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1話
遮光カーテンで日の光が入らない様に遮断された暗い部屋の中にガチャリと扉を開けられたことで、部屋の外の光が入り込み暗かった部屋が少しだけ明るくさせた。
部屋の扉を開けた人物はズカズカと部屋の中に入りベッドの側までくると
「ヒロくん時間だよ起きて、ヒロくんって」
寝ている人物に声をかけるが
「んっ…もぉ…少しぃ…」
そんな返事が返ってくる。
「ダメだって。時間だよ」
もう一度声をかけるが、それを拒むように布団を頭までかぶろうとする。が、すかさずそれを止めると
「いいのか?本当にこのまま寝直してもいいのかお前?」
先ほどとは打って変わって音のいい低音ボイスで声をかける。あまりにもいい声過ぎてぞくりと腰にクルぐらいだ。
「っ!!」
その声を直接、耳に送り込まれ、まだ寝ようとしていた人物は飛び起きた。
「っ…哉樹!やめろってその声は!寝起きに聞くと心臓に悪い!」
真っ赤な顔をして自分を起こそうとしていた人物に抗議をする。
「ちゃんと起きないヒロくんが悪いんだも~ん」
哉樹と呼ばれた人物は悪びれる様子など微塵もない。
「ってか…スカート丈が短くね?」
寝起きのまま側に立ってる哉樹を見てポツリと呟いた。
「なんか、新作だっていって持ってきたから試着してみた。どう?」
哉樹はくるんと一周をして見せた。
「それ誰の好みだよ。お前の服っていっつもピチッてしてボディラインがハッキリしてるやつばっかじゃん」
少しだけ不満げに呟くと
「洸翔のお母さん」
哉樹はあっさりと答えた。
「はぁ?どういうこと?」
ベッドの上の住人になったままの洸翔が変な声を上げた。
「どうってそのまんまだし。なんで私がこの格好なのかは洸翔自身が一番よくわかってることでしょ?」
洸翔は哉樹のその言葉にぐうの音も出せないでいた。その理由は本当に自分自身にあるのだから…。
「そんな顔をするな。こればっかりは仕方がないことだろう?俺だってこの状況をそれなりに楽しんでるんだから気にするな」
苦虫を潰したような顔をして唇を噛み締めた洸翔を哉樹がぽふりと頭を撫でてイケメンボイスで告げる。
「クソッ!普段からイケボってなんだよお前!俺より筋肉あるくせに女装が超似合ってて可愛いとか!ふざけんな!!!」
洸翔の完全な八つ当たりだった。
「うん、ヒロくんはやっぱりそうじゃなきゃね。ちゃんと起きて出て来てよ。仕事に遅れちゃうからね」
哉樹はいつも通り洸翔に告げて部屋を出ていった。
「ホント…勘弁してくれ…onとoffの違いについていけねぇって…」
哉樹が出ていった後で洸翔は前髪をかき上げ呟いた。
onは女性としてoffは男性として哉樹は洸翔の為に使い分けているのだ。
哉樹が女装をするきっかけとなったのは10年前の事である。
高校2年生の夏、洸翔は誘拐をされた。学校の敷地内というのにかかわらず洸翔は何者かに誘拐されたのだ。学校は全寮制の男子校だった。だから、外部からおいそれと人が出入りできるはずがない状況にもかかわらず洸翔は何者かに連れ去られたのだ。
そのことにいち早く気が付いたのが哉樹だった。普段からキチッと行動をする洸翔が何も告げづ、何も連絡をせずに消えるはずがないと言い出した。そこで、洸翔の実家に何か起きてないかと問えば誘拐されたというのが発覚した。
洸翔は後継者争いに巻き込まれたのだ。当時は各名家が一族の存続を掛けた後継者同士の争いを黙認する傾向にあった。後継者同士に何があっても口出さない、手を出さない。そんな風習が根強くあった。
洸翔の実家もその風習が根強くあり、洸翔は後継者候補の息子という立場ではあったが、他の後継者候補に狙われたのだ。
