異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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プロローグ、ペンは剣よりも強し編

追放。

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「お前は追放処分とするッ!!即刻、王宮より立ち去れいッ!!」

 そう宣告された美裸みらは、突然衛兵によって王宮を追い出された。着の身着のままでお金もなくである。美裸は追い出された事自体は特に気にするでもなかった。

 しかし、勝手に召喚して適性検査を受けろと言われて判明した固有スキルは意味不明で使えないとバカにされ、いくら若いオンナと言えど、地味でずんぐり体型じゃ夜伽の相手にもならぬと笑われ、こき下ろされた。

 散々な言われように美裸はキレた。

 コイツらわたしを散々バカにしやがって!!わたしを追い出した事を絶対後悔させてやるからな!!

 憤りはあったものの、美裸にとってはこの方が都合が良かった。交通事故に巻き込まれ一緒に召喚された人達は、能力適性検査を受けた後、妙なリングを渡されて喜んでいた。

 オタクの美裸にはそれがどんなものか、その中の誰よりも良く解っていた。どうせ精神操作系のアクセサリーだろう。

 コイツら地球人舐めてんのかっ!?

 美裸はそう思ったが、異世界召喚だの異世界転生だの知らない人達はそんな事、解らないだろう。助ける義理もないので、美裸は無一文であったが追い出されるままにサッサと王宮を後にした。



 縫田ぬいだ 美裸みらは、黒縁眼鏡にセミロングでボサボサの黒髪。そばかすが目立つ超オタク女子である。映画研究部に所属する唯一の女子部員にして編集部員だ。

 いくら美裸が地味でぽっちゃり体型だったとしても、一人くらいは男子と仲良くなれるだろう。そう思って早二年である。美裸の期待とは裏腹に、男子部員達は全く美裸に興味がなかった…。

(…チッ、腰抜け共がっ!!)

 当初はそう思ったいたものの、二年経った今では何も感じなくなった。

 美裸はエロオタクでもあった。この部活にエロを求めていたのである。しかし部長以下、他の男子部員達は純粋に映画が好きで本気で映画を撮ろうとしていた。

 美裸と男子部員達では根本的に、この映研部に対する考えが違っていたのである。毎日毎日、下らない純愛映画の編集をさせられる美裸。

 少しくらいエロを入れろよ!!

 そう叫びたい美裸だったが、現状は何も変わらなかった。
 
 我慢し、不満を隠す美裸だったが部長以下、男子部員達は美裸の編集能力だけは買っていた。陳腐な恋愛映画が、美裸の手に掛るとドラマチックになった。

 しかし、いくら編集能力を褒められたとて美裸には全く響かなかった。美裸はエロを撮りたかったのだ…。

 そんなある日の放課後、先輩に強引にエッチに持ち込まれる自分を想像してぼんやり歩いていた美裸は赤信号に気付かなかった。

 バスの前に出ていた美裸はその寸前までエロに浸っていた。急ブレーキを踏む運転手。美裸はチラッとバスを見てようやく、自分の危険な状況に気が付いた。バスは美裸の目の前まで迫っている。

「…あ、死んだっ!?」

 思わず呟いた美裸は心の中で叫んだ。

(まだエッチもしてないし、エロを極めてもないのにいぃィィッ、こんなとこで死ぬのかよおォォォォッ…!!)

 その強い思いと同時に、突如として激しい閃光が拡がっていく。そしてバスと共に美裸はその場から消え去ってしまった…。


 
 美裸とバスに乗っていた人達は西洋の王宮の様な所にいた。目の前には玉座に座った偉そうな王様、その両脇を固める近衛兵。

 そして騎士団と思われる者達が美裸とバスの乗員を囲んでいた。何も解らないまま、剣を突き付けられて言われたとおりに能力適正検査とやらを受けさせられた。

 全員が何かしらの能力を発現し認められる中、美裸も能力を発現していた。しかし、能力適性検査官からこの能力は意味不明で使えないと酷評された。

 発現した美裸の固有スキルは『エディットモード』である。毎日部活でダラダラとやっていた編集能力がスキル化したものだ。

 『エディットモード』はスキルの範囲内を強い思念で強制停止させ、編集出来る能力である。スキル発動と共に現れるペンタブを使って編集し、再生させる事で現実に投影させる事が出来る。

