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5話
30分ぐらい車を走らせれば、洸翔の職場へと着いた。
「今日はこの場所で仕事なんだね」
哉樹は洸翔が車から降りるのを待ちながら、目の前にあるビルを見上げた。
「先方の希望らしくて…ここの部屋の中で撮影したいって言ってた」
「ここってぇ、商業施設とかぁ、宿泊施設とかぁ、入ってる複合施設だよねぇ」
洸翔の言葉に季楽がそんなことを言う。
「また、面倒な場所を…」
尚登がため息をつきながら呟いた。
「ほら、もう行かないと無遅刻のヒロくんの記録が破れちゃうよ」
哉樹はそう言いながら、腕時計をちらりと見せた。
「遅刻するような時間じゃないだろ?お前が管理してて遅刻する方が難しいって…」
洸翔は溜息をつきながら約束の場所へと向かうために歩き出した。哉樹たち三人も洸翔の後を追う。
約束の場所へと行けば、撮影スタッフが準備を始めていた。
「よぉ、時間通りだな」
洸翔を見つけた監督がそんな声をかける。洸翔はペコリと頭を下げた。
「おっ、かなたちゃんは今日も可愛いなぁ」
洸翔の後ろにいる哉樹にも笑いかけてくる。哉樹が洸翔のボディーガードだというのは周知のことなので、誰も文句は言わない。
「やだなぁ、監督さんったら。セクハラで訴えちゃうぞ」
哉樹が冗談めかして言うと、監督は大げさに両手を上げて降参のポーズをする。
「あはは。相変わらず手厳しいな。おし、撮影を始めるからそれぞれ準備を開始してくれ」
そして、すぐに切り替えて撮影を開始するようスタッフたちに声をかけた。
撮影は順調に進み、残り1時間で終わりそうだった。
「少し、休憩したら最後、下のホテルの部屋で撮影して終わりにしよう」
監督のその言葉で小休憩になった。
「哉樹?」
洸翔が休憩の為に三人の傍に戻って来てすぐに気になったので哉樹に声をかけた。撮影しているときから気になっていたのだ。哉樹の周りが少しピリピリしてるような気がした。この場所に来たときはまだ普通だったはずなのに…
「ん?どうしたのヒロくん?」
「いや、なんか哉樹、さっきから様子がおかしいって思って…」
洸翔に返事をする哉樹は普段と変わらない顔を見せる。
「大丈夫だよ。気にしないで」
なんて言いながら笑うけれど、その目は笑っていない。ぞくりと背筋に悪寒が走る。
『あっ、これ…』
洸翔は哉樹のその表情を覚えていた。10年前に見たあの表情。洸翔を助けたときにも見せた顔。それだけで洸翔はわかってしまった。哉樹の周りがピリピリしてる理由を…。
「…守って…くれるんだよ…な…」
ちゃんと言葉にはできなかった。
「そのためにいるんだもの。大丈夫だよ」
それでも洸翔の言葉に哉樹はハッキリと答えた。そう、洸翔を守るために、守り抜くためにこの場所にいるんだと答える。
「かなちゃんはぁ、相変わらずだしぃ、尚ッちもぉ変わらないよねぇ」
季楽のその言葉に洸翔は溜め息をつく。
「いや、季楽も変わらないから…」
そう、洸翔からしたら三人とも変わらないのだ。10年前のあの頃から…何も変わっていない。自分を守るために傍にいてくれるこの三人はあの頃のままだ。
「洸翔くん、先に部屋にいってもらってていいか?こっちの数人を案内役でつけるから。こっちの機材が重くてさ少し時間がかかるから」
休憩している洸翔に監督が声をかけてくる。
「えっ?あっ、はいわかりました」
洸翔は突然の言葉に驚きながらも、すぐに立ち上がり、監督の指示に従った。洸翔は無意識に哉樹の服を掴んでいた。その手は少しだけ震えていた。
「大丈夫」
哉樹はそんな洸翔の手を握り、安心させるように優しく微笑んだ。ただし、洸翔には気付かれないように季楽と尚登に指示を出していた。
最悪な事態が起こってもいいようにと…
「今日はこの場所で仕事なんだね」
哉樹は洸翔が車から降りるのを待ちながら、目の前にあるビルを見上げた。
「先方の希望らしくて…ここの部屋の中で撮影したいって言ってた」
「ここってぇ、商業施設とかぁ、宿泊施設とかぁ、入ってる複合施設だよねぇ」
洸翔の言葉に季楽がそんなことを言う。
「また、面倒な場所を…」
尚登がため息をつきながら呟いた。
「ほら、もう行かないと無遅刻のヒロくんの記録が破れちゃうよ」
哉樹はそう言いながら、腕時計をちらりと見せた。
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そして、すぐに切り替えて撮影を開始するようスタッフたちに声をかけた。
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監督のその言葉で小休憩になった。
「哉樹?」
洸翔が休憩の為に三人の傍に戻って来てすぐに気になったので哉樹に声をかけた。撮影しているときから気になっていたのだ。哉樹の周りが少しピリピリしてるような気がした。この場所に来たときはまだ普通だったはずなのに…
「ん?どうしたのヒロくん?」
「いや、なんか哉樹、さっきから様子がおかしいって思って…」
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