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みんなでクリスマス
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「大ちゃん、ゆいちゃん、いらっしゃ~い」
そうにこやかな笑みで出迎えてくれたのは神田先生。
今日は大我と一緒に神田先生の家に来ていた。神尾先生に迎えに来てもらってここまで来たんだけどな。
「あー、大ちゃんとゆいちゃんだ~」
嬉しそうに劉くんが駆け寄って来て大我の足に抱き着く。
「おう、劉は今日も元気だな」
大我はヒョイっと簡単に抱き上げる。
「うん、僕はいつも元気ですよぉ」
劉くんは嬉しそうに大我の首に抱き着いて笑う。
うん、可愛いなぁ。
「ほら、そんなところで遊んでないで早くおいでよぉ~。せっかくの料理が冷めちゃうよ~」
神田先生の言葉に俺たち三人は小さく笑って先生の方へと向かった。後から神尾先生もやってきた。
「クリスマスの料理なんて作ったことないから味に保障ないけど召し上がれ」
神田先生が少し照れたように言ってくれた。俺たち5人はそれを合図に雑談しながら楽しいひと時を過ごした。
「ごちそうさまでした。煌太さんって腕上げたんじゃないですか?すごく美味しかったですよ」
大我がそんなことを言う。そういえば以前食べた中華も美味しかったなと思う。
「そう?よかった。ゆいちゃんはどうだった?」
大我の言葉を聞き俺にも聞いてくるから
「美味しかったです」
俺も素直に大我と同じ言葉を返した。先生はすごく嬉しそうに笑った。
「おし、劉これは俺とゆいちゃんからのプレゼントだぁ!」
なんて大我は遊びながら劉くんに俺と一緒に選んだクリスマスプレゼントを渡してる。
「わぁ~。ありがとう大ちゃん、ゆいちゃん」
劉くんは本当に嬉しそうに笑ってプレゼントを受け取って大我に抱き着き、その後で俺にも抱き着いてきた。
「二人で頑張って選んだから喜んでくれるといいなぁ」
俺は劉くんを抱きしめながら言った。
「ありがとう、ゆいちゃん」
劉くんは本当に嬉しそうに言ってくれて俺も嬉しかった。
「ゆいちゃん、実はね、ゆいちゃんに渡したいものがあるんだ」
神田先生が急にそんなことを言う。
「俺にですか?」
劉くんから離れて先生を見れば
「劉、出来るよね?」
劉くんに何かを話しかけてる。
「うん、大丈夫」
「じゃぁ、お願いね」
劉くんの返事を聞き先生は何かをお願いしていた。劉くんはそれを聞き何処かへ行ってしまう。そして、にっこにっこの笑顔を浮かべて何かを持って戻って来て、
「メリークリスマスゆいちゃん。ゆいちゃんに素敵なプレゼント」
サンタの袋の中から小さな箱を取り出し俺に差し出してきた。
「えっ?えっ?」
わけが分からないまま立ち尽くしていたら
「ほら、もらってやれよ。劉が困ってるぞ」
大我にそう言われて俺は
「劉くんありがとう」
慌てて劉くんからプレゼントを受け取った。
「ゆいちゃん、僕ゆいちゃんの為のサンタだよぉ」
なんて劉くんが言って笑う。それでもう、俺はダメだった。
「っ、ありが、とう。うれ、しぃ、」
ずっと我慢してた涙が零れ落ちた。
「ゆいちゃん、どっか痛いの?大丈夫?」
劉くんが心配そうに俺の顔を覗き込む。俺はそんな劉くんを抱きしめて
「大丈夫、痛くないよ。これはね、嬉し泣き。すっごく嬉しくて、泣けちゃった」
涙の訳を話す。
「僕も嬉しいよ。ママも、パパも、大ちゃんも、ゆいちゃんも一緒のクリスマス。ゆいちゃんも一緒だね」
劉くんが嬉しそうに言ってくれる。先生たちや大我だけじゃなくて俺も一緒で嬉しいって言われてまた涙がこぼれた。
「ママぁ、どうしよう。ゆいちゃんがまた泣いちゃったぁ」
劉くんがオロオロしながら先生を呼ぶ。
「大丈夫。ゆいちゃんはね劉から一杯プレゼント貰って嬉しくて嬉しくてどうしようもなくなちゃっただけだよぉ。ねぇ、大ちゃん」
劉くんを抱き上げながら神田先生が大我の名を呼ぶ。
「そうだな。劉が可愛いサンタだから嬉しくて仕方がないんだって」
俺の頭を撫でながら劉くんの頭まで撫でてる。
「そっかぁ、良かったぁ」
劉くんが安心したように笑う。
