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act23
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どれだけ寝たのかな?
喉の渇きに目が覚めて部屋の中をグルッと視線を泳がせたら、いるはずのない人物がいた。
「なんでいるんだよ?テストは?」
俺は思わずそう叫んでしまった。時計の針は10時を回っている。今ちょうどテストの時間だ。なのになんでこの部屋の住人である遙がこの場所にいるんだ?
「お前が心配することはねぇよ。テストは全教科受けてきた。ほら水」
遙はそういうと俺の身体を起こし水を飲ませてくれる。やっぱりまだ手が震えてる。遙の支えがなきゃペットボトルなんて持てやしない。
「もういい。大丈夫、ありがと」
俺はそう言う。遙は俺を寝かせペットボトルを置き
「お前さ食欲あるか?できればなんか食ってほしいんだけど?」
そう聞いて来る。だが今の俺はまったくもってそんなものはない。
「食いたくねぇ」
はっきりと言い切ると遙は溜め息をつき
「やっぱりか。じゃあこのまま飲ますか」
そう言いながら何かゴソゴソし始めた。俺の身体を起こすと震える俺の手の上に何粒かの錠剤を乗せ
「真澄のコネでもらってきた薬。効くかわかんねぇけど」
そう言いながら一粒ずつ飲ませてくれる。飲み終わるとまた寝かされた。
「その薬、睡眠成分が入ってるらしいからそのまま寝ちまえ」
遙はそう言う。
「ふ~ん」
俺はそういって目を閉じた。今まで寝てたんだから寝られるかわかんねぇけど…なんて考えてたら遙がそっと頭を撫でてきた。俺がいつも寝る前にやってもらってる習慣。ほんと…優しいのか優しくねぇのか…わからねぇやつ。でも俺はそのまま眠りに就いていった。
医者の薬とは凄いもので3日目にしてようやく熱は完全に下がった。頭痛や手の震えはまだ少し残るものの自分で動けるまでには回復した。喉の渇きも不思議となくなった。でも俺はいまだベッドの住人。許してもらえないのだ。真澄さんや遙に…。
「菫くんのテストは1週間後。生徒会役員監視のもとで受けてもらうよ。もちろん教員は生徒会顧問の真辺先生ね。で…菫くんの大活躍によって梶原先生の悪事が全部表に出てきて彼も罪を全部認めたから懲戒解職。二度と教員にはなれない。この学園からも追放。菫くんにはちょっと辛いことさせちゃったかな」
なんて真澄さんが説明をしてくれる。俺は小さく笑い、
「今さら…あんなこと慣れてますから。俺より被害にあってた他のやつらが喜んでるんじゃないですか?俺的に早くこの震えと頭痛から解放されたいですよ」
答える。真澄さんは複雑な顔をしていた。遙にいたってはこいつはって感じでため息ついてた。
「じゃぁ僕は戻るから…。後は遙頼むね」
真澄さんはそういって戻っていった。俺はため息をつき、両手を見る。震えは減っているもののまだ治らない。そんな俺の肩に遙がカーディガンを掛け手の上に数学の教科書を乗せてきた。
「うげっ」
俺が呟くと、
「1週間しかねぇんだ。その頭に叩き込め。お前の場合、基本は完璧なんだから応用を叩き込め」
遙がそういって来る。そうでしたこいつは鬼でした。律儀にノートとシャープペンまで渡してきた。俺は震える手で何とかシャープを握り俺がつまずいてる場所を解き始める。
意外だったのはそんな俺の勉強に遙が何も文句を言わずに付き合ってくれたことだ。
「遙・・・ここがわかんねぇんだけど・・・」
俺もつい聞いてしまう。遙はそんな俺の問いに
「こいつはこの式を使うんだ」
素直に答えてくれた。俺は言われたとおりやってみる。
「やればできるじゃねぇか。それであってんだよ」
俺が解き終えた問題を見て遙が言う。
この場合は褒められたと思っていいのだろうか?
