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男達の攻防
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蓮司はアベルになるべく話させる。そして、うまい具合に、はぐらかしたり真剣に答えたりして時間を稼いだ。
ここで自分がしなければならないことは、時間を稼ぐことだった。
途中でお互いの敵対的買収劇を話し始める。
『どうして、あの母の会社を狙うのだ? 大原に利益より不利益でしかありえないじゃないか?』
とアベルは、言う。
もう大原の意図はあからさまにわかるのか、自分の母親のことは隠さないらしい。
親族経営をすべて狙っているのだ。だから、もう母親の経営と明かしてしまったようだった。
別に問題ではないだろうと思っているようだ。
すると、蓮司は微笑んだ。
『この企業は、利益があまり出してないように見えるが、実は腐ったと言ってでた農産物を廃棄していないで、横流しし、不当に利益を得ている。過去三年でその金額は**ユーロだ。まだ、それだけではなくて、政府に嘘の申告をして、特定農作物に対する補助金もだまし取っている疑いがある。しかも、それだけではない……』
アベルはドキッとする。
な、なに?
自分でさえ知らないことまでこの男がなぜ知っているのかと疑問が出てくる。
『農業廃棄物を三年前から不法投棄している……』
『な、なんだと? ありえない』
『そのかかるはずだった経費がどこに流れたか、君なら想像つくだろう?』
そう言いながら、蓮司が資料を出してくる。
偽造しているとは思えないような詳しい内容だ。
三年前と言ったら、祖母の紹介で一人の会計士を補充したのだ。
まさかと頭のよぎる。
『アベル、忠告するよ。君の本当の敵は俺じゃない…』
わかっているとアベルはいいたかった。
そのほかにどんどんと、自分が聞いてない話が出てきた。
なんなんだと焦りと苛立ちが自分を襲う。
話を聞いているとその会計士が誰かと手を組み、この会社の収益を不当に得ているようだった。
正直、経営やお金に無頓着な母ができる芸当ではなかった。
では誰が裏を引いているのか?
答えが明らか過ぎて吐き気を覚えた。
『アベル……君はルイス・カルダンの総裁だが、歩美さんを守ることはできないんじゃないか……』
とまで蓮司がいいだした。
『じゃーなぜ、大原は買収しようとする動きを見せた……』
『株価が上がるだろう? それに合わせて、悪巧みを考えている誰かさんをね、ちょっと懲らしめようかと………』
『祖母か?』
『上がるだろうと思う株を期待して、彼女はもっと富を得たいみたいだよ。もちろん僕はそれには乗らないけどね……』
『ではなんのために?』
『彼女はちょっと前まで誰かに指示しているはずだ。業績を改ざんしろってね。そうすれば、バカなアジアの会社がうちを高値で買い上げてくれると………』
蓮司の瞳がいたずらに光った。
『あ、私を買いかぶるな。これはまあ遊びだ。大切な友人を守るためにな……』
必要があれば……と言って、その証拠らしいマイクロチップを目の前に出された。
蓮司の目に微かに揺れ動くかのような炎を感じた。
大原蓮司という男が、どれほどの奴なのかということがわかってきた。
そのマイクロチップを手に取り、眼を見張る。
彼は自分が思ったのとは、はるかに違った印象を持ちはじめた。
彼は、本当の歩美の敵を知っている……。
そう アベルは感じた。
でも、それはまた一番の疑問にぶち当たるのだ。
段々、業を煮やしてきたアベルが怒鳴り始めた。
『あんたは、一体何なんだ! あゆみのことは物凄い大事といいながら、なぜ別の女と婚約しているのだ。歩美だと不足だというのか?』
アベルは一応、歩美の気持ちを少しは考えた。
本当に、歩美が自分の幸せを見つけてしまったのなら、考えるのも腹立たしいが、身を引くことも考えなくてはいけないと思っていたからだ。
特に、大原蓮司。
婚約者さえいなければ、歩美には最も相応しい男に見えた。
力も、頭脳も、財力もある。
しかも、男として悪くない見た目。
そして、どうだ。この俺を見下したような太々しい大胆な態度。
初めて自分と本気でやり合えそうな奴の存在に嬉しがってしまう自分がいる。
こんな状態ではなければ、親友にでもなれそうだった。
お互いに遠慮し合うものは何もなく、何でも話せそうな感じなのだ。
歩美が惚れるのもわかる気がする。
