魔法使いの少年と学園の女神様

龍 翠玉

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32.女神様の水着と下着事情

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 梅雨に入り、雨の日が多くなってきた。湿度も高く、ジメジメした日が続くがもうしばらくの辛抱だ。
 だが、その後は最高気温35度を超えるような、クソ暑い日々が待っている。
 そんな憂鬱になるような事ばかり考えても仕方ないのだが。
 
 この時期、俺達の学校では関係ないが、他の学校では水泳の授業が始まっている。
 テレビでも水着の流行のニュースやCM等も流れるわけで、特に意識しなくてもそういう時期であることを認識させられる。
 最近はそういう時、穂香がテレビをじ~っと見ることが多くなった気がする。
 水着が気になるのだろうか?

「水着が気になるのか?」

 丁度テレビでやっていたので、思い切って聞いてみた。

「え?……うん……でも、泳げないし、日焼けはしたくないから、海とかは行きたくないけどね。水着は着てみたいかも」
「そうか……でも、大丈夫なのか?」
 
 何がとは言ってないが、多分わかってもらえるだろう。
 過去のトラウマはそんなに簡単に消えるものではない。

「うん、私ね、水着って中学生の時の、一回だけしか着たことないの」

 それがあのときか……。

「小学生の時は?」
「怪我がなかなか治らなかったのもあって、六年生の時まで手術とか繰り返してたから。お腹には普段から包帯巻いてたのよ。だから水泳の授業は全部見学。怪我人にはみんな優しいのにね~」

 しまった。辛いことを思い出させてしまったな。
 俺は穂香を抱き寄せて、軽く抱き締める。
 穂香もそのまま身体を預けてきてくれた。目を瞑って俺の胸の鼓動を聞いているみたいだ。

「ユウ君の身体温かいな~こうしてると凄く落ち着く。包まれてる感じがする……ね、水着見てみたい?」
「ん?」
「だから……私の水着姿、見てみたい?」
「え?……そりゃあ、見てみたいかと言われれば、もちろん見てみたいぞ」

 できる限り平静を装っているが、まぁ、ぶっちゃけめっちゃ見たい。
 
「ふ~ん、そんなに見たいんだ……隠してるつもりだろうけど、ユウ君のここ、凄い速さでドキドキしてるよ?」

 そう言って穂香は、俺の胸から耳を離して、代わりに手のひらを当ててきた。
 それと同時に小悪魔っぽい笑みを浮かべて俺の顔を覗いてくる。

「どんな水着が好み?ユウ君だけに見せる水着なら、どんなにキワドイのでもいいよ?」

 そんな事言われると、色々想像してしまう。どんな水着があるのかなんてのをあまり知らない。
 興味があるわけでもないし、見る機会もないからな。

「い、いや、そもそも、どんな水着があるのかすら、あまり知らないんだが?」
「あ~そうね……ちょっと待ってね」

 何か納得したような感じで携帯を手に取ると、何かを探し始めた。
 どうやら、水着の画像を検索しているみたいだ。

「はい、じゃあ、これを順番に見ていきましょ」

 予想通り、水着の画像を順番に見せてきた。こうやって見ると、水着って色々あるんだなと思う。
 ひらひらした布が付いている者、学校のスクール水着みたいな物、やたらと布面積の小さい物。
 ただ、穂香は途中でどれがいい?とは一回も聞いてこない。
 俺の顔を見ながら、画像を切り替えていく。それがある意味怖い。
 多分、俺の反応を確認しているのだろう。ここで下手な反応を見せれば、後で何か言われるに決まっている。所詮は画像、ただの服だと思って、ひたすら目に飛び込んでくる画像を見ていく。
 全部で何枚の画像を見せられただろうか。数百枚はあったと思う。
 途中からは下着みたいなのもあったが、あれも水着なのか?

「ねぇ、ユウ君。やっぱり、布が少なくて露出が多い水着が好きなのね。えっち」

 画像を見終わった後、はぁ、と少しため息ついて穂香が言った。
 少し呆れているような感じもする。
 俺は頑張ったはずだ。
 ただ、普段穂香が着けている下着よりも、布面積が少ない物。どうやって着るのかわからない紐みたいな物。そういった水着には少し反応してしまったかもしれない。
 そこは男として色々想像してしまうものだ。

「いや、それは否定しないが、二人きりの時限定で着るのならな。公衆の面前で着るのなら、普通のにしてほしい」
 
 まぁ、これが俺の本音だ。こういう姿は独り占めしておきたい。

「ふ~ん、じゃあ、水着は普通のにしておこうかな~」
「ああ、そうだな」

 ちょっと残念だが、もしプールとかでも行くような事があるなら……その方がいいか。

「その代わり、ユウ君が好きな布が少ないのは……下着で探しておくね」
「は?」
「だって、あまり着ない水着が何着もあっても意味ないでしょ?」
「確かに、勿体ないだけだな」
「でも、下着なら、外出時には着られない物でも、二人の時なら着られるし……」

 なんだと!……ということは、いわゆるエッチな下着というやつを着てくれるってことか。
 それは大歓迎だ。よろしくお願いします。
 
「なるほど、それならいいな」
「うん、着る時間自体は短いと思うけどね」
「なんでだ?」
「お風呂の後に着けるとして……そのあとユウ君に脱がされるでしょ?そうしたら、朝起きるまで着けないし、起きたら昼間は普通の着けるし……ね?短いでしょ?」
「……否定はしない」

 穂香の言う通りすぎて何も言えない。
 そんな下着をつけた穂香が隣にいて、何もしないなんて選択肢はそもそも存在しない。

「私も、そんなの着て何もされなかったら、ちょっとショックだからいいけどね。あと、普通の下着もそのうち全部変わるから、そっちもちゃんと見てね」
「全部変わるって、何かあったのか?」
「ちょっと、胸がきつくて……買い換えないといけないの」

 そう言われて、チラッと見てしまう。まぁ、服着てるから全くわからないけどな。

「今見たでしょ……えっち。女の子はそういう視線に敏感なんだからね」
「すまん……気を付けるよ」
「うん、じゃあ今日は一緒にお風呂行こ。ユウ君の顔に気になって仕方がないって書いてあるよ?」

 風呂の時とか寝室では怒られないのに普段は怒られる。
 未だにわからないことだらけだが、この日の風呂では見すぎて怒られた。
 
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