遙は時計を見て
「この辺でやめにするぞ。熱が下がったばっかりだしな。またぶり返されると困るし」
そういって俺の上から教科書とか全部取り上げる。やっぱ優しいのか優しくないのか?いつまで経っても理解できないこいつの行動。俺は大人しく横になる。そのまま自分の手をジッと見つめる。いまだに震える手は治るんだろうか?いまだに痛む頭は治るんだろうか?そんな想いが俺の中に渦巻く。
「なぁ。これって治ると思うか?」
俺はそう聞いてみた。遙は自分の机に向かって何かをやっているようで俺の声は届いてないようだった。まぁいいか。なんて思いながらじっと手を見ていた。どれだけ見ていても震えは止まらないのだけど…俺の人生は結局こんなもんか。まぁ実の親に身売りされるぐらいだしな。気にしねぇけど…
結局、頭痛は完全に治まったものの震える手はいまだに残っている。最初の頃に比べれば震える量は減っているものの時折突然震えだし止まらなくなる。しばらくこの震えとは付き合って行かなくてはならないようだ。
「いつまで起きてんだお前は?明日はお前テストなんだぞ?」
じっと手を見ていたらそう言われた。
「わかってる。ありがとな忙しいのに勉強付き合ってくれてさ」
俺はそう遙に言う。遙はベッドに腰掛け、
「お前、間違っても勘違いするなよ?俺に教えてもらったからいい成績を取らなきゃって考えるな。今回のテストはあくまでもお前の実力を確かめるものだ。お前の実力を出し切れ。わかったな?」
そう言われる。確かに俺の心の中には遙に教えてもらったからがんばらなきゃっていう想いがあった。そっか俺の実力を確かめるためのテストなんだ…
「わかった。余計なことは考えずにテストに集中する」
俺はそう答えた。遙は俺の頭を撫で
「もう寝ろ。明日が本番だ。万全の体調で挑め」
そう言われ俺は小さく頷いた。そしてそっと目を閉じた。遙は俺が寝付くまで撫でていてくれた。本当に優しいのか優しくないのかわからないやつ。
喉の渇きに目が覚めて部屋の中をグルッと視線を泳がせたら、いるはずのない人物がいた。
「なんでいるんだよ?テストは?」
俺は思わずそう叫んでしまった。時計の針は10時を回っている。今ちょうどテストの時間だ。なのになんでこの部屋の住人である遙がこの場所にいるんだ?
「お前が心配することはねぇよ。テストは全教科受けてきた。ほら水」
遙はそういうと俺の身体を起こし水を飲ませてくれる。やっぱりまだ手が震えてる。遙の支えがなきゃペットボトルなんて持てやしない。
「もういい。大丈夫、ありがと」
俺はそう言う。遙は俺を寝かせペットボトルを置き
「お前さ食欲あるか?できればなんか食ってほしいんだけど?」
そう聞いて来る。だが今の俺はまったくもってそんなものはない。
「食いたくねぇ」
はっきりと言い切ると遙は溜め息をつき
「やっぱりか。じゃあこのまま飲ますか」
そう言いながら何かゴソゴソし始めた。俺の身体を起こすと震える俺の手の上に何粒かの錠剤を乗せ
「真澄のコネでもらってきた薬。効くかわかんねぇけど」
そう言いながら一粒ずつ飲ませてくれる。飲み終わるとまた寝かされた。
「その薬、睡眠成分が入ってるらしいからそのまま寝ちまえ」
遙はそう言う。
「ふ~ん」
俺はそういって目を閉じた。今まで寝てたんだから寝られるかわかんねぇけど…なんて考えてたら遙がそっと頭を撫でてきた。俺がいつも寝る前にやってもらってる習慣。ほんと…優しいのか優しくねぇのか…わからねぇやつ。でも俺はそのまま眠りに就いていった。
医者の薬とは凄いもので3日目にしてようやく熱は完全に下がった。頭痛や手の震えはまだ少し残るものの自分で動けるまでには回復した。喉の渇きも不思議となくなった。でも俺はいまだベッドの住人。許してもらえないのだ。真澄さんや遙に…。
