるのだが、そこは考えがある。
「わっ、ちょっ、あ、足がつかない」
「大丈夫だ」
穂香の手を掴んだまま水中に引き入れたので、その手を俺の首にまわさせて抱きつかせるようにする。
「ユウ君の身体あったか~い……でも、ちょっと恥ずかしいよ……」
「もう少しそのまま我慢してくれ」
そう言うと、俺は準備した魔法を発動させた。
「えっ?あっ、何?これ?」
「水流を操作して上昇気流みたいにしてある。最初はこの上で泳ぐ練習をしよう。手は離さないし、沈まないから安心してくれ」
「うん、なんか何もしなくても身体が浮くから不思議な感じ……」
「頭を沈めたり、水中で目を開けるのはできるか?」
「うん、それくらいは大丈夫よ」
どうやら、お風呂で少し練習したらしい。
「そうか、なら早く泳げるようになりそうだな」
結局、元々運動神経が良いのもあって、すぐに泳げるようになった。遠泳したりとか、速度を競うとかは無理だろうが、プールで遊ぶ分には何の問題もないだろう。
「ユウ君のお陰で、少しだけど泳げるようになったよ。ありがとう」
「いや、穂香が頑張ったからだよ」
もう、魔法も解除してあるが、何もなくてもプカプカ浮いていられるみたいだ。だが、俺につかまった方が楽なのか、向かい合った状態で両肩に手をかけている。
「ねえ、ユウ君って……胸が大きい方が好きだよね?」
「は?どうした?急に……」
何でそんな事を?って思って穂香の表情を伺うと、小悪魔の方の穂香がいた。あれ?俺、何かやらかしたか?
「ふぅん……気付いてないんだ?」
段々肩をつかむ手に力がこめられてきた。ちょっと痛い。
「私たちが来たとき、玲の方はチラッと見ただけだったけど、なっちゃんの胸、じーっと見てたでしょ?」
うおっ!ば、バレてるのか?
「ユウ君の事だから、サッと見るだけのつもりだったんだろうけど、思ってたよりずっと大きくて見いってしまってた……ってとこかしら?」
「スイマセンデシタ。ソノトオリデゴザイマス……」
完全にバレてる。そして肩が痛い。
「チラ見くらいならいいけど、横に彼女いるのにあれは酷いよ?まぁ、私もなっちゃんのが思ってたより大きくてビックリしたから……わからないでもないし……今回は許してあげる」
「うっ、すまん、申し訳ない」
やっと肩の痛みから解放された。
そう言えば、この前視線に敏感だからとか言われたばかりじゃないか。俺もあまり浩介の事を言えないかもな。
「お~い、優希!」
浩介の声が聞こえる。声のした方を見ると、浩介が浮き輪を使って、菜摘がイルカフロートに乗って向かってきた。
菜摘とイルカってめっちゃ似合うな。こうやって見ると仲の良い兄妹にしか見えない。
「む……お二人とも、こんな公共の場で、そんな至近距離で向かい合って何するつもりですか?個室ならあちらにありますよ?あ、なんなら私達はいないものとして、続きをどうぞ」
「ちょっと、なっちゃん!私達そんな何もしてないからね」
「そうですか……残念です」
いや、残念じゃねえだろ。普通だ普通。
菜摘はイルカに「見られなくて残念ですね~」とか言ってるし。
「ところで、守と玲はどこ行ったんだ?」
周りを見渡しても見当たらないので、浩介に聞いてみた。
「ああ、あいつらならあそこだ」
そう言って浩介が指さしたのはウォータースライダーだ。このプールのウォータースライダーは、結構巨大でさながら絶叫マシーンのようである。見ていると、ちょうど二人が滑ってくるところだった。
二人一緒に滑ってくるのはいいが、守が前で玲が後ろって……普通は逆だろう。守の方が身体は小さいけどな。
「ウォータースライダーか……穂香は滑ってみたいか?」
「うん、一回やってみたい。ユウ君も一緒に来てね」
「わかった。浩介達はどうする?」
「行きましょう、浩介さん」
「よし、いこうぜ~」
その後は、みんなでウォータースライダーで遊びまくった。待っている間、イルカに乗った穂香が可愛くて引っ張って遊んでたら、いつの間にかギャラリーがいたのはビックリだ。
