異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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プロローグ、ペンは剣よりも強し編

復讐、旅立ち。

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 美裸達、3人と2匹は王宮の謁見の間にいた。美裸が召喚されて初めて降り立った場所だ。

「ワイバーン退治、見事であった!!その功績により王国直属のハンターPTと認定する。以後、王国の為に身を粉にして働くべし!!」

 国王の言葉に、美裸は声を上げた。

「王国直属のPTに認定!?だが断るッ(笑)!!」
「「「「……えええぇぇぇーーっ!!!」」」」

 その瞬間、王宮は騒然となった。褒章を受ける者が強く『お断り』をするなど前代未聞だからだ。

「どうせこき使って使えなくなったら、ポイするんでしょ?フッ、アンタ達のやりそうな事くらいこの美裸様は解かってんのよ!!」

 謁見の間で困惑する国王以下、宰相、閣僚、騎士団、警備兵の中、エリスが美裸の後ろから小声で問い質す。

「…ちょっと、美裸!!どういう事よ!?」

 そんなエリスを手で制したまま美裸は王宮の者達に向かって話を続ける。 

「アンタ達はあれだけわたしを小馬鹿にしてこき下ろしたくせに、王国直属PTとかよくもまぁ、そんな事が言えますねぇ?」

 その言葉に、王宮にいる者全員が疑問の顔を見せる。

「…ふむ。ワシはそちを知らぬが…?どこかで会っていたかのぅ?」

 心底覚えていなさそうな国王の言い方に、美裸はプチっときた。

「…そうでしょうね。言った方は忘れていても、言われた方はしっかり覚えているんですよ!!」

 国王はすぐに宰相を呼ぶとその耳元で何やら確認をする。しかし、国王の言葉を聞き終えた宰相は、疑問の顔でチラッと美裸を見た後、首を横に振った。その宰相が閣僚を呼びつけ、同じ様に確認する。やはり閣僚もチラッと美裸を見て首を横に振った。

 最終的に美裸を追い出した警備兵ですら、あの時の事を全く覚えていなかった。美裸が王宮を追い出されてから一カ月も経っていないも関わらずである。この時点で美裸の怒りは頂点に達した。

「…わたしはねぇ、よぉぉぉく覚えているんですよォォ。訳の分からないスキルだと言われた挙句、ずんぐり体型じゃ夜の相手も務まらないと言われて追い出された事をねぇぇぇ…」

 俯いて震えていた美裸が怒りの顔を上げる。

「わたしはァァッ、チョイポチャなだけでずんぐり体型じゃァないんだよォォォッ!!」

 美裸の強い言葉に、エリスは困惑していた。

「…ちょっと!!美裸!!何があったか知らないけど、何でここまで来て全てを棒に振るのよッ!?王国直属のPTよ!?」

 言い募るエリスをスルーしたまま美裸が続ける。

「…ハッキリ言いましょう。アンタ方が覚えていようがいまいがどうでもいい!!わたしは褒章などというチンケな物を貰いに来たんじゃないんですよ。わたしを小馬鹿にしたアンタ達に『復讐』する為にここまで来たんだから!!」

 美裸の不穏な言葉に、警備兵が一斉に槍を構え、両側に並ぶ騎士達が剣を抜いて構えた。

「…フフッ、笑っちゃいますねぇ。その程度の武器でレベル100を超えたわたしに勝てるとでも?」

 そう言った美裸の顔は笑っていなかった。瞬間に謁見の間にいる王国兵士及び騎士団の武器が全て消えてしまった。

「…なッ、何ィィィィッ!!」
「…武器が消えたッ!?」

 騎士団員と警備兵達が驚きで顔を見合わせてざわつく。

「…ま、待つが良い!!さっきからそちは何を言っておるのだ!!ワシもこの王宮にいる者も、そちに会った事など一度もないと申して…」

 国王の言葉はそこで途切れた。

 消えたはずの王国騎士団の剣が突然現れて玉座に座る国王の顔の横に突き刺さっていた。

「ひいぃぃぃっ…!!」

 顔を蒼褪めさせ、引き攣らせる国王。

「…わ、解かった!!な、何が望みだ!?…何でも言うが良い!!そちの望みは何でも叶えてやろう!!」

 その言葉に溜息を吐く美裸。

「…望み?…わたしの望みはただ一つ!!それはアンタ達が恐怖に打ち震えて、わたしを小馬鹿にした事を心底後悔して苦しみ続ける事ですよォ…」

 悪魔のような顔を見せる美裸に、王宮にいた者全てが恐怖した。そんな美裸の後ろから、エリスが後ろから弓を構える。

「…美裸、そこまでにして!!これ以上やるとアナタとコニー、だいふくの命が危険に晒されるのよ!?」

 その言葉に美裸は暗い笑みを浮かべる。

「…エリスは人が良過ぎるのよ。勝手に召喚して精神操作しながら人をゴミの様に使い潰すコイツらのやってきた事は断罪に値する…。こんな事はわたしがここで終わらせるっ!!」
「…確かにそうかもしれないけど…だからと言ってこの人達を追い込むと美裸、アナタが危険になるのよ?」

