私は、御曹司の忘れ物お届け係でございます。

たまる

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真田、俄然興味が湧いてくる

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 その後、私もドクターと警察と話し本人が全くの健康であったため、そして、あちらにはなにも過失がないとみられ、全て解決の方向に向かっていた。だけれど、なにせ真田さんが絶対にこのまま帰宅させたら、雇い主から殺されると言って懇願してくる。

 どうやら、この老齢の運転手さん、自分が美代の歩行を車の進入によって脅かしてしまい倒れさせてしまったと思ったらしい。それをそのまま上司に報告してしまい、あれよあれよと大事態になったようだ。それが総裁命令で完全に看護しろっとなったらしい。

 事実は違うのだからと、謝ってきた伊勢崎さんにも真田さんにも説明する。わたしごときにこんな他人まで巻き込んでしまって申し訳ない気分だ。

 まあ、確かに体のあちこちが痛いから、自宅まで送ってくれるとありがたいと説明すると、
 「わかりました。一応、ご自宅までお送りします」
という話になった。

 さすが財閥っと思わせるだけの黒塗りの高級車だ。到着地が2階建てのアパートいうのが妙に恥ずかしい。車から降りる時に、はっと思う。
 「伊勢崎さん、あのもし雇い主さんから今回のことでなにか言われて解雇などになりそうだったら、いくらでも証言してあげますから、必要ならいつでも言ってくださいね。伊勢崎さんは全然悪くないって言ってあげますから!!」
と話した。

 苦学生の美代だ。お金の大切さは身にしみるほど知っている。老齢の伊勢崎が誤解のために仕事を失うのは、見るに耐えかねないと同情したのだ。

 それを聞いた伊勢崎と真田は唖然とした顔する。
 そんな考えを持つものは、彼らの周りにはいなかった。

 「ありがとうございます。美代様。どうぞしばらくは気をつけてくださいね。事故の反動があるかもしれませんから……」

 伊勢崎は、この正直というか無欲な女性をまるで淑女のように扱った。ちょっと美代はそれを聞いて照れたが、深くお辞儀をしてそこを立ち去った。

 真田はぽろっと本音が出る。

 「珍しい方ですね。まだ、あのような人がいるのですね、今のご時勢に。俄然、興味がわいてきましたね……」

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