あと、水着のせいもあるだろうが、菜摘がウォータースライダーで、思いっきりポロリしてしまった。咄嗟に魔法で水飛沫あげて周りからは見えないようにしたので、被害は最小限だ。主な被害は、俺がまともに見てしまった事くらいだろう。すまん菜摘。ありがとう菜摘。
そんな事故もあったわけだが、みんな楽しく過ごせて充実した一日だったーーはずだが、解散する直前に菜摘から爆弾が送られてきた。
『優希さん、穂香さんには言わないので、色々と感想を400字以内でお願いします。夏休みの宿題です。穂香さんには言わないから大丈夫ですよ。大事な事ですから二回言いました』
送信元を見ると、悪い顔をした可愛い悪魔がいた。
ああ、全部わかってて言ってるな。穂香に言わなくても、画面見せられたら終わりだ。
どうしよう。まず、この感想の指す内容が、先の方か後の方か、それとも両方なのかがわからない。
くっ。自身の事をネタにして悪戯を仕掛けてくるとは……
最終的にどうなったかは言うまでもあるまい……当然、全面的に俺の負けだった。
これだけクソ暑い日が続いても、家にこもってエアコンをガンガンつければ涼しく過ごせるのだから、最近の家電というものは大したものだと思う。
ただ、俺の場合は部屋に大きな桶を置いて、その中にでかい氷柱を創り出したて涼むという方法もとれる。毎日はしていないが、一日中家にいる日なんかはそうすることもある。
そんな中、今日は浩介達も合わせて六人でとある場所へ出かけることとなった。
プールだ。
誰が発案したのかは知らないが、俺が知らない間に決定していた。というか、決まってから聞いた。
当然、全員水着は持ってなかったので、買いに行ったわけだ。ただ、女性陣の水着は当日のお楽しみということで、別々に買いに行ったのだ。
そんなわけで、俺もまだ穂香の水着は見ていない。
当たり前のことだが、男の着替えなんてすぐ終わるので、速攻で着替えて三人で待機中だ。
俺達が来ているのは、巨大な室内プールのある施設。よくあるドーム何個分とかで表現されるような大きさである。
夏休みのためか、平日にもかかわらず人出が多い。家族連れは少なめだが、学生であろう若者が非常に多く見受けられる。パッと見た感じでは、男女比3:7くらいだろうか?女子だけのグループがたくさんいるような印象だ。
男が少ないのは意外だが、プールより海ってことなのかもしれないな。
「おい、優希、守!見てみろよ。水着の女の子いっぱいじゃねえか。いい目の保養だぜ~」
「浩介……それ、菜摘に聞かれたら、沈められるぞ」
「うん、僕もそう思う」
俺と守の意見が一致した。いつもの二人のやり取りを見ていたら、そう考えるのが自然だ。
そのことを聞いた浩介は辺りをキョロキョロ見回して、菜摘がいないのを確認しているようだ。
「い、いや……それを言われると……なぁ……」
「まぁ、はしゃぐ気持ちはわからんでもないが……」
「そうだね~それより、優希君って凄い筋肉だね。どうやったらそんな風になるの?」
守が俺の腹筋を見て言ってきた。自分の身体と比べているが、守は色白で華奢だからな。言ったら本人は怒るだろうが、子供みたいな感じだな。
「これは、まぁ日々の筋トレの成果だな。鍛えておくに越したことはないぞ」
「へぇ~すごいなぁ。僕も鍛えたら筋肉つくかな?」
「ああ、もちろんだ。良かったら簡単な筋トレを教えるよ。守の場合は食べる方も重要だと思うがな」
「おまたせ~」
そんな会話をしていたら、後ろから穂香の声が聞こえた。
振り返ると、水着に着替えた三人の姿があった。全員ビキニなのだが、それぞれ違うタイプだ。
玲は黒と青のラインで構成されたワンショルダータイプのビキニだ。背も高いし、スリムだし、腹筋も少し割れていて、普通にモデルでいそうな感じだ。普段からトレーニングしてるのか、何かスポーツしてるのか、あとで聞いてみよう。
菜摘は……まぁ、何というか、この中では一番大胆な水着だな。白地に花柄のデザインは、菜摘の外見のイメージには合ってて可愛いのだが……形が三角で布が少ない。そして、今まで菜摘はどっちかというと幼児体型だと思ってたが、そんなことはなかった。すまん、謝っておく。いわゆる、脱ぐと凄いってやつだ。浩介など菜摘の谷間ばかり見ている。
