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神尾大我という男
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う~ん、う~んと一人で悩みながら唸っていたら
「何を唸ってるんだ会長は?」
なんて声をかけられて驚いて顔を上げて振り返れば、少し苦笑をしてる三条がいた。
「あっ三条。風紀の仕事か?」
その腕には救護班の腕章が付けられている。三条がこの腕章をつけているときは救護班の総統括として動いてる時だと聞いたことがある。
三条は風紀委員で、ベータである救護班をまとめている人物だ。普段は風紀委員長である大我や副委員長である神谷と連携して他の救護班を指揮してると教えてもらったことがある。
その男が腕章をつけて自ら動いてるときは風紀委員長直々の仕事を任されていると永尾に聞いたことがある。
「あぁ、委員長直々の仕事でな」
俺の言葉に素直に返事をしてくれた。
「そうなのか?なら悪いな俺のせいで引き留めたようで」
俺が引き留めたら仕事に支障が出ると思って謝ればクスリと笑われた。
なんでだ?
「俺が委員長直々に仕事を任されるのは基本的に会長あんただ」
なんて三条から出てきた言葉に驚いた。
「えっ?えぇぇ!!!どういうことぉ~??」
そんなの初めて聞いた。
「なんだ、気付いてなかったのか?委員長が来れないときは大概俺が来てると思うんだが?」
驚いた顔で言われてう~んと考えてポンと手を叩けば
「思い出したか?」
って聞かれて
「そういえばそうだ。気が付いたら三条が俺の保護に来てくれてるのを思い出した。あれ?ってことは??」
もしかしてと確認を込めて聞けば
「そういうことだ。委員長直々の命でな。本日、只今より生徒会長聖唯斗を風紀委員長の命令により校医の元へ保護する」
などと、相変わらずの言葉が出てきて俺はガックリと肩を落とす。
「またかよ…」
自分でも気が付いていない発情の兆し。それをたった数分前に会っただけの、あの瞬間であの男は感じ取りこうして三条を俺の元へと寄こしたというわけだ。
「まぁ、それだけあんたは委員長に愛されてるってことだろ?」
俺の手にいつものように薬の瓶を置きながら言われる言葉。
「でもなんで俺に三条を寄こすんだ?」
それも気になってるから聞けば
「俺が総括だからだろ?」
なんて曖昧な返事をされた。なんだかうまくはぐらかされたような気もするがもらった薬を飲むことにした。
「神尾大我にしかわからない理由があるから俺を会長のもとに送ってるってことだ。ほら、校医の所へ行こう」
俺が薬を飲んだのを見届けてから校医の所へ行こうといってくれる。
「三条にとって大我ってどんな奴なんだ?」
ふと気になったから聞いてみた。
「俺にとってか…。ライバルで、絶対に越えられない壁かな」
意外な返事が返ってきて驚いた。
「ライバルなんだ…」
俺が呟いたら
「そう、実は俺と神尾は勉強面でも運動面でも競い合ってる仲だ。俺のが負けっぱなしだけどな。だから越えられない壁なんだ。知らなかっただろ?」
真面目な言葉に驚きながら聞いてたら最後に言われた言葉に自分でも笑ってしまう。
「知らなかった。二人がそんな仲なんて」
本当に知らなかったんだ。
「実は俺にはもう一つ越えられない壁があるんだ」
なんて言われて
「そうなのか?」
って聞いたら
「あぁ、委員長と会長の仲は俺には越えられない壁だ。二人の仲は誰にも邪魔できない大きな壁だと思う」
その言葉に
「えっ?えぇぇ!どういうことぉ?」
意味が分からなくて叫んだら
「神尾大我の愛情は聖唯斗ただ一人に注がれてるだろ?そして、聖唯斗も神尾大我しか見てない。二人は相思相愛で大きな絆で結ばれてるってことだ。誰にも越えられないだろ?それが俺は羨ましいと思う」
なんて言われて恥ずかしくなった。他の奴らにはそんな風に見られてたのかと思ったら恥ずかしかったんだ。
「校医の所へ行けば委員長が迎えに来るからちゃんと待ってるんだぞ」
なんて言われて
「三条は俺の保護者か?」
ってつい聞いてしまった。
「そうだな、神尾大我の代わりの保護者だ。それだけ俺はあの男に信頼されて会長を任されてる」
ニヤッて笑いながら言われて、クソッとか思う。俺はやっぱり自分の知らないところであの神尾大我という男に守られているのだ。
「全く…これ以上俺を惚れさせてどうするんだあの男は…」
文句を口にすれば
「案外それが目的かもな。ほら、着いた。後は中で大人しく待ってれば迎えに来るからな」
三条は俺を校医の所へ送り届けると戻っていった。
俺が校医の所へ送り届けられてから大我が迎えに来るまで10分も経っておらず、本当に狙ったかのように現れて、俺の発情が始まったのは言うまでもない。
俺は大我に連れられていつも部屋にいき、いつもの如く甘えまくって記憶をぶっ飛ばしたものいつものことだよな…。
神尾大我、俺より俺のことを知ってる男。
そして、誰よりも謎が多い男。
俺はそんな男にベタ惚れ中。
Fin
「何を唸ってるんだ会長は?」
なんて声をかけられて驚いて顔を上げて振り返れば、少し苦笑をしてる三条がいた。
「あっ三条。風紀の仕事か?」
その腕には救護班の腕章が付けられている。三条がこの腕章をつけているときは救護班の総統括として動いてる時だと聞いたことがある。
三条は風紀委員で、ベータである救護班をまとめている人物だ。普段は風紀委員長である大我や副委員長である神谷と連携して他の救護班を指揮してると教えてもらったことがある。
その男が腕章をつけて自ら動いてるときは風紀委員長直々の仕事を任されていると永尾に聞いたことがある。
「あぁ、委員長直々の仕事でな」
俺の言葉に素直に返事をしてくれた。
「そうなのか?なら悪いな俺のせいで引き留めたようで」
俺が引き留めたら仕事に支障が出ると思って謝ればクスリと笑われた。
なんでだ?
