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act 33
かなり日が高くなった頃、俺は目が覚めて周りを見渡した。
でも遙の姿がなかった。
「あれは幻だったのか・・・」
俺はそう呟く。身体に残るキスマークやだるさは夢じゃないと言っているが・・・現に遙はいない。
俺は溜め息をつき着替えを持ってバスルームに向かった。
少し熱めのシャワーを浴び自分で後処理をする。うん。中に残っているのは紛れもなく、遙が吐き出したもの。はぁ・・・。
俺は溜め息をつき身体をきれいにしてシャワーを止め外に出る。タオルで水分を拭き取り服を着てリビングに戻ってくる。
壁に飾ってあるボードの前には小さなケース。中に入ってるのはシルバーリング。俺の誕生石が埋まっていた。
俺はそれを取り指に嵌めてみる。それは最初からそこにあったかのようにぴったりと俺の指に嵌まった。
「ずるいよな。これだけ残して消えるなんてさ・・・」
俺は指を見ながら呟く。
何もする気がなくてそのままソファに座り倒れ込む。何も言わずにいなくなるなら初めから好きだなんて言わなきゃいいのに・・・
俺はボーっと虚ろな目で焦点の合わない場所を見ていた。
暫くしていきなりガチャンと玄関が開く音がした。ガサゴソとビニール袋の音と共に足音が聞こえる。
俺はボーっとしたまま起き上がり足音の主を見て驚く。
「どうして・・・帰ったんじゃ?・・・」
それは居なくなったはずの遙だったから。遙はキッチンのテーブルにビニールを置き
「買い物に行ってきた。お前んとこ、冷蔵庫はあるけど食材ねぇんだもん。調理器具もねぇし」
遙が答える。
「あ・・・俺・・・料理できないから・・・コンビニとか出来合いの物とかそこらへんの店で済ませちゃうんだ」
俺は一人暮らしを始めたのはいいが料理がまったくもって出来ない。掃除や洗濯は出来るんだけど料理だけはどう足掻いても出来なかった。
「とりあえず出来合いのもんだけど昼飯にと思って買ってきた。食べるだろ?」
遙が聞いてくる。
「あ・・・うん。ありがとう」
俺はノロノロ立ち上がりキッチンに行き椅子に座る。誰かと食事をするなんて、何年ぶりだろうか?
遙は俺の前に惣菜を置いていってくれる。
「あっ・・・お前んとこ部屋空いてるよな?」
急に遙が聞いてくる。
「そりゃ・・・一人だし・・・部屋は余ってるけど・・・どうして?」
疑問に思いつつ聞いてみる。
「俺がここに住んでも文句いわねぇ?」
遙の言った言葉が右から左に抜けていった。
「えぇ!」
俺は驚き声を上げる。遙は少しムッとした顔をして
「なんだよ?迷惑なのか?」
聞いてくる。俺は思いっきり首を横に振り
「違う。俺は嬉しいけど遙、こっから仕事行くの大変じゃねぇの?」
そう聞いてみる。遙は小鍋にお湯を沸かしながら
「昨夜は暗くてあんまりわかんなかったんだけどここから通った方が案外近い。今俺が任されてる会社は一つだけだしそれなら実家から通うよりこっちからのがいいなって思ってな。迷惑か?」
説明してくれる。ここから近いといえば・・・。確か馬鹿でかいオフィスがあったはず・・・名前まで覚えてないけど。
「俺は遙と一緒に住めるならそれでいいけど・・・真澄さんや喜一さんは?大丈夫なわけ?」
そこが問題だよ。なんせ東條家の息子だし・・・
「あ~あの2人な。ほっときゃいいんだ。お前には言ってなかったけど俺の上に二人兄貴がいるんだよ。どっちも妻子もち。俺が学生ん時俺に仕事押し付けて二人とも海外で遊びほうけてやがった。で・・・俺が親父や真澄におまえのこと好きだから傍にいるって言い切ってやったの。そしたらあっさりOKで兄貴ども二人を呼び戻して俺は此処の近くのオフィスを任されたぞと」
俺にコーヒーを淹れてくれてそう説明してくれる。
「えぇ~!お兄さんいたの?え?でも遙の肩書きは社長?」
俺は驚いて聞き返す。
「ん~まぁそんなとこ。ってことだから明日からここに住むからよろしく。飯は俺が作ってやるから」
遙はあっさりと言い切った。
「明日から?でも荷物は?」
早すぎ!