そして、洸翔は誘拐され、男たちに暴力を振られた。行き絶え絶えになっているその時に、性的暴行を受けそうになっていた。そんな洸翔を助け出したのが哉樹だった。
その時の出来事がトラウマとなり洸翔は同性が苦手になってしまったのだ。しかも大勢に囲まれると身体が震えだしてしまうのだ。そんな洸翔が唯一、平気だったのが哉樹だったのだ。哉樹の傍にいればまだ、ましだった。在学中、洸翔はずっと哉樹に護っていてもらった。
10年経ってもまだ、哉樹が洸翔の傍にいるのには別の理由があるのを洸翔は知らない。いや、気付こうをしていなかった。
哉樹はその理由を洸翔に話す必要もないし、気付かせる必要ないと自分の中に隠しているのだった。洸翔に余計な負担をかける必要はないと…。
部屋の扉を開けた人物はズカズカと部屋の中に入りベッドの側までくると
「ヒロくん時間だよ起きて、ヒロくんって」
寝ている人物に声をかけるが
「んっ…もぉ…少しぃ…」
そんな返事が返ってくる。
「ダメだって。時間だよ」
もう一度声をかけるが、それを拒むように布団を頭までかぶろうとする。が、すかさずそれを止めると
「いいのか?本当にこのまま寝直してもいいのかお前?」
先ほどとは打って変わって音のいい低音ボイスで声をかける。あまりにもいい声過ぎてぞくりと腰にクルぐらいだ。
「っ!!」
その声を直接、耳に送り込まれ、まだ寝ようとしていた人物は飛び起きた。
「っ…哉樹!やめろってその声は!寝起きに聞くと心臓に悪い!」
真っ赤な顔をして自分を起こそうとしていた人物に抗議をする。
「ちゃんと起きないヒロくんが悪いんだも~ん」
哉樹と呼ばれた人物は悪びれる様子など微塵もない。
「ってか…スカート丈が短くね?」
寝起きのまま側に立ってる哉樹を見てポツリと呟いた。
「なんか、新作だっていって持ってきたから試着してみた。どう?」
哉樹はくるんと一周をして見せた。
「それ誰の好みだよ。お前の服っていっつもピチッてしてボディラインがハッキリしてるやつばっかじゃん」
少しだけ不満げに呟くと
「洸翔のお母さん」
哉樹はあっさりと答えた。
「はぁ?どういうこと?」
ベッドの上の住人になったままの洸翔が変な声を上げた。
「どうってそのまんまだし。なんで私がこの格好なのかは洸翔自身が一番よくわかってることでしょ?」
洸翔は哉樹のその言葉にぐうの音も出せないでいた。その理由は本当に自分自身にあるのだから…。
「そんな顔をするな。こればっかりは仕方がないことだろう?俺だってこの状況をそれなりに楽しんでるんだから気にするな」
苦虫を潰したような顔をして唇を噛み締めた洸翔を哉樹がぽふりと頭を撫でてイケメンボイスで告げる。
「クソッ!普段からイケボってなんだよお前!俺より筋肉あるくせに女装が超似合ってて可愛いとか!ふざけんな!!!」
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「うん、ヒロくんはやっぱりそうじゃなきゃね。ちゃんと起きて出て来てよ。仕事に遅れちゃうからね」
哉樹はいつも通り洸翔に告げて部屋を出ていった。
「ホント…勘弁してくれ…onとoffの違いについていけねぇって…」
哉樹が出ていった後で洸翔は前髪をかき上げ呟いた。
onは女性としてoffは男性として哉樹は洸翔の為に使い分けているのだ。
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その時の出来事がトラウマとなり洸翔は同性が苦手になってしまったのだ。しかも大勢に囲まれると身体が震えだしてしまうのだ。そんな洸翔が唯一、平気だったのが哉樹だったのだ。哉樹の傍にいればまだ、ましだった。在学中、洸翔はずっと哉樹に護っていてもらった。
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