 エリスの言葉に不気味に笑う美裸。

「…わたしが危険になる?笑っちゃうよね~(笑)。ここにいる騎士団も正規兵もゴミの様なレベルなのに?」

 美裸とエリスが話している間に、美裸の範囲の外にいた王国の暗殺者が美裸に襲い掛かる。しかし、すぐに強制停止範囲に入り、その動きを止めた。

「…エリス。悪いけどわたしをどれだけ説得しても無駄よ?わたしはコイツらに復讐してこの国を出て行く…」
「…出て行くってどこにッ!?」
「どこって特に決めてない。ただこの王国からしばらく離れたいんだよね~。という事でわたしは行くから!!その前にエリス。その指輪の解除は『貸し』にしとくよ」

 その瞬間、エリスの指に嵌っていた指輪が割れて落ちた。

「…美裸、この指輪の事…知ってたの?」
「知ってるよ?その指輪は召喚した異世界人に渡して都合よく精神操作するモノだからね~」

 そう言いつつ、美裸はコニーを見る。

「…わたしは出て行くけどコニーはどうする?」

 黙って2人を見ていたコニーはすぐに答える。

「コニー、みらといっしょにいく」
「…コニー…」

 コニーの言葉に沈黙するエリス。

「…せっかく友達が出来たと思ったんだけどね~。最後にこれだけは言っとくよ。エリス、アナタはもう充分強くなってるからね?こんなヤツらのいう事を聞いて上げなくても良いと思うよ~?」

 そう言うと美裸は一気に絶対強制領域を展開する。美裸、だいふく、コニー以外、全てが止まった。

「みら、ぺろすもつれていく」
「分かってるよ~(笑)」

 そう言うと美裸は止まったままのぺろすを縮小処理してコニーのポケットに入れてやる。

「じゃあ最後の仕上げをして行こうか~(笑)!!」

 その瞬間、王宮の壁が一気に粉砕された。そして連鎖して王宮全体が崩れていく。

 土埃が上がる中、全てが再生される。エリスの目の前にいたはずの美裸、だいふく、コニー、ぺろすの姿はいなくなっていた。

「…美裸…」

 完全に破壊された王宮に、国王以下、騎士団、警備兵が驚く。そして自分達が全裸である事にも驚き、パニックを起こした。

 大騒ぎの王宮の地下からは、召喚されて幽閉されていた者達が大喜びで飛び出して来た。この大混乱の中、エリスもまた王宮から姿を消した。

 王宮では復旧作業に取り掛かりたい所であったが、なんせ王宮にいるすべての者が全裸で、装備も何もなく、ただ途方に暮れるしかなかった。

 そこに開放された召喚者達が装備を固めて、崩れた謁見の間を完全包囲した。丸裸で武器も装備もない国王以下、宰相、閣僚、騎士団員と警備兵は為す術無く、召喚者達に投降した。

 呆気なくクーデター成功である。

 新しく臨時政府を立てた召喚者達は、今まで自分達をこき使って来た王宮の者を働き手として復旧に臨んだ。

 崩壊した王宮の地下では、色々なモノが消えていた。財宝、美術品、遺物、武器、防具。そして王宮とは別に郊外にある王族の離宮もひっそりと消えていた。



 南東部国境線近く―。

「復讐すると良い事にならないって言うけど、少なくともスッキリはするよねぇ~(笑)」

 さっぱりとした笑顔で軽く上に腕を伸ばす美裸。

「みら、どこいく?」

 ぺろすに乗ったコニーが、前を歩く美裸に聞く。

「う~ん、特に決めてないんだよね~。どうしようかな~?コニーはどこに行きたい?」
「それならひがし、いく。コニー、いちどかかさまと、ととさま会いにもどる」
「おぉ~、それ良いね~。じゃあ東に向かってコニーの家までイクよ~(笑)」

 美裸とコニーの話を聞いただいふくも、嬉しそうにぺろすの上で跳ねる。2人が話す中、少し離れた岩陰の向こうから、何やら歌が聞こえて来た。

「モレェ~♪モレェ~♪モレスギ、サ〇バァ~♪モレェ~モレェ~…♪」

 美裸とコニーが振り向くと、短い金髪でオリーブの冠を被った幽霊が歌い踊りつつ現れた。その後ろには数人のバックダンサーがいる。

「あっ!!おけつもえるてい!!」
「…わっぱ、おけつもえるではなくて余はシルガモレル帝だ…」

 ぺろすの上でコニーが指差した先にシルガモレル帝がいた。

「…あれっ(笑)?シルガモレル帝が何でここにいるの(笑)!!」
「お主らを探しておったのだ。調査員は余が見えぬから話し掛けても反応がないのだ。闘技場跡にいても退屈でな。で、お主らを探しておったのだ」
「何でわたし達を探すのよ(笑)?」
「余らが見えるのはお主らしかおらぬ。お主らといれば面白そうだからな…」