でも、いきなり愛人というのはいただけない。
あまり奴を刺激したくないが、ここは言わなくてはいけなかった。
『レンジ、貴方の婚約者の情報は調べてある。ミヨ・ツチヤ、ごく普通の大学生だ。両親はすでに他界。しかも、苦学生で、大学から奨学金を受けながら、通っていると聞いている。最近まではバイトに明け暮れていたが、君のところで雇うことになってから、その働き地獄から解放されたらしいじゃないか……』
いきなり奴の声色が変わる。
低い声が響いた。
「……何が言いたい……。アベル」
もうこのころにはお互い面倒なので、ファースト・ネームで呼び合っていた。
『……っ、だから、なぜ歩美が正式な婚約者でなく、そのミヨって女が愛人候補じゃないんだ! どうせ大したことない、女なんだろう、その、ミヨっ……』
ドンっと物凄い音がテーブルの上で鳴り響いた。
奴の眉間に血管が浮き出るぐらいに皺が見える。
『……黙れ……。美代の悪口を言うのは、俺は許さん……』
いきなり目の前の男が地獄から這い上がってきたかのような形相になる。
『……な、なんだ、その態度は………』
『……アベル、一言だけいう。俺を本気で怒らせるな』
『……レンジ、君は私が誰だか知っているのか? あのルイス・カルダングループの総裁なんだぞ……。世界的にはお前の企業より格上なんだぞ!』
「……ふっ、そんなもの……」
蓮司が笑っている。
『……アベル総裁、君はなんのためにその大規模な組織のトップなのだ?』
『……なんだ? その質問は? 』
『……まあ金のためではないよな。そうだろう?』
声が出ない。そんなことを言及されたことは初めてだ。
確かに、金のためではなかった。権力が欲しかった。歩美を守れるぐらいの大きな男になって、自分が長を勤めれば、彼女に手出しするもの防げるのだと確信し、自分でそのチャンスをもぎ取ったのだ。
『……ここまで歩美さんのためにきたところを見ると、もしかして、彼女のためか? 自ら総裁に志願したのは……』
『……』
『……羨ましいな……。君はそういうものが最初にあったんだな。私にはなかった。そういう守る対象が………命をも捧げたいと思うぐらいの女が……』
『……だったら、貴方は何を目的に……?』
『バランスだよ……。世界のバランスを保つ為だ……』
『……バランス?』
『大原財閥には長年の社会に貢献している部分と悪影響をもたらす両面があった。それを是正して、社会のバランスを保つことに意味を見出したんだ……』
『意味がわからない……。一体どういうことだ……』
『実は、私には優秀な補佐がいるんだ。今日ここにいる矢崎もその一人だが、もう一人、補佐がいるんだ。私が、自分の力を発見して、正直、世界制服もできるんじゃないかと思った時期があったんだよ。詳しくはいえないが、その法則に則っていけば、そういうことになりそうだった』
『……世界征服だと?』
『ああ、馬鹿なたわごとだと思うだろう。まあ、もしここで見たことを忘れると言ったら、お前には見せてもいい……。ただし、そこに這いずり回っているお前の付き人と秘書を離させろ……』
アベルは興味と恐怖がいりまじり、ドアの後ろで聞き耳を立てていた秘書たちに下がらせる。
山川がそれらを別室に案内した。
蓮司が頷いて、自分のデスクの中に隠されていたボタンを押すと全ての窓のシャッターも降ろされた。
「悪い、矢崎も外に出ろ」
「畏まりました……」
深くお辞儀をして、矢崎も退出した。
あまりのセキュリティーの凝りように、アベルも唖然とする。
『全ての外部からの電子機器は使えない……。だから君がなんの盗聴器をつけていても無駄だ。最初に言っておく』
蓮司が指紋照合をするパネルに手を当てた。
壁にあるはずの本棚が左右に開いていく。
そこには、別室に繋がる入り口があった。
アベルが見て驚きの声を漏らす。
まさにそこは電子機器とモニターが何十台もひしめき合い、何かの司令部か要塞のように見えた。
『なんなんだ。これは……』
『これは私が開発した世界の流れを見るシステムだ……』
無数の点滅している世界地図を見渡す。
わけのわからない数や英数字がリアルタイムで流されているようだった。
でも、その数字は全く意味をなさない。株価でもないし、為替でもないのだ。
『な、どういう意味だ?』
『世界に出回っているコンピューターが感染するウィルスをここで監視、または、修正している……』
『な、なんだ。それは……』
