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第18話
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「おや?元の姿に戻られたと聞いたので、お嫁も連れてきたのだと…」
ポポの言葉にリュオンが頭を抱える。
「元に戻ったことをみんなが知ってるのも驚きだけど、嫁を連れてきたと話が飛躍してるのも驚きなんだが」
リュオンがジッとポポを見れば
「彼らが言っておりましたよ」
とポポが指さしたのは空を飛ぶ竜たち。彼らはこの街を守護する者たち。
「あいつら、門番たちと会ったな。でもって門番たちはホラを吹きやがったな」
クソッとリュオンが呟く。
「違うのですか?」
ポポの言葉にリュオンが口を開く前に
「えぇ、残念だけどまだ嫁じゃないんですよ。今はまだ、友達以上恋人未満ってところかしら?でも、いつかは本当にお嫁さんになるかもしれないわね」
ミシェルがそんなことを口にする。流石にこれにはリュオンも驚きだ。自分と添い遂げてもいいとミシェルが少しでも考えていてくれているのだと…。
「ほほぉ。お嬢さんはリュオン様と一緒になってもいいと思ってらっしゃったんですな。ならばリュオン様は男を見せるべきですぞ」
なんてポポは竜王や竜妃のようなことを言う。
「いや、いや、いや、みんな急ぎ過ぎだから!俺はミシェルともっと色んなことを経験したいんだ。まだ、跡継ぎのことは考えたくないんだよ」
リュオンは自分が頑なに嫁じゃないと言ってる理由を口にする。
「あら、ではリュオン様、ちゃんとお嬢さんの心をつかまえておかないと逃げられてしまいますわよ」
などと、今度はポポの母親までも言ってくる。
「いや、だから」
リュオンはどう言い返そうかと悩んでしまった。
「ふふふ、リュオンって本当に真面目な人ね。先のことはまだわからないわ。でも、今はまだリュオンとの時間を私も楽しみたいの、だからみなさんは、そっと私たちを見守っててくださいね」
ミシェルはそんなポポたちにお願いをする。
「やはり、素敵なお嬢さんだ。リュオン様をお願いしますぞ」
「みんなが喜んで言いふらすのもわかりますね。リュオン様も大切にしてあげてくださいね」
2人はリュオンとミシェルにいう。
「あぁ、そうだな。ミシェルを大切にしないと俺も罰があたると思う」
「あら、そんなことないわよ。リュオンはいつも優しいもの」
リュオンとミシェルのやり取りを見ていたポポたちはふわふわと嬉しそうに2人の周りを飛び跳ねていた。
「リュオン様―!!」
「リュ―様ぁー!!」
幼い子供のリュオンを呼ぶ声が聞こえたと思ったら数人の子供たちがリュオンの方へ走ってくる。
「おー!みんな元気だったかぁ?」
リュオンはそんな子供たちを受け止める。元気な子供たちは代わる代わるにリュオンに飛び付く。リュオンはそんな子供たちを抱き上げてはグルンと一回転をする。それは父親が子供をあやすような姿だ。
「キレイな人。リュ―様のお嫁さん?」
「ホントだぁ、お嫁さんだー!」
ミシェルの傍には女の子たちが集まりそんなことを言い始める。
「ふふふ。お嫁さんに見える?」
ミシェルは女の子たちと同じ目線になるようにしゃがみ聞く。
「うん、リュ―様がおっきくなったから連れてきたって」
「リュ―様にお似合いのお嫁さん!」
女の子たちは少し興奮気味で答える。
「ふふふ、ありがとう。でもね、まだお嫁さんじゃないんだよ。お嫁さん候補かな。それにみんなも可愛くて、大きくなったらキレイになるわ」
ミシェルは女の子たちの頭を撫でにっこりと笑う。
「おねぇさん、お名前は―?」
「名前、名前、教えてー!」
女の子たちは嬉しそうに聞いてくる。
「私はミシェルよ。2人はなんてお名前?教えてくれる?」
「私はマナ」
「私ね、ユリ」
ミシェルの問いに2人が嬉しそうに答える。
「俺、ライア」
「俺はタイジュ」
「僕はミルダ」
いつの間にか男の子たちも来てミシェルに名前を教えてる。
「ふふ、みんな素敵な名前ね。よろしくね」
「うん」
ミシェルの言葉に子供たちは大きく頷いた。
子供たちとミシェルを見守るリュオン。そして、そんなリュオンたちの周りをふわふわと飛ぶポポたち。
