会長様を手に入れたい

41話

部屋に戻ると大我はそのまま寝室に向かい俺をベッドの上に降ろした。

「ゆい」
そう呼ばれるだけでブルリと身体が震える。
「っ」
大我が小さく息を飲む。
「はぁ、たい、がぁ、キスぅ」
俺は大我にキスをせがむ。眉間に皺を寄せる大我の瞳の色が変わっていた。シルバーなんだけど…また違う色…。

「はぁ、ゆい、悪い。マジで、止められない」
大我は俺にそうとだけ告げるとキスをしてくれた。触れ合う唇がいつもよりも熱い。熱くて、熱くて、その熱で溶かされていきそう。


「ん、っ、ぁ、ふぅ」
触れ合うだけのキスはいつしか深くなりお互いの舌を絡めあっていく。キスだけでどうにかなりそうなほど気持ちよくて、頭がボーっとしてくる。キスをしながら何も言わずに、お互いの制服を脱がし合う。


それだけ俺たちはお互いがお互いを欲して我慢できなかったんだ。


「ん、ぁ、ふぅ、ぁ、やぁ、ん」
大我の熱い唇が顔中にキスを落とし、首筋へと降りてくる。
「ん、ぁ、やぁ、ん、ぁ」
時折、吸い付かれる。それでもそこまで痛くないから痕はついてないのかも。なんだかちょっと残念。


首筋から徐々に下へと降りてきながらも手は身体を器用に這ってる。
「ん、ぁ、やぁ、ん、ぁぁ、たい、がぁ、ん、ぁ」
肩口に唇が辿り着きキツク吸い付かれる。さっきとは違ってピリリと痛みがする。その場所に痕を残したのか大我が舐める。
「ん、ぁ、はぁ、ぁ、ぁ、ん、たい、がぁ、ぁ、キスぅ、ぁ」
キスがしたい、してほしい。キスをしてほしくて訴えれば小さく笑ってしてくれる。それが嬉しくてヘラって笑ったら頭を抑え込まれて息ができないほど激しいキスをされる。


でも、イヤなわけじゃない。それだけ俺が大我に求められてるって証拠だから嬉しい。でも、ちょっと苦しい…。



「んっ、ふ、ぁ、ん、た、ぁ、がぁ、ん、ぁ」
息が苦しくて、トンと軽く叩けばすぐに解放されたけどまた唇を塞がれた。でもさっきと違うのは触れ合うだけの優しいキス。
キスだけでボーっとしてる俺は大我のことしか考えられなくて、大我のことが好きだという気持ちが暴走した。


結果、俺の大我の好きだという気持ちの暴走が発情の暴走を一層ヒドクさせたみたいで、いっそう深く大我の眉間に皺が寄る。フェロモンの香りがいつになく、酷く、濃くなったらしい。


「マジかよ」
大我が呟くのが聞こえた。
「たい、がぁ？」
意味が分からなくて聞いたけどそれに応える代わりにキスをくれた。


舌を絡めあい何度キスを繰り返していればどちらからともなく透明な糸がひき首筋を濡らした。

「ぁぁ、はぁ、ん、ぁ」
溜め息交じりの吐息を零せば首筋に唇が寄せられ首筋を舐められ
「んっ、ぁ、やぁ、ん、ぁぁ」
ゾクゾクとして声を上げた。首筋が弱いんだって初めて気が付いた。いつもの発情の時は本当に飛んじゃってるから記憶がないんだ。


でも、今回は暴走してるわりにまだ飛んでなくて自分でも驚いてる。


「ん、ぁ、ひゃぁ、んぁ」
さっきまで首とか肩だったのにいきなり胸を舐められてビックリした。
「ぁっ、ぁっ、ん、ぁ、やぁん、ぁ、たい、がぁ、んん」
ぷっくりと主張してる乳首を舐められ甘噛みされ、吸われる。もう片方は指で摘ままれ爪で弾かれる。

「やぁ、ん、ぁぁ、たい、がぁ、ん、ぁぁ」
執拗以上に胸を弄られ大我の頭を抱え込むように抱き着く。
「やぁ、ん、ぁぁ、ぁ」
「イヤ、なのか？」
なんて意地悪く聞かれ指でキツク摘ままれる。
「やぁ、ちが、ぁ、ん、ぁぁ、きも、ちぁ、ぃぃ、ん、ぁ、」
小さく首を振りながら答えれば嬉しそうに大我が笑う。その顔を見ただけでキュンって胸が締め付けられた。

「ぁ、た、がぁ、ん、ぁ、ス、キぃ、ぁぁ、ん、ぁ」
だからそう言いながら自分から大我にキスをした。



あぁ、やっぱり俺は大我とキスをするのが好きなんだ。


大我に触れられるのも好きなんだ。


神尾大我自身が好きなんだ。


だからもっと、もっと、俺を欲しがってほしい。


俺は大我を欲してるんだから…。