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あめーじんぐ!!
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さてさて、再びサバイバル生活が始まって…どんくらい経ったんだろう?
ほとんど代わり映えのない日常に、監禁生活中と違い『人間としての生活』をすることがない上、いわゆる『時間感覚』が一般的じゃない生き物と過ごしていると…
日にちの感覚全くない(爆)
どうも、駄竜につられてまったりしてると、数日くらい平気で寝てたりするみたいなんだよなー。それは、短剣も同じみたいで、『一日=日が昇って沈んで次また日が昇るまで』という感覚じゃない。
と、いうことで、召喚されてからどのくらい経ったかサッパリわからん。
「…まぁ、わからんからと言って何の問題もない訳だが…」
さすがにちょっと、そろそろ代わり映えしない生活にスパイスが欲しい今日この頃。
「ついでにマジモンのスパイスも欲しいとです」
一度、人里へ降りよう。
「…と言っても…どっちの方向にどんな街があるかとか…全然わからんけどな」
ーーー見渡す限り、緑です☆
「と、言うわけで、近場の街までよろしくアッシー」
《何が『と、言うわけ』なのかも、近場の街ってどこにあるかも知らねっス》
「役に立たんな、この駄竜!!」
《しゃーないっスよ! 姐さん迎えに行った時は、姐さんの『気配』を追って行ったし、俺山から降りること無かったから『ヒト』がどんな集団作ってるのかとか知らねっスもん》
『うーむ、この『魔の森』の際に接した『国』はいくつかあると思うが、我も『ヒト族』どもの事は詳しくない上、奴らは割と頻繁に戦を起こすだろう? 我の知る『国』と変わっておるだろうからなぁ』
はい、全員役立たずでした☆
まず、私自身がお兄さんに見せてもらった地図を思い出しても…そもそもセンティアス帝国のどっかに召喚されたっていう知識しか得られなかった上、教会ぶち壊してさっさとグッバイしちゃったモンで、どこをどう移動したかとか全く分からん。
そんで、ここが『魔の森』と言われるところなのはわかってても、どの辺りなのかとかハッキリしない。
「うーーん…とりあえず、リュー、ちょい高い所まで飛んで。そっから見えたところに行くわ」
《了解っス》
大樹を真下に見下ろす上空から『世界』を見渡す。
背後の山脈はもういいや。左右の果ては見えんし、頂上も見えん。…おい、そんな所へ連れて行く気だったのかよこの駄竜…。
そして、緑の絨毯は、コレまた広く…
「なるほど、多分、アレがセンティアス帝国だろうな。まぁ辺境も辺境だろうけど」
眼前にも延々と続く緑の絨毯だが、遥か彼方に人工物が点在して見える。…視力も驚異的かも。
「うーん…どれに行こうかな…」
少なくとも監禁されてたところ以外に行きたいんだが。それがどこだったか分からない以上、考えるだけ無駄か。
「リュー、近づいてもバレにくそうなのはどこだと思う?」
《どこ行っても近づいたらバレバレっスね!》
デスヨネー。
「ねー精霊氏、ここに人間が入ってくる事あるんやろ? どの辺りに多い、とかわかる?」
『む? そうさな、それならある程度はわかる。しかしここ最近では大樹さまの感知範囲より内まで来られる者はとんとおらなんだからなぁ…』
「あー、そっかぁ。じゃぁリューに適当な所まで送ってもらって、そこから先は人の痕跡探しながら森を抜けてみるわー」
残念ながら、すっかり体力オバケになってますからね…。二時間程度でへばってた頃が懐かしい…。
「帰りの事もあるからなー。おっ、あっこに湖あるな。精霊氏、あの辺りってテリトリー内?」
『うむ、ギリギリ範囲内だ』
「じゃぁ、あの湖から真っ直ぐ人里の方へ突っ切る事にするかな。リューは湖で待機ね。精霊氏は大樹さんに刺しとけばいい?」
『うむ、そうだな』
ちなみに、以前から地図回すほどじゃ無かったけど、読むのは苦手でした☆
だけど、方向感覚(?)はよかったのか、余り道に迷った事はない。何となく『こっちかな?』で乗り切れた不思議(笑)
今はもっと感覚が鋭敏になってるし、気配察知できるようになってるから方向を見失う事は無かろ。
特に持って行くモンも無いから、コレと言った準備は無いけど、森を抜ける事を考えて、明日の朝出る事にした。
「洞窟内と外とどっちがいい?」
『特にどちらでも問題は無いが、わざわざ大樹さまに新たな傷を入れるより、元の場所へ刺してくれ』
「りょうかーい」
洞窟内ど真ん中の大樹の根へと短剣を刺す。
…実は、私が腕生やす時に放出した『神力』浴びてから、刺さってなくても同調できるくらいになったらしいんだが…それでも刺さりたいの? いいけどさ、別に。
「そういや、この辺りに落ちてる木の皮って、大樹の皮だよね? そこそこ落ちてるけど…何これ脱皮?」
『…昆虫のような言い方をするな! 罰当たり者め!