その場所にはとても静かな、そして楽し気な時間が流れていた。
ポポの言葉にリュオンが頭を抱える。
「元に戻ったことをみんなが知ってるのも驚きだけど、嫁を連れてきたと話が飛躍してるのも驚きなんだが」
リュオンがジッとポポを見れば
「彼らが言っておりましたよ」
とポポが指さしたのは空を飛ぶ竜たち。彼らはこの街を守護する者たち。
「あいつら、門番たちと会ったな。でもって門番たちはホラを吹きやがったな」
クソッとリュオンが呟く。
「違うのですか?」
ポポの言葉にリュオンが口を開く前に
「えぇ、残念だけどまだ嫁じゃないんですよ。今はまだ、友達以上恋人未満ってところかしら?でも、いつかは本当にお嫁さんになるかもしれないわね」
ミシェルがそんなことを口にする。流石にこれにはリュオンも驚きだ。自分と添い遂げてもいいとミシェルが少しでも考えていてくれているのだと…。
「ほほぉ。お嬢さんはリュオン様と一緒になってもいいと思ってらっしゃったんですな。ならばリュオン様は男を見せるべきですぞ」
なんてポポは竜王や竜妃のようなことを言う。
「いや、いや、いや、みんな急ぎ過ぎだから!俺はミシェルともっと色んなことを経験したいんだ。まだ、跡継ぎのことは考えたくないんだよ」
リュオンは自分が頑なに嫁じゃないと言ってる理由を口にする。
「あら、ではリュオン様、ちゃんとお嬢さんの心をつかまえておかないと逃げられてしまいますわよ」
などと、今度はポポの母親までも言ってくる。
「いや、だから」
リュオンはどう言い返そうかと悩んでしまった。
「ふふふ、リュオンって本当に真面目な人ね。先のことはまだわからないわ。でも、今はまだリュオンとの時間を私も楽しみたいの、だからみなさんは、そっと私たちを見守っててくださいね」
ミシェルはそんなポポたちにお願いをする。
「やはり、素敵なお嬢さんだ。リュオン様をお願いしますぞ」
「みんなが喜んで言いふらすのもわかりますね。リュオン様も大切にしてあげてくださいね」
2人はリュオンとミシェルにいう。
「あぁ、そうだな。ミシェルを大切にしないと俺も罰があたると思う」
「あら、そんなことないわよ。リュオンはいつも優しいもの」
リュオンとミシェルのやり取りを見ていたポポたちはふわふわと嬉しそうに2人の周りを飛び跳ねていた。
「リュオン様―!!」
「リュ―様ぁー!!」
幼い子供のリュオンを呼ぶ声が聞こえたと思ったら数人の子供たちがリュオンの方へ走ってくる。
「おー!みんな元気だったかぁ?」
リュオンはそんな子供たちを受け止める。元気な子供たちは代わる代わるにリュオンに飛び付く。リュオンはそんな子供たちを抱き上げてはグルンと一回転をする。それは父親が子供をあやすような姿だ。
「キレイな人。リュ―様のお嫁さん?」
「ホントだぁ、お嫁さんだー!」
ミシェルの傍には女の子たちが集まりそんなことを言い始める。
「ふふふ。お嫁さんに見える?」
ミシェルは女の子たちと同じ目線になるようにしゃがみ聞く。
「うん、リュ―様がおっきくなったから連れてきたって」
「リュ―様にお似合いのお嫁さん!」
女の子たちは少し興奮気味で答える。
「ふふふ、ありがとう。でもね、まだお嫁さんじゃないんだよ。お嫁さん候補かな。それにみんなも可愛くて、大きくなったらキレイになるわ」
ミシェルは女の子たちの頭を撫でにっこりと笑う。
「おねぇさん、お名前は―?」
「名前、名前、教えてー!」
女の子たちは嬉しそうに聞いてくる。
「私はミシェルよ。2人はなんてお名前?教えてくれる?」
「私はマナ」
「私ね、ユリ」
ミシェルの問いに2人が嬉しそうに答える。
「俺、ライア」
「俺はタイジュ」
「僕はミルダ」
いつの間にか男の子たちも来てミシェルに名前を教えてる。
「ふふ、みんな素敵な名前ね。よろしくね」
「うん」
ミシェルの言葉に子供たちは大きく頷いた。
子供たちとミシェルを見守るリュオン。そして、そんなリュオンたちの周りをふわふわと飛ぶポポたち。
その場所にはとても静かな、そして楽し気な時間が流れていた。
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