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6話
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いつもの様に生徒会室で会長としての仕事をしていた。出来上がった書類に不備がないかを確認して、完成済み書類ボックスに書類を入れて、ふと目に留まったカレンダーに動きが止まった。
カレンダーの日付を確認して、溜め息が零れた。
先月、17歳の誕生日を迎えた。誕生日当日は平日ってこともあり、大我だけがお祝いをしてくれたが、その週の週末は大我の実家で、盛大にお祝いをしてもらった。プレゼントもてんこ盛りにもらって、持って帰れないって悲鳴を上げたのは記憶に新しい。
いや、だって、ホントに多かったんだもん。
ぼんやりとそんなことを思い出しながら卓上カレンダーを手に取りページをめくり考え込む。
今後のことをちゃんと考えないと時期が来たんだなと一人納得をして、もう一度溜め息をついた。カレンダーを元の場所に戻して作業を開始しようとしたら
「カレンダーを見て何かあるのか?」
そんな大我の声がして驚いて顔を上げれば書類を持った大我が立っていた。
「あっ、イヤ、帰ってからでいいんだけど相談したいことがあるんだ。いいかな?」
この場所で話す内容じゃない。だけど大我には相談がしたい。そういう意味を込めて聞いてみる。
「それは構わないけど、風紀の方は少し遅くなるぞ?それでもいいか?」
書類を俺に渡しながら返事をしてくれる。
「あぁ、それは大丈夫。今日がダメなら明日でもいいんだ」
そこまで急いでるわけじゃないんだ。
「わかった。なるべく早く戻るようにする」
それだけ言い残し大我は出ていった。
「そこまで急いでるわけじゃないんだけどなぁ…」
1人呟きながら俺は大我の持ってきた書類を確認し始めた。
自分の部屋でやることやってボーっとソファに座って考え事してたら、メールの着信を知らせる音がして、確認したら
『帰ってるから、来るなら来いよ』
って、大我からの連絡だった。俺は携帯と部屋の鍵だけ持って自分の部屋を出て大我の部屋へと向かった。
部屋の扉をノックすれば
「開いてる」
って返事がするから後は勝手知ったるなんとやらで扉を開けて中に入って鍵を閉めた。部屋の中に漂う美味しそうな匂いにぐぅってお腹が鳴った。
「食べるか?」
って聞かれて素直に頷いた。だって、大我の作るご飯はどれも美味しんだ!
「座って待ってな。あー、その前にこれ運んでくれると嬉しい」
大我に差し出された皿を受け取り俺はいつもの場所に行って座った。
「軽くでいいやって思ったから、簡単にできるもんで済ましたから悪いな」
同じように皿を持ってきた大我の言葉に
「なんで俺も食べるって思ったんだよ」
って聞いちゃった。
「愚問。唯斗は一人でいるときは食べないからな。だからこっちに来れば食べると思ったんだ」
大我の言葉は否定できない。
「ホントよく見てるな大我って」
自分でも情けない。全部大我にはお見通しのようだ。
「取り合えず食べよう。その後で話は聞くから」
小さく笑いうながら大我に言われて俺は小さく頷いて、大我の作ってくれたご飯を食べた。他愛もない会話をしながらご飯を食べ終え、片付けも大我がやってくれて、俺は小さく息を吐いた。
「で?相談したいことってのは何だ?風紀として聞かなきゃいけないことか、俺個人としてか、それとも唯斗の恋人としてか?」
俺の前にコーヒーの入ったカップを置きながら聞いてくる言葉に色々と選択肢があったんだなんて考えちゃった。
「えっと、恋人としてかな」
うん、これは風紀の話じゃないし、個人的な相談じゃない。恋人としての相談だ。
「わかった。風紀での相談じゃないなら一先ずいいな。で、俺に相談しなきゃいけないってことは深刻な話なのか?」
それは俺にとって深刻なことが起きてるのか?という確認だ。
「そこまで深刻じゃない。俺が施設育ちなのは大我も知ってるだろ?」
話してあるから知ってるよな?的な意味で聞けば不思議そうな顔をしながらも頷く。
「施設って、18歳までしかいられない決まりなんだ。で、俺先月17歳になっただろ?」
ここまで言えば大我は俺が何を言いたいのかわかるはず。
「連絡がきたのか?」
うん、相変わらず頭の回転が速いですね大我さん。
「ううん。その連絡は来てない。多分、来年になったら言われると思う。定期的に施設にはちゃんとやってるからっていう連絡はしてるし」
まだ、その連絡は来ていないと答えた。
「唯斗は施設を出てからどうしようかって悩んでるのか?」
