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第19話
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「ほら、みんなミシェルに街を案内したいんだ、ソロソロ行かないか?」
その場所から中々、動くことが出来なくてリュオンが声をかければ
「みんな行くぞー!」
ライアの一言で子供たちが駆け出した。
「行こうミシェル。ポポたちも気を付けて行けよ」
リュオンはミシェルに手を差し出しポポたちにも別れを告げる。
「ありがとうリュオン」
ミシェルはリュオンの手を借り立ち上がり、ポポたちも移動するために飛び立つ。
「またねぇ」
ミシェルはそんなポポたちに手を振り
「ポポポ」
ポポたちはそんなミシェルに応えるように鳴き、目的の場所へ行くために飛び立った。
「まさか、こんなに早く広がってるとは…」
ミシェルと歩き始めながらリュオンが呟く。
「ふふふ、それだけリュオンのことがみんなには嬉しかったのよ。みんな温かいわ」
ミシェルは自分の事のように嬉しかった。
「小さい頃からこの街には世話になってたからな。俺の遊び場として。さて本当に行こう、子供たちがしびれをきらして戻って来そうだ」
リュオンはミシェルの手を握ったまま歩き始めた。
2人が街の入り口から賑わっている街の中心部へと歩き進んでくれば
「おや、リュオン様、噂は本当だったんですねぇ」
「おっ、リュオンぼっちゃんかわいい花嫁さん捕まえたって本当だったんだなぁ」
等と行き交う街の住人たちが嬉しそうにリュオンに声をかけていく。
その度にリュオンは
「彼女はまだ嫁じゃないから」
と説明をするが、その言葉は誰にも聞き入れてもらえなかった。
がっくりと肩を落とすリュオンを見てミシェルは楽しそうに笑っていた。
そんな2人を見て街の住民たちも楽しそうに笑っていた。
「ミシェル、お腹すかないか?」
リュオンが急に聞いてきて
「えっ?」
ミシェルは反応に困ってしまった。
「あっ、いや、結構長い時間、街の中に滞在してるからお腹空いてないかなって思ってさ」
リュオンは慌てて真意を説明する。
「街の人たちとの会話が楽しくて気にならなかったわ。それにあまりすいてないみたい」
ミシェルはそんなリュオンにお腹はまだすいてないと答える。
「そっか、じゃぁ、あそこの露店を見て回ろうか?小腹に調度いいものが売ってるかもしれないからさ」
リュオンの提案に
「楽しそう。私、露店なんて初めてだからワクワクしちゃうわ」
ミシェルが嬉しそうにいう。そこでリュオンはハッとした。街で人と話すのも、子供たちと遊ぶのもミシェルにとっては初めての事なんだと。
「きっと、ミシェルが驚くことが待ってるさ」
リュオンはそう言いながら、ミシェルを連れて露店の方へ歩いていく。
「わぁ、すごい」
ミシェルは建ち並ぶ露店の数々に驚き声を上げる。その顔はワクワクが止まらないのか輝いていた。
「気になるものがあったら言ってくれ」
リュオンはそんなミシェルに声をかけるが、ミシェルには届いてなかった。そんな様子を見てリュオンは小さく笑っていた。
「見てリュオン。可愛い飾りがたくさんあるわ」
露店に入ってすぐにある髪飾りなどを売っている店を見てミシェルが声を上げる。
「ミシェルに似合いそうなのがたくさんだ」
リュオンも同じように並ぶ飾りを見ていう。
「リュオン様、此方なんてどうです?お嬢さんの髪の色に合いそうな飾りだと思いますけど」
店の店主が幾つかの飾りを見やすいように出してくれる。
「そうだな。ミシェルはどれがいい?」
リュオンはそれを見ながらミシェルの意見も聞いてみた。
「これ…なんだか気になるわ。どれも素敵なんだけど、これが一番、気になるの」
ミシェルが手にしたのは花と竜の着いた飾りだった。
「貸してごらん」
リュオンはミシェルから髪飾りを受けとると、ミシェルの髪を少しだけ結わってから髪飾りをはめた。
「どうかしら?」
ミシェルは何も反応しないリュオンに声をかける。
「リュオン様、見とれてないで何か言ってあげてくださいよ」
店主が声をかければ
「えっ?あっ、ごめん。すごく似合うよ。店主、これをもらえるか?」
リュオンが慌てて返事をして、髪飾りを買うと言い出す。
「えっ?そんな、悪いわ」
ミシェルは驚いて声をあげるけど、
「俺が君に贈りたいんだ」
リュオンははっきりという。
「なら、リュオン様、その髪飾りは私からのお祝いの品でございます」
今度は店主がそんなことを言い出すからリュオンが慌てる。
「いや、それは悪いだろ」
リュオンが言えば
「いいえ、リュオン様とお嬢さんのお祝いですよ。お二人が出会い、この街に足を運んでくれたお祝いです」
店主はそんなことを言い出す。リュオンはこれ以上、何かを言って店主の気持ちをむげにするのも悪いと思い
「じゃぁ、いただくよ。ありがとう」
お礼を口にすれば
「ありがとうございます。どれも可愛くて、また今度見に来たいわ」
