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よしおくん
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ぼくのクラスのよしおくんは、性能がいいと評判だった。
ぼくは、よしおくんの隣りの席だ。だからよく、そのよしおくんとしゃべったりする。
「今日の給食って何だっけ、へへへ。こないだの牛乳プリン、おいしかったから、まだ出ないかなあ」
よしおくんは、まあ、いつもこんな感じの話し方かな。坊主頭でね、目が細くてね、笑うともう、それがなくなっちゃうくらいになる。いつも、消しゴムを貸したこととか、ちっちゃなことで、ぼくにニコニコ話しかけてくる。やっぱりこういうところが性能がいいってことなのかなあ、とかそいういうとき、ぼくはちょっと考えてみたりするんだけど、ううん、やっぱり違うよね。よしおくんが性能がいいってことは、つまり、よしおくんが最新型ってことらしいんだよ。
まあ、つまり、具体的に説明するとだね。それは、ある日のことでした。いや、ある日って言って、もったいぶっても正確には今から二週間と三日ほど前っていうわけなんだけど、まあ、フンイキづくりとして、ここは『ある日』ってことにしとくね。とにかく、その日の五時間目は学級会でした。
ちょうど四月。ぼく達は六年生になったばかり。ま、実に初々しくてねえ。そこにさらに初々しいのを混ぜるというのが、その会の主旨だったんだな。まあ、ぶっちゃけた話、要するにレクリエーションってやつだった。六年生のクラスに入学したての一年生がぞろぞろ遊びにくるという、例のアレだね。でも、遊びっていったって、いろいろあるもんだよね。もちろん、先生だって不用意なほうではないから、ちゃんと六年生と一年生、どうやって遊ぶのか考えていたらしいんだけど、災いここに至ってね。雨降り。仲良しドッジボール計画は、実にあえなく、雨に流されてしまったというわけさ。
だから、そのとき、ぼくたちのクラスは時間をもてあましていた。すると先生が言うんだな、ぼくのクラスの担任の、あごひげの剃り跡青々しい、カシワギ先生がね。
「よし、ここはゲームをしよう」
カシワギ先生はそう言うと、やがて一年生の担任のカタギリ先生と耳うち、ごにょごにょ。カタギリ先生は、きれいな女の先生だった。そして、二人はそのまま、いったん教室を出て行ったけれど、またすぐに戻ってきた。手にはそれぞれ、何本かの木製のバットを持ってきてね。ソフトボール部のものみたいだったよ、確か。
「みんな、静かに。静かに」
先生不在で、もうだいぶ騒がしくなってた教室に、カタギリ先生の声が響く。やわらかい声でね、ふつう、こんなんじゃ子供のおしゃべりなんか止められっこないて感じだったけど、そこはそれ、なんせ、新学期早々、初々しさ極まれりだからさ。カタギリ先生がこう言うと、ぴたっとみんな、しゃべるのを止めた。
「これから、一年生と六年生に一緒にゲームをしてもらいます。よしおくん、ちょっとこっちに来て」
いきなり呼ばれて、ちょっとびっくりしたみたいだったけど、すぐに、よしおくんはカタギリ先生のところに行った。カタギリ先生は、ちょうど自分のわきくらいのところにあるよしおくんの肩に手を回して、みんなと真向かいに向きあった。その足元には、バットがごろごろ転がっていた。
「これから、ゲームについて説明しまぁす」
大きな声でカシワギ先生はそう言うと、足元のバットを一本、拾いあげた。そして、よしおくんにも一本、持たせた。
「いいか、みんなよく見てろよ。これが『ヒット』だ」
カシワギ先生はハツラツとこう叫ぶと、バットを力強く振り下ろした。その先にあったのは、よしおくんの頭。勢いよくバットが当たって、よしおくんの鼻から、赤いものがふき出した。これは血なんだけど、これが出るってことも最新型ならではってことらしい。
「痛い…痛いよぅ……!」
よしおくんは鼻で手をおさえて、うずくまろうとした。するとカタギリ先生がにこにこと、
「ほら、よしおくん、ちゃんと立って。次は『ブロック』よ」
と言って、よしおくんを立たせた。そして、その手にバットを持たせなおすと、それをそのままよしおくんの頭の前に掲げさせた。するとそこに、またカシワギ先生のバットが振り下ろされる。バットとバットが当たって、よしおくんの顔は直撃をまぬがれたけど、よしおくんはまた「痛っ!」と叫んだ。どうやら今度は、自分のほうのバットが額に当たったらしい。よしおくんはぽろぽろ、涙を流していた。
「みなさん、見ましたか? 以上が、基本的なルールです。みなさんはそれぞれ、バットを持って、このよしおくんを狙ってください。うまく当たれば『ヒット』で得点になり、よしおくんのバットで防がれれば『ブロック』で得点にはなりません。これからみなさんには、三つのグループに分かれてもらいます。優勝めざして、がんばってくださいね」
それからさらに、頭に当てれば三点、胴体は二点、手足は一点というように細かいルールが決められると、ぼくたちは三つのグループに分かれ、ゲームを始めた。
ゲームは面白かった。
「痛いよ、先生! こんなのやめてよぅ……」
よしおくんは何度も、自分の頭を押さえているカシワギ先生に振り返った。その顔は涙と鼻水と血でぐちゃぐちゃだった。
「何言ってるんだ。お前は、よしおくん、じゃないか」
カシワギ先生はにこにこ、そう言った。するとそのとき、そこへ誰かのバットが降ってきた。よしおくんは後ろの先生のほうを向いているから、ブロックなんてできっこない。バットはまともに、よしおくんの頭に当たった。
ぐちゃっと音がして、よしおくんの頭が欠けた。
「こら、いかんぞ、よそ見中は。今のはナシ、ファールだ」
カシワギ先生は、バットを振り下ろした子にそう言うと、よしおくんを向きなおさせ、
「ほら、もう一度、やり直し」
と言った。再び、よしおくんの頭にバットが当たった。また、ぐちゃっと、よしおくんの頭が欠けた。
二回目ともなれば、みんなもさすがにこれに気づく。これはなんだか面白そうだ。いや、面白いに決まってる。よしおくんの頭が欠けるなんて。
みんなは夢中で、よしおくんの頭の欠けた部分を狙いはじめた。よしおくんはあわてて、バットで頭を守る。すると、そのうちみんなは、そのバットを持つよしおくんの腕を狙いだした。手にバットを持っているんじゃ、その手をバットで守るなんてできっこないよね。
よしおくんの腕は、あっというまにめったうちにされ、ぐにゃりとなって動かなくなった。よしおくんのバットが床に転がる。あとは、みんないっせいに、よしおくんの頭を目指すだけだ。
すごく、楽しいよね、これは。
ゲームがもう終わるってころには、よしおくんの頭は三分の一くらいの目方になってたんじゃないかな。それで、その小さな頭で、涙を流しながら、うずくまって、落ちている自分の頭のかけらを集めては、頭にはりつけてたんだ、よしおくんは。ゲームは結局、ぼくの班がビリで終わったけど、まあ、この場合、そんなのはどうでもよかったね。みんなもう、このときはただ、一生懸命さ。何にって? そりゃ、もちろん。よしおくんの手伝いさ。あとかたづけは、みんなでやるものと決まっているからね。当然だろう、やっぱりね。
ま、つまり、今のを聞いてわかっただろう。よしおくんがいままでにない、すごくよくできた最新型だってことは。本当に、よしおくんがいると、なにもかも楽しくなるんだよね。みんな、よしおくんのことがすごく好きだし、僕ももちろんそうだ。