大我の言葉に俺はコクリと頷いた。
だって、俺が相談したかったことだもん。
卒業後、どうしようか悩んでるから…
大我はどう考えてるか知りたかったんだ…
カレンダーの日付を確認して、溜め息が零れた。
先月、17歳の誕生日を迎えた。誕生日当日は平日ってこともあり、大我だけがお祝いをしてくれたが、その週の週末は大我の実家で、盛大にお祝いをしてもらった。プレゼントもてんこ盛りにもらって、持って帰れないって悲鳴を上げたのは記憶に新しい。
いや、だって、ホントに多かったんだもん。
ぼんやりとそんなことを思い出しながら卓上カレンダーを手に取りページをめくり考え込む。
今後のことをちゃんと考えないと時期が来たんだなと一人納得をして、もう一度溜め息をついた。カレンダーを元の場所に戻して作業を開始しようとしたら
「カレンダーを見て何かあるのか?」
そんな大我の声がして驚いて顔を上げれば書類を持った大我が立っていた。
「あっ、イヤ、帰ってからでいいんだけど相談したいことがあるんだ。いいかな?」
この場所で話す内容じゃない。だけど大我には相談がしたい。そういう意味を込めて聞いてみる。
「それは構わないけど、風紀の方は少し遅くなるぞ?それでもいいか?」
書類を俺に渡しながら返事をしてくれる。
「あぁ、それは大丈夫。今日がダメなら明日でもいいんだ」
そこまで急いでるわけじゃないんだ。
「わかった。なるべく早く戻るようにする」
それだけ言い残し大我は出ていった。
「そこまで急いでるわけじゃないんだけどなぁ…」
1人呟きながら俺は大我の持ってきた書類を確認し始めた。
自分の部屋でやることやってボーっとソファに座って考え事してたら、メールの着信を知らせる音がして、確認したら
『帰ってるから、来るなら来いよ』
って、大我からの連絡だった。俺は携帯と部屋の鍵だけ持って自分の部屋を出て大我の部屋へと向かった。
部屋の扉をノックすれば
「開いてる」
って返事がするから後は勝手知ったるなんとやらで扉を開けて中に入って鍵を閉めた。部屋の中に漂う美味しそうな匂いにぐぅってお腹が鳴った。
「食べるか?」
って聞かれて素直に頷いた。だって、大我の作るご飯はどれも美味しんだ!
「座って待ってな。あー、その前にこれ運んでくれると嬉しい」
大我に差し出された皿を受け取り俺はいつもの場所に行って座った。
「軽くでいいやって思ったから、簡単にできるもんで済ましたから悪いな」
同じように皿を持ってきた大我の言葉に
「なんで俺も食べるって思ったんだよ」
って聞いちゃった。
「愚問。唯斗は一人でいるときは食べないからな。だからこっちに来れば食べると思ったんだ」
大我の言葉は否定できない。
「ホントよく見てるな大我って」
自分でも情けない。全部大我にはお見通しのようだ。
「取り合えず食べよう。その後で話は聞くから」
小さく笑いうながら大我に言われて俺は小さく頷いて、大我の作ってくれたご飯を食べた。他愛もない会話をしながらご飯を食べ終え、片付けも大我がやってくれて、俺は小さく息を吐いた。
「で?相談したいことってのは何だ?風紀として聞かなきゃいけないことか、俺個人としてか、それとも唯斗の恋人としてか?」
俺の前にコーヒーの入ったカップを置きながら聞いてくる言葉に色々と選択肢があったんだなんて考えちゃった。
「えっと、恋人としてかな」
うん、これは風紀の話じゃないし、個人的な相談じゃない。恋人としての相談だ。
「わかった。風紀での相談じゃないなら一先ずいいな。で、俺に相談しなきゃいけないってことは深刻な話なのか?」
それは俺にとって深刻なことが起きてるのか?という確認だ。
「そこまで深刻じゃない。俺が施設育ちなのは大我も知ってるだろ?」
話してあるから知ってるよな?的な意味で聞けば不思議そうな顔をしながらも頷く。
「施設って、18歳までしかいられない決まりなんだ。で、俺先月17歳になっただろ?」
ここまで言えば大我は俺が何を言いたいのかわかるはず。
「連絡がきたのか?」
うん、相変わらず頭の回転が速いですね大我さん。
「ううん。その連絡は来てない。多分、来年になったら言われると思う。定期的に施設にはちゃんとやってるからっていう連絡はしてるし」
まだ、その連絡は来ていないと答えた。
「唯斗は施設を出てからどうしようかって悩んでるのか?」
大我の言葉に俺はコクリと頷いた。
だって、俺が相談したかったことだもん。
卒業後、どうしようか悩んでるから…
大我はどう考えてるか知りたかったんだ…
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