「あ~。さっき一度家に帰ったからな。必要最低限のものしか持って来る気ねぇし。それよりまずは買出しだな。調理具と食材。見たところ掃除洗濯は出来てるみたいだけどな・・・」
うぐっ。痛いところをついてくる。
「どうせ料理は覚えられませんでした。遙の料理が食べられるならそれでいいよ」
俺はそう答え遙が買ってきてくれた惣菜を食べコーヒーを飲んだ。
その後、二人で近所のデパートに行って必要なものを色々と買い込んで帰ってきた。
でも遙の姿がなかった。
「あれは幻だったのか・・・」
俺はそう呟く。身体に残るキスマークやだるさは夢じゃないと言っているが・・・現に遙はいない。
俺は溜め息をつき着替えを持ってバスルームに向かった。
少し熱めのシャワーを浴び自分で後処理をする。うん。中に残っているのは紛れもなく、遙が吐き出したもの。はぁ・・・。
俺は溜め息をつき身体をきれいにしてシャワーを止め外に出る。タオルで水分を拭き取り服を着てリビングに戻ってくる。
壁に飾ってあるボードの前には小さなケース。中に入ってるのはシルバーリング。俺の誕生石が埋まっていた。
俺はそれを取り指に嵌めてみる。それは最初からそこにあったかのようにぴったりと俺の指に嵌まった。
「ずるいよな。これだけ残して消えるなんてさ・・・」
俺は指を見ながら呟く。
何もする気がなくてそのままソファに座り倒れ込む。何も言わずにいなくなるなら初めから好きだなんて言わなきゃいいのに・・・
俺はボーっと虚ろな目で焦点の合わない場所を見ていた。
暫くしていきなりガチャンと玄関が開く音がした。ガサゴソとビニール袋の音と共に足音が聞こえる。
俺はボーっとしたまま起き上がり足音の主を見て驚く。
「どうして・・・帰ったんじゃ?・・・」
それは居なくなったはずの遙だったから。遙はキッチンのテーブルにビニールを置き
「買い物に行ってきた。お前んとこ、冷蔵庫はあるけど食材ねぇんだもん。調理器具もねぇし」
遙が答える。
「あ・・・俺・・・料理できないから・・・コンビニとか出来合いの物とかそこらへんの店で済ませちゃうんだ」
俺は一人暮らしを始めたのはいいが料理がまったくもって出来ない。掃除や洗濯は出来るんだけど料理だけはどう足掻いても出来なかった。
「とりあえず出来合いのもんだけど昼飯にと思って買ってきた。食べるだろ?」
遙が聞いてくる。
「あ・・・うん。ありがとう」
俺はノロノロ立ち上がりキッチンに行き椅子に座る。誰かと食事をするなんて、何年ぶりだろうか?
遙は俺の前に惣菜を置いていってくれる。
「あっ・・・お前んとこ部屋空いてるよな?」
急に遙が聞いてくる。
「そりゃ・・・一人だし・・・部屋は余ってるけど・・・どうして?」
疑問に思いつつ聞いてみる。
「俺がここに住んでも文句いわねぇ?」
遙の言った言葉が右から左に抜けていった。
「えぇ!」
俺は驚き声を上げる。遙は少しムッとした顔をして
「なんだよ?迷惑なのか?」
聞いてくる。俺は思いっきり首を横に振り
「違う。俺は嬉しいけど遙、こっから仕事行くの大変じゃねぇの?」
そう聞いてみる。遙は小鍋にお湯を沸かしながら
「昨夜は暗くてあんまりわかんなかったんだけどここから通った方が案外近い。今俺が任されてる会社は一つだけだしそれなら実家から通うよりこっちからのがいいなって思ってな。迷惑か?」
説明してくれる。ここから近いといえば・・・。確か馬鹿でかいオフィスがあったはず・・・名前まで覚えてないけど。
「俺は遙と一緒に住めるならそれでいいけど・・・真澄さんや喜一さんは?大丈夫なわけ?」
そこが問題だよ。なんせ東條家の息子だし・・・
「あ~あの2人な。ほっときゃいいんだ。お前には言ってなかったけど俺の上に二人兄貴がいるんだよ。どっちも妻子もち。俺が学生ん時俺に仕事押し付けて二人とも海外で遊びほうけてやがった。で・・・俺が親父や真澄におまえのこと好きだから傍にいるって言い切ってやったの。そしたらあっさりOKで兄貴ども二人を呼び戻して俺は此処の近くのオフィスを任されたぞと」
俺にコーヒーを淹れてくれてそう説明してくれる。
「えぇ~!お兄さんいたの?え?でも遙の肩書きは社長?」
俺は驚いて聞き返す。
「ん~まぁそんなとこ。ってことだから明日からここに住むからよろしく。飯は俺が作ってやるから」
遙はあっさりと言い切った。
「明日から?でも荷物は?」
早すぎ!
「あ~。さっき一度家に帰ったからな。必要最低限のものしか持って来る気ねぇし。それよりまずは買出しだな。調理具と食材。見たところ掃除洗濯は出来てるみたいだけどな・・・」
うぐっ。痛いところをついてくる。
「どうせ料理は覚えられませんでした。遙の料理が食べられるならそれでいいよ」
俺はそう答え遙が買ってきてくれた惣菜を食べコーヒーを飲んだ。
その後、二人で近所のデパートに行って必要なものを色々と買い込んで帰ってきた。
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