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3章 とこしえの大地亀ベルガド攻略編
256 新たな討伐クエストが発生しました
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それから、もう一人の怪我人にもザックの電気分解?回復薬を使い、怪我を治療した。そして、あらためて三人から遺跡のレジェンド・モンスターに話を聞いたわけだったが、
「実は、暗くて姿がよく見えなかったんだ」
あんまり役に立ちそうな情報は持ってなさそうな三人だった。おいおい。
「本当にレジェンドに間違いないんだろうな?」
「うん、それはたぶん」
「とっさに石投げたら、物理障壁出てたし」
「そんなの出るの、レジェンドだけだろ?」
男たちは俺にうなずくものの、やはりどこか頼りない返事だった。
というか、見た目からして頼りないというか、オーラがなさすぎな三人だった。いかにも貧乏くさい、他の仕事でやっていけなかったからハンター始めました、みたいな三人? 金も全然持ってなさそうだ。
と、俺がぼんやり思っていると、
「はあ……せっかくあの遺跡で少しは稼げると思ったのに」
「あんなに強いモンスターが出るんじゃ、もうあそこには行けないじゃないか」
「俺たち、普通の採集もモンスター狩りも苦手なのに、これからどう暮らしていけばいいんだ」
なんか、勝手に落ち込み始めた。聞くと、ここ一か月でハンターとしての稼ぎは、三人で三十万ゴンスほどだという。しょぼい。まあ、普通はこんなもんかもしれないが。俺はチート剣で効率プレイして荒稼ぎしただけだし、ユリィたち三人も、昨日今日でたまたま超高額買取り素材を見つけただけだしなあ。確か、冬虫夏草とカニ以外は二束三文の買取価格だったはず。
「あの遺跡にはコウモリが出るんだが、それが薬の材料になるっていうんで、そこそこな値段で買い取ってもらえたんだ」
「コウモリぐらいなら俺たちでも集めるのは簡単だしな」
「でも、あんなのがいるんじゃ、もうあそこにはいけない……」
なんかまた落ち込み始めた。こいつら貧乏なだけではなく、性格も陰気なようだ。
やれやれ。仕方ないなあ、もう。
「じゃあ、俺がその遺跡まで行って、謎レジェンドを倒してきてやるよ。それでいいだろ?」
と、ユリィの前だということを意識して、さりげなく、ちょっとコンビニに買い物にでも行くふうに言い放つ俺だった。そうそう。俺、このセリフを言うためだけに、こんな安宿に来たんだからさあ。
「え、君、レジェンド倒せるほど強いの?」
「まーな」
今はゴミだが魔剣もあるし、レジェンドだろうとサクサク倒せますよ?
「いやでも、出会ったばかりの君たちが、俺たちのためにそんな危険なことをする理由は――」
「ある! 俺たち、ハンター仲間じゃないか! こういうのは持ちつ持たれつなんだよ!」
ネガティブ全開すぎる男たちに、俺は力いっぱい言った。
「そんな危険なモンスターを放置しておけば、今後さらに被害者が出る可能性がある! そんな悲劇を俺は見過ごせない! 俺の中の荒ぶる正義が光って唸る! そのモンスターを倒せと輝き叫ぶ!」
くうう、圧倒的強者のセリフ! 聞きましたか、ユリィさん!
「本当かい、ありがとう!」
「あのモンスターがいなくなれば、またあそこで稼げるよ。助かる!」
「俺たち、あそこでコウモリ集めるのが最後の生命線だったんだ」
男たちは涙目で俺に感動したようだった。うふふ、弱者を助ける、かっこいい強者の俺。
「でも、君、本当にレジェンドを倒せるほど強いの? 見た感じ、そこまでには――」
「ああ、こいつの強さは間違いないぜ!」
と、そこでザックが俺たちの会話に口をはさんできた。
「なんせ、こいつは伝説のゆう――」
「おい、何言ってんだ、お前!」
あわててその口を手でふさいだ。唐突に俺の正体バラそうとしてるんじゃねえよ。
「伝説の……何?」
男たちは当然、きょとんとしている。はわわ、適当にごまかさないと。
「え、えーっと、デンセツってのは電気設備課のことなんだ。そこで働いていたから俺は電設のなんちゃらになったわけだよ」
「ふうん? なんちゃらの部分は何?」
「そ、それはそのう、デンセツの……死刑囚?」
「えっ」
「あ、元な! あくまで元死刑囚!」
とっさに強そうな称号として俺の口から出てきたのがこれだった。まあ、嘘ではないし……。
「い、いったい君、何して死刑囚になったの?」
「ま、ちょっと二つの国の武装集団を壊滅させまして……」
「えっ!」
「い、いや、なんか色々あって、それは許されたことになったから! 俺もうきれいな体だから! ちゃんと更生したから!」
思ったよりドン引きな三人に、俺はあわてて言いつくろった。
「あれ、ハリセン仮面の一件は冤罪だったんじゃ?」
ザックが不思議そうに首をかしげる。うっせーな、お前はもう黙ってろ。
「と、とにかく! 俺はそれぐらい強いの! だからレジェンドだろうと余裕で倒せるの! 多い日でも安心なの!」
「は、はあ……」