『例えば、この種類のウィルスは、何度も間違えた信号を発信するように仕組んである。これにちょっと手を加えると、それに繋がる、例えば発電所は誤作動を起こし、最悪爆発を起こす』
『……まさかお前がこれを作ったのか?』
『違う、誰かの偶然の産物か、また誰かが意図的に作ったものかもしれない……』
『こっちは、金融系のネットワークに出回っているタチの悪いマルウェアだ。イタチごっこだが、多くの銀行が被害と対策に明け暮れている』
『……これの監視がなぜ、世界征服に繋がるんだ?』
『意図的に悪い意思を持ったウィルスは毎日のように、誰かにコピーされ、作り続けられている。まるでそれは雨だったり、雷のようだ。でも、この自然界で起こる以上、必ずなんらかの法則が生まれる。同じ習性のものは同調するんだ。橋の上の振動の同調のように……。ウィルスの監視はまるで現代の気象予報だ。大雨なのか、大洪水なのか、それらの流れを読むと、何が起こるか予想できる。それが、君にはどういう意味かわかるだろう?』
アベルが唸った。
『……つまり、かなりの高確率で未来が予想できるってことか?』
『……そうだ』
『しかも現在はただの悪性のウィルスだけではなく、被害を起こさないただの浮遊しているものもある……。それらを加えるとかなり、正確に世界の動きが把握できる……もちろん、金の動きもな……』
アベルは、この男が恐ろしくなった。
まるで神の領域の話をしているようだった。
『……ではなぜこれを俺に見せた? 』
『君が言ったじゃないか? 総裁になったのは、金のためではないだろう? 愛する人のためと……だから、悪用はしないと思った……そうだろう? アベル』
その意見を肯定するかのように、アベルが頷いた。
『私も人間だ。その神のような力を得て、心が動いた。でも、そんな時に、俺の優秀な補佐が俺に言ったんだ』
『それが本当に蓮司様の求めるものですか?』
って。
ただそれだけだ。
それをやるなとも良いともあいつは言わなかった。
『しかも、このシステムを悪用すれば、正直、君のグループも危なくなる……』
『な、そんなことはあり得ない!』
『いいか、よく聞け。例えば、このウィルスをこの地域でアクティブにさせる。そうすると、この辺りの金融機関の金の貸し出しが一切できない。もし、それがルイス・カルダンのようなグループが別の企業と手を組む契約日だったら、どうする? 出せる金が凍結だ……。もちろん、違うところから出そうとするだろう。でも、連鎖反応のように、別の金融機関期間でも起こる。しかもシステム障害として、報道される。少しは同情されて期限を伸ばさせるだろうか? でも、その間に違う企業が入り込む余地を与えるよな……信用は落ち、株価は下落、そこに違う企業が買収をかける。いくらでもこのウィルスは意図的な障害を生み出せるんだ』
『あと、さらに悪用すれば……いや、ここまでにしよう。知らないことがある方がいい。つまり、大きな船はそれだけだ管理も大変だし、弱点があれば、すぐに沈むんだ……』
蓮司は、カルダンの持っている縫製工場も、オフィスも全て同じような連鎖で、業務を止めることがきることは言わなかった。トレースができない完全犯罪だ。
『何が言いたい……?』
『さっきの話に戻るが、俺は自分の身丈にあった船を操縦することに決めたんだ……』
『身丈に?』
『のりごごちのいい船がいいだろう? せっかく舵を取るのだから?』
真田は言ったんだ。
『私は蓮司様が行きたいところまでついて行きます。でも、そこに到着した時に、貴方が見たい景色があることを望みます。着いてみて、全く違う面白くない景色だったら、働き損ですよ』
それを聞いた俺は笑った。腹の底から、声が出た。
あの時のきょとんとした真田の顔が忘れられない。
確かに面白い景色が見えなさそうだった。
世界を征服しても、きっともうできないゲームを探す子供のようになると自分でもわかっていた。
確かに働き損だ。
それなら、できるだけ、世界のバランスを崩さないものを目指したかった。
平和な日本の世の中が続くように……。
陳皮な考えだが、皆が幸せになれる社会を目指したかった。
新しい会社を作り、人に仕事を与え、頑張ってきた。
でも、何かが足りなかった。
そんな時に、一人で社会と戦っている少女を見つけたんだ。
俺の目的が見つかった。
この世界を守る目的が……。
