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海洋王国編
謎の集団。
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巨大ハエトリグサを倒し、モンスターの異常について話していた美裸達の前に突然、フードを被りマントを羽織った怪しい集団が現れた。
「…この魔力異常、お前達は何者か?」
そう問われた美裸が質問に質問で返す。
「皮被り…いやフードを被った怪しいおたく達の方こそ何者ですかね~(笑)」
美裸の質問に沈黙するフード達。しばらくして真ん中に立つフードの男が口を開く。
「…我々は『監視者』だ。この星で魔力異常が起きている。お前達が起こしたものか?」
そのフードを被った者の声は壮年の男のようだ。その隣にいたフードが突然声を上げる。
「…ちょっ、長官ッ!!この者達、異常な魔力を持っています!!通常の人間達ではありませんッ!!しかもレベルがッ…」
長官と呼ばれた真ん中にいるフードが、パニック気味に声を上げる隣のフードの男に落ち着いて話すように促す。
「落ち着け、何を騒いでいる?アイツらのレベルがどうした…?」
「こ、この者達のレベルがッ…な、70を超えています…!!この星の突然の魔力異常はこの者達が原因かと…」
その声が震えている。
「…バカな事を…計測器の故障であろう?このような小娘共に星を変える力など…」
瞬間、その計測器が手元から消えて驚くフード達。
「なッ、何だとッ!?計測器が消えたッ!?」
「ふ~ん、これがスカ〇ターですか~(笑)」
計測器は美裸の手元にあった。
「キサマッ、いつの間にッ!?」
長官の隣にいた男が叫ぶ。フード達がいるのは美裸の範囲内である。そのやり取りを聞いていた美裸は、スキルを使って計測器という名のスカウターを手元に引き寄せていた。
「…まぁ、わたしはこんなものなくてもスキルで情報が全部ミエルンデスけどね~(笑)」
そう言いつつ、美裸がスカウターを投げ返した瞬間、コニーがいきなりサンダーハリケーンで先制攻撃を喰らわせた。
「…何だッ!?何故幼児がこんな力を持っているッ!?」
雷撃と呪いの効果がコニーの回転攻撃と共に辺り一帯に拡がっていく。長官が何とか防御シールドでコニーの攻撃を止めたものの、フード達は数十メートル後退させられた。
「…まさか我々がこれ程まで後退させられるとはッ!!ヤツらの力はどうなっているのだッ!?」
距離が離れたその直後に、叫ぶフード長官達の頭上に巨大な岩が無数に降って来た。
頭上を見たフード達が突然の巨大岩石の出現に色めき立つ。
「…こ、これはッ!?全員でシールドを展開しろッ…ぐっ、コイツらッ…!!」
フード達が全力シールドで防御しているのはエリスが発動した石魔法『スターダストレイン』だ。
「美裸、アイツらコニーとわたしの攻撃防御したけど…どうする?」
「さすがレベル80以上あるヤツらだよね~、後はわたしがやるよ~(笑)」
美裸は事前にフード達だけ時間を止めていた。3人と2匹、シルガモレル、ゴーストダンサーズで目の前のフード達をどうするか相談していたのだ。
『監視者』とは何者なのか?何者かは判らなかったが怪しいヤツらに違いはない。と言う事で、取り敢えず攻撃する事にした。
エリスの魔法を全力で防御するフード達。そこに新たにフードが現れた。
「…こ、これはッ!?どうなっているのですッ!?」
「それは後で説明するッ!!報告しろッ!!」
「はッ!!大陸北にも魔力異常を発見、強大なモンスターが出現しています!!」
フードの長官はエリスの魔法が消えるまで受け切った後、叫ぶ。
「一旦退避だッ!!ここは放っておいて大陸北の調査に向かうッ!!」
美裸がフード達を追撃しようとしたその瞬間、その場からフード達は消えた。
「美裸、アイツら消えたッ!?」
「う~ん、上空に何かあるね~、そこに逃げたみたいだね~(笑)」
その言葉に空を見上げたコニーが問う。
