2 / 5
君のためにやってきた、パパとママ
しおりを挟む
ビービービーッ。
けたたましく鳴り響く警告音で目が覚めた。
コックピット内が警告のランプで赤く照らされる。
何が何だと回らない頭で、目の前のモニターを見ると敵機接近の警告文が表示されている。
ロックされているぞ!、と搭載のAIが馴れ馴れしく怒鳴っているが五体満足ならない機体でどう回避しろというのか。
しっかりしろ、まだやられていない!
AIの声か、自分の声か、それとも通信先の上官か。
誰の声とも判別つかないが、その言葉で自機がまだ何の損傷も受けていないことを認識する。
何だ、夢でも見ていたのか。
最後は迎えが来るとはいえロクでもない夢だ。
機体の損傷具合からして最悪を想定していた上での夢か、それとも宇宙空間で未来予知に目覚めたか。
正気を取り戻し機体を動かす。
AIの指示に従い上半身を横に反らすと、前面のモニターにバズーカの弾が通り過ぎていくのが見えた。
実際の映像を頭部カメラで撮影したのち、コンピューターでバーチャルに再現しなおした映像なのだと、訓練施設で聞いたことがある。
指導官の目を盗み欠伸を浮かべて聞いていたが、そこに僅かながらの誤差が生じることだけはハッキリと覚えている。
一呼吸、一秒、誤差に対して訪れない衝撃。
当たっていない、避けれたのか。
そう安堵するのも束の間、次のロックオンを警告する音。
当たり前か、一撃で助かるなんて戦場ではあり得ない。
今度はAIの指示より早く機体を動かす。
訓練施設で何度とやったシミュレーターを思い出す。
こっちが訓練施設上がりなら、向こうも同じ訓練施設上がりだろう。
昔々に戦争を経験した老兵は、宇宙の戦争についていけるほどタフではなかった。
欲されるのは何処の国も新兵だ、宇宙戦争用に仕立てあげられた商品だ。
地上戦に慣れた者ほど、宇宙は遠くなっていく。
二撃目も避けれた。
しかしながらやはり安堵する暇などは訪れない。
避けてばかりの防戦一方では、いずれ夢と同じ結果になってしまう。
未来予知というのは、規定路線というわけではないのだ。
まずは牽制の一撃。
機体が右手に持つ、マシンガンのトリガーを引く。
機体とパイロットの認識齟齬があってはならないと、コックピット内にあるトリガーも重さを感じる仕組みになっている。
弾が排出される度に揺れる腕、人差し指に力が入る。
前面に広がる宇宙空間、肉眼では捉えることは出来ないがモニターに映るレーダーに射程内の敵影が点滅している。
表示されたロックオンサイトに合わせて、トリガーを引く。
宇宙空間を縦横無尽に飛び交う敵機。
それを追いかけ、マシンガンを掃射していく。
追いかけ、掃射、追いかけ、掃射。
前面モニターに映る宇宙空間。
全天周囲モニターの足下部分には、月面が映り込んだ。
ああ、そういえば、月で追いかけっこしていたんだな。
状況を思い出す。
月面基地の争奪戦。
仲間数機と敵機に遭遇するも、偵察情報よりも多く配置されていた敵機。
仲間の奮闘もあったおかげで、こちらは自分一機に追い込まれたものの敵も残り二機にまで追い詰めれていた。
二機?
しまった、誘われていたのか。
そう気づくや刹那、モニターにロックオン警告音。
AIが注意喚起する馴れ馴れしい台詞を吐いてる途中、ぶったぎるように光が上から落ちてきた。
ビービービーッ。
機体を大きく揺らす衝撃に、脳震盪を起こしかけて一瞬意識が薄らぐ。
次に来る吐き気をどうにか我慢して、何が起きたかと確認するとモニターに映る機体の様子に喪失が表示される。
武器を構えていた右腕が肩からもがれた。
一撃でかよっ!、と驚く時間もまともにくれない続いての警告音。
鬼ごっこ、役目が交代した。
追いかけ回してた敵機が勢いよくこちらへと接近する。
二機で挟めるなら接近戦。
弾薬の消費は金がかかると口酸っぱく言われたのだろう。
どの国も財政事情は世知辛い。
AIの指示に従って距離を開ける為に、後方に下がろうと動かした瞬間。
時間差で爆発する、宇宙空間に放り出されたマシンガン。
爆発の衝撃を受けて、予期せぬ方向へ機体は流される。
オイ冗談だろ、と機体の制御に四苦八苦。
そこへ背面上部から空を薙ぐような音が聞こえる。
無音の宇宙空間の何を再現したのか?
モニターに映る、上から襲撃する敵機。
マシンガンの爆発に流されてなければ、その手に持つ斧に機体の頭部は真っ二つにされていただろう。
こんな時代に原始的な物を持たされてるな、お前の国は!
偶然救われた命に感謝しつつ、二機同時の攻撃に対処しなければならない危機を実感する。
大丈夫だ、落ち着け!
反撃の手段は何だ!?
モニターに指を這わし、画面を切り換える。
そこには親切丁寧に並ぶ武装リストと、喪失の文字が表示されていた。
けたたましく鳴り響く警告音で目が覚めた。
コックピット内が警告のランプで赤く照らされる。
何が何だと回らない頭で、目の前のモニターを見ると敵機接近の警告文が表示されている。
ロックされているぞ!、と搭載のAIが馴れ馴れしく怒鳴っているが五体満足ならない機体でどう回避しろというのか。
しっかりしろ、まだやられていない!