『アベル、私はもう自分の組織がこれ以上大きくなることは望んでいない。大き過ぎる船は機敏に動けないからな……。だから、君のいう大きさとか、格などは、私にとって全く意味をなさない。それよりも、乗り心地や其処から見える景色、一緒に乗ってくれる人の方が大事だ。そうじゃないと、俺の補佐曰く、働き損らしいぞ……』
『……こんな力を持ちながら、働き損というお前の補佐は、かなりのツワモノだな。確かに笑える。その人物はかなりのやり手だな……』
『……ああ、彼がいなかったら、俺も大原も、針路を失っていたかもな…』
『羨ましい……。そんないい補佐、なかなかいないぞ。スカウトしたいくらいだ……』
『ふ、そうか。それは好都合かもな……』
蓮司が時計を確認した。もうそろそろだなと思う。
『だったら、アベル総裁。ご自分で確かめるといい。歩美さんは私のある友人と一緒だ。多分、勘違いしているようなので、今訂正しておく、歩美さんは私の愛人候補でもなんでもない。いい友人だがね。いま、私は自分の婚約者を口説き落とすので手がいっぱいなんだ。歩美さんは私の婚約者の親友だ。ちょっと手違いで、私の婚約者が逃走してね。ご帰還を願うために、悪知恵の働いた友人が、歩美さんを我が屋敷に連れてきたんだ……』
『歩美は、美代の親友だったのか? やはりそうだったんだ……』
確かに最初のレポートにはそう書いてあった。だが、最後の情報では「蓮司専用の車で、蓮司と歩美が親しそうに自宅まで送り迎えする仲」とまで、書いてあった。
『あ、やはり君のところの情報屋も騙されたか……。奴は情報を操るのが得意なんだ……』
『待て、何でお前の友人が歩美と一緒にいるんだ……』
『……まあ、言ってもいいだろう。悪いな、アベル。どうやら俺のその優秀な友人が、どうやら、君の大切な歩美さんを気に入ってしまったんだ……』
驚愕しているアベルが、蓮司を見る。蓮司は睨みながら、アベルを見た。
『あ、確かに歩美さんはロレーヌ家との約束がありましたね……。ロレーヌ家の家長を納得させるほどの力量を見せないと、歩美の独り立ちも結婚も許されない。それに歯向けば、ロレーヌ家を敵に回すだけではなく、今迄の養育費を全て借金とする……まるで悪徳な詐欺のような取り決めだ……』
『……知っている。嫉妬に駆られた祖母が祖父が亡くなったあと、無理やり取り決めたんだ。歩美の自由を全て奪うために……俺は、それを解いてやりたかった……。家長と言っても俺はまだ半人前だ。祖母や叔父、役員の力は大きい。奴らはまだ歩美をチェスの捨て駒だと思っている』
『ああ、だから、私の知り合いがそれに挑戦してみたいらしいよ。独りで、ルイス・カルダンに全面戦争を宣言したよ。これがその要求書だ……』
その文言を見て、アベルが愕然とする。
あまりにも大胆不敵、その図渦しい内容に笑えてしまうのだ。
『アベル・ド・ロレーヌ総裁殿 もしくはルイス・カルダングループの役員皆様
私はアユミ・ド・ロレーヌ、別名工藤歩美の自由、権利の主張、身柄の解放をここに求める。
今までの理不尽な契約を全て破棄し、彼女の身の安全の保証、ロレーヌ家が一切これから彼女の生活に支障をきたさないと宣誓しない限り、歩美を返すことは出来ない。
ただし、彼女の人権、権利に害を及ぼしたと判断した時点でいかなる約束ごとも無効になる。
24時間以内に我々を見つけることができたら、情報の漏洩を止める。
ただし、24時間以降なら、そちらが今の条件を満たさない限り、先ほど送った個人宛に添付されている個人情報を公にする。それが嫌なら、こちらが用意した書類に全てサインして送り返せ。
それぞれに暗証番号が個人メールで送られている。確認してくれ。
Black Shadow 』
ここで自分がしなければならないことは、時間を稼ぐことだった。
途中でお互いの敵対的買収劇を話し始める。
『どうして、あの母の会社を狙うのだ? 大原に利益より不利益でしかありえないじゃないか?』
とアベルは、言う。
もう大原の意図はあからさまにわかるのか、自分の母親のことは隠さないらしい。
親族経営をすべて狙っているのだ。だから、もう母親の経営と明かしてしまったようだった。
別に問題ではないだろうと思っているようだ。
すると、蓮司は微笑んだ。
『この企業は、利益があまり出してないように見えるが、実は腐ったと言ってでた農産物を廃棄していないで、横流しし、不当に利益を得ている。過去三年でその金額は**ユーロだ。まだ、それだけではなくて、政府に嘘の申告をして、特定農作物に対する補助金もだまし取っている疑いがある。しかも、それだけではない……』
アベルはドキッとする。
な、なに?
