異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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プロローグ、ペンは剣よりも強し編

遺跡修復。

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 ギルドに戻った美裸達は、ギルドマスターの部屋にいた。豪奢な机の向こうに座る坊主頭で右眼に眼帯を付けた男がギルドマスター、ガルロ・マホーニである。

 ガルロは元Sランクハンターで、筋肉質な体格のいい壮年の男だ。その隣に、王国大学の考古学教授がいた。

「…で、遺跡を調査に言ったお前らがその貴重な遺跡を何で半壊させてんだッ!!自分達のした事が解かってんのかッ!?」

 顔を真っ赤にして怒号を飛ばすガルロの隣で、教授が暗い顔で溜息を吐く。

「…アレは当時の皇帝の事績や剣闘士達の生活を知る上で貴重な遺跡なのです。あれだけ破壊したとあってはこれからの調査にもかなりの支障をきたしますぞ…」

 済まなそうな顔をして俯くエリス、全く説教が響いていない美裸、そんな中、コニーが謝る。

「…あれ、コニーやった…とても、ごめんさい…」

 小さな頭を下げるコニーに、大人二人は慌てる。

「いやいや、おじょうちゃんは謝らなくていいんだよ。問題はそこの二人だッ!!」
「しかし、どうやってあの遺跡をあそこまで破壊出来たのか…」

 そんな教授の呟きに、美裸が答える。

「だから、さっきから説明してますよね?アレはわたしの能力ですよ?巨大な怨霊剣闘士を消し飛ばしたら纏めて遺跡まで壊れちゃったんですよ」
「…お前なァ、理由はどうあれ壊れちゃったで済む話じゃねーんだよッ!!」

 相変わらず怒りをぶちまけるギルドマスターに、委縮するエリス。それをチラッと横目で見つつ、美裸は何事でもないかのように軽く話をする。

「まぁまぁ、そう怒らんで下さいよ(笑)。あの遺跡、完全に修復してしまえば問題ないでしょう?」
「…ハァ?お前、美裸だったか?何言ってんだッ!?あんなに粉砕された遺跡が怪我じゃあるまいし簡単に修復出来る訳ないだろうがッ!!」

 怒るギルドマスターに全く怯む事無く、美裸が答える。

「それが出来るんですよ。わたしならね。寸分狂わず、元の形に戻して見せますよ?」
「オゥオゥ、軽く言ってくれるじゃねーか。そんな事出来るもんならやって見ろよ?」

 遣り取りを見て心配になったエリスが、美裸に問う。

「…ちょっと、美裸ッ!!そんな事言って大丈夫なの!?」
「あんなの、すぐに元に戻せるよ。わたしの『能力』ならね。それより…」

 美裸は簡単に修復出来ると宣言した後、ギルドマスターのガルロに交渉を持ち掛けた。

「わたしがあの遺跡を完全修復出来たら、わたしとコニーのハンターランクを一気にSまで上げて貰えます(笑)?」

「…ちょっと待って!!それならわたしもSに…」

 そういうエリスに無下なく応える美裸。

「…エリスはダメよ?」
「えぇっ、何でわたしだけ仲間外れにするのよッ!!」
「いやいや仲間外れも何も、エリスはまだレベル28でしょ?それだと良いトコBかCランクだと思うけど~(笑)?」

 美裸に指摘されて、納得するエリス。

「…あぁ、そうか。確かにそうでしたね…。じゃ、わたしは取り敢えずBで(笑)!!」

 美裸が口にしたエリスのレベルを聞いて思わず顔をしかめるガルロ。

 エリスと言えば、寄生でレベルを15まで上げたものの、その後は何の役にも立たない事が発覚してから全くレベルは上がっていないと聞いていたからだ。

 それがたった一日でいきなりレベル28…。俄かには信じられない話だ。

「オイオイ、お前ら何言ってんだ?昨日今日来たばかりのヤツが、レベルも大した事ない癖にいきなりSにしろってギルドをバカにしてんのか?」
「バカにはしてませんよ(笑)?わたしはレベル62、コニーはレベル65です。資格としては十分ですよね?さっき下でハンター情報修正して貰ってますのでちゃんと見て下さいな(笑)」

