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海洋王国編
番外編、スタンピード。
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ヒトミ(美裸)の助力を得て、マンスジー王宮に対するクーデターを成功させた元勇者、不動 勇護(レベル61)は仲間と共に暫定政府を立て、好意的だった大臣や官僚と共に国の立て直しを進めていた。
大臣や官僚、将軍達と共和制にしていく事で一致。しばらくはヒトミが残してくれた財宝を金に換えて財政を賄った。
その間、国民には無駄な税金を廃止し、税率も下げる事を布告する。
国民がその知らせに沸き上がる中、平和に水を差す様に突如として闘技場遺跡と鉱山がダンジョン化し強力なモンスターが現れるようになった。
強力なモンスターが次から次へと溢れ出るスタンピード現象が起こったのだ。
ギルドマスター、ガルロとギルド所属ハンター達は闘技場遺跡のモンスター退治へ、そして勇護は召喚された仲間達と共に鉱山から湧いてくるモンスターを退治する事になった。
先頭に立ち、モンスターを倒していく勇護と仲間達。勇護は重鎧と片手剣と盾装備のタンカー職だ。順調に個体数を減らしていく勇護達だったが、次から次へと湧いてくるモンスターに疲れが見え始めた。
「…一体どうなってる!?モンスターがずっと湧いて来るし、どんどん強くなって来てるぞ!?」
勇護と共に前衛でバスターソードを振り回していた大男が叫ぶ。その隣で戦士風の女が戦斧を薙いでモンスターの首を刎ねる。
「前はこんなに強いモンスター、いなかったはず…」
「二人とも集中を切らすなッ!!殺られるぞッ!!」
勇護はスキル『ブレイブハート』を発動、PT全体にバフを掛ける。ブレイブハートは恐怖を打ち消し、集中と力を上げる範囲スキルだ。勇護達の後ろでは魔導師の男が援護で氷結魔法をモンスターの上から降らせている。
その間に、回復師の女が前衛3人の傷を回復魔法で直していく。勇護達が相手をしていたのは美裸達がダンジョンを踏破し、殲滅していたはずのゴブリン達だった…。
しかし、美裸達が踏破した頃のゴブリンと比べてレベルが上がり、遥かに強くなっていた。
◇
その頃、王国北で湯治を終えたある男が帰還していた。この世界でレベル最高峰だったカイン・ストラウスだ。城の北門の衛兵に挨拶をするカイン。
「カイン殿ッ!!お久しぶりです!!帰還を心待ちにしておりましたぞッ!!」
「…ん?何、突然?王宮のヤツらがまた何かやらかしたの?」
「…いえ、詳しくは勇護殿から聞いて下さい!!」
「…勇護?彼は王宮地下牢に幽閉されているだろう?」
「…はい、それがですね。危険なハンターPTが現れまして…王宮を破壊した後、勇護殿達を開放してクーデターを…」
「勇護がクーデターッ!?何でそんな事に…いや、あの強欲王と側近を蹴落としたのならむしろいい事だな…それで今、勇護はどこにいるんだ?」
カインと衛兵が話していると、そこにハンター達を連れたガルロが現れた。
「良いところに戻ってきたな!!もう身体は大丈夫なのか?」
「えぇ、もう大丈夫ですけど…クーデターって何があったんですか?」
「その事は後で話す。まずは暴れて貰うぞ!!」
「…暴れるって…何があったんですか?勇護はどこにいるんですか?」
金髪碧眼のカインは訝し気に顔を曇らせる。
「いいから付いて来い!!今、大変な事になってんだよ!!」
ガルロに言われて付いていくカイン。道中、王宮を見たが跡形もなく崩れていた…。
◇
「カイン!?戻ってきたのか!?もう大丈夫なのか?」
ガルロが連れて応援に来たハンターと入れ替わり、休憩に入った勇護がカインを見るなり声を上げた。
「…あぁ、大丈夫なんだけど…。何がどうなってるんだか…」
「その事なら後でまとめて話すよ。マジで助かった…」
「だから鉱山で何が…」
勇護に質問しようとしたカインが、鉱山入り口でゴブリンと闘っているハンターを見て眉をひそめた。
