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act9
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朝、目を覚ませば俺はベッドの上で寝ていた。
あれ?いつの間に移動したんだろ?
自分でも覚えがない。身体を起こしてベッドから降りて制服に着替えてカバンの準備をして部屋を出た。そこには遙の姿があって俺はどうしたらいいのかわからないまま
「おはよう」
声をかけるけど、遙からの返事はなかった。やっぱりね。
「先に行くから」
俺は小さく溜め息をつき呟くように言ってその場を逃げるように部屋を出た。
「…バカやろ…無視するなら…最初っからあんなことするなよ…」
閉じた扉に凭れ一人呟き、もう一度、溜め息をつくと学校へ行くために歩き始めた。
人の噂とは早いもので、学校に行けば俺が遙の弟だということがすでに出回っていた。
はぁ…。居づらいな…。血の繋がりもなければ何の関係もないまったくの赤の他人。そんな奴が弟だなんてさ。しかも俺は売春夫をさせられていた身だ。それがバレれば遙に迷惑がいくだろうな。やっぱり俺はこの学院に来るべきじゃなかったんだ。喜一さんにいって辞めさせてもらおうかな…。どうせ遙とは仲良くなれないんだし…あいつは俺の事を嫌ってるんだから俺がいない方がいいよな…。
俺が遙の弟だと知れ渡った途端に変化が起きた。今まで俺の事を無視し続けていた奴らが手のひらを返すように俺に接触してくるようになった。目的はわかってる。遙だ。じゃなきゃ俺になんて寄ってこないだろう。遙と一層深く関わり合いになりたい奴らが俺に接触してきたのだ。じゃなきゃ名前も顔も知らないやつらが俺に声をかけてくるわけがない…。
「勝手だよ」
俺は屋上に逃げ一人フェンスに凭れ呟く。不意に携帯が鳴りだした。携帯を取り出して名前を見れば喜一さんからだった。
「もしもし」
そう声をかければ
『菫くんかい?どうだねそっちの方は?』
久し振りに聞く喜一さんの声。
「みんな親切にしてくれてます。遙さんにも色々と教わってますし…」
俺はそんな嘘を見繕った。心配かけたくなかったから…
『明日は休みだろ?二人で帰ってこないかい?食事でもどうかな?』
喜一さんからそんな提案をされた。
「あっ…はい…遙さんにも伝えておきます…」
俺はすぐそう返事をした。久し振りに喜一さんに会えるんだ。
『じゃぁ、明日、屋敷で会えるのを待ってるよ』
喜一さんはそれだけ言うと電話を切った。俺も携帯をしまう。帰ったら遙に話してみよう。…あいつの事だから断りそうな気もするけど…
ボーっとしてる間にもチャイムが鳴ったので俺は仕方なく教室へと戻った。
偽りの関係。クラスのみんながそう感じる。俺はただのお飾り。遙は有名すぎるんだ。あのルックスで生徒会長だから当たり前か。俺の前だとメチャクチャ態度悪いけど…。
結局、俺はまともに授業なんて聞かずに一日を過ごしてしまった。また自分で自分の首を絞めた気がする…。ただでさえ遅れてるっていうのに…。また授業でわからないところが増えた。困ったな。今の遙は俺とまともに会話さえしてくれないっていうのに…。かといってクラスのやつに聞く気になれない。なんか嫌なんだ。俺が遙の弟だと知ってからのみんなの態度がさ…。
俺は溜め息をつきカバンに荷物をしまい教室を出た。今は、一分一秒でも早く寮に帰りたい。寮に帰って一人になりたい。
帰る道すがら何人かに声を掛けられたが俺は丁寧に断り自分の部屋へと逃げ込んだ。カバンを投げつけて乱暴に制服を脱ぎ捨てた。
「胸くそわりぃ」
みんな偽り。俺にとってすべてが偽り。
明かりもつけずに真っ暗な部屋の中、ベッドの上で膝を抱えて座っていたら部屋の扉が開き遙が顔を出した。
「起きてたのか。飯食うか?」
俺が起きてるのに気が付き聞いてくる。
「いらねぇ」
俺はその言葉を断った。なんでこんな時に声かけてくるんだよ。無視するならずっとそうしてろよ。
「なんかあったのか?」
動かない俺に気になったのかそう聞いてきた。
「なんもねぇよ。喜一さんが明日、2人で帰って来いってよ」
俺はそのままの体勢で喜一さんの伝言を伝える。
「はっ、冗談じゃねぇ。お前ひとりで行って来い。俺は行かねぇよ」
遙からはやっぱりな返事が返ってきた。
「あっそ。じゃぁ一人で行く。もう出てけよ」
俺は遙に枕を投げつけた。
「なにをむくれてんだお前?」
遙は投げた枕を受け止め呆れながら聞いてくる。
「うるせぇ。お前に俺の気持ちなんかわかるか。いいから出てけ!」
俺はそう叫んだ。今は声も聞きたくない、顔も見たくない。
「あっそうかよ」
思いっきり枕を投げ返され、バンって扉を閉められた。俺はそのまま横になった。
「さいてぇだ…八つ当たりしちゃったよ…」
別に遙が悪いわけじゃない。最低な俺。ホントにさいてぇだ…
結局そのまま寝てしまった。
あれ?いつの間に移動したんだろ?