穂香はまさかの黒のビキニで、首の後ろで結ぶホルターネックだ。だが、フレアトップのおかげで、谷間があまり強調されなくなっている。下もフレアスカートなので同じだ。
言っていた通り露出が少な目で、俺としては少し安心した。ただ、それでも穂香の可愛さとスタイルの良さは際立って目立つので、周囲からは多くの視線を集めている。
そして、今日わかった順番としては、穂香が一番大きくてその次に菜摘。そのあと、かなり差がついての玲だった。穂香は知ってたが、菜摘が思ってたより大きかったのと、玲が思ってたより小さかったのは意外だった。
こんなこと言ったら怒られるだろうが、俺の大胸筋の方があるな。
「どうかな?ユウ君、似合ってる?」
「ああ、良く似合ってるよ」
相変わらず気の利いた言葉は言えないが、穂香はそれで十分だったのか、微笑んで返してくれた。
「お~、眼福眼福。可愛い女の子達がいっぱいで何よりだ。いや~みんな水着だしここは天国だね。更衣室も良かったが、外もいいね」
玲がつい先ほど聞いたことがあるようなセリフを言った。
「あはは。玲さん、浩介君と同じようなこと言ってるよ」
「いやいや、守も見てみるんだ。フリーの女子率が高いじゃないか。それでだな……」
守は玲にこの状況の素晴らしさを教えられている状態が続いている。そんな二人をよそに、俺達四人の間には妙な緊張感があった。
穂香は何となく理解できたのだろう。俺と目が合って、頷いてあげると「やっぱり……」と言いたげな表情になった。
すまんな浩介。守に悪気はなかったんだ。俺も助けてあげられないが、許してくれ。
「……私と浩介さんは、この浮き輪とかの空気入れに並んできますので、皆さんは先にプールに入っていてください」
そう言うと菜摘は、浩介を引っ張って空気入れ待ちの列の方へ歩いていった。
その姿を穂香と並んで見守っていたのだが、
「相変わらずだな」
「うん、そうね。でも……なっちゃん、今のは怒ってないと思うよ?」
「ん?そうなのか?」
「うん……なんとなくだけど、そんな感じがするよ」
俺には全くわからんが、そうなのか?女の勘というやつなのだろうか。
ふと、守と玲を見ると、まださっきの話をしているようだ。とりあえず、穂香と先にプールへ入ることを伝えてきた。
「さぁ、ゆっくり入ってみようか」
「う、うん……」
俺が先に入って穂香を待つ。何個かプールがあるが、今入っているのは深さ1.5メートルほどある。穂香が首から上を水面に出したままだと、足がつかない深さだ。泳いだことがない穂香に、いきなりこの深さは無理があるのだが、そこは考えがある。
「わっ、ちょっ、あ、足がつかない」
「大丈夫だ」
穂香の手を掴んだまま水中に引き入れたので、その手を俺の首にまわさせて抱きつかせるようにする。
「ユウ君の身体あったか~い……でも、ちょっと恥ずかしいよ……」
「もう少しそのまま我慢してくれ」
そう言うと、俺は準備した魔法を発動させた。
「えっ?あっ、何?これ?」
「水流を操作して上昇気流みたいにしてある。最初はこの上で泳ぐ練習をしよう。手は離さないし、沈まないから安心してくれ」
「うん、なんか何もしなくても身体が浮くから不思議な感じ……」
「頭を沈めたり、水中で目を開けるのはできるか?」
「うん、それくらいは大丈夫よ」
どうやら、お風呂で少し練習したらしい。
「そうか、なら早く泳げるようになりそうだな」
結局、元々運動神経が良いのもあって、すぐに泳げるようになった。遠泳したりとか、速度を競うとかは無理だろうが、プールで遊ぶ分には何の問題もないだろう。
「ユウ君のお陰で、少しだけど泳げるようになったよ。ありがとう」
「いや、穂香が頑張ったからだよ」
もう、魔法も解除してあるが、何もなくてもプカプカ浮いていられるみたいだ。だが、俺につかまった方が楽なのか、向かい合った状態で両肩に手をかけている。
「ねえ、ユウ君って……胸が大きい方が好きだよね?」
「は?どうした?急に……」
何でそんな事を?って思って穂香の表情を伺うと、小悪魔の方の穂香がいた。あれ?俺、何かやらかしたか?