「みら、そらの上に何かあるか?」
「美裸、それって飛行機?見えないけどステルスみたいなもの?」
「いや、もっと上だね~。これは…おぉっ、宇宙船かな~(笑)?」
「えッ!?宇宙船ッ!?て事はさっきのヤツら…宇宙人ッ!?」
「…かもね~、監視ってそういう意味なのか~…」
「みら、えりす、うちゅうじんって何だ?」
コニーの問いに答える美裸。
「この星の外にいる生き物の事だよ~」
「あいつら、うちゅうにすんでるのか?」
コニーの疑問にエリスが答えた。
「正確には他の星に住んでるのよ。他の星に住んでるアイツらがこの星を監視しているって事なのよ」
「かんしってなんだ?」
「宇宙船に乗ってこの星がどうなってるか見ている事だよ~(笑)。しかし、そんなヤツらがいたとはびっくりだね~(笑)」
3人が話していると、そこに確認に行ったシルガモレル達が戻って来た。
「美裸よ、確かに宇宙船らしき飛行体を確認した。あの様なものを作りこの星までやってくるとは…油断ならぬ存在だぞ?」
「…やっぱりありましたか~(笑)。話している感じからして元からここにいたって感じじゃなかったしね~」
「これからどうする?アイツら追う?北に行くって言ってたけど…?」
「いや、まずはフリンナ王国潰すのが先だね~(笑)。こっちは放っとくって言ってたし(笑)」
「…じゃ、一旦戻ろう。さっきの蜥蜴モンスターのせいでかなり疲れたよ…」
「コニーもおなかすいた。おひるごはん食べたい」
と言う事で一行は謎のフード達を撃退した後、大陸側にあるフリンナ王国の港街に戻る事にした。
その時、フリンナ王国の動きを偵察していたダンサーズの一人が報告に戻ってきた。ダンサーズの報告を受けたシルガモレルが王女達の動きを伝える。
「美裸よ、王女達が調査員とハンターを連れてマンチラー島に調査に入った様だぞ?」
「早くない?閉じ込めても一日や二日じゃわたし達、死なないよね(笑)?」
「だよね~(笑)。早くお宝回収したいんだろうね~」
「みら、えりす、戻るか?」
「そうだね~。王女達がいない間にちょっと仕事終わらせますか~(笑)?」
「じゃ、すぐにフリンナ王国の本島に行くの?」
エリスの問にニヤッと笑う美裸。
「取り敢えず港街に一度戻るナリ~(笑)」
そう言うと美裸はすぐにスキルを展開した。その瞬間、一行はその場から消えた。
◇
美裸のレベルアップしたスキルを使って一気にフリンナ王国の港街に戻った一行はお昼ご飯に海鮮塩焼そばを食べていた。
「…それにしても美裸のスキル、ヤバいよね(笑)?」
「みら、すごい!!すぐもどって来れた(笑)!!」
「まぁね~(笑)。またレベル上がってスキルも強化されたからね~(笑)」
先程のハエトリグサとの戦闘、その後のフード達との一戦で更に美裸のレベルは更に上がっていた。現在、美裸のレベルは277だ。
透過モードの範囲拡大、遠隔攻撃力の上昇に加えて遠隔からの物品回収が可能になった。更に自らも含めて対象を指定して遠距離を移動させる事も出来るようになっていた。
ここから動かずとも性感媚薬も回収出来るようになったと笑う美裸。昼食の後、美裸達は宿屋の部屋に戻ってコニーとぺろす、だいふくにお昼寝をさせる。
その後、美裸とエリスは部屋に付いている広いテラスへ出た。そこで美裸が強化されたスキルを発動した。
「もう、美裸のその能力、どんな能力が付いても不思議じゃないよね(笑)?」
「そうですな~、何でもアリアリだからね~(笑)。さて、まずはここから性感媚薬、全部回収してやりますか~(笑)」
笑いながら美裸はスキルでどんどん性感媚薬を回収しては縮小する。今や透過モードを使うとこの王国一帯が上から3Dマップの様に見渡せるのだ。その地下組織の性感媚薬をテラスに出ていたエリスが引き攣った笑いのまま燃やしていた。
◇
その頃、マンチラー島に上陸した包帯グルグル王女達は地下階段のあった例の洞窟にいた。今回は調査員100人、護衛ハンター30人と大規模な調査だ。