AIの声か、自分の声か、それとも通信先の上官か。
誰の声とも判別つかないが、その言葉で自機がまだ何の損傷も受けていないことを認識する。
何だ、夢でも見ていたのか。
最後は迎えが来るとはいえロクでもない夢だ。
機体の損傷具合からして最悪を想定していた上での夢か、それとも宇宙空間で未来予知に目覚めたか。
正気を取り戻し機体を動かす。
AIの指示に従い上半身を横に反らすと、前面のモニターにバズーカの弾が通り過ぎていくのが見えた。
実際の映像を頭部カメラで撮影したのち、コンピューターでバーチャルに再現しなおした映像なのだと、訓練施設で聞いたことがある。
指導官の目を盗み欠伸を浮かべて聞いていたが、そこに僅かながらの誤差が生じることだけはハッキリと覚えている。
一呼吸、一秒、誤差に対して訪れない衝撃。
当たっていない、避けれたのか。
そう安堵するのも束の間、次のロックオンを警告する音。
当たり前か、一撃で助かるなんて戦場ではあり得ない。
今度はAIの指示より早く機体を動かす。
訓練施設で何度とやったシミュレーターを思い出す。
こっちが訓練施設上がりなら、向こうも同じ訓練施設上がりだろう。
昔々に戦争を経験した老兵は、宇宙の戦争についていけるほどタフではなかった。
欲されるのは何処の国も新兵だ、宇宙戦争用に仕立てあげられた商品だ。
地上戦に慣れた者ほど、宇宙は遠くなっていく。
二撃目も避けれた。
しかしながらやはり安堵する暇などは訪れない。
避けてばかりの防戦一方では、いずれ夢と同じ結果になってしまう。
未来予知というのは、規定路線というわけではないのだ。
まずは牽制の一撃。
機体が右手に持つ、マシンガンのトリガーを引く。
機体とパイロットの認識齟齬があってはならないと、コックピット内にあるトリガーも重さを感じる仕組みになっている。
弾が排出される度に揺れる腕、人差し指に力が入る。
前面に広がる宇宙空間、肉眼では捉えることは出来ないがモニターに映るレーダーに射程内の敵影が点滅している。
表示されたロックオンサイトに合わせて、トリガーを引く。
宇宙空間を縦横無尽に飛び交う敵機。
それを追いかけ、マシンガンを掃射していく。
追いかけ、掃射、追いかけ、掃射。
前面モニターに映る宇宙空間。
全天周囲モニターの足下部分には、月面が映り込んだ。
ああ、そういえば、月で追いかけっこしていたんだな。
状況を思い出す。
月面基地の争奪戦。
仲間数機と敵機に遭遇するも、偵察情報よりも多く配置されていた敵機。
仲間の奮闘もあったおかげで、こちらは自分一機に追い込まれたものの敵も残り二機にまで追い詰めれていた。
二機?
しまった、誘われていたのか。
そう気づくや刹那、モニターにロックオン警告音。
AIが注意喚起する馴れ馴れしい台詞を吐いてる途中、ぶったぎるように光が上から落ちてきた。
ビービービーッ。
機体を大きく揺らす衝撃に、脳震盪を起こしかけて一瞬意識が薄らぐ。
次に来る吐き気をどうにか我慢して、何が起きたかと確認するとモニターに映る機体の様子に喪失が表示される。
武器を構えていた右腕が肩からもがれた。
一撃でかよっ!、と驚く時間もまともにくれない続いての警告音。
鬼ごっこ、役目が交代した。
追いかけ回してた敵機が勢いよくこちらへと接近する。
二機で挟めるなら接近戦。
弾薬の消費は金がかかると口酸っぱく言われたのだろう。
どの国も財政事情は世知辛い。
AIの指示に従って距離を開ける為に、後方に下がろうと動かした瞬間。
時間差で爆発する、宇宙空間に放り出されたマシンガン。
爆発の衝撃を受けて、予期せぬ方向へ機体は流される。
オイ冗談だろ、と機体の制御に四苦八苦。
そこへ背面上部から空を薙ぐような音が聞こえる。
無音の宇宙空間の何を再現したのか?
モニターに映る、上から襲撃する敵機。
マシンガンの爆発に流されてなければ、その手に持つ斧に機体の頭部は真っ二つにされていただろう。
こんな時代に原始的な物を持たされてるな、お前の国は!
偶然救われた命に感謝しつつ、二機同時の攻撃に対処しなければならない危機を実感する。
大丈夫だ、落ち着け!
反撃の手段は何だ!?
モニターに指を這わし、画面を切り換える。
そこには親切丁寧に並ぶ武装リストと、喪失の文字が表示されていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
花嫁
一ノ瀬亮太郎
歴史・時代
征之進は小さい頃から市松人形が欲しかった。しかし大身旗本の嫡男が女の子のように人形遊びをするなど許されるはずもない。他人からも自分からもそんな気持を隠すように征之進は武芸に励み、今では道場の師範代を務めるまでになっていた。そんな征之進に結婚話が持ち込まれる。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる