夜が明けなければいいのに(洋風)
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。
長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。
「名誉ある生贄」。
それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。
部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。
黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。
本当は、別れが怖くてたまらない。
けれど、その弱さを見せることができない。
「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」
心にもない言葉を吐き捨てる。
カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。
だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。
「……おめでとうございます、殿下」
恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。
その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。
――おめでとうなんて、言わないでほしかった。
――本当は、行きたくなんてないのに。
和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。
お楽しみいただければ幸いです。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
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