「モンスターが沸いてるのか?でもゴブリン程度なら、勇護達なら余裕だろ?どこが大変なんだ?」
疑問のカインにガルロが答える。
「…いや、カイン。闘ってみれば解る。今までのゴブリンより遥かに強い。しかもスタンピード起こしてやがるんだよ!!」
「…ゴブリンが…スタンピード?、マジで(笑)?」
「…あぁ、そうなんだよ。倒しても倒しても沸いて来るんだ…取り敢えずカインも手伝ってくれ。このままだと王都が危険になる…」
勇護に言われて両方の腰に下げていた剣を抜くカイン。英雄カインが使う武器は神から祝福を受けた聖なる双剣だ。
更にアイテムボックスから聖なる兜、を取り出して被る。カインは全身、白と金でデザインされた聖シリーズ装備で固めていた。
「…分かった。リハビリがてらゴブリンでも殲滅するよ…」
そう言うと一瞬にして前線に移動する。そしていきなりスキルを放った。
「『デュアルソードスラッシュッ』!!」
双剣を十時に構え、左右に薙いだその瞬間、剣圧が飛んでゴブリン数体を真っ二つにする。しかしゴブリン達は怯む事無く、同族の死体を乗り越えて向かって来た。
カインとハンター達がゴブリンを掃討する間、勇護達は休憩に入る。
「ガルロさん、闘技場遺跡の方は大丈夫なんですか?」
「あぁ、あらかた片付いた。後はヒューガーが最後の処理をしている所だ。すぐ合流出来るだろう」
「…そうですか。ようやく何とかなりそうですね。それとは別に『あの人』の調査はどうなってます?」
「…あぁ、『ヒトミ』の件なら諜報員を送ってる。今はフリンナ王国に滞在しているそうだ…」
「…解りました。何とかしてあの人を呼び戻さないと…ヒトミさんの力があればこのスタンピードも解決出来るはず…」
そこへヒューガーが合流する。
「…待たせたな。向こうは完全にカタを付けた。次は全員で鉱山ダンジョンを片づけるぞ?」
そこにカインが戻ってくる。
「…勇護の言ってる事が解ったよ。アレは確かにヤバいな…」
「だろ?たかがゴブリンのはずなんだけどな…。どんどん強く、倒せば倒す程硬くなってくるし…」
そんな二人に戻ってきたヒューガーが声を掛ける。
「お前ら、話すのは後だ。先に鉱山のゴブリン共を片づけるぞッ!!」
「そうだな。ここからはこっちも総力戦で行けるからな!!」
ガルロも腰に下げている2つの短槍を両手に持つ。
「待ってください!!アイツらはどんどん強く硬くなっていきます。総力戦で押し切れなかった場合、まずい事になります。だから総力戦で行くより2チームに分けた方が良いです!!」
カインの提案に考えるガルロとヒューガー。確かに闘技場遺跡のゴースト系モンスターも徐々に強くなっていた。
二人は目を合わせて頷く。
「分かった。カインの提案に乗ろう。次は俺と勇護が行く。その後、ヒューガーとカインに任せる」
うなずく一同。そしてガルロはハンター達も二手に分けて交代制とした。
カインの案が功を奏し、勇護達は何とか鉱山一階層のゴブリンを殲滅、撃破した。
◇
一旦、モンスター襲来が収まる。この間にガルロ、ヒューガー、勇護はカインに王国の現状を説明しつつハンター達と共に休憩に入った。
「…で、結局何でこんな事になったんだ?」
「鉱山と闘技場遺跡のダンジョン化とモンスターの狂暴化、スタンピードについてはついこの前からで詳しくはよく分かってないんだ…」
「…クーデターは?どうしてそんな事が出来たんだ?俺達王国ハンターは王宮から全員、精神操作の指輪を持たされている。そんな事は出来ないだろう?」
「あぁ、それは全て『ヒトミ』がやってくれたんだ。あの人は深夜に王宮に潜り込んで王宮を調査(お宝物色)していたらしい。その時にたまたま地下牢で会ったんだよ…」
勇護の説明に疑問の表情を浮かべるカイン。
「ヒトミ?そんなハンターいたかな…?」
「…あぁ、ヒトミ…いや正確には美裸というヤツなんだが、アイツはお前が湯治に行った後に現れたんだ。おかしなPTなんだが実力は確かだ…」
ガルロの言葉に驚く勇護。
「…えッ!?ヒトミさんは偽名を使ってるんですか!?」
「いや、偽名はヒトミの方だ。アイツが変身能力を持ってる事は宿屋の親父さんから聞いてる」