美裸達を相手にしている王女達は念には念を入れて大人数で調査に来たのだ。
「…王女、確認に来るのが早すぎる気がしますが…」
メガネの侍女に突っこまれた王女が得意気に言い放つ。
「丸1日ここに閉じ込めて置けば十分でしょ?今頃、アイツら空腹でグッタリしてるわよ(笑)!!」
そう言いつつ笑う王女。その時、突如として轟音と共に大爆発が起きた。突然の爆発にそこにいる全員に緊張が走る。
「何ッ!?何があったのよッ!?」
驚く王女と侍女達。見ると入り口を塞いでいた大きな岩を動かした瞬間、岩が大爆発を起こしたのだ。その爆発で一部の調査員とハンターが負傷した。
「なんで岩が爆発するのよッ!?」
「わたしが確認して参ります…」
メガネの侍女が爆発の影響で負傷した調査員とハンターの救助を手伝いつつ状況を確認した。調査員もハンターもパニックの中にいたが、ただ一人落ち着いて対処している者がいた。
ここ最近、この国に流れて来たヒューガー・ロイドという男だ。ヒューガーは負傷した調査員とハンターを下げさせると爆発した岩と入り口の階段をスキルを使って確認する。
そのヒューガーにメガネの侍女が何があったのか確認している。ヒューガーに話を聞いたメガネの侍女は戻ってくると王女に報告した。
「…王女、ここは危険です。ヒューガーさんによると階段に侵入した瞬間にトラップが発動する仕掛けになっているようです…」
「…そんなッ!!アイツらはどうしたのよッ!?この下で飢えてへばってんじゃないのッ!?」
「…解りません。ただ言えるのは恐らく飢えてもいないしここにはいない可能性が高いという事です…」
「じゃあ、アイツらはどこへ行ったのよ!?あんな大きな岩、動かせる訳ない…」
話をする王女と侍女達の方へハンターと調査員達と共に戻ってくるヒューガー。
「…王女さん、調査は終わりだ。あの中は下までトラップだらけだからな…入った瞬間、死は確定だ」
「そんなッ!!アンタ達は雇われ者でしょうがッ!!これは王宮からの命令よッ!!アンタ達今すぐ調査を再開しなさいッ!!」
激昂する王女を静かに通り過ぎるヒューガー。
「…俺はまだ死にたくないんでな。やるなら王女さん達でやりな。俺達は帰る…」
その言葉に呆然とする王女。
最初の一撃で衝撃を受けた調査員とハンターは全員ヒューガーと共に船に戻っていく。
「そんなッ!!アンタ達ッ…!!」
尚も呼び止めようとする王女に向かって、伝令が走って来た。
「王女ッ!!大変ですッ!!王宮の地下がッ…」
「王宮の地下がどうしたのよッ!?」
「むちゃくちゃになってますッ!!勝手に物が動き出し、裏組織のアジトが…全壊しました…」
その報告に王女は言葉を失った。
「…この魔力異常、お前達は何者か?」
そう問われた美裸が質問に質問で返す。
「皮被り…いやフードを被った怪しいおたく達の方こそ何者ですかね~(笑)」
美裸の質問に沈黙するフード達。しばらくして真ん中に立つフードの男が口を開く。
「…我々は『監視者』だ。この星で魔力異常が起きている。お前達が起こしたものか?」
そのフードを被った者の声は壮年の男のようだ。その隣にいたフードが突然声を上げる。
「…ちょっ、長官ッ!!この者達、異常な魔力を持っています!!通常の人間達ではありませんッ!!しかもレベルがッ…」
長官と呼ばれた真ん中にいるフードが、パニック気味に声を上げる隣のフードの男に落ち着いて話すように促す。
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「こ、この者達のレベルがッ…な、70を超えています…!!この星の突然の魔力異常はこの者達が原因かと…」
その声が震えている。
「…バカな事を…計測器の故障であろう?このような小娘共に星を変える力など…」
瞬間、その計測器が手元から消えて驚くフード達。
「なッ、何だとッ!?計測器が消えたッ!?」
「ふ~ん、これがスカ〇ターですか~(笑)」