でも、自慢じゃないけどさ、僕はよしおくんの、パパとママに一度だけ会ったことがあるんだよ。放課後だったかな。一人で校門を出るとさ、白衣を着た偉そうな人たちがたくさんいたんだ。そのなかの、一番年上って感じのおじいちゃんが、言うんだな、よしおくんのパパですよって。で、聞くわけ、よしおくんは元気ですかって。僕はもちろん、嘘ついて大人を困らせるってタイプじゃないからさ、素直に、今日も元気でしたって話した。するとまあ、白衣の人たちが急に、いまからラグビーやっちゃうぞって感じで円陣組んで、ごそごそ話してるんだな。僕は、なんだろうって思うじゃない? そしたら、そのなかの一番若い女の人が、私はよしおくんのママだけど、これからもあの子をよろしくね、だって。それから、よしおくんのパパがみんなに、よし、うまくいってる、ってぼそっと呟くと、白衣の人たちは、ものすごい速さで歩いて去っていったってわけ。ちょっと、変わったパパとママだよね。まあ、悪い人たちじゃないってことは確かかな。ちゃんとありがとうって言ってたからね。
ふう、こんなに長話したのはほんと生まれて初めてなんじゃないかな。やっぱりよしおくんの魅力が僕をそうさせる? なんてちょっと大人びたセリフ言ってみたくなったり。でも、よしおくんの魅力ってやつは侮れないもんだよ。いや、引力って言ったほうがいいかもしれないかな。登校してるときとか、よくいるじゃない。頭に黄色い鉢巻してプラカード持った人たちが、僕たちに迫ってくるの。
「よしおくんを解放しろ! よしおくんはかわいそうだ!」
よくわかんないんだよねえ。一度、思い切って、その人たちに、カワイソウって何語?って訊いたんだけど、その人たちは、なぜだか悲しそうにぼくをじーっと見るだけだった。それでも、しばらく待ったんだけど、返事より先に警察の人たちが来てその人たちを連れて行っちゃった。なんだか、子供だから、いい加減に扱われたのかなって、ぼくは、ちょっとむかむかしちゃったよ。まあ、それも、学校に行って、よしおくんをバットで殴れば、スカっとして忘れられたんだけどね。
ああ、なんか思い出すと、うずうずしてくるね。僕は、もうたまんなくなってくる。さっそく今日の帰りの会で、「よしおくんを殴る人」に手を挙げなきゃ。決まりだね。
よしおくんはきっといい声で泣くんだろうな。
僕はわくわくしてきた。本当に、よしおくんって、最高の友達だよね。
ぼくは、よしおくんの隣りの席だ。だからよく、そのよしおくんとしゃべったりする。
「今日の給食って何だっけ、へへへ。こないだの牛乳プリン、おいしかったから、まだ出ないかなあ」
よしおくんは、まあ、いつもこんな感じの話し方かな。坊主頭でね、目が細くてね、笑うともう、それがなくなっちゃうくらいになる。いつも、消しゴムを貸したこととか、ちっちゃなことで、ぼくにニコニコ話しかけてくる。やっぱりこういうところが性能がいいってことなのかなあ、とかそいういうとき、ぼくはちょっと考えてみたりするんだけど、ううん、やっぱり違うよね。よしおくんが性能がいいってことは、つまり、よしおくんが最新型ってことらしいんだよ。
まあ、つまり、具体的に説明するとだね。それは、ある日のことでした。いや、ある日って言って、もったいぶっても正確には今から二週間と三日ほど前っていうわけなんだけど、まあ、フンイキづくりとして、ここは『ある日』ってことにしとくね。とにかく、その日の五時間目は学級会でした。
ちょうど四月。ぼく達は六年生になったばかり。ま、実に初々しくてねえ。そこにさらに初々しいのを混ぜるというのが、その会の主旨だったんだな。まあ、ぶっちゃけた話、要するにレクリエーションってやつだった。六年生のクラスに入学したての一年生がぞろぞろ遊びにくるという、例のアレだね。でも、遊びっていったって、いろいろあるもんだよね。もちろん、先生だって不用意なほうではないから、ちゃんと六年生と一年生、どうやって遊ぶのか考えていたらしいんだけど、災いここに至ってね。雨降り。仲良しドッジボール計画は、実にあえなく、雨に流されてしまったというわけさ。
だから、そのとき、ぼくたちのクラスは時間をもてあましていた。すると先生が言うんだな、ぼくのクラスの担任の、あごひげの剃り跡青々しい、カシワギ先生がね。