「…そ、そうなんですか…」
ガルロの説明に戸惑う勇護。
「…で、勇護の精神操作の指輪はどうしたんだ?」
「…あぁ、そのヒトミさんが簡単に真っ二つにして外してくれたんだ」
「マジか!?僕のも外して貰おうかな…」
呟くカインにヒューガーが話す。
「いや、その事なんだが、もう既に王宮にあった指輪操作の魔道具を美裸が破壊してる。だからお前のもすぐ外せるよ…」
その言葉に半信半疑だったカインが指から指輪を外す。すると何の抵抗もなくスルリと外れた。
「…マジかよ…?そのヒトミ?美裸?って人、ただ者じゃないね…。僕も会ってみたいな…。で、その人、今どこにいるんだ?」
カインの問いに勇護が答える。
「ヒトミさんは王宮を破壊した後、仲間と共に行方不明だったんだけど…」
「あぁ、最近諜報員からの情報でフリンナ王国にいるらしい」
ガルロの説明に続き勇護が話す。
「あれだけの力を持つヒトミさんなら、おそらくこのモンスター異常現象を解決出来ると思うんだ…」
4人がそこまで話した時、ダンジョンを監視していた衛兵が叫ぶ。
「またモンスターが出てきたぞォッ!!」
見ると殲滅したはずの1階層に再び、ゴブリンが現れた。しかし現れたのはただのゴブリンではなくゴブリンキングだった…。
「…オイオイ、どういう事なんだ?さっき確かに殲滅したよな…?」
カインが双剣を抜きながら鉱山の中を見る。
「…これは普通のスタンピードじゃないな…」
ガルロに続いてヒューガーがつぶやく。
「今までにないおかしな事が起こってるって事だけは確かだな…」
そんなヒューガーにガルロが言う。
「…ヒューガー、ここは俺達が何とかする。済まんがすぐに美裸達を連れ戻しに行ってくれ…」
ガルロに続いてプラチナの片手剣と大盾を持った勇護がヒューガーを見る。
「ヒューガーさん。俺達はこの王国の外の地理感は全くないんです。世界を周って来たヒューガーさんしかヒトミさんを連れ戻す事は出来ません。お願いします…」
「…解った。お前ら俺がアイツら連れ戻すまで持ちこたえろよ?」
そう言うとヒューガーはすぐに行動に移った。
王都を出て南の国境線にたどり着いたヒューガーは、スキル『残滓追尾』を使ってフリンナ王国へと入り、美裸達の移動経路を探りながら南へと向かった。
大臣や官僚、将軍達と共和制にしていく事で一致。しばらくはヒトミが残してくれた財宝を金に換えて財政を賄った。
その間、国民には無駄な税金を廃止し、税率も下げる事を布告する。
国民がその知らせに沸き上がる中、平和に水を差す様に突如として闘技場遺跡と鉱山がダンジョン化し強力なモンスターが現れるようになった。
強力なモンスターが次から次へと溢れ出るスタンピード現象が起こったのだ。
ギルドマスター、ガルロとギルド所属ハンター達は闘技場遺跡のモンスター退治へ、そして勇護は召喚された仲間達と共に鉱山から湧いてくるモンスターを退治する事になった。
先頭に立ち、モンスターを倒していく勇護と仲間達。勇護は重鎧と片手剣と盾装備のタンカー職だ。順調に個体数を減らしていく勇護達だったが、次から次へと湧いてくるモンスターに疲れが見え始めた。
「…一体どうなってる!?モンスターがずっと湧いて来るし、どんどん強くなって来てるぞ!?」
勇護と共に前衛でバスターソードを振り回していた大男が叫ぶ。その隣で戦士風の女が戦斧を薙いでモンスターの首を刎ねる。
「前はこんなに強いモンスター、いなかったはず…」
「二人とも集中を切らすなッ!!殺られるぞッ!!」
勇護はスキル『ブレイブハート』を発動、PT全体にバフを掛ける。ブレイブハートは恐怖を打ち消し、集中と力を上げる範囲スキルだ。勇護達の後ろでは魔導師の男が援護で氷結魔法をモンスターの上から降らせている。
その間に、回復師の女が前衛3人の傷を回復魔法で直していく。勇護達が相手をしていたのは美裸達がダンジョンを踏破し、殲滅していたはずのゴブリン達だった…。
しかし、美裸達が踏破した頃のゴブリンと比べてレベルが上がり、遥かに強くなっていた。