 そう言うシルガモレル帝を見る美裸。

「…後ろに控えている人達は誰なの(笑)?」
「こやつらは余の世話係兼、バックダンサーなのだ」
「…ふ~ん。それは良いけどわたし達もうこの国から出るんだけど~?付いて来るの(笑)?」
「…余は退屈なのが嫌いなのだ。旅もまた良かろう…」

 そう言いつつ、シルガモレルはエリスがいない事に気が付く。

「…そう言えば巨乳のエルフの娘がおらぬが…。お主らのPTで唯一の乳担当がおらぬとは。喧嘩でもしたのか?」
「あぁ、おっぱい担当のエリスさんとは軽い見解の相違がありましてね~(笑)。たぶんそのうちまた会うんじゃないかな~(笑)?」

 美裸の『おっぱい担当』という言葉を聞いたコニーがすぐマネをする。

「おっぱいたんとう、エリスさんや~(笑)」

 美裸とコニー、シルガモレル帝が話す中、少し離れた岩陰に隠れていたエリスは怒りでキレそうになっていた。

(…おっぱい担当とか乳担当とか言うなアァァッ!!お前らそんな風にわたしを見てたのかよおォォォッ!!ていうか出て行きづらいわァァッ…!!)

 完全に出て行くタイミングを失ってしまったエリスは、仕方なく美裸達を追いながら、次のタイミングを伺っていた。



 ―数日前の深夜。

 王宮の地下牢に幽閉されていた元勇者、不動ふどう 勇護ゆうごは突然、牢の前を通った女性に目を疑った。

 どう見ても獄卒ではない。

 広い牢の中、一緒に幽閉されていた召喚者や転生者は寝ていて、それを見たのは勇護だけだ。驚いたのはその姿が、昔の怪盗漫画の女性キャラに激似だった事だ。

 しばらく我が目を疑っていた勇護だったが、思い切って声を掛ける。勇護の呼び掛けに反応したその女性は、美裸が編集して作った第3のキャラだった。

 勇護が気付いた様に、そのモデルとなったのはあの怪盗漫画のキャラである。その女性は勇護に、『ヒトミ・アイキャット』と名乗った。
 
 不思議な事に、ヒトミがいると言うのに獄卒も警備兵も来ない。それが美裸の能力だと知らない勇護だったが、ヒトミが地球人だと確信した勇護は必死に助けを求めた。

 ヒトミ…いや美裸は王宮の宝を盗む副業の真っ最中だったが、元勇者と名乗る勇護とその奥に囚われている人間達を見て、助ける事を確約する。

 そして数日の間、深夜の王宮宝物庫を荒らしては、ついでに地下牢を訪れて勇護と共に計画を練った。美裸は勇護達の開放ついでに、クーデターを起こして貰おうと考えていたのだ。

 そこで王宮に忍び込む度に各所に仕込みをした。開放された勇護達が最短で武具防具庫に行けるように、そしてその後、勇護達が憎き国王以下、王宮の者達を完全包囲出来るように計画を立てた。

 そして2人の計画は大成功となった。



 美裸達が、国境線を超えようとしたその時、ようやく後ろからエリスが声を掛けた。

「…美裸!!わたしも一緒に行くよ!!」

 エリスはずっと美裸達の後を隠れて追っていたが、出て行く良いタイミングが全くなかった。そして仕方なく、出て来るのが国境線を超える最後の段階になってしまったのだ。

「おっぱいエリス、やっと来たね~(笑)」
「おそかったですな~、おっぱいエリスさんや(笑)」
「…おっ、やっと乳担当が戻ってきたか(笑)。待っておったぞ(笑)?」
「…いや、アンタ達がおっぱいとか乳とか連呼するから出るタイミングが掴めなかったのよッ!!」

 ちゃんとツッコミを入れつつ、エリスが話を続ける。

「…借りを作ったまんまじゃ、ダメだからね。王宮もガタガタだからこの国にいる意味がないし、それに…」

 と言いつつ、エリスが話を続ける。

「…おっぱい担当とか乳がどうとかばっかりで、ちゃんと突っ込む人間もいないとこのPTカオスになるでしょ?だからわたしも行くよ…」

 エリスの言葉に、美裸が頷く。

「…じゃ、エリスも戻ったという事で、東を目指して皆で一緒にイキますか~(笑)?」

 従来のメンバーに、シルガモレル帝とゴーストダンサーズを加えた美裸達はマンスジー王国の国境線を超えると、東へと向かって旅に出た。
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