自分でも覚えがない。身体を起こしてベッドから降りて制服に着替えてカバンの準備をして部屋を出た。そこには遙の姿があって俺はどうしたらいいのかわからないまま
「おはよう」
声をかけるけど、遙からの返事はなかった。やっぱりね。
「先に行くから」
俺は小さく溜め息をつき呟くように言ってその場を逃げるように部屋を出た。
「…バカやろ…無視するなら…最初っからあんなことするなよ…」
閉じた扉に凭れ一人呟き、もう一度、溜め息をつくと学校へ行くために歩き始めた。
人の噂とは早いもので、学校に行けば俺が遙の弟だということがすでに出回っていた。
はぁ…。居づらいな…。血の繋がりもなければ何の関係もないまったくの赤の他人。そんな奴が弟だなんてさ。しかも俺は売春夫をさせられていた身だ。それがバレれば遙に迷惑がいくだろうな。やっぱり俺はこの学院に来るべきじゃなかったんだ。喜一さんにいって辞めさせてもらおうかな…。どうせ遙とは仲良くなれないんだし…あいつは俺の事を嫌ってるんだから俺がいない方がいいよな…。
俺が遙の弟だと知れ渡った途端に変化が起きた。今まで俺の事を無視し続けていた奴らが手のひらを返すように俺に接触してくるようになった。目的はわかってる。遙だ。じゃなきゃ俺になんて寄ってこないだろう。遙と一層深く関わり合いになりたい奴らが俺に接触してきたのだ。じゃなきゃ名前も顔も知らないやつらが俺に声をかけてくるわけがない…。
「勝手だよ」
俺は屋上に逃げ一人フェンスに凭れ呟く。不意に携帯が鳴りだした。携帯を取り出して名前を見れば喜一さんからだった。
「もしもし」
そう声をかければ
『菫くんかい?どうだねそっちの方は?』
久し振りに聞く喜一さんの声。
「みんな親切にしてくれてます。遙さんにも色々と教わってますし…」
俺はそんな嘘を見繕った。心配かけたくなかったから…
『明日は休みだろ?二人で帰ってこないかい?食事でもどうかな?』
喜一さんからそんな提案をされた。
「あっ…はい…遙さんにも伝えておきます…」
俺はすぐそう返事をした。久し振りに喜一さんに会えるんだ。
『じゃぁ、明日、屋敷で会えるのを待ってるよ』
喜一さんはそれだけ言うと電話を切った。俺も携帯をしまう。帰ったら遙に話してみよう。…あいつの事だから断りそうな気もするけど…
ボーっとしてる間にもチャイムが鳴ったので俺は仕方なく教室へと戻った。
偽りの関係。クラスのみんながそう感じる。俺はただのお飾り。遙は有名すぎるんだ。あのルックスで生徒会長だから当たり前か。俺の前だとメチャクチャ態度悪いけど…。
結局、俺はまともに授業なんて聞かずに一日を過ごしてしまった。また自分で自分の首を絞めた気がする…。ただでさえ遅れてるっていうのに…。また授業でわからないところが増えた。困ったな。今の遙は俺とまともに会話さえしてくれないっていうのに…。かといってクラスのやつに聞く気になれない。なんか嫌なんだ。俺が遙の弟だと知ってからのみんなの態度がさ…。
俺は溜め息をつきカバンに荷物をしまい教室を出た。今は、一分一秒でも早く寮に帰りたい。寮に帰って一人になりたい。
帰る道すがら何人かに声を掛けられたが俺は丁寧に断り自分の部屋へと逃げ込んだ。カバンを投げつけて乱暴に制服を脱ぎ捨てた。
「胸くそわりぃ」
みんな偽り。俺にとってすべてが偽り。
明かりもつけずに真っ暗な部屋の中、ベッドの上で膝を抱えて座っていたら部屋の扉が開き遙が顔を出した。
「起きてたのか。飯食うか?」
俺が起きてるのに気が付き聞いてくる。
「いらねぇ」
俺はその言葉を断った。なんでこんな時に声かけてくるんだよ。無視するならずっとそうしてろよ。
「なんかあったのか?」
動かない俺に気になったのかそう聞いてきた。
「なんもねぇよ。喜一さんが明日、2人で帰って来いってよ」
俺はそのままの体勢で喜一さんの伝言を伝える。
「はっ、冗談じゃねぇ。お前ひとりで行って来い。俺は行かねぇよ」
遙からはやっぱりな返事が返ってきた。
「あっそ。じゃぁ一人で行く。もう出てけよ」
俺は遙に枕を投げつけた。
「なにをむくれてんだお前?」
遙は投げた枕を受け止め呆れながら聞いてくる。
「うるせぇ。お前に俺の気持ちなんかわかるか。いいから出てけ!」
俺はそう叫んだ。今は声も聞きたくない、顔も見たくない。
「あっそうかよ」
思いっきり枕を投げ返され、バンって扉を閉められた。俺はそのまま横になった。
「さいてぇだ…八つ当たりしちゃったよ…」
別に遙が悪いわけじゃない。最低な俺。ホントにさいてぇだ…
結局そのまま寝てしまった。
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