「俺が委員長直々に仕事を任されるのは基本的に会長あんただ」
なんて三条から出てきた言葉に驚いた。
「えっ?えぇぇ!!!どういうことぉ~??」
そんなの初めて聞いた。
「なんだ、気付いてなかったのか?委員長が来れないときは大概俺が来てると思うんだが?」
驚いた顔で言われてう~んと考えてポンと手を叩けば
「思い出したか?」
って聞かれて
「そういえばそうだ。気が付いたら三条が俺の保護に来てくれてるのを思い出した。あれ?ってことは??」
もしかしてと確認を込めて聞けば
「そういうことだ。委員長直々の命でな。本日、只今より生徒会長聖唯斗を風紀委員長の命令により校医の元へ保護する」
などと、相変わらずの言葉が出てきて俺はガックリと肩を落とす。
「またかよ…」
自分でも気が付いていない発情の兆し。それをたった数分前に会っただけの、あの瞬間であの男は感じ取りこうして三条を俺の元へと寄こしたというわけだ。
「まぁ、それだけあんたは委員長に愛されてるってことだろ?」
俺の手にいつものように薬の瓶を置きながら言われる言葉。
「でもなんで俺に三条を寄こすんだ?」
それも気になってるから聞けば
「俺が総括だからだろ?」
なんて曖昧な返事をされた。なんだかうまくはぐらかされたような気もするがもらった薬を飲むことにした。
「神尾大我にしかわからない理由があるから俺を会長のもとに送ってるってことだ。ほら、校医の所へ行こう」
俺が薬を飲んだのを見届けてから校医の所へ行こうといってくれる。
「三条にとって大我ってどんな奴なんだ?」
ふと気になったから聞いてみた。
「俺にとってか…。ライバルで、絶対に越えられない壁かな」
意外な返事が返ってきて驚いた。
「ライバルなんだ…」
俺が呟いたら
「そう、実は俺と神尾は勉強面でも運動面でも競い合ってる仲だ。俺のが負けっぱなしだけどな。だから越えられない壁なんだ。知らなかっただろ?」
真面目な言葉に驚きながら聞いてたら最後に言われた言葉に自分でも笑ってしまう。
「知らなかった。二人がそんな仲なんて」
本当に知らなかったんだ。
「実は俺にはもう一つ越えられない壁があるんだ」
なんて言われて
「そうなのか?」
って聞いたら
「あぁ、委員長と会長の仲は俺には越えられない壁だ。二人の仲は誰にも邪魔できない大きな壁だと思う」
その言葉に
「えっ?えぇぇ!どういうことぉ?」
意味が分からなくて叫んだら
「神尾大我の愛情は聖唯斗ただ一人に注がれてるだろ?そして、聖唯斗も神尾大我しか見てない。二人は相思相愛で大きな絆で結ばれてるってことだ。誰にも越えられないだろ?それが俺は羨ましいと思う」
なんて言われて恥ずかしくなった。他の奴らにはそんな風に見られてたのかと思ったら恥ずかしかったんだ。
「校医の所へ行けば委員長が迎えに来るからちゃんと待ってるんだぞ」
なんて言われて
「三条は俺の保護者か?」
ってつい聞いてしまった。
「そうだな、神尾大我の代わりの保護者だ。それだけ俺はあの男に信頼されて会長を任されてる」
ニヤッて笑いながら言われて、クソッとか思う。俺はやっぱり自分の知らないところであの神尾大我という男に守られているのだ。
「全く…これ以上俺を惚れさせてどうするんだあの男は…」
文句を口にすれば
「案外それが目的かもな。ほら、着いた。後は中で大人しく待ってれば迎えに来るからな」
三条は俺を校医の所へ送り届けると戻っていった。
俺が校医の所へ送り届けられてから大我が迎えに来るまで10分も経っておらず、本当に狙ったかのように現れて、俺の発情が始まったのは言うまでもない。
俺は大我に連れられていつも部屋にいき、いつもの如く甘えまくって記憶をぶっ飛ばしたものいつものことだよな…。
神尾大我、俺より俺のことを知ってる男。
そして、誰よりも謎が多い男。
俺はそんな男にベタ惚れ中。
Fin
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