「ごめん、大我ぁ、とまん、ない」
俺は自分ではどうしようも出来なくて大我に助けを求めた。
「わかってる。行こう」
大我は俺の手を掴み、みんなのいる部屋を出て違う部屋へと入った。
「ここなら誰も見てないから好きなだけ泣け」
俺を抱きしめて大我が言ってくれる。俺がなんで泣いてるか大我はその理由を知ってるからの言葉。
「ごめ、ん、ありが、とぉ、っ」
俺は大我の服を掴みその胸に顔を埋めて大泣きをした。
『ゆいちゃん大丈夫?』
『あぁ、大丈夫だ。泣き疲れて寝てるだけだから』
『本当に良かったのか?』
『あぁ、ゆいを喜ばせるのが目的だったから大丈夫だ』
誰かの話声でふわふわと意識が浮上してきて眩しさに目が覚めた。
「っ、俺って…」
小さく呟けば
「泣き疲れて寝ちゃったんだ」
大我が頭を撫でながら教えてくれる。
「あっ、そっか。大泣きしたんだっけ…」
身体を起こして座れば少し心配そうな顔をした先生たちがいた。
「大丈夫?」
「無理しなくていいんだぞ」
2人が心配そうに聞いてきて俺は驚いたけど、小さく笑って
「大丈夫。本当に嬉しくて止まらなかっただけだから」
ムリはしてないとだけ伝えた。
本当に嬉しかったんだ。俺が初めて経験することだから…。
俺の言葉に二人はホッとした顔になった。
「ゆいちゃん、大丈夫?」
大我の脇からひょっこりと劉くんが顔を出す。
「うん、大丈夫。可愛いサンタさん俺にプレゼントありがとう」
劉くんの頭を撫でて俺は小さく笑った。劉くんも同じように笑った。
この日、俺は大我と一緒に先生の家に泊まって次の日に寮に帰ってきた。
寮の戻ったら大我からのプレゼントが待ってて俺はまた大泣きすることとなった。
ホント、こんなサプライズ嬉しくないわけないじゃん。もう、これ以上俺を大我に惚れさせてどうするんだよぉ。
大我から離れられなくなるじゃん。離れるつもりはないけどさ…。
先生の家でもらったプレゼントは大我とのペアウォッチだった。で、大我から貰ったのは俺の好きなブランドの服だった。
ホント、嬉しすぎてこの後が怖いよ。
夢じゃないかって…。また、同じ思いをするんじゃないかって…。
そんなことないとは思うけどさ…。
Fin
そうにこやかな笑みで出迎えてくれたのは神田先生。
今日は大我と一緒に神田先生の家に来ていた。神尾先生に迎えに来てもらってここまで来たんだけどな。
「あー、大ちゃんとゆいちゃんだ~」
嬉しそうに劉くんが駆け寄って来て大我の足に抱き着く。
「おう、劉は今日も元気だな」
大我はヒョイっと簡単に抱き上げる。
「うん、僕はいつも元気ですよぉ」
劉くんは嬉しそうに大我の首に抱き着いて笑う。
うん、可愛いなぁ。
「ほら、そんなところで遊んでないで早くおいでよぉ~。せっかくの料理が冷めちゃうよ~」
神田先生の言葉に俺たち三人は小さく笑って先生の方へと向かった。後から神尾先生もやってきた。
「クリスマスの料理なんて作ったことないから味に保障ないけど召し上がれ」
神田先生が少し照れたように言ってくれた。俺たち5人はそれを合図に雑談しながら楽しいひと時を過ごした。
「ごちそうさまでした。煌太さんって腕上げたんじゃないですか?すごく美味しかったですよ」
大我がそんなことを言う。そういえば以前食べた中華も美味しかったなと思う。
「そう?よかった。ゆいちゃんはどうだった?」
大我の言葉を聞き俺にも聞いてくるから
「美味しかったです」
俺も素直に大我と同じ言葉を返した。先生はすごく嬉しそうに笑った。
「おし、劉これは俺とゆいちゃんからのプレゼントだぁ!」
なんて大我は遊びながら劉くんに俺と一緒に選んだクリスマスプレゼントを渡してる。
「わぁ~。ありがとう大ちゃん、ゆいちゃん」
劉くんは本当に嬉しそうに笑ってプレゼントを受け取って大我に抱き着き、その後で俺にも抱き着いてきた。
「二人で頑張って選んだから喜んでくれるといいなぁ」
俺は劉くんを抱きしめながら言った。
「ありがとう、ゆいちゃん」
劉くんは本当に嬉しそうに言ってくれて俺も嬉しかった。
「ゆいちゃん、実はね、ゆいちゃんに渡したいものがあるんだ」
神田先生が急にそんなことを言う。
「俺にですか?」
劉くんから離れて先生を見れば
