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第82話 グライムに教えられる 2
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再び、物流倉庫建設現場。
建設現場を囲む防音と防塵の為に立てられたフェンス、防音壁は背が高くまるで外からの目隠しとしての役割を担っているようだった。
大型重機の出入りも可能となる折り畳み開閉出来る門扉を潜ると、予定としては倉庫の玄関口、車が行き交うロータリーとなる場所で大勢の見知らぬ人が侵入者を待ち構えていた。
髪の毛から服まで色取り取りの集団は、金属バットや鉄パイプ、錆びついたチェーンなど各々武器を携えて今か今かといきり立っている。
武器を持たず素手で赴こうとしてる者などは、指の間接を鳴らしたり、首を横に振りゴキゴキと音を鳴らして荒ぶっているとアピールし続けている。
その先頭に立つのは、顔面を大きく腫らした剣崎晃司。
昼間冠泰平プロレス前で行われた襲撃戦で受けた傷は癒えることなく、脇腹の痛みだけで気を失いそうになっていた。
しかし、名誉挽回、汚名返上、その機会を進言したのも剣崎自身であった。
一度負けた程度で投げ出していては、グラップル羽姫を世の中に広めるという野望は達成できない。
まず自分が強いものであると証明し、その上で羽姫の選手達を従え育てていく必要がある。
剣崎はその一心で、真っ先に手柄を立てれるようにと先頭で待ち構えていた。
侵入者が誰とも知ることはない。
来た奴を叩きのめせば栄誉を得ることが出来、見知らぬ人での地位と権力を得ることが出来る。
なので、剣崎は侵入してきた者が平田文哉だと気づいた時に意表をつかれたのと同時に、鴨が葱を背負ってきたというラッキーを感じていた。
文哉に対して昨日軽々と負かした相手だと認識してる剣崎は、両手を広げ威嚇しながら歩み寄った。
「何だよ、平田じゃねぇか。何しに来たんだ、こんなとこに? あぁ? 死にに来たのか、勘違い野郎!!」
文哉より頭一つ背の高い剣崎が、見下す様に睨みつける。
文哉の後ろから歩いてくる男二人にも視線をやり、一方の大男の存在に気づく。
昨日の夜、後ろから殴り倒したヤクザの一人だ。
もちろん後ろからだったので顔に見覚えはないが、その体格と服装に見覚えがあった。
「あぁ? 弱いもん同士でつるんでるのかよ。仲間がいるから今度は勝てるとか考えてんのか、勘違いが甚だしいな、オイッ!」
嗤う剣崎。
後ろに待ち構えてる他のメンバーもつられて笑いを漏らす。
「あん? 誰かと思ったら、テメェ昨日後ろから殴ってきたヤツか。姿見てねぇから探しようがなかったが、そっちから出てきてくれるとは好都合。オイ、平田のニィチャン、そいつは俺が──」
平家がそう言って、文哉の肩を掴み前に乗り出そうとするも、文哉の身体は僅かに動いて肩を掴ませなかった。
半歩。
半歩の踏み込みから、急な角度で右足が弧を描く。
あ、と言葉を差し込む暇すら与えず文哉の上段回し蹴りは剣崎の顔面を捉えた。
腫れた顔面にトドメの一撃、ぐしゃりと歪む冷徹な一撃。
「邪魔だ」
他のメンバーよりも頭一つ二つ背の高い剣崎が、軽々しく吹っ飛ばされて行くのを見て背後で構える他のメンバーは息を飲む。
ヒュー、と口笛を鳴らし勝は、いいね、と 文哉の一撃を讃えた。
「雑魚に用はねぇ、死にたくなけりゃ黙ってろ」
文哉に睨まれ押し黙る見知らぬ人の面々。
この程度でビビるくらいなら、こんなとこに来なければいいのに。
文哉はそう思ったが、クスリと金という餌に釣られてやってきた連中は次第に葛藤を乗り越えヤケクソになっていく。
餌のためとはいえボコされるのは嫌だが、ここでまんまと素通りさせようものなら最悪頭を銃で射ぬかれる。
もう引けないとこまで来ちまってる、その自覚がビビる身体を奮い起たせ、雄叫びのような声を上げさせる。
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ。
誰が発したか定かではないが、見知らぬ人の一人が発したその雄叫びは闘いの開始の合図となった。
迫り来る金属バット持ち、その先陣を切る茶髪の男に対して文哉と勝の二人の間を縫って前蹴りをぶつける平家。
「よぉニィチャンら、この中で一番ダメージのすくねぇのは俺みたいだからよ。雑魚散らしは、俺に任せてもらおうか」
平家は背中越しに勝と文哉に指示を出す。
見知らぬ人の先陣部隊を越えた先、敷地内で一番大きな建物の入り口を指差す。
工事現場──敷地内には三つの大きな建物が建設途中だったが、どうやら本丸はその差した建物のようだと、入り口で待ち構えるチンピラの数でわかる。
「ニィチャンらは、真っ直ぐあの建物に向かえ。お嬢と村山ちゃんはあの建物の中にいる可能性が高そうだ」
一人目の茶髪を前蹴りで押し倒すとそのまま顔面を踏みつけ戦意を喪失させ、すかさず二人目の茶髪を殴りにいく平家。
顔面を殴りつけたあと、その茶髪の腕を掴みジャイアントスイングのように身体を振り回す。
豪快なスイングに巻き込まれないようにと、見知らぬ人の面々は退いて道が開けた。
開いた道にすかさず勝と文哉は駆け出した。