◇
その頃、王国北で湯治を終えたある男が帰還していた。この世界でレベル最高峰だったカイン・ストラウスだ。城の北門の衛兵に挨拶をするカイン。
「カイン殿ッ!!お久しぶりです!!帰還を心待ちにしておりましたぞッ!!」
「…ん?何、突然?王宮のヤツらがまた何かやらかしたの?」
「…いえ、詳しくは勇護殿から聞いて下さい!!」
「…勇護?彼は王宮地下牢に幽閉されているだろう?」
「…はい、それがですね。危険なハンターPTが現れまして…王宮を破壊した後、勇護殿達を開放してクーデターを…」
「勇護がクーデターッ!?何でそんな事に…いや、あの強欲王と側近を蹴落としたのならむしろいい事だな…それで今、勇護はどこにいるんだ?」
カインと衛兵が話していると、そこにハンター達を連れたガルロが現れた。
「良いところに戻ってきたな!!もう身体は大丈夫なのか?」
「えぇ、もう大丈夫ですけど…クーデターって何があったんですか?」
「その事は後で話す。まずは暴れて貰うぞ!!」
「…暴れるって…何があったんですか?勇護はどこにいるんですか?」
金髪碧眼のカインは訝し気に顔を曇らせる。
「いいから付いて来い!!今、大変な事になってんだよ!!」
ガルロに言われて付いていくカイン。道中、王宮を見たが跡形もなく崩れていた…。
◇
「カイン!?戻ってきたのか!?もう大丈夫なのか?」
ガルロが連れて応援に来たハンターと入れ替わり、休憩に入った勇護がカインを見るなり声を上げた。
「…あぁ、大丈夫なんだけど…。何がどうなってるんだか…」
「その事なら後でまとめて話すよ。マジで助かった…」
「だから鉱山で何が…」
勇護に質問しようとしたカインが、鉱山入り口でゴブリンと闘っているハンターを見て眉をひそめた。
「モンスターが沸いてるのか?でもゴブリン程度なら、勇護達なら余裕だろ?どこが大変なんだ?」
疑問のカインにガルロが答える。
「…いや、カイン。闘ってみれば解る。今までのゴブリンより遥かに強い。しかもスタンピード起こしてやがるんだよ!!」
「…ゴブリンが…スタンピード?、マジで(笑)?」
「…あぁ、そうなんだよ。倒しても倒しても沸いて来るんだ…取り敢えずカインも手伝ってくれ。このままだと王都が危険になる…」
勇護に言われて両方の腰に下げていた剣を抜くカイン。英雄カインが使う武器は神から祝福を受けた聖なる双剣だ。
更にアイテムボックスから聖なる兜、を取り出して被る。カインは全身、白と金でデザインされた聖シリーズ装備で固めていた。
「…分かった。リハビリがてらゴブリンでも殲滅するよ…」
そう言うと一瞬にして前線に移動する。そしていきなりスキルを放った。
「『デュアルソードスラッシュッ』!!」
双剣を十時に構え、左右に薙いだその瞬間、剣圧が飛んでゴブリン数体を真っ二つにする。しかしゴブリン達は怯む事無く、同族の死体を乗り越えて向かって来た。
カインとハンター達がゴブリンを掃討する間、勇護達は休憩に入る。
「ガルロさん、闘技場遺跡の方は大丈夫なんですか?」
「あぁ、あらかた片付いた。後はヒューガーが最後の処理をしている所だ。すぐ合流出来るだろう」
「…そうですか。ようやく何とかなりそうですね。それとは別に『あの人』の調査はどうなってます?」
「…あぁ、『ヒトミ』の件なら諜報員を送ってる。今はフリンナ王国に滞在しているそうだ…」
「…解りました。何とかしてあの人を呼び戻さないと…ヒトミさんの力があればこのスタンピードも解決出来るはず…」
そこへヒューガーが合流する。
「…待たせたな。向こうは完全にカタを付けた。次は全員で鉱山ダンジョンを片づけるぞ?」
そこにカインが戻ってくる。
「…勇護の言ってる事が解ったよ。アレは確かにヤバいな…」
「だろ?たかがゴブリンのはずなんだけどな…。どんどん強く、倒せば倒す程硬くなってくるし…」
そんな二人に戻ってきたヒューガーが声を掛ける。
「お前ら、話すのは後だ。先に鉱山のゴブリン共を片づけるぞッ!!」
「そうだな。ここからはこっちも総力戦で行けるからな!!」