 しかしそんな能力は異世界のヤツらには解らなかった。

 そりゃ異世界のヤツらに『エディットモード』って言っても解らないだろう。スキル説明文を読んだ後、ゲームの様に各種ウィンドウが開く事を確認した美裸は、王宮から追い出される前にこっそりスキルを試した。

 玉座に座る王様が持つ宝石の付いた豪華な杖。売れば相当額になるだろう。その先に付いていた宝石を編集してチョチョイと弄って視界に映る自分の手に移動させた。

 同時に脳内にインフォメーションが流れる。

≪レベル3になりました。強制停止範囲が拡大します≫
(んんっ?スキル使っただけでレベル上がった!?…ていうかわたし、まさかレベル1からスタートなの!?)

 そんな事を考えつつ、そのままだと泥棒だとバレてしまうので、その外した宝石を縮小処理して制服のポケットに入れた。王様の杖の先にはダミーを描いて嵌め込んでおいた。

 その後、能力適性検査官から王へと検査結果が渡され、王は美裸を追放処分とする事を決定し、騎士達に命令した。そして美裸は王宮を追い出されたのである。

 地味でずんぐり体型など抱けないと言ったヤツらには、その内そっちから王宮に来てくれって懇願させてやるからな!!

 そう心の中で誓いつつ、王宮から出た美裸は心の中で叫んだ。

(わたしはずんぐり体型じゃないっ!!チョイポチャなんだよっ!!)

 実の所、大して変わらないのだが、そこは美裸の譲れない部分であった。王都の噴水公園のベンチに座ってポケットから取り出した小さな宝石を見ながら美裸は考えた。

(…まずは何を置いてもお金がいるよね。けどこの宝石はまだ売れないな…。今売ったらすぐに出所がバレるだろうし。闇市場に伝手が出来たら売るか…)

 そう考えた美裸は、取り敢えずスキルを使ってお金を稼ぐ方法を考えた。

(お金を毟り取っても、何の罪悪感も感じないヤツら…。チンピラとかゴロツキの類だな…。取り敢えずそこら辺りを戦闘不能にしてお金集めするかな…)

 善は急げだ。

(街の治安の向上にもなるし、わたしも稼げるし一石二鳥だよね!!)

 そう思いつつ、美裸は路地裏に入って行った。



「…なんだテメェッ!!何見てやがるッ!!」

 …いたいた。5人のチンピラが裏路地で露店しているお爺さんに絡んでいた。

「…妙な恰好した奴だな…?お前…オンナか…?」

 コイツら、制服(ブレザー)着た女子高生がこんな路地裏にいるって言うのに…。これが日本とかだったら野郎共がヒャッハーてなるんたけど…。しかもこんなエロシチュエーションで何でわたしに『オンナか?』って聞くのよッ!?

(オンナよッ!!どこからどう見てもオンナでしょうがッ!!)

 そう叫びたい美裸だったが、異世界だから仕方ないかと一人納得する。

 しかしそれは異世界だからではなく、ただ暗く地味な見た目と黒髪セミロングでボサボサ頭が、オンナと認識させなかったという自覚が美裸にはなかった。

 そんな美裸を男達が囲んでくる。思わず身震いして鳥肌が立った。

(…あぁ、堪んない…わたしコイツらにアジトに連れて行かれて…ハッ!?いかんいかんっ、今はお金集めだった…)

「…んっ、ん。わたしは『ジョシコーセー』です。突然ですがアナタ達お金持ってます?」
「はァッ!?何だジョシコーセーッてよォ…金なら持ってるぜ?」

(…あ、この会話だと援〇持ち掛けてるみたいになっちゃうな(笑)。まぁ良いか(笑))

