異世界見浪記

天空

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全知は全能にあらず

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 セウストたちとは早々に合流できた。タイヨウたちが思っていたより、時間は経っていたようで、既に買い物は済ませて待っていたらしい。

「おかえり! どうだったんだ?」

 セウストの中からサルビアが顔を出す。その手には紙袋を持っていた。

「なんとかなったよ。サルビアは、何買ったの?」

 タイヨウたちはセウストに乗り、そのままエレベーターへ入った。

「おう! 俺はこれ買ったんだ!」

 取り出されたのは、不思議な形をしたドリルのような物。

 ドリルのハンドルの前にもシールドのように板が取り付けられていた。

「ネイルガンだよ! これで家の補修をするんだ!」

 銃の様に構え。四方からスキャンするようにまじまじとネイルガンを眺めていた。

「そっか、良かったね」

 タイヨウは生返事をして、セロを見る。

 その手にはぬえの地図を持っており、その位置を探っているところだった。地図にはぬえの主変しか映らず、分かる距離も、せいぜい街ひとつぶんだ。

「どう?」

「タイヨウ様。恐らくですが、ぬえの現在地が分かりました」

「どこ!?」

「逸楽街と呼ばれる場所を指しています」

「逸楽街?」

「どんなところかは……私の元には何の情報もありません。街の名前も地図に書いてあっただけです」

 セロは地図を器用に丸めて、ソーイングセットに仕舞った。

「それでも、場所が分かれば、あとは行くだけだよね!」

「逸楽街について、皆様は知っていられますか?」

「知らん」

「俺も、聞いたことねぇな」

「逸楽街っていやぁ……ここからさらに北にある筈だぞ。どんな場所かは……悪いが知らんな」

 なんとも歯切れの悪い答えばかり。しかし、場所が分かるのは幸いだ。

「それと、さっきの買い物中に仕事が入っちまってな。俺たちはここでおさらばだ」

「そっか、それは残念」

 旅の仲間がいなくなるのは、寂しいものだ。それに、ここからの足が無いのも問題だ。

「途中の階で馬車とか、買えるかな?」

「待って! それなら、俺にいいアイデアがあるぜ!」

 サルビアはそう言って階層ボタンを押して、エレベーターを止めた。

「この階は……なるほど、そういうことだな!」

 セウストは何か気づいたようだが、タイヨウにはそれが何か分からなかった。

 そうして、しばらく降りて停まったのは、そこら中から黒い煙の噴き出すスチームパンクな階層だった。
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