「劉、出来るよね?」
劉くんに何かを話しかけてる。
「うん、大丈夫」
「じゃぁ、お願いね」
劉くんの返事を聞き先生は何かをお願いしていた。劉くんはそれを聞き何処かへ行ってしまう。そして、にっこにっこの笑顔を浮かべて何かを持って戻って来て、
「メリークリスマスゆいちゃん。ゆいちゃんに素敵なプレゼント」
サンタの袋の中から小さな箱を取り出し俺に差し出してきた。
「えっ?えっ?」
わけが分からないまま立ち尽くしていたら
「ほら、もらってやれよ。劉が困ってるぞ」
大我にそう言われて俺は
「劉くんありがとう」
慌てて劉くんからプレゼントを受け取った。
「ゆいちゃん、僕ゆいちゃんの為のサンタだよぉ」
なんて劉くんが言って笑う。それでもう、俺はダメだった。
「っ、ありが、とう。うれ、しぃ、」
ずっと我慢してた涙が零れ落ちた。
「ゆいちゃん、どっか痛いの?大丈夫?」
劉くんが心配そうに俺の顔を覗き込む。俺はそんな劉くんを抱きしめて
「大丈夫、痛くないよ。これはね、嬉し泣き。すっごく嬉しくて、泣けちゃった」
涙の訳を話す。
「僕も嬉しいよ。ママも、パパも、大ちゃんも、ゆいちゃんも一緒のクリスマス。ゆいちゃんも一緒だね」
劉くんが嬉しそうに言ってくれる。先生たちや大我だけじゃなくて俺も一緒で嬉しいって言われてまた涙がこぼれた。
「ママぁ、どうしよう。ゆいちゃんがまた泣いちゃったぁ」
劉くんがオロオロしながら先生を呼ぶ。
「大丈夫。ゆいちゃんはね劉から一杯プレゼント貰って嬉しくて嬉しくてどうしようもなくなちゃっただけだよぉ。ねぇ、大ちゃん」
劉くんを抱き上げながら神田先生が大我の名を呼ぶ。
「そうだな。劉が可愛いサンタだから嬉しくて仕方がないんだって」
俺の頭を撫でながら劉くんの頭まで撫でてる。
「そっかぁ、良かったぁ」
劉くんが安心したように笑う。
「ごめん、大我ぁ、とまん、ない」
俺は自分ではどうしようも出来なくて大我に助けを求めた。
「わかってる。行こう」
大我は俺の手を掴み、みんなのいる部屋を出て違う部屋へと入った。
「ここなら誰も見てないから好きなだけ泣け」
俺を抱きしめて大我が言ってくれる。俺がなんで泣いてるか大我はその理由を知ってるからの言葉。
「ごめ、ん、ありが、とぉ、っ」
俺は大我の服を掴みその胸に顔を埋めて大泣きをした。
『ゆいちゃん大丈夫?』
『あぁ、大丈夫だ。泣き疲れて寝てるだけだから』
『本当に良かったのか?』
『あぁ、ゆいを喜ばせるのが目的だったから大丈夫だ』
誰かの話声でふわふわと意識が浮上してきて眩しさに目が覚めた。
「っ、俺って…」
小さく呟けば
「泣き疲れて寝ちゃったんだ」
大我が頭を撫でながら教えてくれる。
「あっ、そっか。大泣きしたんだっけ…」
身体を起こして座れば少し心配そうな顔をした先生たちがいた。
「大丈夫?」
「無理しなくていいんだぞ」
2人が心配そうに聞いてきて俺は驚いたけど、小さく笑って
「大丈夫。本当に嬉しくて止まらなかっただけだから」
ムリはしてないとだけ伝えた。
本当に嬉しかったんだ。俺が初めて経験することだから…。
俺の言葉に二人はホッとした顔になった。
「ゆいちゃん、大丈夫?」
大我の脇からひょっこりと劉くんが顔を出す。
「うん、大丈夫。可愛いサンタさん俺にプレゼントありがとう」
劉くんの頭を撫でて俺は小さく笑った。劉くんも同じように笑った。
この日、俺は大我と一緒に先生の家に泊まって次の日に寮に帰ってきた。
寮の戻ったら大我からのプレゼントが待ってて俺はまた大泣きすることとなった。
ホント、こんなサプライズ嬉しくないわけないじゃん。もう、これ以上俺を大我に惚れさせてどうするんだよぉ。
大我から離れられなくなるじゃん。離れるつもりはないけどさ…。
先生の家でもらったプレゼントは大我とのペアウォッチだった。で、大我から貰ったのは俺の好きなブランドの服だった。
ホント、嬉しすぎてこの後が怖いよ。
夢じゃないかって…。また、同じ思いをするんじゃないかって…。
そんなことないとは思うけどさ…。
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