「菫くんのテストは1週間後。生徒会役員監視のもとで受けてもらうよ。もちろん教員は生徒会顧問の真辺先生ね。で…菫くんの大活躍によって梶原先生の悪事が全部表に出てきて彼も罪を全部認めたから懲戒解職。二度と教員にはなれない。この学園からも追放。菫くんにはちょっと辛いことさせちゃったかな」
なんて真澄さんが説明をしてくれる。俺は小さく笑い、
「今さら…あんなこと慣れてますから。俺より被害にあってた他のやつらが喜んでるんじゃないですか?俺的に早くこの震えと頭痛から解放されたいですよ」
答える。真澄さんは複雑な顔をしていた。遙にいたってはこいつはって感じでため息ついてた。
「じゃぁ僕は戻るから…。後は遙頼むね」
真澄さんはそういって戻っていった。俺はため息をつき、両手を見る。震えは減っているもののまだ治らない。そんな俺の肩に遙がカーディガンを掛け手の上に数学の教科書を乗せてきた。
「うげっ」
俺が呟くと、
「1週間しかねぇんだ。その頭に叩き込め。お前の場合、基本は完璧なんだから応用を叩き込め」
遙がそういって来る。そうでしたこいつは鬼でした。律儀にノートとシャープペンまで渡してきた。俺は震える手で何とかシャープを握り俺がつまずいてる場所を解き始める。
意外だったのはそんな俺の勉強に遙が何も文句を言わずに付き合ってくれたことだ。
「遙・・・ここがわかんねぇんだけど・・・」
俺もつい聞いてしまう。遙はそんな俺の問いに
「こいつはこの式を使うんだ」
素直に答えてくれた。俺は言われたとおりやってみる。
「やればできるじゃねぇか。それであってんだよ」
俺が解き終えた問題を見て遙が言う。
この場合は褒められたと思っていいのだろうか?
遙は時計を見て
「この辺でやめにするぞ。熱が下がったばっかりだしな。またぶり返されると困るし」
そういって俺の上から教科書とか全部取り上げる。やっぱ優しいのか優しくないのか?いつまで経っても理解できないこいつの行動。俺は大人しく横になる。そのまま自分の手をジッと見つめる。いまだに震える手は治るんだろうか?いまだに痛む頭は治るんだろうか?そんな想いが俺の中に渦巻く。
「なぁ。これって治ると思うか?」
俺はそう聞いてみた。遙は自分の机に向かって何かをやっているようで俺の声は届いてないようだった。まぁいいか。なんて思いながらじっと手を見ていた。どれだけ見ていても震えは止まらないのだけど…俺の人生は結局こんなもんか。まぁ実の親に身売りされるぐらいだしな。気にしねぇけど…
結局、頭痛は完全に治まったものの震える手はいまだに残っている。最初の頃に比べれば震える量は減っているものの時折突然震えだし止まらなくなる。しばらくこの震えとは付き合って行かなくてはならないようだ。
「いつまで起きてんだお前は?明日はお前テストなんだぞ?」
じっと手を見ていたらそう言われた。
「わかってる。ありがとな忙しいのに勉強付き合ってくれてさ」
俺はそう遙に言う。遙はベッドに腰掛け、
「お前、間違っても勘違いするなよ?俺に教えてもらったからいい成績を取らなきゃって考えるな。今回のテストはあくまでもお前の実力を確かめるものだ。お前の実力を出し切れ。わかったな?」
そう言われる。確かに俺の心の中には遙に教えてもらったからがんばらなきゃっていう想いがあった。そっか俺の実力を確かめるためのテストなんだ…
「わかった。余計なことは考えずにテストに集中する」
俺はそう答えた。遙は俺の頭を撫で
「もう寝ろ。明日が本番だ。万全の体調で挑め」
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