自分でさえ知らないことまでこの男がなぜ知っているのかと疑問が出てくる。
『農業廃棄物を三年前から不法投棄している……』
『な、なんだと? ありえない』
『そのかかるはずだった経費がどこに流れたか、君なら想像つくだろう?』
そう言いながら、蓮司が資料を出してくる。
偽造しているとは思えないような詳しい内容だ。
三年前と言ったら、祖母の紹介で一人の会計士を補充したのだ。
まさかと頭のよぎる。
『アベル、忠告するよ。君の本当の敵は俺じゃない…』
わかっているとアベルはいいたかった。
そのほかにどんどんと、自分が聞いてない話が出てきた。
なんなんだと焦りと苛立ちが自分を襲う。
話を聞いているとその会計士が誰かと手を組み、この会社の収益を不当に得ているようだった。
正直、経営やお金に無頓着な母ができる芸当ではなかった。
では誰が裏を引いているのか?
答えが明らか過ぎて吐き気を覚えた。
『アベル……君はルイス・カルダンの総裁だが、歩美さんを守ることはできないんじゃないか……』
とまで蓮司がいいだした。
『じゃーなぜ、大原は買収しようとする動きを見せた……』
『株価が上がるだろう? それに合わせて、悪巧みを考えている誰かさんをね、ちょっと懲らしめようかと………』
『祖母か?』
『上がるだろうと思う株を期待して、彼女はもっと富を得たいみたいだよ。もちろん僕はそれには乗らないけどね……』
『ではなんのために?』
『彼女はちょっと前まで誰かに指示しているはずだ。業績を改ざんしろってね。そうすれば、バカなアジアの会社がうちを高値で買い上げてくれると………』
蓮司の瞳がいたずらに光った。
『あ、私を買いかぶるな。これはまあ遊びだ。大切な友人を守るためにな……』
必要があれば……と言って、その証拠らしいマイクロチップを目の前に出された。
蓮司の目に微かに揺れ動くかのような炎を感じた。
大原蓮司という男が、どれほどの奴なのかということがわかってきた。
そのマイクロチップを手に取り、眼を見張る。
彼は自分が思ったのとは、はるかに違った印象を持ちはじめた。
彼は、本当の歩美の敵を知っている……。
そう アベルは感じた。
でも、それはまた一番の疑問にぶち当たるのだ。
段々、業を煮やしてきたアベルが怒鳴り始めた。
『あんたは、一体何なんだ! あゆみのことは物凄い大事といいながら、なぜ別の女と婚約しているのだ。歩美だと不足だというのか?』
アベルは一応、歩美の気持ちを少しは考えた。
本当に、歩美が自分の幸せを見つけてしまったのなら、考えるのも腹立たしいが、身を引くことも考えなくてはいけないと思っていたからだ。
特に、大原蓮司。
婚約者さえいなければ、歩美には最も相応しい男に見えた。
力も、頭脳も、財力もある。
しかも、男として悪くない見た目。
そして、どうだ。この俺を見下したような太々しい大胆な態度。
初めて自分と本気でやり合えそうな奴の存在に嬉しがってしまう自分がいる。
こんな状態ではなければ、親友にでもなれそうだった。
お互いに遠慮し合うものは何もなく、何でも話せそうな感じなのだ。
歩美が惚れるのもわかる気がする。
でも、いきなり愛人というのはいただけない。
あまり奴を刺激したくないが、ここは言わなくてはいけなかった。
『レンジ、貴方の婚約者の情報は調べてある。ミヨ・ツチヤ、ごく普通の大学生だ。両親はすでに他界。しかも、苦学生で、大学から奨学金を受けながら、通っていると聞いている。最近まではバイトに明け暮れていたが、君のところで雇うことになってから、その働き地獄から解放されたらしいじゃないか……』
いきなり奴の声色が変わる。
低い声が響いた。
「……何が言いたい……。アベル」
もうこのころにはお互い面倒なので、ファースト・ネームで呼び合っていた。
『……っ、だから、なぜ歩美が正式な婚約者でなく、そのミヨって女が愛人候補じゃないんだ! どうせ大したことない、女なんだろう、その、ミヨっ……』