「…そうですか持ってるんですね?それではそのお金、わたしが頂戴いたします!!」

 まるで時代劇の怪盗の様な美裸の台詞に、男達は半笑いだ。

「…テメェ、何言ってやがんだ!?武器も防具も持ってない小娘が俺達をどうするって言うんだよ(笑)?」
「…フフフ、こうするんですよ…『エディットモード!!』」

 男達の中、ボソッと呟いた美裸がスキルを発動させた。そして完全停止した男達のアキレス腱と腕を、ペンタブで斬っていく。

「再生!!」

 その瞬間、男達の両手両足から鮮血が噴き出した。

「…ぐわァッ!!…なッ、何が起きたッ!?」
「…クソッ、何がどうなってんだッ!?」

 美裸は動けなくなった男達の懐からお金を毟り取ると、突然の惨劇に顔を蒼褪めさせて震える露店のお爺さんに近づく。

「お爺さん、いくら盗られた?」
「…ご、5千ゴールドじゃが…。お主は一体…!?」

 お爺さんの質問に、ただの『ジョシコーセー』ですよ、と答えつつ5千ゴールドを札で渡した。

「残りはわたしが貰うね。じゃ、お爺さんバイバーイ」

 そう言って美裸は手を振りつつ路地裏から出て行く。その後も美裸は路地裏、スラムなどを歩き回り、同じ手口でチンピラやゴロツキからお金を巻き上げていった。

「テメェッ!!何モンだッ!!」
「フフフッ、ジョシコーセーですが何か(笑)?」

 スキルを発動した美裸はまず、チンビラ共の足と手を無力化する。またお金を持って来て貰う為に、傷は浅めに留めておいた。

 美裸の重要な生活資金を運んでくれる貴重なヤツらだ。また復活してお金を持って来てくれるように考えていた。
どんどん裏路地に入り、危険な男達を挑発してはスキルを使って集金する。

 ナイフや棍棒を持ったヤツらもいたが、スキルの範囲内に入ると全員強制停止するので美裸は全く怖くなかった。ついでに男達のナイフや棍棒も回収して縮小し、ポケットに放り込んだ。

 この辺りの装備も美裸は回収して売るつもりだった。チンピラ共の指輪などのアクセサリーもしっかりと回収していく。

「本日の収益、12万3千ゴールドナリ~(笑)」

 この日から、王都の裏社会では眼鏡を掛けたボサボサ頭の、妙な服を着た『恐怖のジョシコーセー』が都市伝説として語り継がれていく。

 それから三日程掛けて、美裸は王都中のあらゆる路地裏、スラムをひたすら周り続けた。能力を試しつつ、レベル上げもしていく。その結果、王都の路地裏、スラムにはチンピラとゴロツキが現れなくなった…。

 現在、レベル18。美裸は異世界召喚から三日で王都裏社会を震撼させた。

 しかし翌日、宿屋に戻った美裸はベッドの上でゴロゴロしながら悩んでいた。三日目以降、ゴロツキもチンピラもめっきり出て来なくなったのである。明らかに一日の稼ぎが減ったのだ。

 美裸は悩んだ。大事な金づるが出て来てくれないとこの世界で生活していけなくなる。そして何より、異世界を巡ってエロ話を集めたい美裸にとってはお金がないと困るのだ。

 地球では出来なかった事を、美裸はやりたかった。異世界エロ話を集めてエロ小説を出版し、大ベストセラーエロ作家になる事だった。

 美裸は異世界で『エロの伝道師』を目指していた。

 どうするか…。

 考え抜いた結果、美裸はある事を思い付いてベッドから飛び起きた。急いで宿屋から飛び出す。

(確かこの宿屋の近所にアンティークショップがあったはず…)

 美裸は記憶を頼りに街を歩いていく。

 …あった!!

 ショップを見つけた美裸はお店に入ると目的のモノを買う。アンティークショップで全身鏡を買ってきた美裸は、驚く宿屋の主人に構わず部屋に戻ると、制服と下着を全て脱ぎ捨てた。
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