 そう言いつつ、美裸は話を続けた。

「しかしダメですねぇ。ギルドマスターともあろうお方が、所属ハンターのレベルを把握してないとは(笑)」
「…チッ、生意気言うなこのガキがッ…!!」

 そう言うと、下の階に大きな声で資料を持ってくるよう叫ぶガルロ。ギルド職員サラが持って来たエリスPTの資料に目を通したガルロは眉を顰めて顔を曇らせた。

 ガルロが資料を持って来たサラに問う。

「オイッ!!この情報、間違ってんじゃねーか?」
「…いえ、間違いはないです。旧式測定機でしか計れませんが確かにその情報は間違ってないです」
「…何で最新の測定機使わないんだよ…?」

 ガルロの問いに、サラがチラッと美裸とコニーを見て言う。

「…それは…そこの2人の測定の時に、測定機が壊れたからです…」

 苦笑いを浮かべて答えるサラ。

 そう言われて改めて美裸とコニーの測定値を見るガルロ。美裸は思念力が、コニーは力が上限の1,000になっていた。ついでにエリスのレベルも確認する。

 昨日の午前中までは15だったにも関わらず、確かに28まで上がっている。

 しかしエリスの能力値は常識の範囲内だからまだ良いとしよう。他二人、美裸とコニーに関しては異常としか言えない能力値だ。

 情報に目を通して考えるガルロが暫くして口を開いた。

「…遺跡をぶっ壊した本人と交渉する理由などないんだが…もし本当に遺跡を寸分狂わず修復出来るならランクの件、考えてやっても良い…」

 その言葉にニヤッと笑う美裸。

「じゃ、午後にでもちゃちゃっと直してきますよ(笑)」
「…チッ、簡単に言いやがって!!…もし直せなかったらペナルティだからなッ!?半年以上は無償で働いて貰うから覚悟しとけよッ!?」
「は~い、それじゃお昼食べたら行ってきまーす(笑)」

 そう言って、3人と1匹はギルドマスターの部屋を後にした。

 ◇

 一旦宿屋に戻り、ランチを食べながら話す3人。心配になったエリスが美裸と話す。

「…美裸…ああは言ったけどホントに大丈夫なの…?」

 オレンジジュースをストローで飲みつつ、だいふくを小脇に抱っこして椅子に座っていたコニーが謝る。

「…ごめんさい、コニー、やりすぎた…」
「コニーは謝らなくて良いよ~。わたしがやってって言ったからね。エリスも心配しなくてもわたしの能力知ってるでしょ(笑)?」
「…確かに、CランクPTの粉砕した装備、完全修復してるの見たけど…今回は遺跡だよ?あんな規模のデカいモノ、修復出来るの?」 
「まぁ、理論的には大丈夫なはずだけどね~(笑)」

 そう言いつつ、3人は注文したオムライスを頬張りながら、午後からの予定について話す。

「遺跡の修復自体はたぶん1時間と少しあれば修復出来ると思うけど…。その間、二人はどうする?だいふくと一緒に留守番してる(笑)?」
「コニー、こわしたからついていく。なおすのみる」

 コニーに続いて、真剣な顔で話すエリス。

「…そうだね。これは美裸個人の問題じゃなくてPTの問題だからね。わたしも付いて行くよ」
「おぉ~。エリスさん流石ですな~。今、リーダーっぽい事言ったね~(笑)」
「…美裸。一々、茶化さないでよ(笑)」
「ごめんごめん、エリスは真面目過ぎるからね~」

 話しながらランチを終えた3人と1匹は食後のデザートにケーキを食べつつ、甘々ミルクティーを飲んでまったりした後、半壊した遺跡に戻った。



「…さて、やりますか」

 そう言うと美裸は2人と1匹が見守る中、新たにスキルに追加された能力『巻き戻し』でまず遺跡の外観が元に戻るまでスキルを稼働し続けた。

 スキルで、あっという間に巻き戻された時間が遺跡を元の状態に戻した。
これで外観は完全に元に戻った。

 掛かった時間はたった3分だ。

 続いて地下闘技場の中を確認する為に入って行く3人と1匹。美裸のスキルによって外観は完全に戻ったものの、見えていない内側は壊れたままだった、

 入り口から『巻き戻し』を使って完全に元に戻し、地下に続く階段を降りて行っては見える所を巻き戻しで修復していくという作業を繰り返した。

 最初は簡単だと思っていた3人だったが、階段が大きく螺旋を描いている為に、美裸の視界に入る部分が少なく、少し進んでは修復という地味な作業の繰り返しに、少々疲れが見え始めた。

