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act30
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結局、俺は誰の助けも借りず、自分の実力だけで3年に上がった。寮は何故か遙と同じままだった。
俺は3年になってから周りとの関係を自ら絶った。と言っても元々、俺に話しかけてくる奴なんていなかったんだけど…
浮いた存在のまま過ごした。
卒業を控えた頃、俺は自らの意思で使わないと決めていた金を使い、適当な場所のマンションを買い、荷物は全てそこへ移した。喜一さんの家にあるものも全て…。
卒業式を終え学院を去るとき俺は何も感じなかった。このとき既に本当に自分の感覚がおかしくなっていたのかもしれない。ずっと感情を押し殺し続けていたから…。
「卒業祝いをしよう」
喜一さんの家を出ると決めた卒業式を終えたその夜そう言われた。勿論それは俺だけにじゃなく遙にもだけど…俺はそんな和やかな雰囲気を壊すように
「俺はこれで失礼します」
はっきりと言い切る。
「菫くん?」
俺の言葉に真澄さんや喜一さんが驚き俺を見る。
「今までお世話になりました。母の遺言通り俺を助けてくださってありがとうございます。そして学院にまで通わせて貰って感謝します」
俺は頭を下げる。
「ちょ…菫くん…それ…」
珍しく真澄さんが慌ててる。俺は今まで喜一さんに与えてもらってきたものをテーブルの上に置き
「俺が此処にいるのは母の遺言だからなのは知ってます。そして喜一さんの息子でもなく赤の他人のままなのも…。今までの学費と生活費などは全て頂いた通帳に振り込んでおきました。本当に今までお世話になりました」
もう一度頭を下げる。
「ちょ…菫くん。待って…」
真澄さんが俺を呼ぶが俺はそれに応えることもなく最後の荷物を持って家を出た。
俺は俺のままでいい。俺は一人でいいんだ…。
そう自分に言い聞かせ自分の家へと帰った。
「なんもねぇ部屋」
3LDK一人暮らしするには広すぎる部屋だ。俺は就職する場所も何も決めずに卒業した。自分がしたいことが思いつかなかったからだ。かと言って仕事をしないと生活していけない。
いくらあの場所で稼いだといえど半分近くの金額はマンションの購入費と学費や生活費に回したのだ。
残高は余り残ってない。もっても2、3年か?それにあの家族から全ての縁を切るためこのマンションも自分で買った携帯の番号も教えてはいない。あの家族に関わることを俺自身でやめたのだから。
俺は空いてる時間を使って色んな場所を見て回った。そして結局、就職口として決まったのはホテルのバーのバーテンダーだった。何でそこに決めたのは自分でもわからないけど俺はそこの見習いとして採用された。
歳月が流れるのはあっという間で気が付けば5年も過ぎていた。気が付けば俺ももう23歳になっていた。今では立派に客を相手できるようになっていた。
雑用から始まった仕事。最初は凄く大変で辛かったけどそこそこ楽しんでやってる自分がいた。色々な種類の酒も覚えられて楽しかったのだ。あの頃にはなかった感情。
今夜も客を相手にしながら注文を受けていた。そんな時
カラン
とドアが開き客がまた入ってきた。
「いらっしゃいま…せ…」
俺はその人物を見て最後までちゃんとした言葉が出せなかった。その人物はカウンターに腰掛け
「ロックを頼む」
そう告げてくる。俺は驚きと戸惑いを隠しきれないまま
「かしこまりました」
そう答え注文された酒をつくる。そして彼の前に置き
「お待たせしました」
そう告げる。
「…久し振りだな…」
突然そう話しかけられ俺は返事に困りつつ
「お久し振りです。兄さん」
そう返事をしていた。そう、今、俺の目の前に座ってるのは俺が恋した男。東條遙だった。また背が伸びたのか前より高くなっていて大人びた顔がいっそう彼を引き立てていた。
「持ち帰りしたいんだが」
急にそういわれ
「兄さん此処は持ち帰りなんて出来ませんよ?」
俺は苦笑を浮かべ答える。
「酒じゃない。お前をだ。話がしたい」
遙はそう言って俺を見る。俺は混乱した頭で色々考え
「後30分待ってください。そうすれば俺の仕事も終わりなんで…」
結局そう答えた。
「わかった」
遙は短く返事をしグラスを眺めていた。一体何の話があるというのだろうか?