「よし、ここはゲームをしよう」
カシワギ先生はそう言うと、やがて一年生の担任のカタギリ先生と耳うち、ごにょごにょ。カタギリ先生は、きれいな女の先生だった。そして、二人はそのまま、いったん教室を出て行ったけれど、またすぐに戻ってきた。手にはそれぞれ、何本かの木製のバットを持ってきてね。ソフトボール部のものみたいだったよ、確か。
「みんな、静かに。静かに」
先生不在で、もうだいぶ騒がしくなってた教室に、カタギリ先生の声が響く。やわらかい声でね、ふつう、こんなんじゃ子供のおしゃべりなんか止められっこないて感じだったけど、そこはそれ、なんせ、新学期早々、初々しさ極まれりだからさ。カタギリ先生がこう言うと、ぴたっとみんな、しゃべるのを止めた。
「これから、一年生と六年生に一緒にゲームをしてもらいます。よしおくん、ちょっとこっちに来て」
いきなり呼ばれて、ちょっとびっくりしたみたいだったけど、すぐに、よしおくんはカタギリ先生のところに行った。カタギリ先生は、ちょうど自分のわきくらいのところにあるよしおくんの肩に手を回して、みんなと真向かいに向きあった。その足元には、バットがごろごろ転がっていた。
「これから、ゲームについて説明しまぁす」
大きな声でカシワギ先生はそう言うと、足元のバットを一本、拾いあげた。そして、よしおくんにも一本、持たせた。
「いいか、みんなよく見てろよ。これが『ヒット』だ」
カシワギ先生はハツラツとこう叫ぶと、バットを力強く振り下ろした。その先にあったのは、よしおくんの頭。勢いよくバットが当たって、よしおくんの鼻から、赤いものがふき出した。これは血なんだけど、これが出るってことも最新型ならではってことらしい。
「痛い…痛いよぅ……!」
よしおくんは鼻で手をおさえて、うずくまろうとした。するとカタギリ先生がにこにこと、
「ほら、よしおくん、ちゃんと立って。次は『ブロック』よ」
と言って、よしおくんを立たせた。そして、その手にバットを持たせなおすと、それをそのままよしおくんの頭の前に掲げさせた。するとそこに、またカシワギ先生のバットが振り下ろされる。バットとバットが当たって、よしおくんの顔は直撃をまぬがれたけど、よしおくんはまた「痛っ!」と叫んだ。どうやら今度は、自分のほうのバットが額に当たったらしい。よしおくんはぽろぽろ、涙を流していた。
「みなさん、見ましたか? 以上が、基本的なルールです。みなさんはそれぞれ、バットを持って、このよしおくんを狙ってください。うまく当たれば『ヒット』で得点になり、よしおくんのバットで防がれれば『ブロック』で得点にはなりません。これからみなさんには、三つのグループに分かれてもらいます。優勝めざして、がんばってくださいね」
それからさらに、頭に当てれば三点、胴体は二点、手足は一点というように細かいルールが決められると、ぼくたちは三つのグループに分かれ、ゲームを始めた。
ゲームは面白かった。
「痛いよ、先生! こんなのやめてよぅ……」
よしおくんは何度も、自分の頭を押さえているカシワギ先生に振り返った。その顔は涙と鼻水と血でぐちゃぐちゃだった。
「何言ってるんだ。お前は、よしおくん、じゃないか」
カシワギ先生はにこにこ、そう言った。するとそのとき、そこへ誰かのバットが降ってきた。よしおくんは後ろの先生のほうを向いているから、ブロックなんてできっこない。バットはまともに、よしおくんの頭に当たった。
ぐちゃっと音がして、よしおくんの頭が欠けた。
「こら、いかんぞ、よそ見中は。今のはナシ、ファールだ」
カシワギ先生は、バットを振り下ろした子にそう言うと、よしおくんを向きなおさせ、
「ほら、もう一度、やり直し」
と言った。再び、よしおくんの頭にバットが当たった。また、ぐちゃっと、よしおくんの頭が欠けた。
二回目ともなれば、みんなもさすがにこれに気づく。これはなんだか面白そうだ。いや、面白いに決まってる。よしおくんの頭が欠けるなんて。