通りすがりに近寄るチンピラを蹴り倒しながら、真っ直ぐ入り口へと走っていく。
建設現場を囲む防音と防塵の為に立てられたフェンス、防音壁は背が高くまるで外からの目隠しとしての役割を担っているようだった。
大型重機の出入りも可能となる折り畳み開閉出来る門扉を潜ると、予定としては倉庫の玄関口、車が行き交うロータリーとなる場所で大勢の見知らぬ人が侵入者を待ち構えていた。
髪の毛から服まで色取り取りの集団は、金属バットや鉄パイプ、錆びついたチェーンなど各々武器を携えて今か今かといきり立っている。
武器を持たず素手で赴こうとしてる者などは、指の間接を鳴らしたり、首を横に振りゴキゴキと音を鳴らして荒ぶっているとアピールし続けている。
その先頭に立つのは、顔面を大きく腫らした剣崎晃司。
昼間冠泰平プロレス前で行われた襲撃戦で受けた傷は癒えることなく、脇腹の痛みだけで気を失いそうになっていた。
しかし、名誉挽回、汚名返上、その機会を進言したのも剣崎自身であった。
一度負けた程度で投げ出していては、グラップル羽姫を世の中に広めるという野望は達成できない。
まず自分が強いものであると証明し、その上で羽姫の選手達を従え育てていく必要がある。
剣崎はその一心で、真っ先に手柄を立てれるようにと先頭で待ち構えていた。
侵入者が誰とも知ることはない。
来た奴を叩きのめせば栄誉を得ることが出来、見知らぬ人での地位と権力を得ることが出来る。
なので、剣崎は侵入してきた者が平田文哉だと気づいた時に意表をつかれたのと同時に、鴨が葱を背負ってきたというラッキーを感じていた。
文哉に対して昨日軽々と負かした相手だと認識してる剣崎は、両手を広げ威嚇しながら歩み寄った。
「何だよ、平田じゃねぇか。何しに来たんだ、こんなとこに? あぁ? 死にに来たのか、勘違い野郎!!」
文哉より頭一つ背の高い剣崎が、見下す様に睨みつける。
文哉の後ろから歩いてくる男二人にも視線をやり、一方の大男の存在に気づく。
昨日の夜、後ろから殴り倒したヤクザの一人だ。
もちろん後ろからだったので顔に見覚えはないが、その体格と服装に見覚えがあった。
「あぁ? 弱いもん同士でつるんでるのかよ。仲間がいるから今度は勝てるとか考えてんのか、勘違いが甚だしいな、オイッ!」
嗤う剣崎。
後ろに待ち構えてる他のメンバーもつられて笑いを漏らす。
「あん? 誰かと思ったら、テメェ昨日後ろから殴ってきたヤツか。姿見てねぇから探しようがなかったが、そっちから出てきてくれるとは好都合。オイ、平田のニィチャン、そいつは俺が──」
平家がそう言って、文哉の肩を掴み前に乗り出そうとするも、文哉の身体は僅かに動いて肩を掴ませなかった。
半歩。
半歩の踏み込みから、急な角度で右足が弧を描く。
あ、と言葉を差し込む暇すら与えず文哉の上段回し蹴りは剣崎の顔面を捉えた。
腫れた顔面にトドメの一撃、ぐしゃりと歪む冷徹な一撃。
「邪魔だ」
他のメンバーよりも頭一つ二つ背の高い剣崎が、軽々しく吹っ飛ばされて行くのを見て背後で構える他のメンバーは息を飲む。
ヒュー、と口笛を鳴らし勝は、いいね、と 文哉の一撃を讃えた。
「雑魚に用はねぇ、死にたくなけりゃ黙ってろ」
文哉に睨まれ押し黙る見知らぬ人の面々。
この程度でビビるくらいなら、こんなとこに来なければいいのに。
文哉はそう思ったが、クスリと金という餌に釣られてやってきた連中は次第に葛藤を乗り越えヤケクソになっていく。
餌のためとはいえボコされるのは嫌だが、ここでまんまと素通りさせようものなら最悪頭を銃で射ぬかれる。
もう引けないとこまで来ちまってる、その自覚がビビる身体を奮い起たせ、雄叫びのような声を上げさせる。
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ。
誰が発したか定かではないが、見知らぬ人の一人が発したその雄叫びは闘いの開始の合図となった。
迫り来る金属バット持ち、その先陣を切る茶髪の男に対して文哉と勝の二人の間を縫って前蹴りをぶつける平家。
「よぉニィチャンら、この中で一番ダメージのすくねぇのは俺みたいだからよ。雑魚散らしは、俺に任せてもらおうか」
平家は背中越しに勝と文哉に指示を出す。
見知らぬ人の先陣部隊を越えた先、敷地内で一番大きな建物の入り口を指差す。
工事現場──敷地内には三つの大きな建物が建設途中だったが、どうやら本丸はその差した建物のようだと、入り口で待ち構えるチンピラの数でわかる。
「ニィチャンらは、真っ直ぐあの建物に向かえ。お嬢と村山ちゃんはあの建物の中にいる可能性が高そうだ」
一人目の茶髪を前蹴りで押し倒すとそのまま顔面を踏みつけ戦意を喪失させ、すかさず二人目の茶髪を殴りにいく平家。
顔面を殴りつけたあと、その茶髪の腕を掴みジャイアントスイングのように身体を振り回す。
豪快なスイングに巻き込まれないようにと、見知らぬ人の面々は退いて道が開けた。
開いた道にすかさず勝と文哉は駆け出した。
通りすがりに近寄るチンピラを蹴り倒しながら、真っ直ぐ入り口へと走っていく。
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