ミシェルも同じようにお礼を口にする。そして、2人はまた、違う飾りを見ていた。
店主はそんな2人を微笑ましく見ていた。
その場所から中々、動くことが出来なくてリュオンが声をかければ
「みんな行くぞー!」
ライアの一言で子供たちが駆け出した。
「行こうミシェル。ポポたちも気を付けて行けよ」
リュオンはミシェルに手を差し出しポポたちにも別れを告げる。
「ありがとうリュオン」
ミシェルはリュオンの手を借り立ち上がり、ポポたちも移動するために飛び立つ。
「またねぇ」
ミシェルはそんなポポたちに手を振り
「ポポポ」
ポポたちはそんなミシェルに応えるように鳴き、目的の場所へ行くために飛び立った。
「まさか、こんなに早く広がってるとは…」
ミシェルと歩き始めながらリュオンが呟く。
「ふふふ、それだけリュオンのことがみんなには嬉しかったのよ。みんな温かいわ」
ミシェルは自分の事のように嬉しかった。
「小さい頃からこの街には世話になってたからな。俺の遊び場として。さて本当に行こう、子供たちがしびれをきらして戻って来そうだ」
リュオンはミシェルの手を握ったまま歩き始めた。
2人が街の入り口から賑わっている街の中心部へと歩き進んでくれば
「おや、リュオン様、噂は本当だったんですねぇ」
「おっ、リュオンぼっちゃんかわいい花嫁さん捕まえたって本当だったんだなぁ」
等と行き交う街の住人たちが嬉しそうにリュオンに声をかけていく。
その度にリュオンは
「彼女はまだ嫁じゃないから」
と説明をするが、その言葉は誰にも聞き入れてもらえなかった。
がっくりと肩を落とすリュオンを見てミシェルは楽しそうに笑っていた。
そんな2人を見て街の住民たちも楽しそうに笑っていた。
「ミシェル、お腹すかないか?」
リュオンが急に聞いてきて
「えっ?」
ミシェルは反応に困ってしまった。
「あっ、いや、結構長い時間、街の中に滞在してるからお腹空いてないかなって思ってさ」
リュオンは慌てて真意を説明する。
「街の人たちとの会話が楽しくて気にならなかったわ。それにあまりすいてないみたい」
ミシェルはそんなリュオンにお腹はまだすいてないと答える。
「そっか、じゃぁ、あそこの露店を見て回ろうか?小腹に調度いいものが売ってるかもしれないからさ」
リュオンの提案に
「楽しそう。私、露店なんて初めてだからワクワクしちゃうわ」
ミシェルが嬉しそうにいう。そこでリュオンはハッとした。街で人と話すのも、子供たちと遊ぶのもミシェルにとっては初めての事なんだと。
「きっと、ミシェルが驚くことが待ってるさ」
リュオンはそう言いながら、ミシェルを連れて露店の方へ歩いていく。
「わぁ、すごい」
ミシェルは建ち並ぶ露店の数々に驚き声を上げる。その顔はワクワクが止まらないのか輝いていた。
「気になるものがあったら言ってくれ」
リュオンはそんなミシェルに声をかけるが、ミシェルには届いてなかった。そんな様子を見てリュオンは小さく笑っていた。
「見てリュオン。可愛い飾りがたくさんあるわ」
露店に入ってすぐにある髪飾りなどを売っている店を見てミシェルが声を上げる。
「ミシェルに似合いそうなのがたくさんだ」
リュオンも同じように並ぶ飾りを見ていう。
「リュオン様、此方なんてどうです?お嬢さんの髪の色に合いそうな飾りだと思いますけど」
店の店主が幾つかの飾りを見やすいように出してくれる。
「そうだな。ミシェルはどれがいい?」
リュオンはそれを見ながらミシェルの意見も聞いてみた。
「これ…なんだか気になるわ。どれも素敵なんだけど、これが一番、気になるの」
ミシェルが手にしたのは花と竜の着いた飾りだった。
「貸してごらん」
リュオンはミシェルから髪飾りを受けとると、ミシェルの髪を少しだけ結わってから髪飾りをはめた。
「どうかしら?」
ミシェルは何も反応しないリュオンに声をかける。
「リュオン様、見とれてないで何か言ってあげてくださいよ」
店主が声をかければ
「えっ?あっ、ごめん。すごく似合うよ。店主、これをもらえるか?」
リュオンが慌てて返事をして、髪飾りを買うと言い出す。
「えっ?そんな、悪いわ」
ミシェルは驚いて声をあげるけど、
「俺が君に贈りたいんだ」
リュオンははっきりという。
「なら、リュオン様、その髪飾りは私からのお祝いの品でございます」
今度は店主がそんなことを言い出すからリュオンが慌てる。
「いや、それは悪いだろ」
リュオンが言えば
「いいえ、リュオン様とお嬢さんのお祝いですよ。お二人が出会い、この街に足を運んでくれたお祝いです」
店主はそんなことを言い出す。リュオンはこれ以上、何かを言って店主の気持ちをむげにするのも悪いと思い
「じゃぁ、いただくよ。ありがとう」
お礼を口にすれば
「ありがとうございます。どれも可愛くて、また今度見に来たいわ」
ミシェルも同じようにお礼を口にする。そして、2人はまた、違う飾りを見ていた。
店主はそんな2人を微笑ましく見ていた。
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