お力を使われる度に少しずつ身が削られておられるのだろう』
脱皮じゃ無かった。残念。
「ふーん。本当、社畜精神旺盛な神さまなんだねぇ」
『えぇい、『社畜』たるものが何かはよくわからんが、余り良い意味では無かろう?! 罰当たり者めっ!』
鋭い(大笑)
よく分からんけど、この皮何かに使えないかなー。『成仏』って彫る以外で(笑)
「…って、リュー! 鼻息酷いし出られないから鼻面突っ込むのやめい!!」
《このフィット感がいいんスよー》
えぇい、邪魔だ邪魔だぁ!
本当、コイツ小さくなればいいのに!!
と、手に持ったままだった皮を鼻の穴に突っ込んだその瞬間ーーー
「………………」
『………………』
《………………》
目の前に、体長50センチばかりのずんぐりした真っ黒いトカゲが鎮座ましましていた。
あめーーーじーーーんぐ!!!
ほとんど代わり映えのない日常に、監禁生活中と違い『人間としての生活』をすることがない上、いわゆる『時間感覚』が一般的じゃない生き物と過ごしていると…
日にちの感覚全くない(爆)
どうも、駄竜につられてまったりしてると、数日くらい平気で寝てたりするみたいなんだよなー。それは、短剣も同じみたいで、『一日=日が昇って沈んで次また日が昇るまで』という感覚じゃない。
と、いうことで、召喚されてからどのくらい経ったかサッパリわからん。
「…まぁ、わからんからと言って何の問題もない訳だが…」
さすがにちょっと、そろそろ代わり映えしない生活にスパイスが欲しい今日この頃。
「ついでにマジモンのスパイスも欲しいとです」
一度、人里へ降りよう。
「…と言っても…どっちの方向にどんな街があるかとか…全然わからんけどな」
ーーー見渡す限り、緑です☆
「と、言うわけで、近場の街までよろしくアッシー」
《何が『と、言うわけ』なのかも、近場の街ってどこにあるかも知らねっス》
「役に立たんな、この駄竜!!」
《しゃーないっスよ! 姐さん迎えに行った時は、姐さんの『気配』を追って行ったし、俺山から降りること無かったから『ヒト』がどんな集団作ってるのかとか知らねっスもん》
『うーむ、この『魔の森』の際に接した『国』はいくつかあると思うが、我も『ヒト族』どもの事は詳しくない上、奴らは割と頻繁に戦を起こすだろう? 我の知る『国』と変わっておるだろうからなぁ』
はい、全員役立たずでした☆
まず、私自身がお兄さんに見せてもらった地図を思い出しても…そもそもセンティアス帝国のどっかに召喚されたっていう知識しか得られなかった上、教会ぶち壊してさっさとグッバイしちゃったモンで、どこをどう移動したかとか全く分からん。
そんで、ここが『魔の森』と言われるところなのはわかってても、どの辺りなのかとかハッキリしない。
「うーーん…とりあえず、リュー、ちょい高い所まで飛んで。そっから見えたところに行くわ」
《了解っス》
大樹を真下に見下ろす上空から『世界』を見渡す。
背後の山脈はもういいや。左右の果ては見えんし、頂上も見えん。…おい、そんな所へ連れて行く気だったのかよこの駄竜…。
そして、緑の絨毯は、コレまた広く…
「なるほど、多分、アレがセンティアス帝国だろうな。まぁ辺境も辺境だろうけど」