ドンっと物凄い音がテーブルの上で鳴り響いた。
奴の眉間に血管が浮き出るぐらいに皺が見える。
『……黙れ……。美代の悪口を言うのは、俺は許さん……』
いきなり目の前の男が地獄から這い上がってきたかのような形相になる。
『……な、なんだ、その態度は………』
『……アベル、一言だけいう。俺を本気で怒らせるな』
『……レンジ、君は私が誰だか知っているのか? あのルイス・カルダングループの総裁なんだぞ……。世界的にはお前の企業より格上なんだぞ!』
「……ふっ、そんなもの……」
蓮司が笑っている。
『……アベル総裁、君はなんのためにその大規模な組織のトップなのだ?』
『……なんだ? その質問は? 』
『……まあ金のためではないよな。そうだろう?』
声が出ない。そんなことを言及されたことは初めてだ。
確かに、金のためではなかった。権力が欲しかった。歩美を守れるぐらいの大きな男になって、自分が長を勤めれば、彼女に手出しするもの防げるのだと確信し、自分でそのチャンスをもぎ取ったのだ。
『……ここまで歩美さんのためにきたところを見ると、もしかして、彼女のためか? 自ら総裁に志願したのは……』
『……』
『……羨ましいな……。君はそういうものが最初にあったんだな。私にはなかった。そういう守る対象が………命をも捧げたいと思うぐらいの女が……』
『……だったら、貴方は何を目的に……?』
『バランスだよ……。世界のバランスを保つ為だ……』
『……バランス?』
『大原財閥には長年の社会に貢献している部分と悪影響をもたらす両面があった。それを是正して、社会のバランスを保つことに意味を見出したんだ……』
『意味がわからない……。一体どういうことだ……』
『実は、私には優秀な補佐がいるんだ。今日ここにいる矢崎もその一人だが、もう一人、補佐がいるんだ。私が、自分の力を発見して、正直、世界制服もできるんじゃないかと思った時期があったんだよ。詳しくはいえないが、その法則に則っていけば、そういうことになりそうだった』
『……世界征服だと?』
『ああ、馬鹿なたわごとだと思うだろう。まあ、もしここで見たことを忘れると言ったら、お前には見せてもいい……。ただし、そこに這いずり回っているお前の付き人と秘書を離させろ……』
アベルは興味と恐怖がいりまじり、ドアの後ろで聞き耳を立てていた秘書たちに下がらせる。
山川がそれらを別室に案内した。
蓮司が頷いて、自分のデスクの中に隠されていたボタンを押すと全ての窓のシャッターも降ろされた。
「悪い、矢崎も外に出ろ」
「畏まりました……」
深くお辞儀をして、矢崎も退出した。
あまりのセキュリティーの凝りように、アベルも唖然とする。
『全ての外部からの電子機器は使えない……。だから君がなんの盗聴器をつけていても無駄だ。最初に言っておく』
蓮司が指紋照合をするパネルに手を当てた。
壁にあるはずの本棚が左右に開いていく。
そこには、別室に繋がる入り口があった。
アベルが見て驚きの声を漏らす。
まさにそこは電子機器とモニターが何十台もひしめき合い、何かの司令部か要塞のように見えた。
『なんなんだ。これは……』
『これは私が開発した世界の流れを見るシステムだ……』
無数の点滅している世界地図を見渡す。
わけのわからない数や英数字がリアルタイムで流されているようだった。
でも、その数字は全く意味をなさない。株価でもないし、為替でもないのだ。
『な、どういう意味だ?』
『世界に出回っているコンピューターが感染するウィルスをここで監視、または、修正している……』
『な、なんだ。それは……』
『例えば、この種類のウィルスは、何度も間違えた信号を発信するように仕組んである。これにちょっと手を加えると、それに繋がる、例えば発電所は誤作動を起こし、最悪爆発を起こす』
『……まさかお前がこれを作ったのか?』
『違う、誰かの偶然の産物か、また誰かが意図的に作ったものかもしれない……』
