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「菫くん、君も、もう17歳になる。そろそろ学校で勉強をした方がいい。明日から私の兄が経営している学院に行くことになった。そこには君と同じ年の私の息子がいる。いいね」
夕食の時、喜一さんに突然言われた。
「でも…俺に学校で勉強ができるかどうか…」
ここ2年の間、家庭教師が付きっきりで教わったといっても無理に等しい。
「大丈夫だよ。何も心配することはない。遙にはすべて伝えてある。わからなければ彼に聞けばいいんだ。君の荷物も、もう寮に送ってある。わかるね?」
そう言われてしまえば頷くしかない。
「わかりました。どこまでできるかわからないけど、頑張ります」
不安は山のようにあるけど、できることをしなければならない。それを俺は2年間この場所で学んだ。
「明日の朝一番で行くから今夜はもう寝なさい」
そう告げられ
「はい、おやすみなさい」
俺は喜一さんに頭を下げて自分の部屋へと向かった。まだ見たことのない喜一さんの息子の遙さん。
彼は一体どんな人だろうか?
少しの期待と大量の不安を胸に抱きながら俺はその夜、深い眠りについた。
翌日、喜一さんの車で着いた学院はもの凄く大きかった。俺は学院を目の前にして唖然としてしまった。
「今日からここが菫くんの新しい生活の場所だよ」
喜一さんは唖然と立ち尽くしている俺に声をかけてくる。
「大きんですね…」
それしか言葉が出てこなかった。喜一さんは大きな門の横にあるインターフォンを押し話始めていた。俺はただ、この学院を眺めてるだけしかできなかった。
「菫くん、こっちへ来なさい」
喜一さんに呼ばれ
「あっ、はい」
俺はやっと現実に戻り、喜一さんの元へと駆け寄った。
「ここから先は君一人で行くんだよ。そうすれば遙が迎えに来てくれるからね」
いつの間にか開かれた門を前にして喜一さんが言うが、一度も会ったことがない人物をどう探せというのか…
「あの…遙さんってどんな感じの方なんですか?」
だからこそ俺は聞いてみた。
「あぁ、遙と逢うのは初めてだったね。あの子はすぐにわかるよ。目立つからね」
喜一さんはヒントとなるのかならないのかよくわからない言葉を残して、さっさと車に乗って行ってしまった。残された俺は呆然と去って行く車を見送り溜め息をついた。
目立つと言われても、一度も会ったことがない人物がわかるのだろうか?
そう思いながらも、いつまでも門の前で立ってるわけにもいかないので、バカでかい学院へと足を踏み入れた。
男子校だと聞いていたが、その割にはキレイに手入れが行き届いていた。感心しつつも恐る恐る足を進めていく。
それだけ歩いたのか、前から歩いてくる人物がいた。
髪の毛が太陽に光に反射してキラキラと煌めている。キレイな金髪。おまけにスッゴイ美形。王子様タイプってああいうのを言うのかな?なんてボンヤリと見ていたら俺の前で立ち止まった。
なんで?
なんて考えていたら
「お前が菫か?」
なんて聞かれた。もしかして…
「えっと…遙さんですか?」
俺は質問を質問で返していた。俺の頭のてっぺんからつま先までジロジロと一通りみて
「ふぅん。親父のわりにいいの拾ったじゃん」
なんていう。えっと…
「あの…どういう意味ですか?」
意味が分からず聞き返した。拾ったって…
「そのまんま。どこの馬の骨かわからねぇ男を拾うんだからどんな奴かと思えば。割と可愛い顔してんじゃんお前。あぁ、それから名前さんなんか付けんな」
最悪。この男最悪だ。あの優しい喜一さんの息子とは思えない。顔がいいだけで性格悪!
「あっそうですか!」
ムカつく~!本当にこいつがあの喜一さんの息子なのかよ!
「ふ~ん。威勢はいんだな。まぁ、その方がこの学院でやっていくにはいいかもな。お前みたいな可愛い顔した奴は簡単に喰われちまうからな。俺は助けねぇから、自分の身は自分で守れよ」
だぁ~!ホントにこいつムカつく~!
「そんなこと言われなくたって自分で守る!」
俺がそう言い切ると遙(もう呼び捨てだチクショ―!!)はククッて笑い
「まぁ、頑張れよ。さてと、めんどくせぇけど学院長に頼まれてるから案内してやる。着いてこい」
俺を見下した言い方で言うとさっさと踵を返し学院へと戻っていく。俺は急いで追いかけたけどリーチの差がありすぎて中々追いつけない。悔し~!!!