「なので、大船に乗ったつもりで、俺にその謎レジェンドの討伐を依頼してくれたまえ! 報酬はスマイルゼロゴンスでいいからさ!」
「そうか。なら頼むよ」
というわけで、俺たちは遺跡に行くことになったのだった。
「実は、暗くて姿がよく見えなかったんだ」
あんまり役に立ちそうな情報は持ってなさそうな三人だった。おいおい。
「本当にレジェンドに間違いないんだろうな?」
「うん、それはたぶん」
「とっさに石投げたら、物理障壁出てたし」
「そんなの出るの、レジェンドだけだろ?」
男たちは俺にうなずくものの、やはりどこか頼りない返事だった。
というか、見た目からして頼りないというか、オーラがなさすぎな三人だった。いかにも貧乏くさい、他の仕事でやっていけなかったからハンター始めました、みたいな三人? 金も全然持ってなさそうだ。
と、俺がぼんやり思っていると、
「はあ……せっかくあの遺跡で少しは稼げると思ったのに」
「あんなに強いモンスターが出るんじゃ、もうあそこには行けないじゃないか」
「俺たち、普通の採集もモンスター狩りも苦手なのに、これからどう暮らしていけばいいんだ」
なんか、勝手に落ち込み始めた。聞くと、ここ一か月でハンターとしての稼ぎは、三人で三十万ゴンスほどだという。しょぼい。まあ、普通はこんなもんかもしれないが。俺はチート剣で効率プレイして荒稼ぎしただけだし、ユリィたち三人も、昨日今日でたまたま超高額買取り素材を見つけただけだしなあ。確か、冬虫夏草とカニ以外は二束三文の買取価格だったはず。
「あの遺跡にはコウモリが出るんだが、それが薬の材料になるっていうんで、そこそこな値段で買い取ってもらえたんだ」
「コウモリぐらいなら俺たちでも集めるのは簡単だしな」
「でも、あんなのがいるんじゃ、もうあそこにはいけない……」
なんかまた落ち込み始めた。こいつら貧乏なだけではなく、性格も陰気なようだ。
やれやれ。仕方ないなあ、もう。
「じゃあ、俺がその遺跡まで行って、謎レジェンドを倒してきてやるよ。それでいいだろ?」
と、ユリィの前だということを意識して、さりげなく、ちょっとコンビニに買い物にでも行くふうに言い放つ俺だった。そうそう。俺、このセリフを言うためだけに、こんな安宿に来たんだからさあ。
「え、君、レジェンド倒せるほど強いの?」
「まーな」
今はゴミだが魔剣もあるし、レジェンドだろうとサクサク倒せますよ?
「いやでも、出会ったばかりの君たちが、俺たちのためにそんな危険なことをする理由は――」
「ある! 俺たち、ハンター仲間じゃないか! こういうのは持ちつ持たれつなんだよ!」
ネガティブ全開すぎる男たちに、俺は力いっぱい言った。
「そんな危険なモンスターを放置しておけば、今後さらに被害者が出る可能性がある! そんな悲劇を俺は見過ごせない! 俺の中の荒ぶる正義が光って唸る! そのモンスターを倒せと輝き叫ぶ!」
くうう、圧倒的強者のセリフ! 聞きましたか、ユリィさん!
「本当かい、ありがとう!」
「あのモンスターがいなくなれば、またあそこで稼げるよ。助かる!」
「俺たち、あそこでコウモリ集めるのが最後の生命線だったんだ」
男たちは涙目で俺に感動したようだった。うふふ、弱者を助ける、かっこいい強者の俺。
「でも、君、本当にレジェンドを倒せるほど強いの? 見た感じ、そこまでには――」
「ああ、こいつの強さは間違いないぜ!」
と、そこでザックが俺たちの会話に口をはさんできた。
「なんせ、こいつは伝説のゆう――」
「おい、何言ってんだ、お前!」
あわててその口を手でふさいだ。唐突に俺の正体バラそうとしてるんじゃねえよ。
「伝説の……何?」
男たちは当然、きょとんとしている。はわわ、適当にごまかさないと。
「え、えーっと、デンセツってのは電気設備課のことなんだ。そこで働いていたから俺は電設のなんちゃらになったわけだよ」
「ふうん? なんちゃらの部分は何?」
「そ、それはそのう、デンセツの……死刑囚?」
「えっ」
「あ、元な! あくまで元死刑囚!」
とっさに強そうな称号として俺の口から出てきたのがこれだった。まあ、嘘ではないし……。
「い、いったい君、何して死刑囚になったの?」
「ま、ちょっと二つの国の武装集団を壊滅させまして……」
「えっ!」
「い、いや、なんか色々あって、それは許されたことになったから! 俺もうきれいな体だから! ちゃんと更生したから!」
思ったよりドン引きな三人に、俺はあわてて言いつくろった。
「あれ、ハリセン仮面の一件は冤罪だったんじゃ?」
ザックが不思議そうに首をかしげる。うっせーな、お前はもう黙ってろ。
「と、とにかく! 俺はそれぐらい強いの! だからレジェンドだろうと余裕で倒せるの! 多い日でも安心なの!」
「は、はあ……」
「なので、大船に乗ったつもりで、俺にその謎レジェンドの討伐を依頼してくれたまえ! 報酬はスマイルゼロゴンスでいいからさ!」
「そうか。なら頼むよ」
というわけで、俺たちは遺跡に行くことになったのだった。
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