『こっちは、金融系のネットワークに出回っているタチの悪いマルウェアだ。イタチごっこだが、多くの銀行が被害と対策に明け暮れている』
『……これの監視がなぜ、世界征服に繋がるんだ?』
『意図的に悪い意思を持ったウィルスは毎日のように、誰かにコピーされ、作り続けられている。まるでそれは雨だったり、雷のようだ。でも、この自然界で起こる以上、必ずなんらかの法則が生まれる。同じ習性のものは同調するんだ。橋の上の振動の同調のように……。ウィルスの監視はまるで現代の気象予報だ。大雨なのか、大洪水なのか、それらの流れを読むと、何が起こるか予想できる。それが、君にはどういう意味かわかるだろう?』
アベルが唸った。
『……つまり、かなりの高確率で未来が予想できるってことか?』
『……そうだ』
『しかも現在はただの悪性のウィルスだけではなく、被害を起こさないただの浮遊しているものもある……。それらを加えるとかなり、正確に世界の動きが把握できる……もちろん、金の動きもな……』
アベルは、この男が恐ろしくなった。
まるで神の領域の話をしているようだった。
『……ではなぜこれを俺に見せた? 』
『君が言ったじゃないか? 総裁になったのは、金のためではないだろう? 愛する人のためと……だから、悪用はしないと思った……そうだろう? アベル』
その意見を肯定するかのように、アベルが頷いた。
『私も人間だ。その神のような力を得て、心が動いた。でも、そんな時に、俺の優秀な補佐が俺に言ったんだ』
『それが本当に蓮司様の求めるものですか?』
って。
ただそれだけだ。
それをやるなとも良いともあいつは言わなかった。
『しかも、このシステムを悪用すれば、正直、君のグループも危なくなる……』
『な、そんなことはあり得ない!』
『いいか、よく聞け。例えば、このウィルスをこの地域でアクティブにさせる。そうすると、この辺りの金融機関の金の貸し出しが一切できない。もし、それがルイス・カルダンのようなグループが別の企業と手を組む契約日だったら、どうする? 出せる金が凍結だ……。もちろん、違うところから出そうとするだろう。でも、連鎖反応のように、別の金融機関期間でも起こる。しかもシステム障害として、報道される。少しは同情されて期限を伸ばさせるだろうか? でも、その間に違う企業が入り込む余地を与えるよな……信用は落ち、株価は下落、そこに違う企業が買収をかける。いくらでもこのウィルスは意図的な障害を生み出せるんだ』
『あと、さらに悪用すれば……いや、ここまでにしよう。知らないことがある方がいい。つまり、大きな船はそれだけだ管理も大変だし、弱点があれば、すぐに沈むんだ……』
蓮司は、カルダンの持っている縫製工場も、オフィスも全て同じような連鎖で、業務を止めることがきることは言わなかった。トレースができない完全犯罪だ。
『何が言いたい……?』
『さっきの話に戻るが、俺は自分の身丈にあった船を操縦することに決めたんだ……』
『身丈に?』
『のりごごちのいい船がいいだろう? せっかく舵を取るのだから?』
真田は言ったんだ。
『私は蓮司様が行きたいところまでついて行きます。でも、そこに到着した時に、貴方が見たい景色があることを望みます。着いてみて、全く違う面白くない景色だったら、働き損ですよ』
それを聞いた俺は笑った。腹の底から、声が出た。
あの時のきょとんとした真田の顔が忘れられない。
確かに面白い景色が見えなさそうだった。
世界を征服しても、きっともうできないゲームを探す子供のようになると自分でもわかっていた。
確かに働き損だ。
それなら、できるだけ、世界のバランスを崩さないものを目指したかった。
平和な日本の世の中が続くように……。
陳皮な考えだが、皆が幸せになれる社会を目指したかった。
新しい会社を作り、人に仕事を与え、頑張ってきた。
でも、何かが足りなかった。
そんな時に、一人で社会と戦っている少女を見つけたんだ。