「ふぅん……気付いてないんだ?」
段々肩をつかむ手に力がこめられてきた。ちょっと痛い。
「私たちが来たとき、玲の方はチラッと見ただけだったけど、なっちゃんの胸、じーっと見てたでしょ?」
うおっ!ば、バレてるのか?
「ユウ君の事だから、サッと見るだけのつもりだったんだろうけど、思ってたよりずっと大きくて見いってしまってた……ってとこかしら?」
「スイマセンデシタ。ソノトオリデゴザイマス……」
完全にバレてる。そして肩が痛い。
「チラ見くらいならいいけど、横に彼女いるのにあれは酷いよ?まぁ、私もなっちゃんのが思ってたより大きくてビックリしたから……わからないでもないし……今回は許してあげる」
「うっ、すまん、申し訳ない」
やっと肩の痛みから解放された。
そう言えば、この前視線に敏感だからとか言われたばかりじゃないか。俺もあまり浩介の事を言えないかもな。
「お~い、優希!」
浩介の声が聞こえる。声のした方を見ると、浩介が浮き輪を使って、菜摘がイルカフロートに乗って向かってきた。
菜摘とイルカってめっちゃ似合うな。こうやって見ると仲の良い兄妹にしか見えない。
「む……お二人とも、こんな公共の場で、そんな至近距離で向かい合って何するつもりですか?個室ならあちらにありますよ?あ、なんなら私達はいないものとして、続きをどうぞ」
「ちょっと、なっちゃん!私達そんな何もしてないからね」
「そうですか……残念です」
いや、残念じゃねえだろ。普通だ普通。
菜摘はイルカに「見られなくて残念ですね~」とか言ってるし。
「ところで、守と玲はどこ行ったんだ?」
周りを見渡しても見当たらないので、浩介に聞いてみた。
「ああ、あいつらならあそこだ」
そう言って浩介が指さしたのはウォータースライダーだ。このプールのウォータースライダーは、結構巨大でさながら絶叫マシーンのようである。見ていると、ちょうど二人が滑ってくるところだった。
二人一緒に滑ってくるのはいいが、守が前で玲が後ろって……普通は逆だろう。守の方が身体は小さいけどな。
「ウォータースライダーか……穂香は滑ってみたいか?」
「うん、一回やってみたい。ユウ君も一緒に来てね」
「わかった。浩介達はどうする?」
「行きましょう、浩介さん」
「よし、いこうぜ~」
その後は、みんなでウォータースライダーで遊びまくった。待っている間、イルカに乗った穂香が可愛くて引っ張って遊んでたら、いつの間にかギャラリーがいたのはビックリだ。
あと、水着のせいもあるだろうが、菜摘がウォータースライダーで、思いっきりポロリしてしまった。咄嗟に魔法で水飛沫あげて周りからは見えないようにしたので、被害は最小限だ。主な被害は、俺がまともに見てしまった事くらいだろう。すまん菜摘。ありがとう菜摘。
そんな事故もあったわけだが、みんな楽しく過ごせて充実した一日だったーーはずだが、解散する直前に菜摘から爆弾が送られてきた。
『優希さん、穂香さんには言わないので、色々と感想を400字以内でお願いします。夏休みの宿題です。穂香さんには言わないから大丈夫ですよ。大事な事ですから二回言いました』
送信元を見ると、悪い顔をした可愛い悪魔がいた。
ああ、全部わかってて言ってるな。穂香に言わなくても、画面見せられたら終わりだ。
どうしよう。まず、この感想の指す内容が、先の方か後の方か、それとも両方なのかがわからない。
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