会長様はいちゃつきたい!

槇瀬陽翔

文字の大きさ
1 / 66

ただ、いちゃつきたいんだもん

しおりを挟む
発情してないときの俺は本当に二重人格か?って疑いたくなるぐらいに性格が違う。


発情してるときはもう、大我を欲してるから気にならなんだけど、そうじゃない時は心臓がもたない。


好きだと自覚して、付き合うようになって、自分の知らなかった大我を知って、嬉しかったのと同時に大我の人としてもカッコよさを知って恥ずかしくなった。

いや、今まで意識してなかったからだとは思うんだ。

付き合ってるわけじゃないから部屋に行ったりとかもしてなかったし、大我が普段何してるかっていうのも知らなかったわけで…。

それが、付き合うようになって、大我が今まで以上に俺にちゃんと反応をしてくれるようになって、嬉しい反面、恥ずかしい。
反応してくれるのは本当に嬉しいし、求められるのも嬉しい。だけど…恥ずかしいんだ!!


だって…今まで見たことのないような姿とか、表情とか…。恋人の特権とは言うけど、免疫のない俺には毒でしかない。
もう、ホントに恥ずかしくて、目のやり場に困るし、カッコいいし、腰砕けになっちゃう。


でもそんな俺でも普段からやりたいことは一個だけある。


それはいちゃつきたいんだ!!!


一緒にいて、手を繋いだりとか、キスしたりとか、そんな軽いスキンシップだってしたいんだ!


でも…俺の心臓が死ぬ。大我が俺を甘やかすから俺の心臓が死ぬ。嬉しいけど確実に死ぬ。



「何を一人で百面相してるんだお前は?」
「うわぁ!!」
急に大我のドアップが出てきてビックリして後ろに倒れそうになったのをしっかりと大我が受け止めてくれていた。

バクバク言ってる心臓を押さえながら
「きゅ…急に出てこないでくれ…心臓が死ぬ…」
言えば
「お前は俺をどんだけ化け物にしてぇだよ」
苦笑気味に言われる。

「大我のドアップなんて殺人級だろ!俺にはそのキレイな顔をドアップで拝むのに耐久がないんだよ!」
我ながら意味不明なことを言ってるのは自覚してる。自覚はしてるが仕方ないだろ?本当に免疫も耐久もないんだ。
「お前…発情んときは結構ドアップを拝んでるぞ」
呆れながら言われる。

「発情んときはいんだ。あんときはぶっ飛んでるから!!でも今は耐久がないんだよ!」
そう、発情んときはぶっ飛んでるから大丈夫なんだ。疲れて記憶が飛ぶぐらいだし。

「いい加減になれねぇといちゃつけねぇぞ」
なんて笑みを含んだ声で言われる。


クソッ!気が付いてやがったか!!!


「慣れないんだからしかたないだろ!!俺だって大我とイチャイチャしたんだ!!」
グッと握り拳を作って宣言すれば
「なら、まずはこういうことされても大丈夫なようになるんだな」
なんて言いながら大我は俺を引き寄せチュッて鼻の頭にキスをする。
「なっ、なっ、なっ、セクハラ!!!」
なんて叫んだ拍子に大我が爆笑する。

「もぉ、笑うなよぉ」
情けない顔で俺が言えば
「悪い悪い。お前が俺に免疫ないとか信じられないからな。ホントに発情ん時と違いすぎて面白い」
腹を抱えながら言われた。

「しょうがないじゃん。今まで大我は俺に対して無反応だったんだし、俺に興味ないんだってずっと思ってたんだから…」
「そうだな。じゃぁ、そんな免疫のない唯斗くんには慣れてもらうためにバックハグでいちゃつきますか」
しょぼんとしながら言えば大我は本当に俺の後ろに座って後ろから抱き締めてくれる。

抱き締めたまま手を握ってくれた。


背中から伝わる温もりにドキドキしていた心臓が少しだけ落ち着きを取り戻してくる。


「ゆい、キス」
そんな言葉を投げかけられ後ろを振り返ればチュッて軽いキスをくれた。それが嬉しくて、恥ずかしくて、俺は大我の胸に顔を隠すために抱き着いた。そんな俺を大我はクスクス笑いながら抱きしめてくれた。


ホント…俺って二重人格じゃないだろうか?


最近それを真剣に考える俺なのでした。


もっと俺は普通に大我といちゃつきたいんだ!!



Fin


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...