ガルロも腰に下げている2つの短槍を両手に持つ。
「待ってください!!アイツらはどんどん強く硬くなっていきます。総力戦で押し切れなかった場合、まずい事になります。だから総力戦で行くより2チームに分けた方が良いです!!」
カインの提案に考えるガルロとヒューガー。確かに闘技場遺跡のゴースト系モンスターも徐々に強くなっていた。
二人は目を合わせて頷く。
「分かった。カインの提案に乗ろう。次は俺と勇護が行く。その後、ヒューガーとカインに任せる」
うなずく一同。そしてガルロはハンター達も二手に分けて交代制とした。
カインの案が功を奏し、勇護達は何とか鉱山一階層のゴブリンを殲滅、撃破した。
◇
一旦、モンスター襲来が収まる。この間にガルロ、ヒューガー、勇護はカインに王国の現状を説明しつつハンター達と共に休憩に入った。
「…で、結局何でこんな事になったんだ?」
「鉱山と闘技場遺跡のダンジョン化とモンスターの狂暴化、スタンピードについてはついこの前からで詳しくはよく分かってないんだ…」
「…クーデターは?どうしてそんな事が出来たんだ?俺達王国ハンターは王宮から全員、精神操作の指輪を持たされている。そんな事は出来ないだろう?」
「あぁ、それは全て『ヒトミ』がやってくれたんだ。あの人は深夜に王宮に潜り込んで王宮を調査(お宝物色)していたらしい。その時にたまたま地下牢で会ったんだよ…」
勇護の説明に疑問の表情を浮かべるカイン。
「ヒトミ?そんなハンターいたかな…?」
「…あぁ、ヒトミ…いや正確には美裸というヤツなんだが、アイツはお前が湯治に行った後に現れたんだ。おかしなPTなんだが実力は確かだ…」
ガルロの言葉に驚く勇護。
「…えッ!?ヒトミさんは偽名を使ってるんですか!?」
「いや、偽名はヒトミの方だ。アイツが変身能力を持ってる事は宿屋の親父さんから聞いてる」
「…そ、そうなんですか…」
ガルロの説明に戸惑う勇護。
「…で、勇護の精神操作の指輪はどうしたんだ?」
「…あぁ、そのヒトミさんが簡単に真っ二つにして外してくれたんだ」
「マジか!?僕のも外して貰おうかな…」
呟くカインにヒューガーが話す。
「いや、その事なんだが、もう既に王宮にあった指輪操作の魔道具を美裸が破壊してる。だからお前のもすぐ外せるよ…」
その言葉に半信半疑だったカインが指から指輪を外す。すると何の抵抗もなくスルリと外れた。
「…マジかよ…?そのヒトミ?美裸?って人、ただ者じゃないね…。僕も会ってみたいな…。で、その人、今どこにいるんだ?」
カインの問いに勇護が答える。
「ヒトミさんは王宮を破壊した後、仲間と共に行方不明だったんだけど…」
「あぁ、最近諜報員からの情報でフリンナ王国にいるらしい」
ガルロの説明に続き勇護が話す。
「あれだけの力を持つヒトミさんなら、おそらくこのモンスター異常現象を解決出来ると思うんだ…」
4人がそこまで話した時、ダンジョンを監視していた衛兵が叫ぶ。
「またモンスターが出てきたぞォッ!!」
見ると殲滅したはずの1階層に再び、ゴブリンが現れた。しかし現れたのはただのゴブリンではなくゴブリンキングだった…。
「…オイオイ、どういう事なんだ?さっき確かに殲滅したよな…?」
カインが双剣を抜きながら鉱山の中を見る。
「…これは普通のスタンピードじゃないな…」
ガルロに続いてヒューガーがつぶやく。
「今までにないおかしな事が起こってるって事だけは確かだな…」
そんなヒューガーにガルロが言う。
「…ヒューガー、ここは俺達が何とかする。済まんがすぐに美裸達を連れ戻しに行ってくれ…」
ガルロに続いてプラチナの片手剣と大盾を持った勇護がヒューガーを見る。
「ヒューガーさん。俺達はこの王国の外の地理感は全くないんです。世界を周って来たヒューガーさんしかヒトミさんを連れ戻す事は出来ません。お願いします…」
「…解った。お前ら俺がアイツら連れ戻すまで持ちこたえろよ?」
そう言うとヒューガーはすぐに行動に移った。
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