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真田 陳腐な言い訳に万事休する
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ーーえ? 何故?
頭の中が真っ白だ。
いま真田は目の前の物体が何かを確認できない。
白い艶めかしい女性と思われる肢体が自分の布団からはみ出していた。
ーー誰だ?
新手のスパイなのかと疑う。
先ほどやっと帰宅の主人に挨拶と今日の報告を済ませ部屋に戻り、いつものよう部屋付きのシャワーを浴びた。そして、腰にタオルだけ巻いて出てきたのだ。着替えを取ろうと寝室の手前で驚いて二度見した。
誰か己のベッドにいる。ドア越しにみたら、淫らな女性の脚がかなり際どいところまで見えていた。顔が布団の影で見えない。
ーーハニートラップ?
山川に連絡して外からの侵入を確認させようとした瞬間、床に落ちている見たことがあるものに目をやった。
女物のパジャマ?
見憶えがある。
ーーおい、まさかだろ?
持ち主が分かり呆然とした。
流したばかりの汗がまた身体から吹き出しそうだ。
これは、一大事だと真田は感じた。
何故とか、どうしてとか考えている暇はない。問題の人物を早急に起こして事態を収拾しなければいけないと思った。しかし、ここでしなければならない順序が決定的に間違っていたことに真田は気がつかなかった。
布団を微かに震える手で掴む。
「み、美代様! 起きてください!」
うーーんっと唸って、寝返りをしている美代を見て唖然とする。
パジャマを見た時点で気がつくべきだった。
ーーは、裸だと! なんだ、それは! マズすぎるだろ。
美代のふっくらとした膨らみが布団カバーのギリギリのところで見え隠れしていた。
冷静にならなければならないが、こんな状況、ヤバすぎる。
しかも、その下が履いているのか履いていないのか微妙な体勢で太ももまで披露させている。
ーーああそんなところまで私に見せて! お、恐ろしすぎる。何故、わたしの部屋に、しかも裸で寝てるんですか! 美代様! 一応、これでも、わたしは男なんですから!
それらの罵倒は口から漏れていた。これ以上、美代の裸を露わにさせたくないため、布団の上から彼女を自分の半身で抑え込む。これなら、美代が誤って全てのカバーを剥ぎ取るのを防ぐ為だ。
「美代様、本当に起きてください。蓮司様が探してますから、こんな場所で、こんな格好で、もし見つかったら……た、大変」
察しのいい真田は、言葉を終える前に背後に何かを感じた。
悪寒と恐怖が背中を走る。
時間が止まると思ったくらい全てがスローモーションに感じた。
「見つかったら、何なんだ、真田」
まさにその本人が後ろに立っている気配がする。背後を振り返る。
「えっ……まさか」
そこにはマスターキーを片手にした物凄い形相の蓮司が立ち尽くしていた。
それでも、真田は過信していた。この状態でそこまで蓮司がそこまで勘違いをするとは考えていなかった。嫉妬深い男だが、二人だけでいるだけだし……まあ嫉妬されてガミガミ、いや休暇を取らされるなと確信する。
だが、そんな楽観的な予測も、ある点を見落としていた。それにやっと気付きいつも冷静な真田も気が動転する。
美代も自分もほとんど裸だった。しかも、この体勢、腰巻タオルだけの真田が、ベッドで色っぽくしなって寝ている美代を襲っているか、または夜の営みがこれから始まるような光景だ。
ーーマズい。順序が違った。服を先に着るべきだった。
「蓮司様、違うんです、誤解です!」
出た言葉が陳腐すぎて、自分でも笑えるぐらいだったが、事態はそんな状況ではなかった。
頭の中が真っ白だ。
いま真田は目の前の物体が何かを確認できない。
白い艶めかしい女性と思われる肢体が自分の布団からはみ出していた。
ーー誰だ?
新手のスパイなのかと疑う。
先ほどやっと帰宅の主人に挨拶と今日の報告を済ませ部屋に戻り、いつものよう部屋付きのシャワーを浴びた。そして、腰にタオルだけ巻いて出てきたのだ。着替えを取ろうと寝室の手前で驚いて二度見した。
誰か己のベッドにいる。ドア越しにみたら、淫らな女性の脚がかなり際どいところまで見えていた。顔が布団の影で見えない。
ーーハニートラップ?
山川に連絡して外からの侵入を確認させようとした瞬間、床に落ちている見たことがあるものに目をやった。
女物のパジャマ?
見憶えがある。
ーーおい、まさかだろ?
持ち主が分かり呆然とした。
流したばかりの汗がまた身体から吹き出しそうだ。
これは、一大事だと真田は感じた。
何故とか、どうしてとか考えている暇はない。問題の人物を早急に起こして事態を収拾しなければいけないと思った。しかし、ここでしなければならない順序が決定的に間違っていたことに真田は気がつかなかった。
布団を微かに震える手で掴む。
「み、美代様! 起きてください!」
うーーんっと唸って、寝返りをしている美代を見て唖然とする。
パジャマを見た時点で気がつくべきだった。
ーーは、裸だと! なんだ、それは! マズすぎるだろ。
美代のふっくらとした膨らみが布団カバーのギリギリのところで見え隠れしていた。
冷静にならなければならないが、こんな状況、ヤバすぎる。
しかも、その下が履いているのか履いていないのか微妙な体勢で太ももまで披露させている。
ーーああそんなところまで私に見せて! お、恐ろしすぎる。何故、わたしの部屋に、しかも裸で寝てるんですか! 美代様! 一応、これでも、わたしは男なんですから!
それらの罵倒は口から漏れていた。これ以上、美代の裸を露わにさせたくないため、布団の上から彼女を自分の半身で抑え込む。これなら、美代が誤って全てのカバーを剥ぎ取るのを防ぐ為だ。
「美代様、本当に起きてください。蓮司様が探してますから、こんな場所で、こんな格好で、もし見つかったら……た、大変」
察しのいい真田は、言葉を終える前に背後に何かを感じた。
悪寒と恐怖が背中を走る。
時間が止まると思ったくらい全てがスローモーションに感じた。
「見つかったら、何なんだ、真田」
まさにその本人が後ろに立っている気配がする。背後を振り返る。
「えっ……まさか」
そこにはマスターキーを片手にした物凄い形相の蓮司が立ち尽くしていた。
それでも、真田は過信していた。この状態でそこまで蓮司がそこまで勘違いをするとは考えていなかった。嫉妬深い男だが、二人だけでいるだけだし……まあ嫉妬されてガミガミ、いや休暇を取らされるなと確信する。
だが、そんな楽観的な予測も、ある点を見落としていた。それにやっと気付きいつも冷静な真田も気が動転する。
美代も自分もほとんど裸だった。しかも、この体勢、腰巻タオルだけの真田が、ベッドで色っぽくしなって寝ている美代を襲っているか、または夜の営みがこれから始まるような光景だ。
ーーマズい。順序が違った。服を先に着るべきだった。
「蓮司様、違うんです、誤解です!」
出た言葉が陳腐すぎて、自分でも笑えるぐらいだったが、事態はそんな状況ではなかった。
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