今さら…俺に何の話が?
俺は3年になってから周りとの関係を自ら絶った。と言っても元々、俺に話しかけてくる奴なんていなかったんだけど…
浮いた存在のまま過ごした。
卒業を控えた頃、俺は自らの意思で使わないと決めていた金を使い、適当な場所のマンションを買い、荷物は全てそこへ移した。喜一さんの家にあるものも全て…。
卒業式を終え学院を去るとき俺は何も感じなかった。このとき既に本当に自分の感覚がおかしくなっていたのかもしれない。ずっと感情を押し殺し続けていたから…。
「卒業祝いをしよう」
喜一さんの家を出ると決めた卒業式を終えたその夜そう言われた。勿論それは俺だけにじゃなく遙にもだけど…俺はそんな和やかな雰囲気を壊すように
「俺はこれで失礼します」
はっきりと言い切る。
「菫くん?」
俺の言葉に真澄さんや喜一さんが驚き俺を見る。
「今までお世話になりました。母の遺言通り俺を助けてくださってありがとうございます。そして学院にまで通わせて貰って感謝します」
俺は頭を下げる。
「ちょ…菫くん…それ…」
珍しく真澄さんが慌ててる。俺は今まで喜一さんに与えてもらってきたものをテーブルの上に置き
「俺が此処にいるのは母の遺言だからなのは知ってます。そして喜一さんの息子でもなく赤の他人のままなのも…。今までの学費と生活費などは全て頂いた通帳に振り込んでおきました。本当に今までお世話になりました」
もう一度頭を下げる。
「ちょ…菫くん。待って…」
真澄さんが俺を呼ぶが俺はそれに応えることもなく最後の荷物を持って家を出た。
俺は俺のままでいい。俺は一人でいいんだ…。
そう自分に言い聞かせ自分の家へと帰った。
「なんもねぇ部屋」
3LDK一人暮らしするには広すぎる部屋だ。俺は就職する場所も何も決めずに卒業した。自分がしたいことが思いつかなかったからだ。かと言って仕事をしないと生活していけない。
いくらあの場所で稼いだといえど半分近くの金額はマンションの購入費と学費や生活費に回したのだ。
残高は余り残ってない。もっても2、3年か?それにあの家族から全ての縁を切るためこのマンションも自分で買った携帯の番号も教えてはいない。あの家族に関わることを俺自身でやめたのだから。
俺は空いてる時間を使って色んな場所を見て回った。そして結局、就職口として決まったのはホテルのバーのバーテンダーだった。何でそこに決めたのは自分でもわからないけど俺はそこの見習いとして採用された。
歳月が流れるのはあっという間で気が付けば5年も過ぎていた。気が付けば俺ももう23歳になっていた。今では立派に客を相手できるようになっていた。
雑用から始まった仕事。最初は凄く大変で辛かったけどそこそこ楽しんでやってる自分がいた。色々な種類の酒も覚えられて楽しかったのだ。あの頃にはなかった感情。
今夜も客を相手にしながら注文を受けていた。そんな時
カラン
とドアが開き客がまた入ってきた。
「いらっしゃいま…せ…」
俺はその人物を見て最後までちゃんとした言葉が出せなかった。その人物はカウンターに腰掛け
「ロックを頼む」
そう告げてくる。俺は驚きと戸惑いを隠しきれないまま
「かしこまりました」
そう答え注文された酒をつくる。そして彼の前に置き
「お待たせしました」
そう告げる。
「…久し振りだな…」
突然そう話しかけられ俺は返事に困りつつ
「お久し振りです。兄さん」
そう返事をしていた。そう、今、俺の目の前に座ってるのは俺が恋した男。東條遙だった。また背が伸びたのか前より高くなっていて大人びた顔がいっそう彼を引き立てていた。
「持ち帰りしたいんだが」
急にそういわれ
「兄さん此処は持ち帰りなんて出来ませんよ?」
俺は苦笑を浮かべ答える。
「酒じゃない。お前をだ。話がしたい」
遙はそう言って俺を見る。俺は混乱した頭で色々考え
「後30分待ってください。そうすれば俺の仕事も終わりなんで…」
結局そう答えた。
「わかった」
遙は短く返事をしグラスを眺めていた。一体何の話があるというのだろうか?
今さら…俺に何の話が?
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