眼前にも延々と続く緑の絨毯だが、遥か彼方に人工物が点在して見える。…視力も驚異的かも。
「うーん…どれに行こうかな…」
少なくとも監禁されてたところ以外に行きたいんだが。それがどこだったか分からない以上、考えるだけ無駄か。
「リュー、近づいてもバレにくそうなのはどこだと思う?」
《どこ行っても近づいたらバレバレっスね!》
デスヨネー。
「ねー精霊氏、ここに人間が入ってくる事あるんやろ? どの辺りに多い、とかわかる?」
『む? そうさな、それならある程度はわかる。しかしここ最近では大樹さまの感知範囲より内まで来られる者はとんとおらなんだからなぁ…』
「あー、そっかぁ。じゃぁリューに適当な所まで送ってもらって、そこから先は人の痕跡探しながら森を抜けてみるわー」
残念ながら、すっかり体力オバケになってますからね…。二時間程度でへばってた頃が懐かしい…。
「帰りの事もあるからなー。おっ、あっこに湖あるな。精霊氏、あの辺りってテリトリー内?」
『うむ、ギリギリ範囲内だ』
「じゃぁ、あの湖から真っ直ぐ人里の方へ突っ切る事にするかな。リューは湖で待機ね。精霊氏は大樹さんに刺しとけばいい?」
『うむ、そうだな』
ちなみに、以前から地図回すほどじゃ無かったけど、読むのは苦手でした☆
だけど、方向感覚(?)はよかったのか、余り道に迷った事はない。何となく『こっちかな?』で乗り切れた不思議(笑)
今はもっと感覚が鋭敏になってるし、気配察知できるようになってるから方向を見失う事は無かろ。
特に持って行くモンも無いから、コレと言った準備は無いけど、森を抜ける事を考えて、明日の朝出る事にした。
「洞窟内と外とどっちがいい?」
『特にどちらでも問題は無いが、わざわざ大樹さまに新たな傷を入れるより、元の場所へ刺してくれ』
「りょうかーい」
洞窟内ど真ん中の大樹の根へと短剣を刺す。
…実は、私が腕生やす時に放出した『神力』浴びてから、刺さってなくても同調できるくらいになったらしいんだが…それでも刺さりたいの? いいけどさ、別に。
「そういや、この辺りに落ちてる木の皮って、大樹の皮だよね? そこそこ落ちてるけど…何これ脱皮?」
『…昆虫のような言い方をするな! 罰当たり者め!
お力を使われる度に少しずつ身が削られておられるのだろう』
脱皮じゃ無かった。残念。
「ふーん。本当、社畜精神旺盛な神さまなんだねぇ」
『えぇい、『社畜』たるものが何かはよくわからんが、余り良い意味では無かろう?! 罰当たり者めっ!』
鋭い(大笑)
よく分からんけど、この皮何かに使えないかなー。『成仏』って彫る以外で(笑)
「…って、リュー! 鼻息酷いし出られないから鼻面突っ込むのやめい!!」
《このフィット感がいいんスよー》
えぇい、邪魔だ邪魔だぁ!
本当、コイツ小さくなればいいのに!!
と、手に持ったままだった皮を鼻の穴に突っ込んだその瞬間ーーー
「………………」
『………………』
《………………》
目の前に、体長50センチばかりのずんぐりした真っ黒いトカゲが鎮座ましましていた。
あめーーーじーーーんぐ!!!
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