みんなは夢中で、よしおくんの頭の欠けた部分を狙いはじめた。よしおくんはあわてて、バットで頭を守る。すると、そのうちみんなは、そのバットを持つよしおくんの腕を狙いだした。手にバットを持っているんじゃ、その手をバットで守るなんてできっこないよね。
よしおくんの腕は、あっというまにめったうちにされ、ぐにゃりとなって動かなくなった。よしおくんのバットが床に転がる。あとは、みんないっせいに、よしおくんの頭を目指すだけだ。
すごく、楽しいよね、これは。
ゲームがもう終わるってころには、よしおくんの頭は三分の一くらいの目方になってたんじゃないかな。それで、その小さな頭で、涙を流しながら、うずくまって、落ちている自分の頭のかけらを集めては、頭にはりつけてたんだ、よしおくんは。ゲームは結局、ぼくの班がビリで終わったけど、まあ、この場合、そんなのはどうでもよかったね。みんなもう、このときはただ、一生懸命さ。何にって? そりゃ、もちろん。よしおくんの手伝いさ。あとかたづけは、みんなでやるものと決まっているからね。当然だろう、やっぱりね。
ま、つまり、今のを聞いてわかっただろう。よしおくんがいままでにない、すごくよくできた最新型だってことは。本当に、よしおくんがいると、なにもかも楽しくなるんだよね。みんな、よしおくんのことがすごく好きだし、僕ももちろんそうだ。
でも、自慢じゃないけどさ、僕はよしおくんの、パパとママに一度だけ会ったことがあるんだよ。放課後だったかな。一人で校門を出るとさ、白衣を着た偉そうな人たちがたくさんいたんだ。そのなかの、一番年上って感じのおじいちゃんが、言うんだな、よしおくんのパパですよって。で、聞くわけ、よしおくんは元気ですかって。僕はもちろん、嘘ついて大人を困らせるってタイプじゃないからさ、素直に、今日も元気でしたって話した。するとまあ、白衣の人たちが急に、いまからラグビーやっちゃうぞって感じで円陣組んで、ごそごそ話してるんだな。僕は、なんだろうって思うじゃない? そしたら、そのなかの一番若い女の人が、私はよしおくんのママだけど、これからもあの子をよろしくね、だって。それから、よしおくんのパパがみんなに、よし、うまくいってる、ってぼそっと呟くと、白衣の人たちは、ものすごい速さで歩いて去っていったってわけ。ちょっと、変わったパパとママだよね。まあ、悪い人たちじゃないってことは確かかな。ちゃんとありがとうって言ってたからね。
ふう、こんなに長話したのはほんと生まれて初めてなんじゃないかな。やっぱりよしおくんの魅力が僕をそうさせる? なんてちょっと大人びたセリフ言ってみたくなったり。でも、よしおくんの魅力ってやつは侮れないもんだよ。いや、引力って言ったほうがいいかもしれないかな。登校してるときとか、よくいるじゃない。頭に黄色い鉢巻してプラカード持った人たちが、僕たちに迫ってくるの。
「よしおくんを解放しろ! よしおくんはかわいそうだ!」
よくわかんないんだよねえ。一度、思い切って、その人たちに、カワイソウって何語?って訊いたんだけど、その人たちは、なぜだか悲しそうにぼくをじーっと見るだけだった。それでも、しばらく待ったんだけど、返事より先に警察の人たちが来てその人たちを連れて行っちゃった。なんだか、子供だから、いい加減に扱われたのかなって、ぼくは、ちょっとむかむかしちゃったよ。まあ、それも、学校に行って、よしおくんをバットで殴れば、スカっとして忘れられたんだけどね。
ああ、なんか思い出すと、うずうずしてくるね。僕は、もうたまんなくなってくる。さっそく今日の帰りの会で、「よしおくんを殴る人」に手を挙げなきゃ。決まりだね。
よしおくんはきっといい声で泣くんだろうな。
僕はわくわくしてきた。本当に、よしおくんって、最高の友達だよね。
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