俺の目的が見つかった。
この世界を守る目的が……。
『アベル、私はもう自分の組織がこれ以上大きくなることは望んでいない。大き過ぎる船は機敏に動けないからな……。だから、君のいう大きさとか、格などは、私にとって全く意味をなさない。それよりも、乗り心地や其処から見える景色、一緒に乗ってくれる人の方が大事だ。そうじゃないと、俺の補佐曰く、働き損らしいぞ……』
『……こんな力を持ちながら、働き損というお前の補佐は、かなりのツワモノだな。確かに笑える。その人物はかなりのやり手だな……』
『……ああ、彼がいなかったら、俺も大原も、針路を失っていたかもな…』
『羨ましい……。そんないい補佐、なかなかいないぞ。スカウトしたいくらいだ……』
『ふ、そうか。それは好都合かもな……』
蓮司が時計を確認した。もうそろそろだなと思う。
『だったら、アベル総裁。ご自分で確かめるといい。歩美さんは私のある友人と一緒だ。多分、勘違いしているようなので、今訂正しておく、歩美さんは私の愛人候補でもなんでもない。いい友人だがね。いま、私は自分の婚約者を口説き落とすので手がいっぱいなんだ。歩美さんは私の婚約者の親友だ。ちょっと手違いで、私の婚約者が逃走してね。ご帰還を願うために、悪知恵の働いた友人が、歩美さんを我が屋敷に連れてきたんだ……』
『歩美は、美代の親友だったのか? やはりそうだったんだ……』
確かに最初のレポートにはそう書いてあった。だが、最後の情報では「蓮司専用の車で、蓮司と歩美が親しそうに自宅まで送り迎えする仲」とまで、書いてあった。
『あ、やはり君のところの情報屋も騙されたか……。奴は情報を操るのが得意なんだ……』
『待て、何でお前の友人が歩美と一緒にいるんだ……』
『……まあ、言ってもいいだろう。悪いな、アベル。どうやら俺のその優秀な友人が、どうやら、君の大切な歩美さんを気に入ってしまったんだ……』
驚愕しているアベルが、蓮司を見る。蓮司は睨みながら、アベルを見た。
『あ、確かに歩美さんはロレーヌ家との約束がありましたね……。ロレーヌ家の家長を納得させるほどの力量を見せないと、歩美の独り立ちも結婚も許されない。それに歯向けば、ロレーヌ家を敵に回すだけではなく、今迄の養育費を全て借金とする……まるで悪徳な詐欺のような取り決めだ……』
『……知っている。嫉妬に駆られた祖母が祖父が亡くなったあと、無理やり取り決めたんだ。歩美の自由を全て奪うために……俺は、それを解いてやりたかった……。家長と言っても俺はまだ半人前だ。祖母や叔父、役員の力は大きい。奴らはまだ歩美をチェスの捨て駒だと思っている』
『ああ、だから、私の知り合いがそれに挑戦してみたいらしいよ。独りで、ルイス・カルダンに全面戦争を宣言したよ。これがその要求書だ……』
その文言を見て、アベルが愕然とする。
あまりにも大胆不敵、その図渦しい内容に笑えてしまうのだ。
『アベル・ド・ロレーヌ総裁殿 もしくはルイス・カルダングループの役員皆様
私はアユミ・ド・ロレーヌ、別名工藤歩美の自由、権利の主張、身柄の解放をここに求める。
今までの理不尽な契約を全て破棄し、彼女の身の安全の保証、ロレーヌ家が一切これから彼女の生活に支障をきたさないと宣誓しない限り、歩美を返すことは出来ない。
ただし、彼女の人権、権利に害を及ぼしたと判断した時点でいかなる約束ごとも無効になる。
24時間以内に我々を見つけることができたら、情報の漏洩を止める。
ただし、24時間以降なら、そちらが今の条件を満たさない限り、先ほど送った個人宛に添付されている個人情報を公にする。それが嫌なら、こちらが用意した書類に全てサインして送り返せ。
それぞれに暗証番号が個人メールで送られている。確認してくれ。
Black Shadow 』
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