 地下1階を修復し終えた辺りで、3人と1匹は少し休憩を取る事にした。

「…簡単だと思ってたけど、中々大変な作業ね…」
「そうだね~、見える場所が少ないからね~…」

 エリスと美裸が話す中、コニーとだいふくはおやつを食べた後、遊んでいた。

「…もう少し見える範囲が広ければね~…」

 そう言いつつ美裸はある事を思い出してハッとなった。

 そうだ!!スキルに新たに『透過モード』が付いてたんだ!!範囲の分だけ透過すればもう少し早く修復が進むかもしれない。

 そう思った美裸は、皆でおやつを食べて休憩した後、透過モードを試す事にした。



 透過モードは全てのスキルの範囲をカバーする事は出来なかったが、美裸を起点として5メートル程先までは透過出来た。

 透過したまま巻き戻しを使う。範囲は大きくはなかったが、やはり透過モードで見える範囲が拡がった分、修復範囲も拡がり時間も短縮出来た。

 地下1階の修復までに掛かった時間の半分で、地下2階まで修復し、後は闘技場の内部を修復するだけとなった。

 ここまでスキルを使い続けた美裸は、流石に疲労の色を隠せなかった。しかし、レベルは68まで上がり、ついにコニーのレベルを超えた。

 ついでにスキルの範囲内を『サーチ』出来る能力が付いた。

「…ごめん、2人とも…ちょっと休ませて…」

 そう言って美裸は、石板が置いてあった場所に座る。エリスとコニー、だいふくも一緒にその場に座った。美裸が、縮小してポケットに入れていた水筒を出して元の大きさに戻すと2人に渡す。

 水を飲みつつ、3人と1匹は休憩を始めた。

「…後もう少しだね。ここの石板の台と上の物見台を直せばわたしらのランクも一気に上がるよ」
「そうだね~。ランクが上がれば受けられる依頼や入れるダンジョンも増えるからね~」

 エリスと美裸が話していると、コニーが立ち上がって後ろの物見台を見上げていた。

「…あそこ、ひといる。ひとじゃないけど…こっちにらんでる…」

 コニーの言葉に、2人はすぐに立ち上がり後ろを見る。確かにコニーの言う方を見上げると皇帝が座っていたであろう物見台に青白い顔をして甲冑を身に付けた男が美裸達を睨んでいた。

「…た、闘え…よ、余の前で…この場所にいる…全ての者…た、闘う…のだ…」
 
 ブツブツ呟く男は短い金髪で、頭にオリーブの冠を被っていた。

「…美裸…アレって、もしかして…?」
「…もしかしなくても幽霊…かなぁ(笑)?あの人、ネクロマンサー化してるね?死んでもネクロマンサーってなれるんだね~(笑)」

 その会話を聞いたコニーが美裸を見上げて問う。

「ねくろまんさーってなんだ?」
「死霊使いの事だよ~。死んだ人を操るってやつだったかな~」

 美裸とコニーが話していると、エリスが慌てて2人を呼ぶ。

「美裸ッ!!コニーッ!!前からゾンビ軍団が来るよッ!!」

 エリスに言われた2人が振り返ると、ゾンビ100体程が迫りつつあった。
美裸は再び、上から睨み付ける男を見上げる。

「…ふむ。あの幽霊ネクロマンサーが呼び出したのかな~?」

 そう言いつつ、美裸はエリスに話をする。

「丁度良かったね~。これでエリスのレベル上げも出来るね~(笑)」
「…美裸ッ、こんな時に何言ってんの…って。あ、確かに丁度良いね(笑)。遺跡修復しただけだと美裸しかレベル上がらないもんね(笑)!!」

 エリスの言葉にニヤッと笑った美裸が続けて指示を出した。

「ゾンビがわたしの強制停止範囲に入り次第、エリスは弓でゾンビの頭を撃ち抜いて行って!!それからコニーは上にいるアレを適当に殴って来て!!」
「わかった、コニー、あれ、ボカンしてくる。みら、あれ、けってもいいか?」
「コニーの好きなようにして良いよ~。それからだいふくはエリスが倒したゾンビ片っ端から食べちゃって(笑)!!」

 美裸の言葉に、嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねるだいふく。

 エリスはすぐにゾンビに向けて弓を構えると矢を番えた。
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