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「…まぁ、わたしはこんなものなくてもスキルで情報が全部ミエルンデスけどね~(笑)」
そう言いつつ、美裸がスカウターを投げ返した瞬間、コニーがいきなりサンダーハリケーンで先制攻撃を喰らわせた。
「…何だッ!?何故幼児がこんな力を持っているッ!?」
雷撃と呪いの効果がコニーの回転攻撃と共に辺り一帯に拡がっていく。長官が何とか防御シールドでコニーの攻撃を止めたものの、フード達は数十メートル後退させられた。
「…まさか我々がこれ程まで後退させられるとはッ!!ヤツらの力はどうなっているのだッ!?」
距離が離れたその直後に、叫ぶフード長官達の頭上に巨大な岩が無数に降って来た。
頭上を見たフード達が突然の巨大岩石の出現に色めき立つ。
「…こ、これはッ!?全員でシールドを展開しろッ…ぐっ、コイツらッ…!!」
フード達が全力シールドで防御しているのはエリスが発動した石魔法『スターダストレイン』だ。
「美裸、アイツらコニーとわたしの攻撃防御したけど…どうする?」
「さすがレベル80以上あるヤツらだよね~、後はわたしがやるよ~(笑)」
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「それは後で説明するッ!!報告しろッ!!」
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「美裸、それって飛行機?見えないけどステルスみたいなもの?」
「いや、もっと上だね~。これは…おぉっ、宇宙船かな~(笑)?」
「えッ!?宇宙船ッ!?て事はさっきのヤツら…宇宙人ッ!?」
「…かもね~、監視ってそういう意味なのか~…」
「みら、えりす、うちゅうじんって何だ?」
コニーの問いに答える美裸。
「この星の外にいる生き物の事だよ~」
「あいつら、うちゅうにすんでるのか?」
コニーの疑問にエリスが答えた。
「正確には他の星に住んでるのよ。他の星に住んでるアイツらがこの星を監視しているって事なのよ」
「かんしってなんだ?」
「宇宙船に乗ってこの星がどうなってるか見ている事だよ~(笑)。しかし、そんなヤツらがいたとはびっくりだね~(笑)」
3人が話していると、そこに確認に行ったシルガモレル達が戻って来た。
「美裸よ、確かに宇宙船らしき飛行体を確認した。あの様なものを作りこの星までやってくるとは…油断ならぬ存在だぞ?」
「…やっぱりありましたか~(笑)。話している感じからして元からここにいたって感じじゃなかったしね~」
「これからどうする?アイツら追う?北に行くって言ってたけど…?」
「いや、まずはフリンナ王国潰すのが先だね~(笑)。こっちは放っとくって言ってたし(笑)」
「…じゃ、一旦戻ろう。さっきの蜥蜴モンスターのせいでかなり疲れたよ…」
「コニーもおなかすいた。おひるごはん食べたい」
と言う事で一行は謎のフード達を撃退した後、大陸側にあるフリンナ王国の港街に戻る事にした。
その時、フリンナ王国の動きを偵察していたダンサーズの一人が報告に戻ってきた。ダンサーズの報告を受けたシルガモレルが王女達の動きを伝える。
「美裸よ、王女達が調査員とハンターを連れてマンチラー島に調査に入った様だぞ?」
「早くない?閉じ込めても一日や二日じゃわたし達、死なないよね(笑)?」
「だよね~(笑)。早くお宝回収したいんだろうね~」
「みら、えりす、戻るか?」
「そうだね~。王女達がいない間にちょっと仕事終わらせますか~(笑)?」
「じゃ、すぐにフリンナ王国の本島に行くの?」
エリスの問にニヤッと笑う美裸。
「取り敢えず港街に一度戻るナリ~(笑)」
そう言うと美裸はすぐにスキルを展開した。その瞬間、一行はその場から消えた。
◇
美裸のレベルアップしたスキルを使って一気にフリンナ王国の港街に戻った一行はお昼ご飯に海鮮塩焼そばを食べていた。
「…それにしても美裸のスキル、ヤバいよね(笑)?」
「みら、すごい!!すぐもどって来れた(笑)!!」
