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人生の黒歴史は大体学生時代に生産される

混沌の中に放り込まれるとスンッてなる

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 裾の刺繍が美しい、真っ白なクロスがかかったテーブルの上には、これまた縁に透かしの入った高級そうな皿に乗った色とりどりの小さなマカロン、皿と揃いになっているティーカップには飴色の香り豊かなお茶…

「……」

 ここは学園のカフェテラスである。

 い…居心地悪ぃぃぃーーーっ!!

 どうも、前世からの庶民根性が抜けない公爵令嬢(仮)です。

 一応、マナー等に関しては教育係さん達のご指導の賜物で、割とちゃんとしてると思います。
 だがな…? 出来るからって…ストレス感じないわけじゃ無いからな?


 …あーー…畑耕したい…






「ダメだダメだダメだっ! ノアはうちの子だからお外には出しませんーーーっ!!」

 …お父さまが壊れました☆

 凄い勢いで抱っこされたかと思ったらお膝に乗せられています。…私もう11歳なんですけども…アリなんですかね? まぁいいけど。
 それより、涙と鼻水がつくんじゃねぇかという方が気になるわー…。

「こんのっ…おバカチビっ…! 何でお前はそうやって…!」

 やべぇ崩れ落ちて床叩きながら号泣してるオッサン怖っ! ちょ、床大丈夫? 壊れない?

「ノアはっ…! 俺のこと捨てるのか…?! 置いてっちゃうのかよ…?!」

 何か別れ話切り出された彼氏みたいな事言い出したぞこの兄は。どういう事だ。後、鼻水は拭け。

「ね゛えざまのくぁwせdrftgyふじこlpーーっ!」

 アルくん言語が不自由になっとる。それとリアルに地団駄踏む人初めて見たよ。でも振動で涙と鼻水とよだれ飛んでるから気をつけて。

 …ところで…どうしよう…このカオス…。

 セバスチャンさんは優雅に白いハンカチで目元覆って私の方見てくれないし。



 今世初のお膝抱っこの余韻なぞカッ飛ぶ混沌の中で、私は頭を抱えたーーー






 …あー…空が青いなぁ…

 テーブル周りには樹木が邪魔にならないように配置され、程よく木陰を作る。
 テーブルも椅子も供される食事やお菓子も、とても良いものが使われている。

 さすが王立の学園。金がかかっている。

 …そう…私は結局学園に入学したここに来てしまった…。

 正直ガクブルである。

 変な人に絡まれたらどうしよう…って、実のところ同学年の女性の中で最高位なんだよな。だからそうそう絡まれない…ハズだ。多分おそらくええきっと!(希望的観測)
 空からいきなり鑑定水晶降ってきたらどうしよう(降るわけがない)『黒バレ』待ったなしだよ絶対魔術師棟には近寄らんぞ!

 あぁ~…こんな恐怖味わいたくなかったなぁ~…平和に自活したかったな~…と、今でも思う。

 でもさぁ…しょうがなくない? しょうがないよね?
 あのカオスから脱却するには…



「~~っわかりました! 出ていきません! ここんの子のままでいますーーー!!」


 こう言うしかなかったんだ…。

 あの後お父さまからは『パパと呼びなさい』とか言われるし、ナイスミドルはエンドレス高い高いしやがるし(吐きそうになった)、お兄さまはどこ行くにも手を繋いで離さないし、アルノルトはおんぶおばけと化すし(久々に影バンド使った)、セバスチャンさんは延々頭を撫でるし…

 あまりの面倒くささにチベスナ顔待ったなしだった。




 …でも…ものすごく…嬉しかったのは誰にも言えない秘密であるーーー
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