しかも俺の存在を忘れてんじゃないのかこの男!
ホント出会いは最悪。こんな男が喜一さんの息子だなんて…
夕食の時、喜一さんに突然言われた。
「でも…俺に学校で勉強ができるかどうか…」
ここ2年の間、家庭教師が付きっきりで教わったといっても無理に等しい。
「大丈夫だよ。何も心配することはない。遙にはすべて伝えてある。わからなければ彼に聞けばいいんだ。君の荷物も、もう寮に送ってある。わかるね?」
そう言われてしまえば頷くしかない。
「わかりました。どこまでできるかわからないけど、頑張ります」
不安は山のようにあるけど、できることをしなければならない。それを俺は2年間この場所で学んだ。
「明日の朝一番で行くから今夜はもう寝なさい」
そう告げられ
「はい、おやすみなさい」
俺は喜一さんに頭を下げて自分の部屋へと向かった。まだ見たことのない喜一さんの息子の遙さん。
彼は一体どんな人だろうか?
少しの期待と大量の不安を胸に抱きながら俺はその夜、深い眠りについた。
翌日、喜一さんの車で着いた学院はもの凄く大きかった。俺は学院を目の前にして唖然としてしまった。
「今日からここが菫くんの新しい生活の場所だよ」
喜一さんは唖然と立ち尽くしている俺に声をかけてくる。
「大きんですね…」
それしか言葉が出てこなかった。喜一さんは大きな門の横にあるインターフォンを押し話始めていた。俺はただ、この学院を眺めてるだけしかできなかった。
「菫くん、こっちへ来なさい」
喜一さんに呼ばれ
「あっ、はい」
俺はやっと現実に戻り、喜一さんの元へと駆け寄った。
「ここから先は君一人で行くんだよ。そうすれば遙が迎えに来てくれるからね」
いつの間にか開かれた門を前にして喜一さんが言うが、一度も会ったことがない人物をどう探せというのか…
「あの…遙さんってどんな感じの方なんですか?」
だからこそ俺は聞いてみた。
「あぁ、遙と逢うのは初めてだったね。あの子はすぐにわかるよ。目立つからね」
喜一さんはヒントとなるのかならないのかよくわからない言葉を残して、さっさと車に乗って行ってしまった。残された俺は呆然と去って行く車を見送り溜め息をついた。
目立つと言われても、一度も会ったことがない人物がわかるのだろうか?
そう思いながらも、いつまでも門の前で立ってるわけにもいかないので、バカでかい学院へと足を踏み入れた。
男子校だと聞いていたが、その割にはキレイに手入れが行き届いていた。感心しつつも恐る恐る足を進めていく。
それだけ歩いたのか、前から歩いてくる人物がいた。
髪の毛が太陽に光に反射してキラキラと煌めている。キレイな金髪。おまけにスッゴイ美形。王子様タイプってああいうのを言うのかな?なんてボンヤリと見ていたら俺の前で立ち止まった。
なんで?
なんて考えていたら
「お前が菫か?」
なんて聞かれた。もしかして…
「えっと…遙さんですか?」
俺は質問を質問で返していた。俺の頭のてっぺんからつま先までジロジロと一通りみて
「ふぅん。親父のわりにいいの拾ったじゃん」
なんていう。えっと…
「あの…どういう意味ですか?」
意味が分からず聞き返した。拾ったって…
「そのまんま。どこの馬の骨かわからねぇ男を拾うんだからどんな奴かと思えば。割と可愛い顔してんじゃんお前。あぁ、それから名前さんなんか付けんな」
最悪。この男最悪だ。あの優しい喜一さんの息子とは思えない。顔がいいだけで性格悪!
「あっそうですか!」
ムカつく~!本当にこいつがあの喜一さんの息子なのかよ!
「ふ~ん。威勢はいんだな。まぁ、その方がこの学院でやっていくにはいいかもな。お前みたいな可愛い顔した奴は簡単に喰われちまうからな。俺は助けねぇから、自分の身は自分で守れよ」
だぁ~!ホントにこいつムカつく~!
「そんなこと言われなくたって自分で守る!」
俺がそう言い切ると遙(もう呼び捨てだチクショ―!!)はククッて笑い
「まぁ、頑張れよ。さてと、めんどくせぇけど学院長に頼まれてるから案内してやる。着いてこい」
俺を見下した言い方で言うとさっさと踵を返し学院へと戻っていく。俺は急いで追いかけたけどリーチの差がありすぎて中々追いつけない。悔し~!!!
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