「まぁね~(笑)。またレベル上がってスキルも強化されたからね~(笑)」
先程のハエトリグサとの戦闘、その後のフード達との一戦で更に美裸のレベルは更に上がっていた。現在、美裸のレベルは277だ。
透過モードの範囲拡大、遠隔攻撃力の上昇に加えて遠隔からの物品回収が可能になった。更に自らも含めて対象を指定して遠距離を移動させる事も出来るようになっていた。
ここから動かずとも性感媚薬も回収出来るようになったと笑う美裸。昼食の後、美裸達は宿屋の部屋に戻ってコニーとぺろす、だいふくにお昼寝をさせる。
その後、美裸とエリスは部屋に付いている広いテラスへ出た。そこで美裸が強化されたスキルを発動した。
「もう、美裸のその能力、どんな能力が付いても不思議じゃないよね(笑)?」
「そうですな~、何でもアリアリだからね~(笑)。さて、まずはここから性感媚薬、全部回収してやりますか~(笑)」
笑いながら美裸はスキルでどんどん性感媚薬を回収しては縮小する。今や透過モードを使うとこの王国一帯が上から3Dマップの様に見渡せるのだ。その地下組織の性感媚薬をテラスに出ていたエリスが引き攣った笑いのまま燃やしていた。
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その頃、マンチラー島に上陸した包帯グルグル王女達は地下階段のあった例の洞窟にいた。今回は調査員100人、護衛ハンター30人と大規模な調査だ。
美裸達を相手にしている王女達は念には念を入れて大人数で調査に来たのだ。
「…王女、確認に来るのが早すぎる気がしますが…」
メガネの侍女に突っこまれた王女が得意気に言い放つ。
「丸1日ここに閉じ込めて置けば十分でしょ?今頃、アイツら空腹でグッタリしてるわよ(笑)!!」
そう言いつつ笑う王女。その時、突如として轟音と共に大爆発が起きた。突然の爆発にそこにいる全員に緊張が走る。
「何ッ!?何があったのよッ!?」
驚く王女と侍女達。見ると入り口を塞いでいた大きな岩を動かした瞬間、岩が大爆発を起こしたのだ。その爆発で一部の調査員とハンターが負傷した。
「なんで岩が爆発するのよッ!?」
「わたしが確認して参ります…」
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ここ最近、この国に流れて来たヒューガー・ロイドという男だ。ヒューガーは負傷した調査員とハンターを下げさせると爆発した岩と入り口の階段をスキルを使って確認する。
そのヒューガーにメガネの侍女が何があったのか確認している。ヒューガーに話を聞いたメガネの侍女は戻ってくると王女に報告した。
「…王女、ここは危険です。ヒューガーさんによると階段に侵入した瞬間にトラップが発動する仕掛けになっているようです…」
「…そんなッ!!アイツらはどうしたのよッ!?この下で飢えてへばってんじゃないのッ!?」
「…解りません。ただ言えるのは恐らく飢えてもいないしここにはいない可能性が高いという事です…」
「じゃあ、アイツらはどこへ行ったのよ!?あんな大きな岩、動かせる訳ない…」
話をする王女と侍女達の方へハンターと調査員達と共に戻ってくるヒューガー。
「…王女さん、調査は終わりだ。あの中は下までトラップだらけだからな…入った瞬間、死は確定だ」
「そんなッ!!アンタ達は雇われ者でしょうがッ!!これは王宮からの命令よッ!!アンタ達今すぐ調査を再開しなさいッ!!」
激昂する王女を静かに通り過ぎるヒューガー。
「…俺はまだ死にたくないんでな。やるなら王女さん達でやりな。俺達は帰る…」
その言葉に呆然とする王女。
最初の一撃で衝撃を受けた調査員とハンターは全員ヒューガーと共に船に戻っていく。
「そんなッ!!アンタ達ッ…!!」
尚も呼び止めようとする王女に向かって、伝令が走って来た。
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